JPS6010470Y2 - 経筒 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は経文を入れる経筋に関する。

経筋は書写した経文を納入して経塚に埋納するための容
器であり、経を守護して長く後世に伝え、保存すること
を目的として平安中期に唐から伝えられたものである。

そして、後にみずからの祈願や先霊の追福のためにも使
用されるようになった。

この経筋は、縦長の円筒形を呈し主として銅製、場合に
よって鉄、陶、石製も提供されている。

そして、蓋はその上につけた鉗（ちゆう）の形状によっ
て組輪形、宝珠形等が提供される。

このような従来提供されてきた経筋は、その蓋が単に本
体に嵌合されるだけのものであるから、虫、雨水等の侵
入により納入される経文の保存が極度に悪くなるという
不都合を有する。

そこで、前記不都合を解消すべくこの考案は案出された
もので、その要旨は、蓋と縦長筒状に形成した経筋本体
とを金属若しくは合成樹脂にて構威し、前記経筋本体内
には経筋本体の内周面形状に合致した外周面を有する銅
製の中箱を装入し、前記経筋本体の開口周縁と蓋の内周
縁とはネジを形成すると共に経筋本体と蓋との当接端面
間にはパツキンを配設したことに存するものである。

以下、この考案の実施例を図面に基づいて説明する。

図において１は経筋本体であり、縦長の有底筒状に形成
される。

この経筋本体１の開口外周縁にはネジ部２を形成し、こ
のネジ部２と蓋３に形成したネジ部４との螺合によって
蓋４を経筋本体１に固定する。

尚、経筋本体１及び蓋３は黄銅、ステンレス鋼等の金属
、若しくは合成樹脂で形成され、必要に応じてその表面
にメッキ処理、塗装等を施す。

そして、経筋本体１と蓋２との当接端面間にはＯリング
等で成るパツキン５を配設する。

更に、経筋本体内には、この経筋本体１の内周面形状に
合致した外周面を有する銅製の中箱６を装入する。

尚、中箱６の正面には納められる経文名や願生名等を記
入し、また、経筋本体１には必要に応じてその家の宗旨
を表示する梵字を刻設しても良いまた、Ｍ３の取付に際
してはネジ部２，４に接着剤を塗布してその密封性を一
層向上させるようにしても良い。

この考案は成上のように構成し、蓋３と縦長筒状に形成
した経筋本体１とを設け、この経筋本体１の開口周縁と
蓋３の内周縁とにネジ部２，４を形成して互いを螺合し
たから、蓋３と経節本体１との嵌合を確実に行い、虫、
雨水等の侵入を抑えて納入される経文の腐蝕を防止でき
経文の長期間の保存が可能となる。

蓋３と縫部本体１とを金属若しくは合成樹脂にて構成し
たから、腐食することがなく内部の経文を長い期間に渡
り安定的に保存できる。

また、縫部本体１と蓋３との当接端面間にはＯリング等
で成るパツキン５を配設したから、縫部本体１と蓋３と
のより一層の密着が得られ、虫等の侵入がないばかりか
雨水の侵入も完全に阻止できるようになる。

更には、経筋本体１内には銅製の中箱６を装入したから
、銅製であることにより虫等の侵入を完全に防止できる
し、この桐材によっである程度の空気中の湿り気を吸収
して最適な保存湿度を維持できるものである。

しかも、中箱６は縫部本体１の内周面形状に合致した外
周面を有するよう形成したから、外部からの衝撃を和ら
げる効果が得られて、保存する経文を損傷することもな
い。

以上説明したようにこの考案によれば、縫部本体内に納
入した経文の保存状態を良好とできるものであり、実用
上極めて有益な考案である。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すもので、第１図は全体正
面図、第２図は縫部本体と蓋との縦断面図、第３図は他
の実施例を示す縦断面図である。 １・・・・・・縫部本体、２・・・・・・ネジ部、３・
・・・・・蓋、４・・・・・・ネジ部、５・・・・・・
パツキン、６・・・・・・中箱。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 蓋と縦長筒状に形成した経筋本体とを金属若しくは合成
   樹脂にて構成し、前記経筋本体内には経筋本体の内周面
   形状に合致した外周面を有する銅製の中箱を装入し、前
   記経筋本体の開口周縁と蓋の内周縁とはネジを形成する
   と共に経筋本体と蓋との当接端面間にはパツキンを配設
   したことを特徴とする経筋。