JPS6010644Y2 - 簡易な浄水器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は中空糸膜を用いた浄水器に関し、さらに詳しく
は、必要に応じて携帯し補助動力等を要せず使用できる
簡易な浄水器に関する。

ハイキング、登山、又は軍隊の行動中、さらには風水害
等の緊急時に、汚染された水から簡単に飲用に適する清
澄水が得られれば、至更であることは云うをまたない。

従来から、か）る問題のために各種の浄水器が提案され
ているが、いずれもエンジン、又はモーター等の補助動
力を用いて原水を濾過するなどのかなり大がかりなもの
である。

そのような装置では上述の緊急時や異常時には容易に使
用できず、いたずらに混乱を増大する可能性すらある。

本考案者らは、該問題を解決するため、各個人が携帯し
うるほと簡易な装置で、しかも緊急時の要求には十分応
じられる性能をもつ浄水器を提供すべく検討の結果、本
考案を完成した。

すなわち本考案は、一端封止又は略Ｕ字型の複数の中空
糸膜の開口端部を集束固定した中空糸膜モジュールを透
水性のガード内に収容し、さらに該中空糸膜モジュール
の接着端部に液密関係でヘッダ部と減圧吸引部を連接す
るとともに、該ヘッダ部と減圧吸引部との間に該減圧吸
引部が減圧状態となった時に閉止する逆止弁をそなえた
浄水排出口を設けたことを特徴とする簡易な浄水器であ
る。

本考案の浄水器は補助動力を使用せず、人の手又は足に
よる減圧力だけで作動することを原則とする。

すなわち、減圧吸引部は硬質ゴム又はプラスチックス等
で作られる球状体又は袋状体から戊り、それらを押圧し
内部空気を追出すと共に、該球状体又は袋状体の復元力
により生ずる減圧力で作動するか、ピストン部とシリン
ダ一部からなり、ピストンの運動により生ずる減圧力で
作動するものである。

か）る減圧力を用いるためエンジン又はモーター等の補
助動力を要せずに使用できる点が本考案の特長である。

本考案において用いられる中空糸膜は、いかなる素材で
もよいが、その性能は１００１： ／ｈｒ 、ａｔ、ｍ
、 ｄ又はそれ以上の透水性と０．２μ以下の分画性を
有することが必要である。

上述の透水性より低いものでは、人の力による減圧力に
よっては十分な透過浄水が得られず従来と同様の補助動
力を要することになる。

又分画性が大きい膜では除菌が不十分で飲用できない水
しか得られない。

か）る中空糸膜としてポリビニルアルコール系やポリア
クリロニトリル系、セルロースアセテート等の多孔質膜
が使用できる。

本考案の如き簡易浄水器はアイディアとしては容易にで
きるものであるが、実際にはか）る用途に適する中空糸
が入手できず実現されなかった。

しかるに本出願人の開発したＰＶＡ系多孔質中空糸膜は
上述の性能を有し、本考案の目的に十分応じられるもの
であることが判明し、はじめて本考案が完成できたので
ある。

中空糸膜以外の平膜やチューブラ型膜では装置の小型化
がむずかしく本考案の目的に適さない。

中空糸は必要な膜面積となるように束状にし、一端封止
又は略Ｕ字型にし、一端部はエポキシ樹脂又はポリウレ
タン等で接着し、中空糸開口端が得られるように切断す
る。

一回の使用で５００ｃｃの清澄水を得るためには５００
１ ／ｈｒ、ａｔｍ、 ７７Ｌ′の中空糸膜を用いると
、約０．０６〜０．３−の膜面積で十分である。

該中空糸膜モジュールは原水中に直接浸漬され減圧力に
より中空糸膜を透過した水が内部より捕集されるので、
中空糸膜モジュールが保存中又は使用に際して損傷しな
いようガードを持つことが望ましい。

そのために、透水性ガードを中空糸膜モジュールの外周
に設けることが望ましい。

透水性ガードはプラスチックスや金属製の多孔筒状体、
網筒状体又は多孔質の不織布等任意のものが使用できる
が、プラスチックスの多孔筒状体又は網筒状体のものが
、膜の保護及び透水性が大きい点で有利である。

中空糸膜モジュールの開口接着端部には接着又は螺合等
の任意の手段でヘッダ部が液密関係に取り付けられ、こ
のヘッダ部には、さらに上述した減圧吸引部が連接され
ている。

上記ヘッダ部と減圧吸引部とは一体に成型されていても
、ヘッダ部と減圧吸引部とを接着又は螺合等の任意の手
段で液密関係に連接されていてもよい。

該ヘッダ部と減圧吸引部との間には逆止弁をそなえた浄
水排出口が設けられている。

すなわち、減圧吸引部が減圧状態となった時は逆止弁が
閉じて浄水排出口を封じ、減圧力が専ら中空糸膜内面に
作用し、原水を透過させ、浄水を減圧吸引部に吸引する
。

次いで減圧吸引部を押圧又はピストンを押し下げること
により、逆止弁が開き浄水排出口が開いて浄水を排出す
る。

この際少量の浄水が膜を通して原水に戻るが、はとんど
無視できる程度である。

か）る操作をくり返すことにより、必要な浄水が得られ
る。

以下図面により説明する。

第１図は本考案の１例である袋状体を減圧吸引部に用い
た浄水器の断面を示す図である。

複数の中空糸膜１はその一端２を接着剤で封止され他端
は接着端部３で開口しており、その周囲を網状筒状体４
でガードされている。

接着端部３はへツタ部１０と連結しており、該ヘッダ部
にはさらに減圧吸引部５が連結されている。

そしてヘッダ部と減圧吸引部との間には逆止弁６をそな
えた浄水排出ロアが設けられている。

減圧吸引部の押圧をくり返すことにより、中空糸膜モジ
ユール外部の原水が濾過され清澄水が浄水排出口より得
られる。

第２図は本考案の他の一例であるピストンを減圧吸引部
に用いた浄水器の断面を示す図である。

シリング８とその内に設けられたピストン９をｉ威圧吸
引部とし、網状筒状体の代りに孔あき円筒４をガードと
した他は第１図と同じであり、ピストンの上下動をくり
返すことにより、浄水排出ロアより清澄水が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案装置の１例を示す断面図であ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端封止又は略し字型の複数の中空糸膜の開口端部を集
   束固定した中空糸膜モジュールを透水性を有する筒状の
   ガード内に収容し、さらに該中空糸膜モジュールの接着
   端部に液密関係でヘッダ部と減圧吸引部を連接するとと
   もに、該ヘッダ部と減圧吸引部との間に該減圧吸引部が
   減圧状態となった時に閉止する逆止弁をそなえた浄水排
   出口を設けたことを特徴とする簡易な浄水器。