JPS5934872Y2 - 厚単板等の素材の連続プレス乾燥装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、合板、積層材の素材となる厚単板等のプレ
ス乾燥装置に関するもので、従来これらの素材となる薄
単板においての乾燥方法は、熱風式の縦循環又は横循環
式あるいはジェット式など、いわゆる熱風通気乾燥方法
が行われている。

しかし厚単板の乾燥には、この熱風通気乾燥方式では、
熱効率がきわめて不利であるばかりでなく、乾燥による
狂いが生じ易く、特に木口の波釘、割れなどが多く、品
質定損じ、製品の製造上の障害となることが多い。

これらの欠点４補う乾燥方法として黙然乾燥方法がある
。

この方法は、黙然によるプレス乾燥であるので、熱効率
は高く、藍燥時間も著しく短縮でき、乾燥による狂いが
ないなど厚単板の乾燥に有利であるが、多段式であるた
め、乾燥する素材の送入、搬出に莫大な設備と、送入、
搬出に多大な時間金要して作業能率が悪く、又単位時間
当りの生産量金満足させるためには益々多段化する傾向
にある。

ところが、この方法全実施する装置の普通の構造は、複
数段設けられる黙然の最上段のもの金固定し、最下段の
黙然金昇降可能にして、各熱盤間の各１枚ずつの単板金
挿入し終ると、最下段の黙然金上昇させて多段の単板金
−斉に加圧乾燥させろものである。

その結果、最下段の単板には上方のすべての黙然の重量
がかかるため、上段の単板に比べて加鎖力に大きな差が
生じ、乾燥単板間に厚み減りの差が生じる。

１０段以上のこの種装置では、その差が５％に達するこ
とが斯業界で常識とされていると言う不都合がある。

この考案は、上記した従来の諸欠点金解消し、高能率に
適確な乾燥ができる連続プレス乾燥装置金提供しようと
するものである。

この考案の一実施例の図面について説明すれば、１は連
続プレス乾燥装置内に送入される未乾燥の素材、２は乾
燥されて搬出される素材、３は下部駆動プーリで、従動
プーリ８との間にかけ渡した無端の下部搬送帯９金、そ
の上側が水平状に運行するように支持し、公知の適当な
手段で、下部搬送帯９金素材送出方向に間欠的に駆動す
る。

そして、下部搬送帯９は、その水平状の上側の上面に、
その間欠的移動の都度順次に送入される一段の素材（通
常複数）乞支持して搬送するように構成されている。

１０は上部搬送帯で４個のプーリ４．５．６及び７で側
面形四辺形状に形成され、その下側部分が、下部搬送帯
９の水平状の上側部分と一定の間隔４存して平行に対向
する。

上部搬送帯はその運行を自由とし又はこれ紫省略しても
よいが、後記する黙然の防蝕のため及び素材金挾持して
円滑に搬送するためには、前記４個のプーリ中たとえば
プーリ４金上部駆動プーリとして、下部搬送帯の間欠移
動と同期して、同方向に運行させることが望ましい。

本考案において、上下の搬送帯１０．９は、耐熱、耐蝕
のため、ステンレス鋼製のスチールベルト等、耐蝕性金
属薄板の連続した広幅ベル）ｋ用いる。

１１及び１２は上部及び下部黙然で、前記上下の搬送帯
９．１０の対向部分金介して下部搬送帯上に支持される
素材金はさむように配置され、常時一定の間隔を存して
対向している。

両黙然は、通常複数並列して支持されている素材１金同
時にはさみ得る大きさの平面形金有し、相対的な近接及
び離隔（遠ざかり）金繰返すことにより、素材の熱圧及
び解圧を反復する。

第３図は熱圧面金修正したものである。

上下の黙然は、その本体内に穿設した熱媒体通路に通さ
れるスチーム、サーモオイル等又は電熱によって加熱さ
れる。

両黙然の加圧時における近接の度合は、調節可能なスト
ッパ１３によって規制される。

実施例において、上部黙然１１は、その常態で上部搬送
帯１０が下部搬送帯と対向する下側部分の上面と適当な
間隔４存して位置し、図示のように上部搬送帯１０金介
して、下部搬送帯上の複数の素材に対向する平面形を有
し、伸縮シリンダ１４その他の手段により間欠的に下降
する。

下部黙然１２は下部搬送帯９の前記対向部分の下面に近
接して上部黙然１１に対向する位置に固定されており、
上部黙然１１とほぼ同じ平面形を有する前記の下部黙然
１２は解圧時に移動する下部搬送帯９が摺擦しないよう
にする。

前記搬送帯９．１０の幅は、この黙然の熱圧面をカバー
できる大きさを有する。

そして上部黙然１１は、搬送帯１０．９又は９のみの間
欠送、りに対応して昇降するように装置するものであり
、送りの停止時下降して素材紫熱圧し、上昇して解圧し
たとき素材が送られるようにし、順次熱圧と解圧が反復
され、その都度素材は送られて乾燥され、搬出されるよ
うにしたものである。

１３．１３は黙然１２の両端に黙然１１の下面に対向さ
せて設けたストッパで調節ねじ１５によって上下位置を
調節される。

このストッパ１３は、伸縮シリンダ１４の伸長等で上部
黙然１１が下降するとき、下部黙然１２との近接の度合
金規制して、熱圧時の素材圧縮量定一定に保ち、素材の
不当な厚み減りを防止すると共に乾燥すれた素材の厚み
金−走化するためのものである。

通常、ベニヤ単板の切削においては、切削後その切削さ
れた単板の厚みが５％程度膨張するので、加圧量は剥れ
た板厚に対し厚い単板においては太きく薄い単板におい
ては小築くなるように加減して熱圧乾燥すること４要す
る。

未乾燥素材１ば、搬送帯９．１０の運行の都度対向部分
の一方から前記のとおり順次に１段送入挟持でれて、間
欠的に送られる。

黙然１１はその送りに対応して昇降し、停止時下降して
素材１を熱圧し、上昇して解圧したとき素材１は送られ
て停止したとき、再び下降し熱圧する作動金反復して素
材金乾燥させて乾燥された素材２として他方に搬出され
るものである。

上記のような構成の装置において、単板金乾燥させる黙
然は、その熱圧面が直接素材と対向する場合、木材単板
が含有するやに、しぶ及び塩分など金含む多量の水分と
、黙然本来の目的である加熱作用とが相俟って、タンニ
ンによる金属の黒変や化学的腐蝕作用４実けることが甚
だしく、渣た樹脂その他の異物のこびり付き、焼は付き
等でその熱圧面が荒れたり毀損されたりする。

かかる現象は、下部黙然の上面で特に甚だしい。

このため黙然は、定期的にその熱圧面金修正削り金しな
ければならなくなる。

一方黙然自体は、その熱効率を高めると共に熱圧面全体
の熱分面金平均させるため、熱盤内部に縦横に穿孔され
ろ前記熱媒体通路が熱圧面に近接して設けられている関
係上、熱圧面の修正削りは１〜２面程度が限度となる。

このように、単板のプレス乾燥装置においては装置の維
持費の中で黙然の占める比重がきわめて大きい。

ところが本考案の装置においがは、黙然の熱圧面と素材
との間にステンレスベルト等耐蝕性の大きい金属ベルト
の無端帯が介在するので、素材（木材単板）の水分の影
響金堂けることがなくなって装置の維持費を大幅に軽減
させる効果がある。

また搬送帯の素材接触面が汚損したときは、単にこれを
交換するのみで作業音継続できるため、黙然の修正削り
のため作業音休止する必要がなくなり、装置の稼働重金
向上させる上にも大きな効果がある。

搬送帯の研磨再使用はきわめて容易である。

一方本考案の装置は、従来の多段熱圧方式金廃して一段
のみの単板金上下の２個一対の黙然１１．１２のみで連
続処理することとし、素材の送入送出音能率化すること
で作業能率の向上４計ったものであるから、従来装置に
おける上下の単板間に生じる厚み減りの差等の不都合音
生じさせることがない。

しかも本考案装置は１回毎の熱圧で素材金圧縮する厚み
が、黙然両側のストッパ１３．１３で常時一定に保たれ
るので、送出される乾燥素材の仕上り厚がすべて一定で
あると言う効果がある。

オた、搬送帯の表面は平滑であるから乾燥単板の表面も
平滑に仕上げられ、合板製造時の糊の使用量金節減させ
る一効果がある。

そして、本考案の黙然は前記のとおり素材の影響で汚損
することがないからこれを大型化することが可能である
。

そこで、図示のように複数の素材を並列させて同時処理
することで作業能率を一層向上させることが可能である
。

−膜処理方式であるから素材の送入及び送出には何等特
別な装置全必要としない。

従って多段送入のため複雑な送入手段の付設が必剰であ
る従来装置に比べて、その床面積の増加はさして大きく
ならない。

かくして、簡単で取扱い容易な装置により、能率的な連
続プレス乾燥金遂行できるのである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例金石す説明図で、第１図は素
材の送り状態における測面図、第２図は第１図Ａ−Ａ線
による横断正面図、第３図は素材の熱圧状態における側
面図である。 １・・・・・・素材、９．１０・・・・・・搬送帯、１
１・・・・・・上部黙然、１２・・・・・・下部黙然、
１３・・・・・・ストッパ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 下記Ａ％ Ｂ及びＣの条件金且備し、素材１の厚み金一
   定に規制しながら連続して乾燥し搬出するようにしたこ
   と金特徴とする厚単板等の連続プレス乾燥装置。 Ａ 順次に送入される１段の厚単板等の素材１金水平状
   に支持し、間欠的に搬送されて下部黙然１２の熱圧面金
   カバーする耐触性の無端の金属ベルトから成る下部搬送
   帯９金設けること。 Ｂ 下部搬送帯９金介して素材１金挾むように対向し、
   下部搬送帯９の間欠送りに対応して間欠的に近接又は離
   隔する１対の上部黙然１１及び下部黙然１２金設けるこ
   と。 Ｃ上部黙然１１又は下部黙然１２に、他方の黙然に対向
   して上下位置調節可能に、■対の黙然１１．１２の近接
   の度合を規制するストッパ１３金設けること。