JPS5940596Y2 - ロ−ラ−チエ−ン用密封装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はローラーチェーンの各リンクの接合部における
密封装置に関する。

動力伝達用としで使用されるローラーチェーンにおいて
は、第１図に示される如く外側リンク２及び内側リンク
３が、内側リンク３に嵌着されているブツシュ４及び外
側リンク２を貫通するピン１によって互いに連結され、
ピン１とブツシュ４間に隙間を備え、ピン１とブツシュ
４が互いに揺動する構造となっているが、この隙間にお
いてピン１とブツシュ４間の潤滑作用をなす潤滑剤の洩
れ防止、或いは該隙間への異物の侵入阻止のために両す
ンク２，３間に隙間５を設け、この隙間５に弾性材製Ｏ
リング６を挟持してなる密封手段が提案されている。

しかしながら、この種従来の密封手段においては、潤滑
剤を封入されたピン１とブツシュ４間の空室７と外部と
がＯリング６の両側部８，８′と各リンク側面との接触
部のみによって隔てられているので、潤滑剤の洩れ防止
及びダスト等の侵入阻止の機能が必ずしも十分に保持さ
れていると期待することができない。

本考案は、上記した従来技術における問題点に鑑み、内
外両リンク間に挿入される環状バッキングを、略円形の
断面形状を呈して径方向内方に位置する環状主体部と、
該環状主体部から径方向外方へ伸びて端部の両側に斜め
方向へ突出する突起部を付されて略Ｙ字状の断面形状を
呈するフランジ部とによって構威し、主体部を内外両リ
ンクの対向面に挟圧させることにより、内外両リンクの
挟圧による軸方向スラスト荷重を負担させるとともに、
ピン及びブツシュ間の潤滑剤の漏出をシールさせ、内外
両リンクの対向面に弾性接触する突起部により、外部か
らのダスト等の侵入に対する阻止作用をさせ、更に、主
体部と突起部により形成された環状溝内へグリースを充
填しておくことにより、内部潤滑剤の漏洩阻止機能及び
外部ダスト等の侵入阻止機能を助長させるようになすも
のである。

以下図面に基づいて、本考案の実施例について説明する
。

第２図の実施例においては、ピン１によって互いに連結
される外側リンク２と内側リンク３は、内側リンク３の
外側面から突出させたブツシュ４の端面を外側リンク２
の内側面に対向させることによって隙間５を備える如く
なされており、該隙間５内に、第３図に細部を示す如き
、環状バッキング１０が配置されでいる。

該環状バッキング１０は径方向内方に位置し、中心孔１
３を設けるとともにブツシュ４の外径と略等しい内径を
有する略円形断面の主体部１１と、該主体部１１の外周
面から径方向外方に向って伸びている断面略Ｙ字形状の
環状フランジ部１５とからなり、該フランジ部１５の両
端部は突起部１２．１２’となっている。

主体部１１と突起部１２．１２’との中間に環状の溝部
１４．１４’を有するゴム状弾性材製の環状バッキング
１０が中心孔１３にブツシュ４を嵌入されて装着され、
主体部１１の軸方向両側部が内外両リンク２，３の各側
面に挟圧され、突起部１２．１２’の各先端部が内外両
リンク２，３の側面に圧接し、更に環状溝部１４．１４
’と各リンク２，３側面とにより形成される空所内にグ
リースが充填されて、ピン１とブツシュ４の間に形成さ
れる空室７内にある潤滑剤の外部への洩出に対しては主
体部１１と内外両リンク２，３との圧接部によって密封
作用をなし、外部から空室７内へのダスト等の侵入に対
しては突起部１２．１２’と内外両リンク２，３との圧
接部によって阻止作用をなさしめるとともに、環状溝部
１４．１４’内にあるグリースによって空室７に対する
密封作用及び侵入阻止作用を更に堅確になす如く槽底さ
れている。

本考案のローラーチェーン用密封装置が上記した構成要
件を備えていることにより、下記する効果を奏すること
が期待される。

環状バッキングが、内外両リンクの対向面間に挟圧され
る円形断面の環状主体部と、該環状主体部から径方向外
方に伸び、先端部両側に、斜め方向に伸びて内外両リン
クの対向面と弾性接触する突起部を付されて略Ｙ字状の
断面形状を呈する環状フランジ部とにより槽底されてい
るため、環状主体部が、ピン及びブツシュの潤滑剤の外
部への漏洩を阻止する機能を担うとともに、内外両リン
クの挟圧による軸方向のスラスト荷重を負担し、環状フ
ランジ部の両突起部が外部ダスト等の内部への侵入に対
する阻止機能を担うことになり、スラスト荷重による圧
力が環状フランジ部の突起部に対して影響を及ぼさない
ので、環状バッキングの寿命が著しく長期化する。

更に、環状主体部と環状フランジ部の突起部により形成
される環状溝部内にグリースを充填することにより、潤
滑剤の漏洩阻止及びダスト等の侵入阻止機能を助長させ
ることが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来技術による密封手段を備えたローラーチェ
ーンの構造を示す断面図、第２図は本考案による密封手
段を備えたローラーチェーンの構造を示す断面図、第３
図は第２図の実施例に用いられる環状バッキングの構造
を示す断面図である。 １・・・・・・ピン、２・・・・・・外側リンク、３・
・・・・・内側リンク、４・・・・・・ブツシュ、５・
・・・・・隙間、６・・・・・・Ｏリング、７・・・・
・・空室、８，８′・・・・・・Ｏリング側部、１０・
・・・・・環状バッキング、１１・・・・・・主体部、
１２．１２″・・・・・・突起部、１３・・・・・・中
心孔、１４．１４’・・・・・・環状溝部、１５・・・
・・・環状フランジ部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外側リンク２と内側リンク３とを互いに揺動可能に連結
   するピン１、該ピン１に外挿されたブツシュ４及び前記
   外側リンク２ど前記内側リンク３の互いに対向する側面
   間の隙間５に挟圧挿入された弾性材製の環状バッキング
   １０を有し、前記環状バッキング１０が、前記ブツシュ
   ４の外径と略等しい内径を有する断面略円形の環状主体
   部１１と、該環状主体部１１から径方向外方に向って伸
   び、外方端部の両側に、斜め方向に突出する突起部１２
   ．１２’を付されて略Ｙ字状の断面形状を呈し、前記環
   状主体部１１と協働して環状溝部１４．１４’を形成す
   る環状フランジ部１５とより成ることを特徴とするロー
   ラーチェーン用密封装置。