JPS594806B2 - マイクロ波用低損失誘電性電磁媒質の製造方法 - Google Patents

マイクロ波用低損失誘電性電磁媒質の製造方法

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JPS594806B2
JPS594806B2 JP50125858A JP12585875A JPS594806B2 JP S594806 B2 JPS594806 B2 JP S594806B2 JP 50125858 A JP50125858 A JP 50125858A JP 12585875 A JP12585875 A JP 12585875A JP S594806 B2 JPS594806 B2 JP S594806B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はマイクロ波帯の電磁波に対して、電気的損失を
軽減するマイクロ波用低損失誘電性電磁媒質の製造方法
に関する。
まず、従来の理論について述べる。
入射電磁波に対して与える誘電媒質の損失のメカニズム
としては下記の分類が一般になされる。
すなわち、(−f)結晶粒界に存在する空間電荷による
抵抗、Θ分極の水入双極子ベクトルが入射電磁波ベクト
ルの方向に応じて回転することによる誘電5 率の虚部
の発生(これが損失となる)、(−→イオンの振動に基
づく、またι#→電子の振動に基づく誘電率虚部の発生
。実際の結晶に生ずる損失のスペクトルは、0)、同は
1MH2オーダまたはそれ以下の、eラは赤外10光、
Oは紫外光の振動領域に存在することが、粒子質量と力
の場の古典的モデルから求められている。
(→はイオン性結晶では一般に存在しないか、または無
視し得る程度で、G)についてはoより低振動数に亘る
狭い振動数範囲に限定され、さらに150は余りに振動
数が高いという理由で、いずれも現在の実用技術に関し
ては考察の意義に欠けるので本論の対象ではない。←→
が重要である。さて、結晶の格子振動(フォノン)には
光学型と音響型があり、さらに縦波と横波がある。変位
20形強誘電結晶に関する量子論の研究結果によれば、
電磁波に対しては主として光学型モードが吸収効果を与
え、且つ、横波は縦波より低い振動数を有し、低限は狭
義のマイクロ波(波長1m〜1rm)においても存在す
ることが述べられた。スピソン25 アら(Spit2
eretal;゛FarInfraredDie一le
ctricDispersioninBaTi03・S
rTi03andTi02”、PHYSICALREV
IEWVol・126、ム5、June1・1962)
およびシルバーマン( Silverman;゛Mic
rowave30DispertioninCubic
StrontiumTita−nate”、PHYSI
CALREVIEWVol・125、& 6、Marc
h15.1962)は、SrTiO2などの赤外線にお
ける吸収機構にローレンツ(Loren2)型振動モデ
ルを適用して、マ35イクロ波損失を、目的とするマイ
クロ波の波数νを、最低次のフォノンの波長νoの2乗
で除し、該当フォノンの吸収線幅γ。を乗じた値によつ
て損失係数誘電率の虚部(預失) Tanδ(ξ?)が近似的 誘電率の実部 に定まると主張している。
(Tanδzγoか次に従来の技術について述べる。振
動数0より光領域におけるイオン性結晶の応用は多結晶
磁器コンデンサ、圧電性単結晶または多結晶、誘電体マ
イクロ波レゾネータ用多結晶、光圧電性単結晶または多
結晶、導光路などである。
まず、磁器コンデンサの損失の軽減については、多結晶
、多成分、低温における固相反応の利用などQ現実的要
素のために損失の原因が元素または化合物成分そのもの
によるものか、グレインバウンダリ(GrainbOu
ndary)の状態によるのか、原料不純物によるのか
、反応の不完全性によるものか、まつたく解明されず、
反応温度、保持時間、添加成分、原料銘柄等の多くの要
因の組合せにおいて、偶然得られた条件を利用したに過
ぎない。明白な焼成不完全では損失が増し、反応温度を
低減するために微量の他の元素を添加すると損失が軽減
する場合もあり、増大する場合もあつた。強誘電性ヒス
テリシス損に関する考察を除けば光波領域より低い振動
数のための媒質に関して事情はすべて上述の通りである
と云える。一方、光フアィバのみに関しては、低損失化
の技術が存在する。
すなわち、SiO2フアィバの0.95μmにおける吸
収は含有水分の0H基の格子振動のオーバトーン(0v
ert0ne)であることが明らかにされ、無水フアイ
バの製造によつて損失の軽減が行われた。しかし、0.
63μmにおける大きな吸収損は原因とその除去法が不
明である。既に述べた如く、イオン性結晶の内でも変位
形強誘電結晶における広義のマイクロ波損失は、横方向
光学的フオノンによる非弾性散乱に原因すると信じられ
ている。それにも拘らず、上述のフオノン吸収のマイク
ロ波損失への効果のレベルその軽減方法に関する研究は
皆無であつた。また、常誘電結晶に関する同様の研究も
何ら行われていない。本発明はその物性を明らかにし、
且つ、これに基づいて損失の軽減を行わんとする目的を
有し、その特徴は現実的で経済的にして、且つ、極めて
効果的な方法の提供にある。本発明の具体的方法につい
て述べる前に、まず理論的着想について述べる。
イオン性結晶を電磁波に対する媒質として用いるとき発
生する損失は、次の2つの項目にわけて考えることがで
きる。
その1番目を固有損失、その2番目を結晶粒界損失とし
て考える。まず、1番目の固有損失とは、同一材料の態
様が単結晶であるとき発生する損失で、その原因は結晶
の格子振動(フオノン)吸収である。2番目の結晶粒界
損失とは、同一材料の態様が多結晶(セラミツクス)で
ある場合に発生する損失である。
本発明の第1の目的は、固有損失の軽減を図ること、す
なわち、フオノン吸収損失を軽減する方法によりマイク
ロ波損失を軽減することにある。
以下、具体例として多成分多結晶磁器材料につき、順を
追つて平易に、且つ詳しく述べる。本発明者が行つた実
験は次の通りである。
実験(1);チタン酸マグネシウム(M9TiO3)に
チタン酸カルシウム(CaTiO3)を加えて温度補償
した多結晶は互いに固溶せず低損失である。
CaTiO3の代りにTiO2を加えても温度補償でき
る。しかし、TiO2として加えると微量であつても損
失は著しく増す。実験(2);次にMgO,TiO2を
等モル比にて空気中で反応させたものに対して酸素雰囲
気中で反応させるど損失は半減する。
実験(3):La2O3とTiO2を1:2のモル比に
て空気中で反応させ、La2O3・2Ti02を得るが
、これにアルカリ土類メタルイオンを添加すると、La
2O3・2Ti02およびLa2O3・3Ti02の混
晶になり、後者の損失が小さい。
以上の見掛け上まつたく異なる3つの実験結果の解析に
当たつては次の考察が必要である。
チタン酸化物は非化学量論的な構造を生じ易く、非化学
量論性によつてもたらされる結晶欠陥は格子振動の振舞
いに重要な影響をもたらすであろう。しかし、マイクロ
波損失の考察に対しては、スピツツアらによるマイクロ
波損失の計算モデルについて次の3つの点で疑問がある
。すなわち、(イ)最低次フオノン波数は300(−m
−1程度であり、例えば10GHzのマイクロ波の波数
は0.3cm−1吸収線幅ROは30crn−1オーダ
である。この場合、も大差ない値となり、実際と趣きを
異にする。
(ロ)フオノン波数(例えば300c7n−りとマイク
口波数(0.3cm−りとは波数のへだたりが3桁もあ
り、両波数帯域間を簡単な数式で接続できるか否か明確
でない。(ハ)低損失マイクロ波誘電体として従来多く
実用されている常誘電体のマイクロ波損失と最低次フオ
ノンとの関係については全く明確にされていない。
(イ)〜(ハ)の疑問に対して本発明者はローレツツ型
モデル並びに最低次フオノンとマイクロ波誘電特性など
の数式上の問題に特にとられれないで、結晶の物性面に
着目した。
物性上、下記の点が推論される。すなわち、理論(1)
マイクロ波吸収の大小は結晶欠陥に支配される。
理論(2)遷移金属を含むイオン結晶の欠陥は遷移金属
の酸化物(一般には遷移金属塩)の非化学量論性に基づ
く。
理論(3)マイクロ波損失はマイクロ波より高い周波数
での吸収ピークの裾引きに関連し、損失の軽減は当該ピ
ークにおける吸収の軽減による。
上述の(1)〜(3)の理論に基づき、既述した実験を
解析すれば下記の通りとなる。すなわち、実験(1)に
おいてはTiO2は非化学量論性TiO2(1−x)
(Xは0〈x〈1で欠陥の度合いに対応する)となり易
いが、CaTiO3はTiO2よりはるかに安定である
実験(2)は、MgTiO3はMgO・TiO2(1−
x)の形で非化学量論的となる。酸素の欠乏が引き金と
なるの,で酸素の圧力を高めた状態でMgOとTiO2
の反応を行わせればよい。実験(3)はと書ける。
すなわち、モデル1の反応に対し、モデル2の反応はL
a2O3過剰(従つてTiO2不足)条件下における反
応とみなせられる。すなわち、チタン不足の状態では欠
陥は確率的に起こりにくいであろう。さて、本発明の理
論的背景は上述のとおりで、損失改善の具体的方法は下
記の通りである。
すなわち、まずチタン不足の状態で反応を行わせる。方
法(1)同一成分には組成比を変える方法。MgOを増
してMgTiO3を生成する例;ml由0+TiO2で
1〈x〈2とする。xに上限が存在するのはxが例えば
2とすれば2Mg0+TiO2+Mg2TiO4となり
、チタン不足の状態で失われるためである。方法(2)
異種イオンを添加する方法。
CaOを加えてMgTiO3を生成する例:MgOとT
iO2を等モル比とし、CaOを少量(一般には数モル
%以下)添加する。
CaTiO3は安定な結晶であるのでチタン不足の状態
でのMgO・TiO2の生成を実現できる。方法(3)
異種イオンの塩を添加する方法。
MnO2を添加してMgTiO3を生成する例:TiO
2を単に高温にてMgOと反応せしめると完全なMgO
−TiO2とならず、MgO−TiO2(卜x)となつ
て一部酸素欠落を生ずる。欠陥のモデルは2つ考えられ
る。すなわち、02欠落のまま寄生単位アクセプタを生
ずるか、またはTi4+の一部がTi3+,Ti2+な
どとなり、寄生単位ドナーを生ずる。一般には両準位は
併存する。この場合、例えばMnO2を微量(―般には
数モル%以下)添加すると、Mn3+→Mn2+または
Mnl+に代り、同時にチャージバランス(Charg
ebalance)の条件によりTi2+,Ti3+→
Ti4+となり、欠陥が救済される。この場合、Mnの
酸化物は欠陥を生ぜず、また、そのフオノン振動数は充
分高域にあり、損失を生じないと考えられる。しかし、
方逆の好ましくない方向へ原子価を変える添加元素も存
在し、このような成分を最初から含む結晶は損失が大で
、また、添加すれば損失が増す。方法(4)酸素雰囲気
中で反応させる方法。酸素炉中でのMgTiO3の生成
例:MgOとTiO2を等モル比として反応させたとこ
ろ、空気中焼成に比してTanθ1/1.5〜1/2に
減じた。ただし、通常のプロセスではTanθのバラツ
キが大きく、方法(1)〜(3)に比して安定に低損失
を得ることができない。充分な酸素圧と反応時間が必要
である。さて、以上述べた理論に対する実験的検証にお
いては、結晶欠陥に関する測定について触れなかつたの
でここで述べる。量子論によれば、イオン結晶における
伝導は量子モデルポーラロンによる。
すなわち、結晶中に存在する不純物デイスロケーシヨン
(DislOcatiOn)などによつて生じたキヤリ
ヤによる電界が格子イオンを分極させ、この効果によつ
てポテンシヤルエネルギ一が低下する。電子または正孔
によるキヤリヤが結晶中を動くと分極も伴つて移動する
。ポーラロンの移動度は温度に対し指数関数的に変化す
る。キヤリヤ濃度が一定であれは移動度は抵抗の逆数に
比例する。本理論が適用される他の実験例としてBaO
・4Ti02があるこの場合の結晶欠陥に対応する抵抗
の測定結果から、結晶欠陥の寄生単位が0.22電子ボ
ルトと求められた。このレベルは酸素の欠落に伴なう欠
陥準位にほぼ近い値である。以上、固有損失を軽減する
ことにより、マイク口波損失を軽減する点について示し
た。
本発明の第2の目的は、前述したもう一方の損失である
結晶粒界損失を軽減することにより、マイクロ波損失を
軽減することにある。
結晶粒界損失とは前述した如く、同一材料の態様が多結
晶(セラミツクス)である場合に発生する損失で、その
原因は2通りある。その1は多結晶を構成する微小単結
晶内の損失で、これは既に記述した固有損失である。そ
の2は微小単結晶間の境界領域(これを粒界と云う)に
伴つて生ずるセラミツクスに固有で、しかも最も重要な
ものである。多結晶は多くの微小単結晶の集合である。
各々の微小単結晶の内部の点欠陥に対応する損失が固有
損失に対応することは前述の通りである。一方、単結晶
の表面をみると、これは面をなす結晶欠陥とみられる。
すなわち、結晶は各原子およびイオンが無限に連なつて
いるものを、有限の位置で切断したものに相当し、その
場所で結晶応力に歪みが生じ、又粒界に存在する空孔の
ために電磁波に対する屈折反射、透過等の応答(レスポ
ンス)は粒内とはかなり異質なものとなる。本発明にお
いては、結晶粒界損失の軽減として、多結晶(セラミツ
クス)の微小単結晶表面における損失の軽減を第2の骨
子としている。
その具体的方法は結晶粒界をある物質でおおうことであ
る。以下に述べる多結晶チタン酸マグネシウムの場合、
結晶を被覆するために過剰なMgOを用いている。以上
述べた理論に基づき、多結晶チタン酸マグネシウムに関
して行つた損失軽減の実施例を第1図〜第3図に示す。
MgOとTiO2を固相にて反応させ、MgTiO3を
得る通常のセラミツク製造の当初の段階で、MgOとT
iO2の原料粉末の調合時に、MgOOTiO2に対す
るモル比xをx=1を中心にしてx=0.7〜1.3の
間で変化させて作成したセラミツクの電気特性を比較す
る。第1図はフオノン最低次の振動数340cr!71
(波長約29μm)におけるフオノン吸収線の吸収ピー
クから3dBダウンに相当する周波数巾(3dB中)で
340cm−1を除した値を赤外線吸収のQと定義し、
この値とxとの関係を求めたものである。Q−2〜4.
5(2.3倍)の変化が認められる。第2図は10GH
zVC.おいて通常の導波管摂動法によつて測定した誘
電体損質Tanδの逆数で定義されるQとモル比係数x
との関係を求めたもので、Q=5000〜15000(
3倍)の変化がある。第3図は円板状試料の上下面に銀
電極を焼きつけ、コンデンサを作り、1MHzにて測定
したTanδの逆数で定義されるQと、モル比係数xと
の関係を求めたもので、Q=3000〜15000(5
倍)の変化がある。第1〜第3図はモル比係数xと媒質
の材料のQが絶対値は異なるが全く同一の変化傾向を示
すことを明らかにしている。すなわち1MHz110G
HZ1赤外(340cm′りの各周波数帯における媒質
の材料の損失に共通の傾向があることがはつきり認めら
れる。一方、チタン酸マグネシウム(MgTiO3)単
結晶の育成実験ではx=1.01〜1.04(1〜4%
MgOの過剰)において結晶欠陥の少ない良好な単結晶
が得られた。従つて、本発明の第1の要因である固有損
失の軽減のためにはxの1よりの増加分は数%以下で充
分であると考えられる。よつて第1図〜第3図において
、x=1.1(xの1よりの増加分10%)杖上の範囲
において損失軽減効果が認められる分は結晶粒界反射、
散乱損失軽減効果とみなせられる。特に、電子顕微鏡に
よる結晶観察ではx=1.1以上の場合、結晶粒界に多
量の付加物が認められ、一見、結晶が汚れているように
観察されるにも拘わらず、マイクロ波損失が少ないこと
は次の理由による。すなわち、チタン酸マグネシウムセ
ラミツクス(誘電率約16)と空孔中の空気(誘電率1
)の間の電磁波の反射、散乱の軽減は両者の幾何平均(
〆A7「=4)の誘電率をもつ媒質を充填することによ
り可能となる。MgTiO3の微小単結晶がMgOによ
つて生成された被覆層の誘電率(約4)がちようど目的
にかなつていることがわかる。
以上は簡単のため多結晶チタン酸化物の例について述べ
たが、例えばジルコン酸化物についてもフオノン吸収と
マイクロ波損失に緊密な対応関係が存在することが求め
られた。
以上において詳述した議論を要約すると下記の通りであ
る。
即ち、マイクロ波帯域におけるイオン分極型誘電体材料
の吸収損失は、製造途中における酸素の欠落に帰するこ
とができる。酸素の欠落は誘電体(MgTiO3の場合
)中の遷移金属(Ti)のイオンの原子価が変化し易い
ことに基く(Ti4+→Ti3+,Ti2+等)。酸素
の欠落、原子価の変化に対応して結晶格子に欠陥が生じ
、これに対応してマイクロ波より高い周波数帯のどこか
に吸収ピークを生ずるためである。これが材料の固有損
失を決定し、また多結晶粒界損失(吸収と散乱)を決定
する。従つて本発明の基本を簡略に述べれば、遷移金属
の原子価変化を抑制するよう酸素を過剰に供給すること
にあり、そのための第1の方法としてMgTiO3の場
合MgOを過剰に加えることである。
これによつて固有損失を減じると共に、さらに粒界損失
を減じることである。第2の方法は製造途中で雰囲気中
の酸素の比率を空気より高めることである。
第3の方法は遷移金属の原子価を制御する他の物質(M
n等)を加えることである。
以上の議論においては、簡単のため、MgTiO3を主
体として述べ、同一の効果がLa2O3゜2TiO2等
のチタン酸化物およびジルコン(Zr)酸化物に対して
も有効であることを明らかにしたものであるが、吸収損
失の機構がTi,Zrの特定の元素に限定されるのでな
く、Ti,Zrの誘電体吸収に関わる性質は他の遷移金
属例えばバナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル
(Ta)にも同様に適用され、また、Mg,Laに関わ
る性質はカルシウム(Ca)、バリウム(Ba)、カリ
ウム(K)、ストロンチウム(Sr)、他の希土類元素
(ランタン属)にも同様に適用されることは物性上明ら
かである。
尚周期律表のA族の内すず(Sn)、鉛(Pb)を前記
マグネシウム(Mg)1tc.代わるものとして用いる
ことも考えられるが、これらは一般的に強誘電体になり
がちであり、低損失の高周波材料に適用することは困難
である。
尚また、周期律A族のうち、Sr,Ba,Raは誘電体
材の主成分として用いられるが、一般に、強誘電体とな
り、高周波での損失が急激に増す性質を有するため、本
願に適用するには不適当である。
また、周期律表A族のうち、CaはCaTiO3、Ca
zrO3等として誘電体材の主成分として用いられてい
るが、やはり強誘電性を帯び、高周波損失が大きく、低
損失材料としては実用的でない。
また、以上の例では成分に気化反応を伴わない例を扱つ
たが、本発明はこの場合にも適用されることは明らかで
ある。すなわち、初期組成が気化を計算した値よりさら
に有意なだけ組成をずらせば上述の効果が期待しうるこ
とが理論的に予測できるからである。また、実際の反応
に対して仮焼成、本焼成の別によつても効果は減殺され
ない。又、以上の説明から容易に知られるように、方法
(1)〜(3)およびそれらの組合せは単に単結晶と多
結晶、単成分と多成分、薄膜とバルク結晶などの差に関
係なく、すべて誘電媒質に関して適用し得る技術である
。以上説明したように、本発明の方法は物性理論上、且
つ、経済的にも容易で且つ効果的であり、しかも本方法
を用いることによつて、低損失誘電媒質を安価に、且つ
、再現性よく提供できる効果は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の一実施例でXMgO−TiO2において
モル比係数xを変化させMgTiO3を生成せしめた場
合を示し、第1図は波長29μmにおける赤外吸収のQ
値(単位は無名数)、第2図は1MHzにおける損失係
数の逆数(1/Tanδ)、第3図は6GHzにおける
損失係数の逆数(1/Tanδ)である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 チタンまたはジルコンの酸化物の少なくとも一方と
    、化学量論比で定まる一定値より増したマグネシウム、
    ランタン、バリウムの酸化物の内少なくとも一種類とを
    反応させることを特徴とするマイクロ波用低損失誘電性
    電磁媒質の製造方法。 2 チタンまたはジルコンの酸化物の少なくとも一方と
    、化学量論比で定まる一定値のマグネシウム、ランタン
    、バリウムの酸化物の内少なくとも一種類とを空気中に
    存在するよりも増した酸素の一定の気体圧と反応時間と
    で反応させることを特徴とするマイクロ波用低損失誘電
    性電磁媒質の製造方法。
JP50125858A 1975-10-21 1975-10-21 マイクロ波用低損失誘電性電磁媒質の製造方法 Expired JPS594806B2 (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6060341U (ja) * 1983-10-03 1985-04-26 関東自動車工業株式会社 自動車用ウインドモ−ルの取付構造
JPS6136709U (ja) * 1984-08-10 1986-03-07 三菱自動車工業株式会社 モ−ル用クリツプ
JPS643106U (ja) * 1987-06-24 1989-01-10

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