JPS5949349B2 - 手編機の電磁式選針装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は手編機の電磁式選針装置の改良に関するもので
ある。

パンチカード等の模様信号記録体からの読取信号に応じ
て編針を選針するものとしないものとに分別の制御を与
える電磁制御式選針装置に於て、従来の技術の場合には
、例えば特開昭 ５０−７０６４４号により知られた手段の如く、読取信
号の内容に応じて、対応する編針を高低何れかの位置状
態に選択作：動さすための電磁石の作動には、被選択状
態の編針がキャリジの選針カムの作用を受けるに充分な
期間だけ、該選択作動状態の電磁石に励磁を与えそれを
保持し続けるものであった。

そのため之様な制御方式に於ては、電磁石への通電時間
を比較的長く要することから、電磁石の発熱を伴い、亦
、電源トランス等の容量も大きいものを必要とした。

本発明はこの課題に応じて改良することを目的としたも
ので、編針をキャリジの圧下カムの作用による被圧下の
状態に、読取信号に応じて選択的保持の制御を与える手
段として、被圧下編針に対して常に之に係止すべく付勢
した柄版を用い、それによって被圧下編針の全部を一旦
は被圧下位置に係止保持するようにして、之に対して読
取信号に応じて作動する電磁石の作用を、柄版の上記係
止保持作用に抗する向きに加えることによって、被圧下
保持中の編針を選択的にその被圧下位置から解除するよ
うに構成したことを特徴とするもので、それにより、電
磁石の作動は微小時間の解除動作で済むことから、電力
消費も少く、装置全体としてより小型に効率の良いもの
となし得るものである。

以下、従来技術と比較しつ＼説明すると、第１図は前記
特開昭５０−７０６４４号の技術をその制御系統を略示
して引用するものである。

こ＼で便宜上、前後の２個のブロックに区分した内の後
段ブロック２は、第２図の本発明の場合にもそのま＼用
いるような図示のされ方であるが、前述のように電磁石
の柄版に対する作用の向きが、両図の技術間では全く逆
に構成される。

しかし乍ら、制御系統としてブロック図で示すと、両方
共似たところの多いことから、第１図にて概略の構成を
説明する。

図中破線を以て結んだ糸路は機構上の連結乃至連動の関
係を示すもので、手編機の図示しないキャリジが針板上
を横行摺動操作されるのに伴い、先ずキャリジ進行方向
の転換時パンチカード等の模様信号３を一段送るステッ
プフィードの連動手段４を介して編段一段分の信号を並
列に読取装置５に進める。

次いでキャリジが横行操作されるとき、通例の如くキャ
リジに具えられた押下げカムの作用にて編針６がキャリ
ジの進行につれて順次押下げられ、またキャリジの通過
につれて上に復帰する。

此の編針の順次押下げと連動して一群のセレクタスイッ
チ７が同期連動手段８によって順次閉成開放作動される
。

本発明ではセレクタスイッチ１０７の構成が少し異るが
それはすぐ後で述べる。

第１図の例では、セレクタスイッチ７は模様信号３の一
段分の信号数に対応した数のスイッチが、その出力側で
所定の配置周期で順次各数個宛並列接続され、同期連通
手段８を介してキャリジ位置と同期するスイッチパー９
がその動くにつれてスイッチ群を各隣り合う数個宛を常
に連ねて閉成させ、各スイッチはスイッチパー９の離隔
につれて開放する。

それによりセレクタスイッチ７は、模様信号３より毎−
列並列に読出された読取装置５の並列出力の各々をキャ
リジ位置と同期して、順次に且つ数個信号光オーバーラ
ツプさせて出力端に分配する役割をなす。

第２図の本発明の場合には、同様にキャリジの摺動と同
期連動するセレクタスイッチ１０７のスイッチパー１０
９は、常に１個宛のスイッチ接点を順次閉成して次に移
ってゆくもので、各編針に対応する該閉成信号は、夫々
パルス成型回路Ｍ１〜Ｍ８とアンプＤ１〜Ｄ８を各々経
由して、各微少時間の電磁石励磁信号として後段ブロッ
ク１０２に与えられる。

そして本発明の場合には、第７図上部に図示の如くキャ
リジ１３の圧下カム１４により圧下された編針６は、一
旦は全部柄版１１１の係止部１１１ａに係止保持される
もので、この係止保持を、対応して配された電磁石１１
０の励磁作動によって解除させる。

従ってセレクタスイッチ１０７の閉成タイミングも、矛
め各編針６即ち柄版１１１に対して所定の同期関係を持
つよう設定しておくものであるが、此の点は後に詳述す
る。

再び第１図に戻って説明を続けると、前段ブロック１よ
り与えられた信号の有無に応じて、各対応する電磁石１
０は選択的に作動される。

そこで此の従来技術の場合には、電磁石１０の励磁され
るときの作動は、直接に選針板１１を引き寄せる動作を
するものであり、前述の如くキャリジの進行につれて押
下げよれた編針６に対し各電磁石１０と対応して複数枚
配された選針板１１が電磁石１０によって選択的に動か
されたとき、該選針板上の係合子１１ａが押下げられて
いる状態の編針６と係合して押下げの針位置を保たしめ
るものであり、以下通例の如く押下げ位置にある編針６
に対し、キャリジに具えた図示しない選針カムが順次係
合して選針作用を与える。

即ちこの例では、電磁石１０によって引き寄せられる作
動をする選針板１１は、選針される編針をその被圧下位
置に保持し、選針カムの選別作用を受けたのちに、セレ
クタスイッチ１のスイッチパー９の通過につれて電磁石
１０が非励磁に復して、編針の被圧下位置の拘束を解除
する。

第３図及び第４図はこの第１図例の場合の構成作用を図
示したもので、選針板１１は常時はバネ１２によって、
係止部１１ａが針尾端６ａの昇降経路を外れた状態に引
き離されており、電磁石１０が励磁されるとき針尾端６
ａが被圧下位置で係止部１１ａに係止捕捉されるように
選針板１１をバネ１２に抗して吸引する。

之に対して本発明の場合には第５〜６図のように、同様
構成の柄版１１１に対するバネ１２と電磁石１１１の配
置が上側とは逆であって、柄版１１１の係止部１１１ａ
が常時付尾端６ａの昇降経路内に位置すべくバネ１２の
付勢を受けており、電磁石１１１の励磁作動時にバネ１
２に抗して柄版１１１が移動して針尾端６ａの係止保持
を解消し、針６は通例のように図示しない上部位置保持
バネの作用で上向復帰する。

そこで針６が柄版１１１の拘束により被圧下状態保揚の
ま＼で、電磁石１１０が非作動のままのとき第７図のよ
うに圧下カム１４に随伴して来る選針カム１５の作用を
受けて、前後に振り分けの選針作用を与えられることは
通例の如くである。

前述の如く本発明に於ては、缶外の圧下カム１４による
被圧下のタイミングとセレクタスイッチ１０７の閉成タ
イミングとは第１図の例とは異る同期関係のもので、以
下第７図にて之を説明すると、セレクタスイッチ１０７
のスイッチパー１０９は各針ピツチの１個毎に対応する
１個宛の閉成信号Ｓを生じ、その生ずるタイミングは対
応針被圧下の時より少し遅れるが、しきし選針カム１５
の選針作用を受けるには至らない期間Ｔｄだけ、遅延し
た関係に矛め設定しておくものである。

。それによって被圧下針は、一旦は柄版係止部１１１ａ
に捕捉されるが、閉成信号Ｓのときそれをパルス成形し
た微小時間ｔｍの電磁石励磁電流Ｉｍにより電磁石１１
０の作用力Ｆｍが柄版１１１を移動して、被圧下保持を
解除された編針６は選針されない。

この場合、信号記録体３からの読出し信号Ｈの与えられ
ていないときには、閉成信号Ｓの有無に拘らず編針６は
被圧下を保持されたままとなる。

選針カム１５の選別作用時以後に於ても柄版１１１によ
る被圧下保持の続いている編針６は、本実施例に於ては
８本毎である所定木組のピッチで１個の柄版１１１毎に
並列に配された各係止部１１１ａで夫々缶外尾端６ａに
臨んでいるので、圧下された編針は被圧下タイミングよ
り数えて９本目の針が圧下されるとき、同じ柄版上で隣
りの係止部１１１ａが新たに圧下された針尾端６ａの下
降と係合したカム作用で、この柄版１１１がバネ１２に
抗して移動することにより、先の被拘束針の保持が解除
される。

以上説明のように、本発明による電磁式選針手段は、信
号記録体３からの読取り信号に応じて作動する電磁石１
１０の作用が、従来の技術手段の如く針をその被圧下タ
イミングから選針カムの選別作用特進被圧下状態の保持
に作用させるものと異って、バネ１２によって被圧下針
を係止保持していぬ柄版１１１を、微小時間だけ電磁石
が励磁作動して引き離し解除動作さすものであるから、
電磁石の励磁される時間が著しく短縮されるものである
。

この場合の励磁時間ｔｍは手編機のキャリジ１３を普通
に手で操作して摺動さすとき、−動作当り５〜１０ミリ
秒位の極く少時間のものにて足り、従来方式よりも数分
の１もしくはそれ以下の値となる。

従って本発明方式の場合には電磁石の発熱量も低く抑え
られ、その全体としての電源トランス等の容量も、より
小型のものにて充分で、電力消費の少い装置とすること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来技術の一例をブロック図で略示した制御系
統図、第２図はそれと対比する形に示した本発明の制御
系統図、第３図及び第４図は従来方式による作動説明図
で第５図及び第６図は本発明の同じく作動説明図、第１
図は本発明の作動説明のためのタイムチャートである。 ３：信号記録体、６：編針、１０，１１０：電磁石、１
１，１１１：柄版（選針板）、１２：バネ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 信号記録体から編成模様に応じた模様信号を読取り
   、キャリジの摺動と同期して缶外に応答した該模様信号
   の内容に応じて電磁石を選択的に励磁作動させて、該電
   磁石に連結した柄版上の係止部を介して、前記キャリジ
   の摺動時圧下された編針をその被圧下位置に選択的に係
   止保持して選針させる手編機の電磁式選針装置に於て、 前記柄版は、前記係止保持させる向きにバネによる付勢
   を与え、前記電磁石はその励磁されたとき、該バネによ
   る保持力に抗して前記柄版を移動させて前記被圧下位置
   に保持された編針を該保持きら解除するよう構成したこ
   とを特徴とする電磁式選針装置。