JPS5933631Y2 - 壷状ゴム製バツグ製造装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は例えばアキュムレータ用ゴム製バッグのごとく
、該バッグの一方端のみに比較的小径の開口を有する壷
状ゴム製バッグの加硫成形に好適に用いうる製造装置に
関する。

上述ゴム製バッグ製造のために従来用いられている製造
装置は、第１図（イ）に暗示する通り、製造されるべき
ゴム製バッグＲＢ’の底部側ＲＢ１’（本図口参照）の
外形に対応する内形を有するキラビテイ２ａ′を備える
上面の開いた下型２′と前記ゴム製バッグの開口部側Ｒ
Ｂ２′の外形に対応する内形を有するキャビティ１ａ′
を備える上端の開いた上型１′と、前記ゴム製バッグＲ
Ｂ’の内形に対応する外形を有する中子型３′とから構
成される。

バッグの成形に際し、該中子型はその頂部から軸心方向
に浴って延びる支持軸３ｂ’を前記上型１′のキャビテ
ィ頂部に穿たれた中子型支軸用案内孔１ｂ’に嵌合せし
められることにより一体の金型を形成する。

次いで、下型２′は下端の可動プラテン４′を介して油
圧ラム（図示せず）により押し上げられて、その上端開
口縁部の内側に形成された段部５′が上型１′の下端開
口縁部に衝合するまで上昇せしめられる。

この衝合に伴い、予め該段部５′内に充填されているリ
ング状の未加硫ゴムスラブ６′が上型１′と下型２′の
夫々のキャビティ１ａ′と２ａ′及び中子型３′とによ
り形成される間隙７内に圧入されて所望の壷状バッグの
粗形を形成するから、次いで型全体を加熱して加硫後、
型を開いて成形されたバッグＲＢ’を取り出す（第１図
口参照）。

しかるに、この従来装置では、殊に中子型３′が上型１
′に対して固定されており、これらの両型部材に対して
下型２′が次第に接近していくように構成されているの
で、段部５′上に置かれたゴムスラブ６′は、両型２’
、３’が完全に嵌合しあうより以前に下型２′のキャビ
ティ２ａ′の壁面に沿って流下し、該キャビティの底部
にまで到達する。

このため、たとえ下型２′の底部に抜気孔８′が穿たれ
ていても、流下して来たゴムスラブ６′により該孔８′
が閉塞されてしまうため、キャビティ２ａ′内の空気の
脱出が阻止され、この結果、製品ゴムバッグ中に気泡を
生じさせたり又はその表面に小凹陥部（俗にベアーと呼
ばれる）を生じさせたりする欠点がある。

本考案者等は上述した従来装置における欠点の解消につ
き研究を重ねさ結果、従来の装置では、中子型を上型に
対して結合、合体させていたのに対して、逆に中子型を
下型に対して結合、合体させるという発想の転換により
、従来装置の欠点を、簡単に、しかも完全に解決するこ
とができた。

本考案の特徴は、（イ）成形さるべき壷状ゴム製バッグ
の開口部側の外形に対応する内形を有する上面の開いた
キャビティを備えると共に、該キャビティの底部の中心
部には中子型支持軸用案内孔と中子型着座部を、また該
キャビティの上縁部には上型嵌合用兼ゴム材料供給用段
部とを有する下型と、（ロ）成形さるべき壷状ゴム製バ
ッグの残りの底部側の外形に対応する内形を有する下面
の開いたキャビティを備えると共に、下型の上記段部に
嵌合する下縁部を有する上型と、成形さるべき壷状ゴム
製バッグの内形に対応する外形を備えると共に、その底
部から軸心方向に向って上向きに延びる支持軸を有し、
該支持軸が前記下型の案内溝内に嵌挿されたとき該下型
の着座部上に定置されるように構成された中子型との結
合に在る。

以下本考案を図示の実施例構造について説明する。

第２図は本考案の一実施例によるアキュムレータ用ゴム
製バッグ製造装置の断面図で、同図において、１は上型
、２は下型、３は中子型である。

上型１は第３図に示す本実施例装置により作られるアキ
ュムレータ用ごむ製バッグＲＢの底部部分ＲＢ１の外形
と対応する内形を有するキャビティ１ａを備え、該キャ
ビティ１ａはその頂部中心部分に上型１を貫通して外気
と連通ずる抜気孔８を備え、さらに該上型１はキャビテ
ィ１ａから相応の肉厚の壁部９を隔て・加熱流体充填室
１０を備える。

以上のごとく構成された上型は、不動の上部プラテン（
図示せず）に取り付けられている。

下型２は第３図に示すアキュムレータ用ゴム製バッグＲ
Ｂの開口ＯＥを含む残余部分ＲＢ２の外形と対応する内
形を有するキャビティ２ａを備えると共に、該キャビテ
ィ２ａの底部中心部分に後述する中子型支持軸１７を嵌
入するための案内孔１１と該案内孔の内方開口部の周り
に、同心円状に形成された中子型着座部１２とを備え、
さらに該下型２の上向開放端に上型１の下向開放端が嵌
合する段部５を備える。

前記段部５は、また後述する通りゴム製バッグの構成資
材である未加硫ゴム素材の供給用段部としても利用され
る。

なお、上の下型２は、キャビティ２ａから相応の肉厚の
壁部１４を隔て・加熱流体充填室１５を備える。

以上のごとく構成された下型２は油圧ラム２４の上部に
支持される可動下部プラテン４に取付けられる。

中子型３はアキュムレータ用ゴム製バッグＲＢ（第３図
参照）の全内形と対応する外接輪郭３ａを備えると共に
、その内部に加熱流体充填室１６を備え、その底部中心
部分から軸心方向に沿って下向きに延びる支持軸１７を
備える。

支持軸１７は、その内部に、一端が中子型３の加熱流体
充填室１６内で開口し、他端が加熱流体供給源（図示せ
ず）と連通ずる加熱流体供給流路１８及び一端が前記加
熱流体充填室１６に臨んで開口し、他端が加熱流体供給
源（図示せず）と連通ずる加熱体排流路１９、並びに前
記加熱流体充填室１６を通過して中子型３の頂部中心部
分まで延びて先端の開閉バルブ２０に達し、他端が加圧
空気供給源（図示せず）と連通ずるバッグ離型用空気流
路２１を夫々具えている。

支持軸１７は、下型２のキャビティ底部の中心部分に穿
設されている案内孔１１を貫通し、その下端に形成され
たフランジ部１７ ａは、流体圧シリンダー装置２５に
より支持されている。

かくして、流体圧シリンダーにより前記支持軸１７を下
降させ、中子型３を、その下向き突出段部３ｂが下型２
の中子型着座部１２と当接するまで下降させて、該中子
型３と下型２とを一体的にセットする。

（第５図イ参照） なお、下型２の中子型着座部１２及び案内孔１１の表面
には、第４図に示すように円周方向の抜気溝１３と円周
に沿って任意間隔をおき案内孔１１に向は求心的に配列
された抜気溝２２及び互いに平行し軸方向へ延びる複数
本の抜気溝２３が形成されている。

上述構成の実施例装置によるアキュムレータ用ゴム製バ
ッグの製造工程及びその作用効果につき以下に説明する
。

先ず、第５図イに示すように、下型２が、油圧ラム２４
により、該ラム２４内に設置されている流体圧シリンダ
ー（図示省略）の下降動作で該下型２と一体的にセット
されている中子型３と共に、最下降位置まで下降され、
該下型２の上向開放端に形成されている段部５にリング
状の未加硫ゴムスラブ６が載置される。

次いで、第５図口に示すように、下型２を油圧ラム２４
により上昇させると、未加硫ゴム・スラグ６は上型１の
下向開放端と下型２の段部５との間で強圧され、可塑化
されて、下型２と中子型３とにより形成されている間隙
２７ ａ及び中子型３の嵌入により次第に容積を縮小し
ていく上型１内の間隙２７ ｂ内へ押出されていく。

この際、本考案によれば、前記間隙２７ ａは下型２と
中子型３とにより完成バッグの開口側部分（ＲＢ２−第
３図参照）と同じ形状、寸法に予め形成されているので
、その上部から順次に可塑化されたゴムスラブ６により
充満され該間隙の空気は、逐次下型２の中子型着座部１
２及び案内孔１１の表面に形成されている円周方向の抜
気溝１３、抜気溝（２２及び２３）（第４図参照）を経
て型の外部へ排出され、これにより、従来装置（第１図
参照）のごとき、中子型３と下型２とが嵌合関係を完了
する以前に前記下型２のキャビティ２ａの底部まで流下
した未加硫ゴムスラブ６により抜気孔８が閉塞され、そ
の結果、型内の残留空気がゴム中に気泡として混入する
といった欠点が解消する。

一方、上型１と中子型３との間隙２７ ｂ内へ圧入され
る未加硫ゴムスラブ６は、下型２と協働して上昇する前
記中子型３の表面に沿って上昇し、該中子型３の上型１
との嵌合関係が完了したとき、最終的に上型１のキャビ
ティ表面と接触する（第５図口及びハ参照）。

したがって、間隙２７ ｂ内の空気は逐次上型１の頂部
に設けられた抜気孔８を経て外部へ排出され、ゴム中に
混入される惧れは全くない。

第５図へに示すように、上型１、下型２及び中子型３の
嵌合動作が完了すると、各型内の加熱流体充填室１０．
１５及び１６に夫々蒸気を供給して、上型１、下型２及
び中子型３を所定時間加熱することにより成形されたゴ
ムスラブ６を加硫する。

加硫が完了すると、下型２は中子型３と共に油圧ラム２
４により下降し、最下降位置に達するが、中子型３は前
記下型２の下降動作の途中で流体圧シリンダー２５の上
昇動作により下型２から離脱する。

この状態では、加硫成形されたゴム製バッグＲＢは未だ
中子型３の表面に密着したま・であるので、第５図二に
示すように、中子型３内に装備されているバッグ離型用
空気流路２１を介してその先端の開閉バルブ２０から圧
縮空気を前記ゴム製バッグＲＢ内に供給すると、ゴム製
バッグＲＢは膨満状態となって中子型３から剥離するの
で、該バッグＲＢを手で取り外す。

上述の通り、本考案装置によれば、壷状ゴム製バッグの
製造に当り、型相互間に形成される間隙内の空気を未加
硫ゴム素材の圧入により完全に型外へ排出することがで
きるので、完成されたゴム製バッグのゴム中への気泡の
混入や、俗にベアーと呼ばれる局部的な空気の残留によ
り生じる表面の小凹陥の形成を防止することができるが
、さらに前記間隙内空気の完全排出を期するため、第６
図に示すように中子型３の外周面上に中心軸Ｙ−Ｙから
放射状に、かつ軸線方向へ全長に亙り延びる複数本の縦
方向凹溝２８と該縦方向凹溝を横切って延びる複数本の
横方向凹溝２９とを刻設することができる。

この場合、第７図に示すように、横方向凹溝２９は縦方
向凹溝間において中子型３の軸線Ｙ−Ｙ方向へ傾斜して
ジグザグ状に形成されるのがより望ましい。

かように縦方向凹溝のみでなく、縦横のを刻設すること
により、成る一本の縦方向凹溝が何らかの原因で閉塞し
空気の進路を遮断しても、横方向凹溝を通じて隣接の縦
方向凹溝から前記空気は排出される。

また上述のごとく、横方向凹溝２９をジグザグ状に形成
することにより該凹溝２９内の空気はゴム素材６の流下
に伴なって型の下方へスムーズに排出される。

なお、第６図及び第７図に示したと同様の縦横の凹溝を
上型１及び下型２のキャビティ表面に刻設することもで
きる。

本考案は、以上の通り、均質肉厚の壷状ゴム製バッグを
気泡混入といった欠陥なしに能率よく製造できる装置を
提供する効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図イは従来装置の概略構造を示す断面図、第１図口
は従来装置により製造されるゴム製バッグの断面図、第
２図は本考案の一実施例による製造装置の断面図、第３
図は本考案装置により製造されるゴム製バッグの斜視図
、第４図は本考案装置の下型の部分断面図、第５図は本
考案装置による製造手順を示す断面図、第６図及び第７
図は表面に縦横方向の凹溝を形成された中子型の斜視図
である。 １．１’：上型、２．２’ ：下型、３．３’：中子型
、４，４′：可動下部プラテン、５，５′：段部、６．
６’ ：ゴムスラブ、７：間隙、８．８’ ：抜気孔、
９：壁部、１０：加熱流体充填室、１１：案内孔、１２
：中子型着座部、１３：円周方向抜気溝、１４：壁部、
１５，１６：加熱流体充填室、１７：支持軸、１８：加
熱流体供給流路、１９：加熱流体排出流路、２０：開閉
バルブ、２１：バッグ離型用空気流路、２２．２３ ：
抜気溝、２４：ラム、２５：流体圧シリンダー、２７ａ
、２７ｂ：間隙、２８：縦方向凹溝、２９：横方向凹溝
。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）特徴として下記要件（イ）〜（ハ）の結合を含む
   壷状ゴムバッグ製造装置。 （イ）成形さるべき壷状ゴム製バッグの開口部側の外形
   に対応する内形を有する上面の開いたキャビティを備え
   ると共に、該キャビティの底部の中心部には中子型支持
   軸用案内孔と中子型着座部を、また該キャビティの上縁
   部には上型嵌合用兼ゴム材料供給用段部とを有する下型
   。 （ロ）成形さるべき壷状ゴム製バッグの残りの底部側の
   外形に対応する内形を有する下面の開いたキャビティを
   備えると共に、下型の上記段部に嵌合する下縁部を有す
   る上型。 （ハ）成形さるべき壷状ゴム製バッグの内形に対応する
   外形を備えると共に、その底部から軸心方向に向って下
   向きに延びる支持軸を有し、該支持軸が前記下型の案内
   孔内に嵌挿されたとき該下型の着座部上に定置されるよ
   うに構成された中子型。
2. （２）上型と下型の各キャビティー壁面及び／又は中子
   型の外周面に、その軸心を含む面に沿って放射状に延び
   る複数条の縦溝と該軸縦溝を横切る複数条の横溝を備え
   ると共に、下型はその着座部の局面に外部と連通ずる複
   数条の抜気溝を、また上型はそのキャビティ頂部に外部
   と連通ずる少なくとも１個の排気孔を夫々備えている登
   録請求の範囲第（１）項記載の壷状ゴム製バッグ製造装
   置。