JPS59907Y2 - 真空吸引式排尿装置に於ける尿検知装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は寝たきり老人９重症患者、失禁患者等の排尿に
際して、排尿受器内に排尿された尿を、真空吸引により
強制的に輸尿チューブを通して尿タンクに排出すること
により、該輸尿チューブや尿タンクを前記排尿受器より
も下方に置けない場合にも排尿を逆流させることなく尿
タンクに排出可能とした真空吸引式排尿装置に於ける尿
検知装置に関するものである。

以下本考案を実施例を示す図面に基づいて詳細に説明す
ると次の通りである。

第１図は真空吸引式排尿装置の一例を示すもので、該真
空吸引式排尿装置は、床吸込開口部１と通気孔２を形成
した排尿受器３の尿出口４に輸尿チューブ５の一側を接
続し、該輸尿チューブ５の他側を尿タンク６に接続する
と共に、該尿タンクの上部に、真空吸引装置７に連なる
真空吸引チューブ８を接続して構成している。

該真空吸引式排尿装置は排尿時に前記真空吸引装置７を
作動させることにより、排尿受器３内に排尿された尿を
、前記通気孔２及び前記床吸込開口部１と排尿部位との
間の隙間から排尿受器３内に吸引された空気と一緒に強
制的に尿出口４から輸尿チューブ５に吸い込んで尿タン
ク６に排出し、該尿タンク６に於いて空気の分離して溜
めるものである。

尚、実施例中前記通気孔２は前記床吸込開口部１が真空
圧によって患者の排尿部位に吸い付くことを防止し、使
用感を良好にする為と、該床吸込開口部１を排尿部位に
隙間なく密着させて使用した場合でも、前記通気孔２か
ら吸入される空気によって、常時尿を運び得る風量を得
る為に設けたものである。

本考案は以上に示した様な真空吸引式排尿装置に於いて
、尿の流れを検知して前記真空吸引装置７を始動させる
為の尿検知装置に関するもので、その構成は次の通りで
ある。

符号９は尿を通過させる電気絶縁性の筒体であり、該筒
体９の内側に、対を威すリング状の電極部材１０．１０
’を、前記尿の流れ方向に間隔を置いて設置し、該電極
部材１０．１０’間の筒体部１１の内径ｄを該電極部材
１０．１０’の内径ｄ′よりも小さく構成すると共に、
少なくとも前記電極部材１０．１０’間の筒体部１１の
内側表面に、臨界表面張力が小さく液体がその表面を濡
らし難い材質で表面コーティングを施す。

符号１２が表面コーティング層を図式的に示すものであ
る。

かかる材質としては例えばポリ・テトラフルオロエチレ
ン（臨界表面張力１８〜１８．５ｄｙｎｅ／ｃｍ）、ポ
リ・メタクリル酸ペンタフルオロオクチル（臨界表面張
力１０．６ ｄｙｎｅ／ｃｍ）等の高分子材の他、臨界
表面張力が小さくて液体がその表面を濡らし難く、シか
も電気絶縁性を有するものであれば如何なる材質でも良
い。

かかる構成に於いて本考案の尿検知装置Ａは例えば筒体
９の一側ａを前記排尿受器３の尿出口４に、並びに他側
すを輸尿チューブ５に接続すると共に、前記電極部材１
０．１０’からのリード線１３．１３’を適宜構成のス
イッチング回路Ｃに接続して使用する。

尚、該尿検知装置Ａは上述した様に尿出口４と輸尿チュ
ーブ５間に接続する他、場合によっては此所に加えて輸
尿チューブ５の途中や、輸尿チューブ５と尿タンク６間
に接続しても良い。

かかる構成に於いて、患種が尿意を催した際には、把手
１４を持って尿吸込開口部１を排尿部位に当てて前記排
尿受器３内に排尿する。

しがして尿が尿出口４から筒体９内に流入し、対を威す
電極部材１０．１０’間を濡らすと、該電極部材１０．
１０’間の抵抗値を減少する。

そこでかかる電極部材１０．１０’間の抵抗値の減少に
よって適宜構成の前記スイッチング回路Ｃを動作させて
真空吸引装置７を始動する。

かかる際本考案の尿検知装置Ａは電極部材１０．１０’
がリング状であるので、尿が筒体９内側のどの個所を流
れても電極部材１０．１０’間を濡らすことができ、従
って少ない量の尿でも確実に検知することができる特徴
がある。

尚実施例に示すスイッチング回路Ｃでは、前記電極部材
１０．１０’のリード線１３．１３’を、スイッチング
用トランジスタＴＲのベース回路Ｃ１に連なる整流回路
Ｃ２の交流側に接続し、該電極部材１０．１０’間の尿
により抵抗値が減少した際に前記トランジスタＴＲにベ
ース電流を供給してスイッチング回路Ｃを動作させるも
のである。

かかる実施例では電極部材１０．１０’間に流れる尿の
検知電流が交流であるため、該電極部材１０．１０’が
電解腐食するのを防止することができる。

しかして排尿が終って排尿受器１内の尿が全て尿出口４
、筒体９を通って輸尿チューブ５に吸い込まれ、前記対
を威す電極部材１０．１０’間を濡らさなくなると、電
極部材１０．１０’間の抵抗値が再び増大する。

そこでかかる電極部材１０．１０’間の抵抗値の増大に
よって前記スイッチング回路Ｃを動作させて真空吸引装
置７の作動を停止させる。

かかる際、電極部材１０．１０’間を濡らして抵抗値を
減少させていた尿は、排尿の終了により、前記筒体９内
がら取り去られて輸尿チューブ５内に移行するが、電極
部材１０．１０’間の筒体部１１の内径ｄが該電極部材
１０．１０’の内径ｄ′よりも大きいか、あるいは同じ
程度であると、表面張力等によって尿が電極部材１０．
１０’間に薄膜状に残溜する場合があり、従って該電極
部材１０．１０’間の抵抗も低く維持されるので、排尿
が終ったのにも限らず真空吸引装置７が作動し続けてし
まうという不都合の生じる可能性がある。

しかるに、本考案は前述した様に電極部材１０゜１０′
間の筒体部１１の内径ｄを、該電極部材１０．１０’の
内径ｄ′よりも小さく構成しているので、尿が該電極部
材１０．１０’間の筒体部１１に残溜することがなく、
従って排尿後に於ける真空吸引装置７の自動停止を確実
に行なうことができる。

更に前記筒体１１の内側表面には、例えばポリ・テトラ
フルオロエチレン等の臨界表面張力が小さく、液体がそ
の表面を濡らし難い材質によって表面コーティングを施
しているので尿が電極部材１０．１０’間に薄膜状に残
溜することは一切なく、前述と併せて尿の流れの有無を
極めて確実に検知することができる。

本考案は以上の通り、尿の流れの有無を極めて確実に検
知することができるので、排尿受器内に排尿された尿を
、真空吸引により強制的に輸尿チューブを通して尿タン
クに排出する、寝たきり老人９重症患者、失禁患者等用
の真空吸引式排尿装置に於ける尿検知装置として最適で
あり、かかる排尿装置の自動操作を遠戚することができ
る効果がある。

【図面の簡単な説明】 図は本考案の一実施例を示すもので、第１図は本考案の
尿検知装置を排尿装置に取り付けた状態を示す全体説明
的斜視図、第２図は第１図の要部説明的断面図、第３図
はスイッチング回路の一側を示す説明図、第４図は排尿
装置の使用状態説明図である。 符号 １・・・・・・尿吸込開口部、２・・・・・・通
気孔、３・・・・・・排尿受器、４・・・・・・尿出口
、５・・・・・・輸尿チューブ、６・・・・・・尿タン
ク、７・・・・・・真空吸引装置、８・・・・・・真空
吸引チューブ、９・・・・・・筒体、１０．１０’・・
・・・電極部材、１１・・・・・・筒体部、１２・・・
・・・表面コーティング層、１３．１３′・・・・・・
リード線、１４・・・・・・把手、１５・・・・・・パ
ツキン、Ｃ・・・・・・チイツチング回路、Ｃ１・・・
・・・ベース回路、Ｃ２・・・・・・整流回路、ＴＲ・
・・・・・トランジスタ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 尿を通過させる電気絶縁性の筒体の内側に、対を威すリ
   ング状の電極部材を、前記尿の流れ方向に間隔を置いて
   設置し、該電極部材間の筒体部の内径を該電極部材の内
   径よりも小さく構成すると共に、少なくとも前記電極部
   材間の筒体部の内側表面に、臨界表面張力が小さく液体
   がその表面を濡らし難い材質で表面コーティングを施し
   、前記電極部材間に尿を介して検知体流を流すことによ
   り尿の流れを検知することを特徴とする真空吸引式排尿
   装置に於ける尿検知装置。