JPS596224Y2 - ヒ−トポンプ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は蒸発器の熱源としてＯ℃以下の外気を利用する
ヒートポンプ装置に関する。

蒸発器の熱源として外気を利用するヒートポンプ装置は
、地下水又は間接的にブラインを利用するヒートポンプ
装置と比較して設置場所や熱源に制限される事がない等
種々の面で有利であるが、該装置は蒸発器内に吸引され
る外気が０℃以下になると、該外気中の過冷却された水
分が蒸発器コイル及びフィン周囲に霜になって付着し、
その収熱効率が極度に低下するのみならず、霜の多量付
着により外気の通過が妨げられ、熱交換が全く出来なく
なる場合が存在する。

かかる欠点を解消する為、従来においては断続的に圧縮
器の運転を停止し、蒸発器内に吐出高温ガス又は温水等
を散布し、テ゛フロストを行なっているが、圧縮器を停
止し、デフロストを行なう事自体、エネルギーの無駄な
浪費であり、特に冬期、夜間の該気温がＯ℃以下となる
寒冷地において霜の大量付着により頻繁にデフロストを
行なわなければならず、効率の面からこのような外気熱
源を利用するヒートポンプ装置をそのまま寒冷地に設置
する事はほとんど不可能であった。

本考案はかかる従来技術の欠点に鑑み、蒸発器内コイル
表面に霜が付着する事なく、特に寒冷地に好適なヒート
ポンプ装置を提供する事を目的とし、その特徴とする所
は、蒸発器の熱源として０℃以下の外気を利用するヒー
トポンプ装置において、該外気中の過冷却された水分を
凝縮結氷させる無端状の捕捉部材を蒸発器吸込側に回動
可能に配置すると共に、該捕捉部材に付着した氷結晶を
機械的に除去する剥離部材を前記捕捉部材の氷結晶付着
面に当接した事にある。

以下図面に基づいて本考案を説明する。

第１図は本考案の一実施例に係るヒートポンプ装置１で
、モータ２により駆動される圧縮機３、凝縮器４、膨張
弁５、蒸発器６、及び該蒸発器６内に外気を吸引する為
のファン７等より構威され、前記蒸発器６の吸込側には
外気中の過冷却された水分を凝縮結氷させる捕捉部材８
が配置されている。

そして前記捕捉部材８は、外気中の過冷却された水分を
微細な結晶として捕捉する為、網目状に形或した無端状
ワイヤメッシュベルト８１と該ベルト８１を上下方向に
回動させる一対の回転部材８２とにより構戊され、そし
て該捕捉部材８は前記蒸発器６の吸引側のほぼ全面に亙
り位置する如く配置されている。

８３は、前記ベルト８１面に付着した氷結晶を削り取る
為、ブラシ面をベルト８１基部に当接させた剥離部材８
３で、該剥離部材８３は前記ベルト８１が蒸発器６吸込
側を回動し通過直後の回転部材８近傍に配設してある。

８４は前記剥離部材８３より落下した氷結晶を溜める受
け皿、８５は受け皿８４の底部に取り付けた溶氷装置で
ある。

次に、かかる構戊による作用を説明すると、回転捕捉部
材８の回転により無端状ワイヤメッシュベルト８１を上
下方向に回動させなからヒートポンプ装置を運転し、、
０℃以下の外気を蒸発器６内に吸引すると、該外気中の
過冷却された水分が無端状ワイヤメッシュベルト８１の
網目部分に凝縮結氷し、該ベルト８１表面に微細な氷結
晶として付着する。

そして前記水分が除去された乾燥した外気のみが前記ベ
ルト８１内を通過し、蒸発器６内に熱交換される。

従って、前記蒸発器６コイル表面には霜がほとんど付着
せず、伝熱効率が低下する事はない。

一方無端状ワイヤメッシュベルト８１表面に付着した氷
結晶は、該ベルト８１と共に回動しながらベルト８１基
部に当接させた剥離部材８３により剥離落下し、受け皿
８４に溜まる。

そして受け皿８４に溜まった氷結晶は溶氷装置８５によ
り溶融され下方に流出せしめる。

又前記剥離部材８３は前記ベルト８１が蒸発器６吸込側
を回動し通過直後の回転部材８２近傍に配設してある為
、前記ベルト８１表面に付着した氷結晶が完全にベルト
８１表面に固着する前に剥ぎ取る事が出来、剥離効率が
向上する。

第２図は本考案の他の実施例で、前記実施例との際を中
心に説明する。

即ち本実施例は無端状ワイヤメッシュベルト８１を蒸発
器６の外気吸入側と吐出側を跨いで配置すると共に、剥
離部材８３は、前記蒸発器６内を入る前の蒸発器６吸込
側を通過直後の回転部材８２近傍に配置する。

かかる構或によれば、蒸発器６内を通過して奪熱冷却さ
れた外気が、前記蒸発器６吐出側内を通過中のベルト８
１面に当たり、この結果、吸入時の外気温度より低い温
度に維持された前記ベルト８１が常に蒸発器６吸込側に
回動される為、該ベルト８１の捕捉効率が更に高まる。

又前記ベルト８１の回動により捕捉された氷結晶は、該
ベルト８１が前記蒸発器６吐出側に回動される前に剥離
部材８３により剥離される為、前記ベルト８１は氷が付
着する事なく前記蒸発器６吐出側に回動され、該ベルト
８１に氷結晶が固着される事はない。

以上記載した如く、本考案は蒸発器の熱源として０℃以
下の外気を利用するヒートポンプ装置において、該外気
中の過冷却された水分を凝縮結氷させる無端状の捕捉部
材を蒸発器吸込側に回動可能に配置すると共に、該捕捉
部材に付着した氷結晶を機械的に除去する剥離部材を前
記捕捉適材の氷結晶付着面に当接した為、蒸発器内コイ
ル表面に霜がほとんど付着する事なく良好な伝熱効率を
得る事が出米、この結果一々ヒートポンプ装置を止めて
デフロストを行なう必要がない為、連続運転が可能とな
り、エネルギーを効率的に利用出来る。

特に常時０℃以下の外気熱源しか利用出来ない寒冷地に
おいてはその実用価値は極めて高い。

又本考案によれば、連続して捕捉部材に付着した氷結晶
を除去する事が出来る為、氷結晶が捕捉部材に堆積され
る事もなく、又該除去は機械的に行なわれる為、除去中
に捕捉部材が外気温度より高くなる事もなく、常に効率
的な捕捉が行なわれる。

更に本考案は、蒸発器吸込側に配置した捕捉部材を少な
く共外気温より低い温度に維持する事により、外気中の
水分の捕捉効果を更に高める事が外来る。

尚、本考案の適用範囲は、ヒートポンプ装置に限定され
るものではなく、同一技術思想である冷凍機にも適用出
来る事は容易に理解出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第２図はいずれも本考案の実施例を示すフロ
ーシ一ト図である。 １：ヒートポンプ装置、６：蒸発器、８：捕捉部材、８
３：剥離部材。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）蒸発器の熱源として０℃以下の外気を利用するヒ
   ートポンプ装置において、該外気中の過冷却された水分
   を凝縮結氷させる無端状の捕捉部材を蒸発器吸込側に回
   動可能に配置すると共に、該捕捉部材に付着した氷結晶
   を機械的に除去する剥離部材を前記捕捉部材の氷結品付
   着面に当接した事を特徴とするヒートポンプ装置。
2. （２）蒸発器前面に配置した前記部材を吸入時の外気温
   より低い温度に維持するよう構或した実用新案登録請求
   の範囲第１項記載のヒートポンプ装置。