JPS5947178B2 - 静流体伝動機構 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は静流体圧伝動機構、特に該機構の為のポンプの
制御の改良に関する。

車輌の駆動装置として使われる代表的な静流体圧伝動機
構において、その駆動速度は当該機構のポンプの排出量
を調整することにより制御される。

この形式においては、ポンプによって供給される圧力は
直接には制御されないが、該圧力は車輌上の負荷の関数
である。

ポンプの排出量は通常あるリンク機構を通して制御され
る。

即ち、このリンク機構は手若しくは足による制御操作に
よりその伝動速度の増減を行うことができる。

そのような伝動機構においては、特にバンドレバーによ
って排出量を調整するようなものの場合、主要な制御機
構によらずペダルによって操作される追加の制御装置を
設け、緊急時におけるクラッチかブレーキペダルを押す
という操作者の自然の動作が、この追加の制御機構を操
作し静流体圧伝動装置を中立の位置にするようにできる
ことが望まれる。

そのような追加の制御機構はまた農業トラクターを用具
にひっかけるときの如く、小さな動きが望まれるときに
当該伝動機構を好ましく制御できる。

車輌の小さな動きを与えるこの制御機構は微動（ｉｎｃ
ｈｉｎｇ ）制御と呼ばれている。

代表的な静流体圧伝動機構においては、このような第２
の制御装置は、ポンプとモータ間の圧力管路内の液圧を
ポンプとモータとの間の復帰管路内の圧力の値にほぼ等
しくする様に、伝動ポンプとモータとの間の圧力管路か
らチャージ回路若しくは液溜めへの、又はポンプとモー
タ間の復帰管路への液圧を減少する。

また、この静流体圧伝動機構においては、ポンプへ供給
される流体の最大圧力を制限することが望まれる。

それはポンプとモータ間の圧力管路内に所定の最大圧力
に応答し余剰の液を液溜またはチャージ回路へ、または
モータとポンプ間の復帰管路へ流す圧力逃し弁（リリー
フ弁）を設けることにより達成できる。

そのような装置は最大圧力を制限するが、どんな方法で
も最大圧力を作る状態は治せず、それ故、熱発生による
出力ロスを来たす。

本発明は、一つの駆動室に突出する複数の往復ピストン
を有するポンプを含む静流体圧伝動機構で、当該ポンプ
の排出量は通常ポンプへ流れる流体を制御することによ
り行われ、また、第２の制御装置が設けられ、該装置は
モータとポンプ間の圧力管路からポンプの駆動室へ流体
を通しピストンを駆動室から離して保持することにより
当該ポンプの排出量に影響を与えるようになっている静
流体圧伝動機構を提供するものである。

以下、本発明を添付図面に示した実施例に基づき詳記す
る。

図面には例示として、主フレーム１２と、一対の操向可
能な前輪１４と、一対の後輪１６と、エンジン１８とを
含む農業用トラクター１０の一部として示されている本
発明の原理にのっとる静流体圧伝動機構が示されている
。

伝動機構それ自体はトラクター１０の後輪１６に駆動連
結された一または二個の駆動モータ２０と、チャージポ
ンプ２２と、主ポンプ２４とを含んでいる。

ポンプ２２．２４は第１図において番号２６によりまと
めて示してあり、また、エンジン１８に直結する如く示
されている。

チャージポンプ２２の入口は、管路３０を通して液溜め
に連通されている。

ＩＪ ＩＪ−フ型の圧力調整弁４０は管路３４に連結さ
れ、チャージ回路内の圧力を一定に保つ。

主ポンプ２４は共通の駆動室４４に開口する複数のシリ
ンダ４２を有するシリンダバレル４１を含む。

ピストン４６は、各シリンダ４２内で往復動可能に取り
付けられ駆動室４４に突出し且つスプリング４８によっ
て駆動室４４に向けて偏倚されるピストン４６を有する
。

ポンプ２４の駆動軸５０はシリンダバレル４１に軸承け
され、該軸には駆動室４４内で偏心して取り付けられた
円板カム５２が取り付けられてピストン４６と係合して
おり、軸５０の回転に伴い該ピストンを外方へ駆動する
。

駆動軸５０はトラクター１０のエンジン１８の駆動軸に
直結することができる。

主ポンプ２４の各シリンダ４２はチェックバルブ５６を
通して管路５４によって表わされる入口に連通され、ま
た一方向弁６０を通して管路５８によって代表される排
出口に連通される。

主ポンプ２４の入口（管路５４）は主制御弁６２を介し
てチャージ回路に連通されており、該主制御弁はバンド
レバー６４によって操作できるようになっている。

主制御弁６２は特願昭５１−６６３９２号（特開昭５２
−３２１０１号公報）において説示した主制御弁と同じ
ものである。

主ポンプ２４の排出口（管路５８）は方向制御弁６６を
介してモータ２０の入口に連通される。

方向制御弁６６はモータ２０を通る液流の方向を逆転す
ることにより伝動操作の正逆方向を与える。

主ポンプ２４の駆動室４４は流路６８管路７０、バネ圧
チェック弁７２を介してチャージ回路と連通されている
。

バネ圧チェック弁７２は駆動室４４からチャージ回路へ
の流れを防止し、また、そのバネ圧によりチャージ回路
から駆動室への液流の圧力を下げて、ピストン４６がそ
の行程の内方端部にあるとき駆動室内の液圧によりピス
トン上に表われる力とバネ圧４８によってピストン４６
上に表われる力とが等しくなるようにする。

駆動室４４はまた、制限通路７４を通して液溜に連通さ
れる。

この制限通路７４は冷却のために駆動室４４を通るある
流体循環を与え、また、駆動室から過剰の圧力を逃す。

主ポンプ２４の排出口（管路５８）はまた、排出口と管
路７０との間に延びる管路７５によって駆動室４４に連
通される。

プレッシャリリーフ弁７８は管路７５の間に配置され、
通常バネ８０によって閉じた位置に偏寄される。

この弁７８はパイロット管路８２を介して排出口の圧力
に応答し、その圧力が所定の最大値に達すると液を通す
ための開位置へ動かされる。

バネ８０の偏寄力は、操作者が弁７８を選択的に開位置
となすことを許すペダル７６の使用によって機械的に代
わられる。

エンジン１８が作動状態にあり弁６２が閉じていると仮
定すると（但し、第２図においては開いている）、カム
５２はピストン４６をその行程の外方へ駆動し、ポンプ
２２はチャージ回路を加圧しリリーフ弁４０によって決
定される圧力とする。

チャージ回路中の圧力が管路７０、管路６８を通してチ
ェック弁７２を通り伝わり、駆動室４４を加圧する。

駆動室内の圧力はピストンを加圧してバネ４８の力と平
衡を保ち、ピストン４６をその行程の外方端部に保持す
る。

制限通路７４を通る駆動室４４からの液漏れはチェック
弁７２を通る追加の流れによって連続的に起り、駆動室
４４内の液の冷却作用をなす。

ピストン４６が外方端部に保持されると、主ポンプ２４
は排出量零の状態となる。

トラクター１０の操作者は制御レバー６４を使用して弁
６２を動かし主ポンプ２４を作動状態となす。

弁６２は開かれるき、まず主ポンプの入口（管路５４）
へ流れる液量を調整し、それから主ポンプ２４の人口へ
の液流の圧力を調整する。

より詳細な説明は、前述特願昭５１−６６３９２号（特
開昭５２−３２１０１号公報）にゆすることにする。

液が主ポンプ２４の入口（管路５４）へ流れると、チェ
ック弁５６を通してシリンダ４２へ流れる。

シリンダ４２への液流の圧力はピストン４６に作用し当
該ピストンに作用する力のバランスをくずし、ピストン
を内方へ動かす。

カム５２はそれからピストンを外方へ駆動してチェック
弁６０、排出口（管路５８）を通して液を排出し方向制
御弁６６によってモータ２０へ伝える。

トラクターが坂道をのぼったり、作業用の器具を引っば
ったりする場合の如く、当該トラクターの負荷が増大す
ると、主ポンプの排出口（管路５８）内の圧力はモータ
２０への増大された負荷のため増大する。

排出口内の圧力が所定の最大値に達すると、その圧力よ
りも低い圧力がパイロット管路８２を通して作用して弁
７８を動かして開位置となし、管路５８からの高圧を駆
動室４４にまわす。

７駆動室４４内の高圧はピストンを外方へ偏寄し当該ポ
ンプの排出量を少なくし、または零にして、それにより
当該回路が連続的に高圧を受けないようにする。

その間は全ポンプ排出量が液溜め２８又はチャージ回路
に通されるというよりはポンプの排出量が減少されるの
で、出力のロスはほとんどない。

そのような状態においては、操作者は正常の操作を続け
る前に高い制限の原因を修正しなければならない。

これは方向制御弁６６を使用してトラクターの動きを逆
方向にすることにより簡単にできる。

主ポンプの排出口（管路５８）内の圧力が低下されると
、弁７８は閉位置に戻り、駆動室４４内の過剰の圧力は
、それが再び、チャージ回路とチェック弁７２の圧力に
よって作られる大体一定の圧力に達するまで、制限通路
を通して排出される。

操作者は制御レバー６４を使用するのでなく、ペダル７
６を使用してトラクター１０の動きを制御できる。

例えば、ペダルＴ６をふむことにより操作者は弁γ８を
開き主ポンプ排出口を駆動室４４へ連通させることがで
きる。

操作者はそれから、レバー６４により弁６２をトラクタ
ーの動きになんら影響することなく、所望の位置にする
ことができる。

それから、ペダル７６を除々に離すことにより、主ポン
プの排出口（管路５８）は駆動室４４から除々に切断さ
れ、駆動室４４内の過剰圧力は次第に制限通路７４を通
して排出され、それによりポンプ２４は液をモータ２０
へ供給しはじめる。

車輌の動きはペダル７６をふむことにより急に停めるこ
とができる。

このような方法において、操作者は車輌１０の円滑で小
さな運動を行うことができる。

トラクターのこの形式の制御、微動制御、は狭い場所で
の操作又は当該トラクターに器具をひっかける場合等に
おいて非常に有益である。

ペダル７６を介しての弁７８の操作はまた、急を用する
制御に便利である。

例えば、操作者がトラクターの操従だけでなく他の操作
の為に忙がしく当該トラクターの動きを停める必要が生
じたとき、ハンドレバー６４を使用して弁６２を閉じる
ことは非常に困難である。

しかし、ペダル７６は弁６２を閉じることができるよう
になるまでトラクターを停止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る伝動機構の組み込まれるトラクタ
ーの側面図：第２図は本発明に基づき構成される静流体
伝動機構の回路図である。 ２０・・・・・・モーフ：２２・・・・・・作動流体の
供給手段、２４・・・・・・ポンプ＝６２・・・・・・
ポンプの排出量を制御する手段（主制御弁）二６６・・
・・・・流体の方向を制御する手段（方向制御弁）＝７
５・・・・・・ポンプ排出口と駆動室とを連結する管路
ニア６・・・・・・手動操作手段ニア８・・・・・・弁
。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 一つの駆動室、該室へ連通ずる複数のシリンダ、各
   シリンダ内で往復動可能のピストン、該ピストンを駆動
   室内に突出させるように偏倚する手段、駆動室内に突出
   するピストンを上記偏倚手段に抗して駆動する駆動部材
   を有し、上記偏倚手段及び駆動部材によるピストンの往
   復動によりポンプ作用を行うポンプと： ポンプの流体受入口に連通された作動流体供給手段と： ポンプの流体排出口に連通された液圧モータと：を含む
   静流体圧伝動機構において、 ポンプの排出口と駆動室とを相互連通する流体管路と： この管路内に配置され、通常は閉じた状態に偏倚されて
   おり、ポンプの排出口における所定値以上の流体圧力に
   応答して開くようになる弁と：この弁に組み合せられ、
   操作者の操作により当該弁に加えられている偏倚力に抗
   して該弁を開くようになす操作手段と：を含み、上記弁
   が開かれるとポンプの排出口における流体圧力が駆動室
   に作用し、ピストンの駆動室への突出量を減少するよう
   にした流体回路を備えることを特徴とする静流体圧伝動
   機構。 ２、特許請求の範囲第１項に記載の伝動機構において、
   上記流体回路がポンプの駆動室と液溜めとを相互連通す
   る制限通路を含んでいる静流体圧伝動機構。 ３ 特許請求の範囲第２項に記載の伝動機構において、
   上記操作手段が上記弁と組み合わせられたペダルを含み
   、該ペダルの動きにより当該弁を開位置とするようにし
   た静流体圧伝動機構。