JPS5942902Y2 - スライドフアスナ− - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は連続糸条からなるジグザグ型連続ファスナーエ
レメント列をテープの一側縁に取付けたスライドファス
ナーに関するものである。

ジグザグ型連続ファスナーエレメント列は連続糸条によ
り上下脚部と、該上下脚部の前端に連らなる噛合頭部と
、上下脚部の後端に連らなる連結部とがくり返し連続す
るように形成される。

このファスナーエレメント列はテープ縁部を前記上下脚
部で挾持しかつ該上下脚部をテープ縁部に縫着すること
によってテープに取付けられる。

しかるにこの種のスライドファスナーは単に上下脚部を
テープ縁部に縫着したのみではファスナーに力がか＼る
とファスナーエレメントの脚部がテープ上でずれ動き易
くそのため噛合頭部が不揃いになって開閉操作に支障を
きたし、又はチェーン割れを起し易い。

これを改善するため種々の工夫がなされている。

例えばテープ縁部に別体の隆起縁を介在させてこの隆起
縁上にファスナーエレメントを縫着しているもの（特公
昭３６−３０３７号）、あるいはエレメント脚部に凹凸
をつけてこの凹凸の個所で縫着したもの（米国特許第３
９０８２４２号）等が開示されているが、前者のものは
ファスナーの厚みが過大になり実用的にならず、ｌた後
者のものは線条に凹凸加工しなければならないため加工
が面倒で製造コストが高くなるという欠点がある。

本考案は上述の点に着目してなされたもので、ファスナ
ーエレメントのずれ動きがなく、シかも薄くて柔軟性が
あり、かつ円滑な開閉操作が可能なスライドファスナー
を提供することを目的とする。

以下本考案の実施例を図面に基いて説明する。

連続糸条によって形成されたジグザグ型連続ファスナー
エレメント列１は、上脚部２及び下脚部３の後端が連結
部４を介して連続されて千面略Ｕ字状をなし、さらに上
下脚部２，３の前端部が噛合頭部５を介して連結されて
横断面が略Ｕ字状をなし、これらのＵ字形状がくり返し
連続した構成である。

テープ６の一側縁部に所定の幅及び厚みをもった帯状の
嵩高縁部７が形成され、この嵩高縁部７に前記ファスナ
ーエレメント列１の上下脚部２．３が配置され縫着糸８
によって縫着されている。

前記テープ６は第４図及び第５図に示されているように
経糸９と緯糸１０からなる織成テープであって、テープ
主体部６ａ（前記嵩高縁部７を除いた部分）は経糸９及
び緯糸１０が共にポリエステル等のテクスチャード糸か
らなる。

前記嵩高縁部７は図示の実施例ではテープの一側縁にお
ける３本の経糸９ａｔ９ｂｔ９ｃの部分によって構成さ
れている。

そして最内端縁の経糸９ａば３本のテクスチャード糸Ｔ
を引き揃えた糸、２番目及び３番目の経糸９ｂ ｔ ９
ｃば２本のテクスチャード糸Ｔと３本のマルチフィラメ
ント糸Ｆを引揃えた混合糸が各々使用されている。

前記ファスナーエレメント列１の連結部４の外側は前記
嵩高縁部７のテープ主体６ａ側の縁部７ａと略一致して
いる。

そして縫着糸８の締付力により上下脚部２，３と連結部
４からなるＵ字状部分は嵩高縁部７Ｋ＜い込み、これに
よって嵩高縁部に０字状溝１１が形成される。

この状態で熱処理を行なうことにより前記Ｕ字状溝１１
は熱固定され、これによってファスナーエレメント列１
は０字状溝１１に係止固定された状態となる。

したがってエレメント列１はテープの長手方向及び幅方
向のいずれにも動きにくい構造となる。

前記エレメント列１の嵩高縁部７へのくい込み量は、上
下脚部２，３の内周面２’、３’がテープ主体部６ａの
表裏面と略一致する程度の量であることが好ましい。

このようにするとエレメント列１の厚さは平坦なテープ
に取付けた場合と同一になり、嵩高部分を形成したにも
か＼わらずファスナーの厚さは増加することがなく、柔
軟性を維持できると共に、連結部分４の嵩高縁部７表面
からの突出高さも充分に確保でき、したがって第３図に
示すようにスライダー１２の外郭レール１３に対する連
結部４の外側ガイド面を充分にとれるため、テープに強
い横引き力が作用している場合でも正確な噛合作用が保
証される。

前記緯糸９ａ 、ｓｂの混合糸におけるテクスチャード
糸Ｔ及びマルチフィラメント糸Ｆの各本数及び混合割合
は任意であって、要はテープ主体部６ａよりも嵩高に構
成できる本数であればよい。

嵩高部分におけるテクスチャード糸Ｔはエレメント列の
上下脚部及び連結部のくい込みを容易にし、かつくい込
みによるＵ字状溝の熱固定を容易かつ充分に行なわしめ
る。

嵩高縁部にマルチフィラメント糸Ｆを入れるのはテクス
チャード糸のみでエレメント取付縁部を構成すると、伸
縮が大き過ぎるため引張強度に欠け、かつエレメントの
取付安定性が保ちにくいという理由のほか、エレメント
縫着の際縫着糸が伸縮のほとんどないマルチフィラメン
ト糸に捕捉され縫着力が強固になるという理由からであ
る。

前記最内端縁の経糸９ａは縫着糸が通らないので全てテ
クスチャード糸としであるが、これも同様の混合糸を用
いてもよい。

以上のように本考案によればエレメント列の上下脚部及
び連結部が嵩高縁部にくい込み熱固定されたＵ字状溝に
係止された状態になっているため、エレメント列の縦、
横のずれ動きを強力に阻止でき、エレメントの取付安定
性が向上し、横引き力や突上げ力が加わってもチェーン
割れを起さず、また嵩高縁部へくい込んでいるため薄く
て柔軟性があるファスナーが得られる。

又、嵩高縁部にテクスチャード糸とマルチフィラメント
の混合糸を使用しているため、テクスチャード糸によっ
てエレメント列のくい込み並びＫ［７字状溝の熱固定が
確実に行なわれ、かつマルチフィラメント糸によってエ
レメント取付縁部の引張強度の確保並びに縫着糸の捕捉
が充分にできエレメント取付強度が向上するという効果
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のスライドファスナーの実施例を示す平
面図、第２図は同上の要部拡大平面図、第３図は第２図
の■−■線断面図、第４図はテープの要部拡大平面図、
第５図は第４図のｖ−Ｖ線断面図である。 １：ファスナーエレメント列、２：上脚部、３：下脚部
、４：連結部、５：噛合頭部、６：テープ、７：嵩高縁
部、８：縫着糸、１１：Ｕ字状溝、Ｔ：テクスチャード
糸、Ｆ：マルチフィラメント糸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上脚部及び下脚部の後端部が連結部を介して連結されて
   千面略Ｕ字状をなし、かつ該上下脚部の先端部が噛合頭
   部を介して連結されて横断面略Ｕ字状をなすジグザグ型
   連続ファスナーエレメント列を、前記上下脚部でテープ
   の一側縁部を挾持し縫着手段で該テープに取付けたスラ
   イドファスナーにおいて、前記テープの一側縁部にテク
   スチャード糸とマルチフィラメント糸とを引き揃えた混
   合糸を主体として織成された帯状の嵩高縁部を形成し、
   該嵩高縁部のテープ主体側の縁部と前記ファスナーエレ
   メント列の連結部外側とを略一致させると共に、上下脚
   部及び連結部からなるＵ字状部分を縫着糸の締付力によ
   って前記嵩高縁部にくい込渣せて熱処理を行なうことに
   より該嵩高縁部にくい込みによるＵ字状溝を熱固定した
   ことを特徴とするスライドファスナー。