JPS5935467Y2 - 粉体ホッパ−の粉体送り出し機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、粉体ホッパー内の粉体をブリッジ現象を起こ
すことなく円滑に送り出すための粉体送り出し機構に関
する。

従来一般に粉体ホッパーとしては、第１図に示すような
円形断面ホッパーが多く使用されている。

その最も単純なものが円錐ホッパーであるが、単なる円
錐ホッパーでは粉体の排出速度がホッパー内の粉体量や
粉体の性質によって大きく変動するので゛、ホッパー内
に粉体送り出し用のスクリューを設け、このスクリュー
の回転によって粉体の排出速度を制御することがよく行
なわれる。

すなわち、円形ホッパー３の底の偏芯位置にほぼ水平に
スクリュー２を設け、このスクリュー２とかみ合ってホ
ッパー３の底部中央で回動できるように設けられた歯車
５と、この歯車５に固定された旋回棒４からなり、ホッ
パー３内の粉体７はモーター１によって駆動されるスク
リュー２によってホッパー出口６から一定の割合で送り
出されるが、スクリュー２の回転に伴って歯車５が回転
し、この歯車５と一体で旋回棒４が第２図に示すように
ホッパー３の内壁に沿った形で旋回して粉体のはぐしと
スクリュー２への粉体のかき寄せを行って粉体中に大き
な空洞の発生するいわゆる粉体のブリッジ現象を防止し
ながら送り出しを行うものである。

ところで、このような粉体送り出し機構であっても粉体
の流動性が悪い場合には、粉体のほぐし効果が中心部に
及ばずブリッジ現象を生じてスクリュー２への粉体のか
み込みができなくなる。

またホッパー３の底部の粉体のスクリュー２へのかき寄
せはスクリュー２の頂部より下の部分には屈かないので
、ホッパー３から送り出すことのできない残留粉体量が
多くなる。

さらにまた、円形断面ホッパーを備えた機器は同一量の
粉体を貯える場合、ホッパー形状の関係で機械の前幅が
広くなってしまい、機械の設置スペース上液も重要視さ
れる前幅の点で不利になる。

このことは自動販売機などのように複数のホッパーを必
要とするものの場合に特に問題となる。

そのため、第３図に示すような前幅の狭い長方形ホッパ
ーが使用される。

このホッパーの場合にもスクリュー２の回転により一定
の割合で粉体を送り出すが、長方形ホッパー８内の粉体
のブリッジ現象の発生を防止して粉体をスクリュー２に
かみ込ませるために、水平軸の回りに回転し得る旋回枠
９をその回転軌跡が第４図の破線で示すようにホッパー
側壁とスクリュー２の上部に近接するようにスクリュー
軸からベルトで回転駆動されるようになっている。

この機構においても流動性の悪い粉体の場合には旋回枠
９の回転によるはぐしの効果はホッパー上部の粉体には
及ばず、上部でブリッジ現象が発生する恐れがある。

また第４図に示すようにホッパー底の隅部には旋回枠９
の回転とスクリュー２の回転の影響が及ばず、残留粉体
１０が生じ、残留粉体の量が非常に多くなるという欠点
があった。

本考案は以上のような問題点を解決し、ブリッジ現象を
起こすことなく円滑に、かつ残量を少なく送り出すこと
ができ、また比較的流動性の悪い粉体をも扱い得る粉体
の送り出し機構を提供するものである。

以下本考案を第５図、第６図に示した一実施例により説
明する。

長方形の粉体ホッパー８の底部には、外部のモータ１に
より回転駆動される粉体移送用のスクノユ−２が水平に
設けられている。

前記ホッパー８の後壁上部にはバネ板からなる傾動部材
（以下バネ板として説明する）１１の一端が固定され、
このバネ板１１の他端はスクリュー２と適当な引掛り代
を持って係合している。

スクリュー２のすぐ上にはアジテータ−１３がほぼ水平
に設けられ、その前部を保持片１７により摺動自在に保
持し、後端は前記バネ板１１の自由端に適当なガタを持
って連結保持されている。

アジテータ−１３は細い棒状の中心部材１４に細い棒状
のかくはん単位体１５を適当な間隔で複数個固着し、さ
らにアジテータ−１３の中間部分のかくはん単位体１５
上には上向に凸の枠１６が立設されている。

前記かくはん単位体１５はホッパー８の前幅内寸法に近
い水平部分を持ち、その両端が第６図に示すように該ホ
ッパー８の底部形状にならった形状に成形されている。

次に本機構の動作について説明する。

モーター１によってスクリュー２を回転駆動して粉体を
一定の割合でホッパーから送り出すが、スクリュー２の
回転に伴ってバネ板１１の下端は左方に移送され、移送
と共にバネ板１１とスクリュー２の引掛り代は減少し、
遂には引掛り代がなくなり、バネ板１１は自らのバネ力
によって第５図の破線で示す状態まで右方へもどり、バ
ネ板１１の下端は再びスクリュー２と初期の引掛り代を
持って係合し、再び左方へ移送され、この連動を繰返す
。

したがってバネ板１１に連結されたアジテータ−１３も
左右に往復動し、かつバネ板１１の下端は最も左へ移動
した時と最も右側へもどった時とでは高さ位置も変化す
るので、アジテータ−１３は水平方向だけでなく上下方
向にも移動する。

このようなアジテータ−１３の動きによってホッパー内
の粉体はスクリュー２のすぐ上で同時に全面がゆさぶら
れ、はぐされてスクリュー２にかみこまれると共に、ア
ジテータ−１３の上部の粉体全体にゆさぶりの影響が及
び、アジテータ−１３の往復動による振動の効果も有効
に作用して粉体のブリッジ現象の発生を抑止し、粉体の
円滑なスクリューへのかみこみとホッパーからの送り出
しを可能にする。

このようにホッパー内の粉体は同時に全体が上下左右に
揺動せしめられるので流動性の悪い粉でもブリッジ現象
を起すことなく円滑に送り出すことができる。

アジテータ−１３上に上向に設けられた枠１６はアジテ
ータ−１３より上の粉体にアジテータ−１３の動きを効
果的に伝達する働きをするものである。

アジテータ−１３のかくはん単位体１５は第６図に示す
ようにホッパー８の底部と少しのすきまを保って該ホッ
パー底部の形状にならった形状に成形されているのでス
クリュー２の回転の影響の及ばない底部の粉体をも移動
せしめてスクリュー２にかみこませるので残留粉体の量
を非常に少くできる。

なお、バネ板１１が復帰する際にスクリュー２に強く当
って騒音を発生するのを防止するため、クッションバネ
１２を設けるとよく、またアジテータ−１３を構成する
部材は細い棒材に限るものではなく幅狭の板材にても構
成することができ、その形状もホッパー８の内壁とスク
リュー２の外周形状によって形成される粉体ホッパー８
の底部の空間形状に応じて適宜に定め、またホッパー８
の上部に対しても枠１６の形状を適宜に定めてもよいこ
とは言うまでもない。

さらにまた前述した実施例では、アジテータ−１３をス
クリュー２の回転に伴って往復動させるため、バネ板１
１を用いた例を示したがこれに限らず棒や板状等の部材
を直接またはブラケットなどを介してホッパー８の内壁
に揺動可能に取付け、これに復帰用の弾性力をバネ等に
て付与するようにしてもよい等、種々変更可能なことは
言うまでもない。

以上述べたように本考案は、ホッパー内の粉体全体を効
果的に移動せしめてブリッジ現象の発生を抑え粉体を円
滑にスクリューにかみこませて残留量を少く送り出すこ
とができ、流動性の悪い粉体をも処理することができ、
構成が簡単で容易に実施し得る等、優れた特長を有する
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の円形断面ホッパーの粉体送り出し機構を
示す平面図、第２図は第１図のＩ■−ＩＩ線断面図、第
３図は他の従来例を示す縦断面図、第４図は第３図のＩ
Ｖ−ＩＶ線断面図、第５図は本考案のｌ実施例を示す縦
断面図、第６図は第５図のＶＩＶＩ線断面図である。 １・・・・・・モーター ２・・・・・・スクリュー、
３・・・・・・円形ホッパー ４・・・・・・旋回棒、
５・・・・・・歯車、６・・・・・・ホッパー出口、７
・・・・・・粉体、８・・・・・・長方形ホッパー、９
・・・・・・旋回枠、１０・・・・・・残留粉体、１１
・・・・・・傾動部材（バネ板）、１２・・・・・・ク
ッションバネ、１３・・・・・・アジテータ−１１４・
・・・・・中心部材、１５・・・・・・かくはん単位体
、１６・・・・・・枠、１７・・・・・・保持片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 粉体ホッパーと、該粉体ホッパーの底部に設けられ該粉
   体ホッパー外のモータにより回転駆動される粉体移送用
   のスクリューと、一端を前記粉体ホッパーの内壁に直接
   または間接的に取付けられ、他端を前記スクリューに適
   宜な引掛り代をもって係合されると共に、前記スクリュ
   ーの移送方向に対し逆側に作用する弾性的復帰力をそれ
   自身が有するかまたは他から付与される傾動部材と、前
   記粉体ホッパーの内壁およびスクリューの外周形状によ
   って形成される粉体ホッパーの底部の空間形状に略倣う
   ように底形された複数のかくはん単位体を前記スクリュ
   ーに沿って配列固着したアジテータとからなり、前記ア
   ジテータを前記スクリューと略平行に移動自在に保持し
   、かつ該アジテータを前記傾動部材の自由端側に連結し
   てなる粉体ホッパーの粉体送り出し機構。