JPS5935295Y2 - 圧延線材水冷用ノズル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は線材圧延設備における水冷装置に使用される冷
却ノズルに関するものである。

一般に、線材圧延設備にあって仕上圧延機を出た線材は
、水冷装置によって所要の温度まで冷却が施される。

ところで、この種水冷装置に使用される冷却ノズルとし
て第１図に示すように、冷却水供給ヘッダー１に前後に
開口する通水ボックス２をその下部において冷却水の流
入口３が冷却水供給ヘッダー１に連通ずるように取り付
け、その前端にパイプ５を溶接により一体に固着してな
る前方にラッパ状の線材の通過する開口６を形成してな
る第１ノズル４をボルト等の適宜手段で取り付け、後端
に前記第１ノズル４と同様に長尺のパイプ８を後部に溶
接により固着し、前方にラッパ状の開口９を形成してな
る第２ノズル７を第１ノズ／Ｌ／４のパイプ５と開口９
との間に若干の間隙Ｃを形成するようにボルト等の適宜
手段によって固定し、ノズル内を通過する線材に対し前
記間隙から水を噴射せしめる構造のものが提案されてい
る。

ところで、このノズルは常時冷却水が供給されることか
ら、機器の腐食を防止し、寿命を長くするという観点か
ら、ステンレス鋼、例えば、５ＵＳ３０４が使用される
が、この冷却ノズルはその中を高速で通過する線材と接
触するため著しい摩耗が生起するが、第１図において、
夫々のラッパ状開口部６，９が線材の進入時に先端部が
衝突するために特に摩耗が激しいものとなり、この摩耗
生起時における問題は、特に、その構造上、材質上、第
２ノズルの長さが長いために起るもので、これにより水
冷装置における線材の走行抵抗が増大し、ミスロールを
誘起することになり、この夫々のノズルは一体的に形成
されているため、その摩耗の点検は非常に困難であり、
特に第２ノズル７は長尺のパイプ８を使用しているので
さらにその困難性は倍加されることになり、従来にお５
、ては、ミスロールの発生を事前に回避する意図から、
定期的にこの冷却ノズルを交換することが行なわれてい
る。

しかしながら、水冷装置に多数の冷却ノズルが配設され
ており、その交換に時間を要するのみならず、前述する
如く冷却ノズルがステンレス鋼で製作されることからも
極めて高価なものとなり、線材の製造コストの上昇を招
来するという欠点を有するものである。

本考案は前述したような諸点に鑑みなされたものであり
、その特徴とするところは、給水ヘッダーに連通ずる冷
却水の流入口を有する通水ボックスに、その前端壁に中
心６部に線材の通過する先端がラッパ状に開口する孔を
有する第１の誘導パイプを螺合せしめ、後端壁の内面に
前記第１の誘導パイプの後端との間に空隙を形成するよ
うに線材案内ガイドを螺着せしめるとともに、後端壁の
第２の誘導パイプの挿通孔の軸方向任意の位置に円周溝
を設け、この円周溝の任意の対称位置に後端壁の外面に
連通ずる切り込みを設け、かつ、第２の誘導パイプの外
周対称位置に前記切り込みの幅に相当する突起を固着し
、第２の誘導パイプを外方より前記の切り込みに嵌挿し
、回転させることにより後端壁に対する固着をなさしめ
るように第２の誘導パイプを取り付けた点に存する。

以下図面の実施例に基づいて本考案に係る圧延線の水冷
ノズルを説明する。

１１は給水付ヘッダーで、これに固着してなる座金に内
部に冷却水の充満する室１４を有する通水ボックス３が
その流入口１２が連通ずるように適宜手段で固定される
。

この通水ボックス１３の圧延進入側である前端壁１５に
は線材の通過する先端がラッパ状に開口する通過孔１７
を有する第１の誘導パイプ１６がその外周に刻設された
ネジ部１８によって螺合されている。

一方、通水ボックス１３の後端壁１９にはその内面に前
記第１の誘導パイプ１６の後端との間に間隙Ｃを形成す
るようにラッパ状の開口２１を有する線材案内ガイド２
０がネジ部１９Ｃにより螺着され、また、この線材案内
ガイド２０に連接するように後端壁１９に設げられた円
周溝２１に第２の誘導パイプ２２が着脱可に嵌着されて
いる。

この第２の誘導パイプ２２の後端壁に対する取り付けは
第３図および第４図に示すように、後端壁１９の第２の
誘導パイプ２２の挿通孔１９ａの軸方向任意の位置に適
宜の深さでもって円周溝２１を設け、この円周溝２１の
任意の対称位置に後端壁１９の外面に連通ずる適宜幅の
切り込み１９ｂを設け、一方、第２の誘導パイプ２２の
外周対称位置に前記切り込み１９ｂの幅に相当する突起
２２ａを固着し、第２の誘導パイプ２２を外方より前記
の切り込み１９ｂに嵌挿し、回転させることにより後端
壁１９に対する固着をなさしめる。

なお、図中１９ｃは後端壁１９に設げた線材案内ガイド
２０を螺着せしめるためのネジ部で、１９ｄは後端壁１
９を通水ボックス１３に取り付けるためのボルト穴、２
３は第２の誘導パイプ２２の後端を支持する支承塵であ
る。

以上のような構成を有する圧延線材水冷用ノズルにおい
て、通水ボックス１３の前端壁１５に第１の誘導パイプ
１６を螺合せしめ、また、後端壁１９に線材案内ガイド
２０を螺着せしめるのに夫々前、後端壁を通水ボックス
に取り付け、第１の誘導パイプ１６を回動させて調整し
、しかる後、通水ボックスを供給ヘッダー１１に載置固
定した後、第２の誘導パイプ２２を前述する如く通水ボ
ックス１３に嵌着せしめる。

線材の通過に伴なって冷却水は供給ヘッダー１１から通
水ボックス１３の室１４に充満し、間隙Ｃを通して水冷
用ノズルを通過する圧延線材の外周に供給される。

圧延の進行に伴って、水冷用ノズルにおける圧延線材と
の接触により摩耗が進行するが、点検に際し摩耗が著し
く圧延に支障を来たす部材が取外され交換される。

特に、第２の誘導パイプ２２の摩耗点検に際してはそれ
自体が着脱可能であり、容易、かつ、迅速になし得るも
のである。

以上説明したように、本考案に係る圧延線材水冷用ノズ
ルにおいては、各部分を着脱可能に構成することによっ
て、摩耗の著しいものと交換することを可能とし、その
交換に際しても迅速、かつ、極めて容易になし得るもの
であり、また、交換する部材も限定されるため、高価な
材料を廃棄することから生じる生産員の増員をも抑制す
る効果をもち、その奏する効果は産業上極めて大である
。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の圧延線材水冷用ノズルにおける断面図、
第２図は本考案に係る圧延線材水冷用ノズルの断正面図
、第３図は後端壁の側面図、第４図は第３図ｂ−ｂ線に
沿った断面図。 １３〜通水ボツクス、１５〜前端壁、１６〜第１の誘導
パイプ、 １９〜後端壁、 ２０〜線材案内 ガイド、 ２２〜第２の誘導パイプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 給水ヘソグーに連通ずる冷却水の流入口を有する通水ボ
   ックスに、その前端壁に中心部に線材の通過する先端が
   ラッパ状に開口する孔を有する第１の誘導パイプを螺合
   せしめ、後端壁の内面に前記第１の誘導パイプの後端と
   の間に空隙を形成するように線材案内ガイドを螺着せし
   めるとともに、後端壁の第２の誘導パイプの挿通孔の軸
   方向任意の位置に円周溝を設け、この円周溝の任意の対
   称位置に後端壁の外面に連通ずる切り込みを設け、かつ
   、第２の誘導パイプの外周対称位置に前記切り込み幅に
   相当する突起を固着し、第２の誘導パイプを外方より前
   記切り込みに嵌挿し、回転させることにより後端壁に対
   する固着をなさしめるように第２の誘導パイプを取り付
   けたことを特徴とする圧延線材水冷用ノズル。