JPS5953310B2 - プラスチツクフイルムの開閉自在袋用粘着剤 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は主としてプラスチックフィルムの開閉自在袋用
粘着剤に関するものである。

プラスチックフィルムの開閉自在袋とはポリエチレン、
ポリプロピレン及びビニロンを主体とした袋の封の部分
に粘着剤を塗布し乾燥せしめてから離型紙を覆い、袋の
中に目的物を入れてから封印するもので、主にスーパー
、デパート等の小売業者が店頭に陳列するとき外側から
見ると同時に自在に開封し内容物の検品を行い、再度封
印できる包装資材のことである。従来よりこのような包
装資材はポリプロピレン、ポリエチレン、ビニロン及び
セロファン等のフィルムの袋に詰め、封印をゼロテープ
、ホチキス及びホック等で行つているが、ここ数年来粘
着剤を塗布しその粘着力を利用し接着一剥離のくり返し
が出来るような方式が普及されている。しかしながら、
これらのフィルムのうちポリプロピレン、ポリエチレン
、（以下基材という）等は表面エネルギーが小さいため
非常に投錨性が悪く、粘着剤の脱落と凝集破壊が生じて
袋の中の品物を出し入れするときに付着し、大きな問題
を起こす場合が多い。又このようなことのないようにフ
ィルムの表面に化学的処理を施し、基材への密着を良く
してやると粘着剤の投錨性は良くなるが接着力も高゛く
なるために開封時に基材の破壊を生じ易くなり、本目的
のくり返し開閉自在型の包装袋のならない。ここに本発
明者らはこれらの欠点を除くために研究した結果、ポリ
アルキルビニルエーテルを主成分とした適度の接着力と
再剥離性の良い接着剤を発明した。従来、粘着剤の主成
分はアクリル系、ゴム系及′びビニールエーテルが主体
に使用されており、特にアクリル系のエマルジョンタイ
プの伸びは著しいものがある。

一般にアクリル系は二次転位点の高低差のある単量体を
共重合して物性のバランスをとるものが多く、又ゴム系
及びビニールエーテ７ル系はエラストマーの分子量の大
小と粘着附与剤及び軟化剤の種類と量で凝集力、粘着力
、投錨力のバランスをとつているものが多く、用途によ
り粘着剤の主成分を使い分けされるのが公知とされてい
る。その中でビニールエーテルは古くから利ク用されて
いるものの、物性面にもう一つ欠けるものがあり、工業
的にはほんの一部の分野にしか使用されていない。一般
にはアクリル系の使用される分野に利用されるが、アク
リル系に比し接着力、老化性、経済性に難点があり、そ
の用途は狭５い。しかしアクリル系は老化性を含めた高
品質の物性を具備しているが、多くの官能基を含むため
に逆に災の起因になることが多い。例えば、永久粘着剤
としての用途には好適であるが、一時貼付したものを更
に剥離しようとした時には粘着剤が基材に残留したり凝
集破壊を起こし易い。又これらの現象を止めるために含
有中の−ＣＯＯＨ基、−０Ｈ基の量を増すとか、活性水
素と反応するポリイソシアネート、ブチル化メラミン、
金属塩等の架橋剤で硬化せしめても適度の強度が得難く
、弱い強度の粘着剤になつたり、粘接着剤になり基材の
破壊が起こるものが多い。然るに本発明は弱いフイルム
基材に粘着剤を塗布し離型紙を当て袋の中に衣類等を入
れてから密封して必要時に自在に開封一密閉のサイクル
が出来る粘着剤として、本発明者らはポリアルキルビニ
ールエーテル１００重量部に対し、塩素化ポリオレフイ
ン０．１〜１０重量部、プロセスオイル１〜２０重量部
及び熱可塑性樹脂０〜２０重量部の混合物を主成分とす
る粘着剤の開発に成功した。以下本発明において使用さ
れる諸成分について説明する。

ポリアルキルビニルエーテルとしてはメチルエーテル、
エチルエーテル、イソブチルエーテル、ｎ−ブチルエー
テル等であり粘着剤混合成分の主成分となるもので、特
にエチルエーテルとブチルエーテルが粘着剤成分として
優れ好ましい。塩素化ポリオレフインとは塩素含有量１
０〜４５％のもので、ポリオレフインはポリプロピレン
とポリエチレンを意味し、ポリプロピレンの方が基材の
密着性と接着力が優れ好ましい。添加量はポリアルキル
ビニールエーテル１００重量部に対して０．１〜１０重
量部が良く、塩素含有量は３０％位のものが基材との密
着性と他の成分との混合適性を考慮に入れると好ましい
。尚この添加量は３０重量部位が好連で０．１重量部以
下では密着性の改善の効果がなく、１０１量部以上では
粘着力が不足し相溶性にも影響される。プロセスオイル
とは一般に分類されているパラフイン系プロセスオイル
、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル
、及び石油アスフアルト系のプロセスオイルがあるが、
本発明に使用される成分としてはナフテン系プロセスオ
イルが適しており、プロセスオイルを使用する目的は適
度な粘着性を具備させるためにあるがその他に重要な役
割として以下に記述するようなものがある。

ポリエチレン及びポリプロピレン等の袋物は表面に印刷
適性を良くするために化学処理（コロナ放電、下塗り剤
）が行われる。しかし粘着剤の塗布されるフイルム面に
は化学処理がされないで製袋されるために粘着剤の投錨
性が悪く開封時に印刷面に移行する最悪の状態になる。
これらの現象を防止するために必要なのがプロセスオイ
ルである。尚このプロセスオイルは１〜２０重量部の範
囲で使用され、１重量部以下では効果がなく２０重量部
以上では凝集力と接着力が不足し本目的の接着剤にはな
らない。ほどよい粘着剤物性を得るさめには約１０重量
部が良く、該粘着剤の必須成分として重要な配合成分で
ある。熱可塑性樹脂とは口チッ、口チッのグリセロール
、ペンタエリスリトール等のエステル化又は工スチル化
し水素添加されたものを初めとし、他のポリテルペン系
、スチレン系、アルキルフエノール系、芳香族及び脂肪
族系石油樹脂のことであり、配合量を０〜２０重量部と
したのはポリアルキルビニルエーテルの分子量の大小、
プロセスオイルの添加量によつては必須成分とせず、粘
着性と接着力補助剤として使用するもので一般に５重量
部使用する位の配合構成の方が本発明の粘着剤として優
れた粘着剤が得られる。

その他の添加剤としてはアミン系、アルデヒド―アミン
反応生成物、ケトン−アミン反応生成物、混合アミン系
、フエノール系及びメルカプトベンゾイミダゾール系等
の酸化防止剤やサリチル酸誘導体、ベゾフエノン系、ベ
ンゾトリアゾール系等り！外線吸収剤をポリアルキルビ
ニルエーテル１００尊量部に対して０．０５〜１重量部
位添加し、考化性を良くするが用欅的にはそれほど重要
な添加剤にはならない。

次に実施例を挙げて具体的に説明する。

実施例１ 上記成分の混合物をｎ−ヘキサン、トルエンの混合溶剤
で溶解攪拌をせしめ蒸発残分３０％、粘度１００ＣＰ／
３０℃の粘着剤を作製した。

これらの生成物をポリプロピレンの無処理のフイルムに
乾燥皮膜で２０μになるように塗布し、８０℃で２分間
乾燥後その物性を調べた。実施例 ２ よりなる組成物をｎ−ヘキサン、トルエンの混合溶剤を
使用した溶解攪拌をせしめて蒸発残分３０％、粘度１２
０Ｃｐから／３０℃の粘着剤を作製した。

これらを実施例１と同様に試料作製した。比較例 から成るものを実施例１と同様に作製した。

次に表−１及び表−２に結果を記す。接着力は試料を被
着体のポリプロピレンに貼り合せ、２ｋｇのゴムローラ
ーで圧着し、１８０度剥離（条件：引張り速度３００ｍ
ｍ、２０℃×６５％）して求めた。

再剥離性はポリプロピレン袋表面に２ｋｇのゴムローラ
ーで圧着し貼り合せた室温に平方メートル当り５００ｋ
ｇの圧力をかけ各径日後に剥がし、糊の割れ、移行及び
基材の破壊を調べた。評価判定 以上の結果より本発明はくり返し開閉自在型に適した実
用性の高い粘着剤であることがわかる。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ポリアルキルビニルエーテル１００重量部に対し、
   塩素化ポリオレフィン０．１〜１０重量部、プロセスオ
   イル１〜２０重量部及び熱可塑性樹脂０〜２０重量部の
   混合物を主成分とするプラスチックフィルムの開閉自在
   袋用粘着剤。