JPS5933481B2

JPS5933481B2 - 自動施盤

Info

Publication number: JPS5933481B2
Application number: JP54062973A
Authority: JP
Inventors: 好文土屋
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1979-05-22
Filing date: 1979-05-22
Publication date: 1984-08-16
Also published as: DE3019627A1; US4304159A; JPS55157403A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は、長尺の棒状素材を旋削加工する工作機械に関
し、特に細くて長い製品を加工するのに高精度を発揮す
る自動旋盤に関するものである。

従来、自動旋盤は、いくつかの種類があり、それぞれの
特徴が効果的に発揮されるように製品の形状等によって
使い分けされていたが、なかでも、主軸移動型自動旋盤
は、ガイドブツシュを有して素材を支持しながら切削す
るどい５％徴から、比較的細（て長い製品加工に適して
いた。

しかしながら、主軸移動型自動旋盤は、ガイドブツシュ
を支持した、いわゆるツールスタンドに工具が放射状に
配列され、ワークに対して半径方向に進退可能になって
いるが、工具は、それぞれ個別に進退駆動されるように
なっているため、工具駆動装置や工具選択装置は、工具
の数だけ必要であり、カムによりこれらの工具を制御し
ているカム制御式自動旋盤においては、駆動用のレバー
やリンク機構等を複雑に組合わせる必要があり、製造上
、加工および組立て作業には、高い技術と長い作業時間
が必要のため、機械価格の面でも高価にならざるを得な
いという面を有していた。

また、昨今普及してきた複値制御化の技術を導入し、主
軸移動型自動旋盤の数値制御化を実現した機械もいくつ
か表われているが、工具駆動装置や工具選択装置を、工
具の数だけ必要とすることには変わりはなく、高師格の
機械になり易い欠点に脱しきれていない。

その結果、主軸移動型自動旋盤は、主軸固定型自動旋盤
に比べて比較的価格が高（なっているのが現状である。

また、主軸移動型自動旋盤にターレット旋盤の技術を応
用し、工具は半径方向にのみ進退できるターレットによ
り一駆動する技術も公知（たとえば特公昭５２−４６３
８９）となっているが、工具駆動装置、工具選択装置は
簡素化できるものの、ターレットの割出し誤差は、製品
の加工誤差に直接影響を及ぼすため、主軸移動型自動旋
盤のもつ、高精度の加工が可能であるという特徴を犠牲
にせざるを得ないという欠点を有している。

一方、主軸移動型自動旋盤は、上記の如くツールスタン
ドに工具を放射状に配夕１ルているが、ワークの直下は
切粉の排除が容易に行われるようにしておく必要があり
、このため、工具をワークの直下には配列しに（く、ま
た、カム制御式の主軸移動型自動旋盤においては、レバ
ーやリンク機構がなお一層複雑になってしまう等の問題
があり、工具の数を増やすことは極めて困難になってお
り、工具数は５〜６本が限度という状況にあった。

さらに、主軸移動型自動旋盤の特徴から、スプライン軸
装置等を使用した例も公知になっているが、回転が高速
であるため、騒音を発生したり、摺動抵抗が大きくなる
等の問題も生じている。

また、その場合、主軸周辺の装置、すなわちチャック開
閉装置や主軸の一時停止装置等も主軸が軸線方向に移動
することから、複雑になってしまうという欠点を有して
いた。

本発明は上述した実情に鑑みなされたもので、その目的
とするところは、ワークに対する工具の割出し誤差をな
くし、主軸移動型自動旋盤と同様に高精度の加工を可能
にするとともに、装置の簡素化、小型化によって、ツー
ルスタンドの軽量化を図り、しかも、加工能率の向上を
図ることができ、さらには、ツールスタンドの軽量化に
よって。

主軸台を固定し、ツールスタンドをワークの軸線方向に
移動させることができて、機械を容易にかつ安価に製作
することができるようにした自動旋盤を提供しようとす
るものである。

以下、本発明を図面にもとづいて説明する。

第１図ないし第４図には、本発明の第１番目および第２
番目の発明を数値部側される主軸移動型自動旋盤に適用
した一実施例が示されており、まず、この実施例で説明
する。

主軸移動型自動旋盤のツールスタンド１のフレーム２は
、機械基台３上にボルト４により固定され、このツール
スタンド１の中央部に位置したガイドブツシュ５は、ワ
ークＷを支持し、ワークＷの振動を抑えるべく設けられ
ている。

ワークＷは、主軸移動型自動旋盤の主軸６先端内部にあ
る図示されないコレットチャックにより把持されて主軸
６と共に回転し、かつ主軸台７と共に移動基台８上を軸
線方向に移動するようになっている。

ガイドブツシュ５は、公知の従来技術でなる取付ユニッ
ト１０によって割出し部材９０回動中心に取付けられて
いる。

工具１１は、工具保持台１２に保持されて、図示例では
６本が放射状に配列されている。

工具保持台１２は、摺動台１２ａと、この摺動台１２ａ
に固設された２本のピン１３，１４に取付けられて、工
具１１を保持固定する工具固定台１２ｂとを備えてなり
、割出し部材９にボルト１５等により固定された摺動基
台１６の蟻溝等（図示しない）に、摺動台１２ａを摺動
可能に係合させることにより、工具保持台１２が、ワー
クＷに対して半径方向に進退するようになっている。

なお、第１図において、工具１１、工具保持台１２の摺
動台１２ａおよび工具固定台１２ｂ、ピン１３，１４、
ボルト１５および摺動基台１６等は、６個所とも同一の
ものが示されているので、便宜上、各別出し位置に図示
の如く■、■〜■の符号を付して、■〜■の工具１１・
・・・・・・・・摺動基台１６の符号は省略することに
する。

割出し部材９は、フレーム２に対してナツト１γで締付
は固定された軸受箱１８内の軸受１９に、回動は可能で
あるが、軸線方向には移動できないように保持されてお
り、この割出し部材９にボルト２０で固定された歯車２
１は、割出し部材９を前記ガイドブツシュ５を中心に回
動させて工具保持台１２を工具選択位置Ｘに割出す後述
の割出し駆動機構Ａに連結されている。

なお、図中２２は、軸受１９を割出し部材９に締付は固
定するナツトであり、２３，２４は、それぞれ間座であ
って、間座２３は、図示されないピンにより軸受箱１８
に固定されて、軸線方向の移動を抑止されている。

上述の構成により、割出し部材９を割出すことによって
工具選択を行うものであるが、図示例の場合、最上部に
位置した割出し位置■の工具１１が選択されていること
を示している。

一方、フレーム２には、摺動用軸受２５が設けられて、
軸２６，２６を上下軸方向に摺動可能に支持しており、
軸２６，２６に固定されたガイド部材２７が、軸２６．
２６と共に上下に移動するようになっている。

このガイド部材２７は、工具選択位置Ｘに設けられその
工具選択位置Ｘにある工具保持台１２をワークＷに対し
て進退駆動させる工具駆動機構Ｂに連結されている。

すなわち、ガイド部材２１には送りナツト２８が取付げ
られ、送りナツト２８は上下方向に向かう送り螺子杆２
９と螺合している。

この送り螺子杆２９は、その下端部を、フレーム２に固
設した軸受箱３０内の軸受３１に支持させ、かつその上
側部を、ボルト３２でフレーム２に固定した軸受箱３３
内の軸受３４に支持させることにより、軸線方向に固定
した状態で、回転できるようになっている。

また、送り螺子杆２９の上端部には、プーリ３５がナツ
ト３６によって締付は固定されており、このプーリ３５
は、フレーム２に取付けた正逆回転可能な制御用電動機
３７の出力軸上のプーリ３８に、挾ルト３９によって連
結されている。

なお、図中４０，４１は、軸受３４を、送り螺子杆３９
および軸受箱３３にそれぞれ締付は固定するナツトであ
る。

上述の構成により、送り螺子杆２９は、図示されない制
御装置からの信号で正、逆回転される制御用電動機３７
によって正、逆面方向に回転され、送り螺子杆２９に螺
合する送りナツト２８と共にガイド部材２７が、ワーク
Ｗに対して前進、後退されるのである。

また、ガイド部材２７の前側面には、前記割出し部材９
の回動により工具保持台１２の係合子４４が係合して、
工具選択位置Ｘに接近する工具保持台１２をワークＷに
向かって所定距離だけ前進させるガイド面２１ａ′が設
けられている。

すなわち、ガイド部材２１の前側面には、長手方向に沿
って凹溝２７ａが形成され、この凹溝２７ａの外周側内
面をもって、工具選択位置Ｘに近づくにつれて次第にワ
ークＷに接近するガイド面２７ａ寮形成されている。

一方、工具保持台１２を構成する摺動台１２ａには、ナ
ツト４２により締付は固定された軸４３が設げられてお
り、この軸４３の先端部に、ローラ形の係合子４４が回
転自在に取付げられ、この係合子４４は、割出し部材９
が回動するにつれて凹溝２７ａに嵌入し、そのガイド面
２７ａ′に係合するようになっていて、係合子４４は、
ガイド面２７ａ′ＶＣ沿って移動し、ガイド面り１ａ
′上における工具選択位置Ｘで、ワークＷに最も接近す
るようになっている。

また、摺動基台１６と軸４３との間には、軸４３したが
って摺動台１２ａおよび係合子４４を半径方向外方に付
勢する圧縮コイルばね４５が介装され、これにより、係
合子４４がガイド面２７ａ′に押接されるようにすると
ともに、ガイド面２７ａ’に係合子４４が係合されず、
工具選択がなされていない位置■〜■にある工具保持台
１２は、ワークＷに対して最後退位置にあって、図示し
ない抑止部材によって位置決めされており、割出し回動
時に、゛工具１１がワークＷに接触しないようになって
いる。

上述の構成において、割出し回動により係合子４４がガ
イド面２７ａ′に沿って移動すると、摺動台１２ａした
がって工具保持台１２がコイルばね４５に打ち勝って一
定の距離だけワークＷに向かって前進するが、これは、
非選択時の工具１１が最後退位置にあるので、工具選択
完了時には少しでもワークＷに近づけた位置に工具１１
を接近させ、加工能率を向上させようとする一種の工具
早送り装置である。

工具早送り装置として、従来性われてきた油圧シリンダ
を利用する等種々前えられるが、本発明のように割出し
回動運動の動力を利用することにより、装置の構造が極
めて簡単になり、装置の簡素化、小型化に大きな効果を
発揮することになる。

なお、第２図において、７５は、カバーであり、このカ
バー７５は、図示のようにワークＷの下方の工具１１を
被うべ（折り曲げておくことにより、切粉、切削油等が
下方の工具１１や摺動台１２ａにはかからず、摺動台１
２ａが切粉のために摺動不能になることはなく、また、
切粉の排出も容易に行えるものである。

次に、第３図および第４図には、本発明の割出し駆動機
構Ａが示されており、これを詳述すると、割出し部材９
上にボルト２０によって固定された歯車２１は、歯車４
６と噛合している。

この歯車４６は、フレーム２に図示されないピンにより
固定された軸受箱４７内の軸受４８によって回転自在に
支持され、この歯車４６には、ピン４９により位置決め
されたゼネバ歯車５０がボルト５１により固定されてい
る。

なお、図中５２は、間座であり、５３は、締付は部材５
４を介して軸受４８を歯車４６に固定するボルトである
。

一方、フレーム２には、ボルト５５によって箱５６が取
付けられており、この箱５６内に内装された軸受５γに
よって駆動軸５８が回転可能に支持されている。

この駆動軸５８の一端には、フランジ部５８ａが形成さ
れ、このフランジ部５８ａには、軸着される回転子５９
がナツト６０により取付けられている。

前記駆動軸５８の他端部には、キー６１により回り止め
されたウオーム車６２がナツト６３により締付は固定さ
れている。

このウオーム車６２は、第４図の紙面裏側にあるウオー
ム（図示しない）と噛合して、電動機６４からの動力が
伝達されるようになっている。

なお、図中６５．６６．６７は、それぞれ間座であって
、間座６６は、図示されないピンにより箱５６に固定さ
れて、軸線方向の移動を抑止されている。

また、フレーム２に支持された軸６８に回動可能に取付
けたアーム６９の先端には、軸着される回転子７０がナ
ツト７１により取付けられている。

一方、駆動軸５８のフランジ部５８ａ外周には、カム面
５８ａ′カー形成されていて、回転子７０は、フランジ
部５８ａの外周カム面５８ａ′に当接されている。

また、アーム６９は、フレーム２内に内装された圧縮コ
イルばね１２のばね力により抑圧子７３を介して第３図
中を時計方向に回動するよう付勢され、回転子１０は、
フランジ部５８ａの外周カム面５８ａ′に絶えず押接さ
れている。

また、アーム６９には、ピン７４が固設され、回転子７
０が、駆動軸５８のフランジ部５８ａの外周カム面５８
ａ′における最小半径部に至った時、歯車２１の歯間に
ピン７４が嵌入するよう構成されて、歯車２１および割
出し部材９を正確な割出し位置に位置決めするようにな
っている。

次に、上記の如く構成された実施例の作動を説明する。

工具選択位置Ｘに選択された工具（第１図中工の工具）
１１に対応する係合子４４は、ガイド部材２７のガイド
面２７ａ′に係合し、制御用電動機３７の動力で回転
駆動される送り螺子杆２９の正回転により、ガイド部材
２７および工具保持台１２と共に工具１１が、ワークＷ
に対して前進し、その工具１１に所望の加工動作を行わ
せる。

所望の加工動作が終ると、制御用電動機３７による送り
螺子杆２９の逆回転により、ガイド部材２７および工具
保持台１２と共に工具１１が、ワークＷから後退し始め
、これと同時に、割出し部材９０割出し動作が開始され
る。

この割出し動作の駆動力は、順次、電動機６４、ウオー
ム車６２および駆動軸５８と伝達され、回転子５９がゼ
ネバ歯車５０の割溝５０ａに嵌入してゼネバ歯車５０を
間欠回動させ、歯車４６および歯車２１が回動されて、
割出し部材９を第１図中において反時計方向に回動させ
る。

工具選択位置Ｘにいる必要のなくなった工具１１に対応
する係合子４４は、第１図中をガイド部材２７の出側ガ
イド面２１ａ〃に沿って反時計方向に移動し、その工具
１１は最後退位置に向かって後退してゆ匂これと同時に
、次に選択される工具（第１図中■の工具）１１に対応
する係合子４４は、ガイド部材２１のガイド溝２７ａに
嵌入し、そのガイド面２７ａ′に沿って第１図中を反時
計方向に移動しながら、その工具１１をワークＷに対し
て前進させてゆく。

この時、アーム６９の先端の回転子７０は、駆動軸５８
のフランジ部５８ａのカム面５８ａ′における最大半径
部より最小半径部に移動し、回転子７０がその最小半径
部に至った時、ピン７４が歯車２１の歯間に嵌入し、割
出し部材９０回動が止まって位置決めされ、工具選択が
完了する。

工具選択が完了した後は、再び制御用電動機３７によっ
て、ガイド部材２７および工具保持部材１２と共に工具
１１が、ワークＷに対して進退動作を繰返すことになる
。

なお、上記実施例において、電動機６４は、割出し動作
が必要な時のみ間欠的に駆動されるよう、図示されない
制御装置によって制御されている。

本発明は、上述のようにして切削加工を行うのであるが
、ガイドブツシュ５を中心にして、ガイドブツシュ５と
割出し部材９が一体に割出し回動するので、ワークＷに
対する工具１１０割出し誤差は全くなく、主軸移動型自
動旋盤と同様の高精度の加工が可能である。

そして、本発明は、従来技術において工具の数だけ必要
であった工具駆動装置や工具選択装置を、最少１組にま
で減らすことができ、このため、装置が簡素化、小型化
されて、ツールスタンドが軽量化され、機械の製作技術
上およびその製作所要時間上、有効であり、機械原価を
大幅に低下させることができる。

また、従来技術の主軸移動型自動旋盤における工具の数
は、工具駆動装置や工具選択装置等を収容できるスペー
スを考慮したり、ワーク下方には工具を配列できない等
の制約を受けていたが、本発明によれば、それらの制約
を考慮する必要がなく、容易に工具の数を増加させるこ
とが可能である。

すなわち、以上の説明および図面から明らかなように、
摺動台１２ａ、摺動基台１６等の収容スペースさえあれ
ば、工具数は増加でき、８〜１２本程度までならば容易
に増加できる効果もある。

なお、上記実施例は、数値制御化を完成した主軸移動型
自動旋盤に本発明を適用したものを示したが、従来技術
によるカム制御式自動旋盤においても本発明を実施でき
るものであり、その他、ガイド部材２１のガイド面２７
ａ’、割出し駆動機構Ａ、工具駆動機構Ｂ等も上記図示
例に限定されるものではなく、また、選択される工具の
ガイド部材２７および選択された工具の駆動機構Ｂ等も
２組以上設けても容易に実施可能である。

次に、本発明の第３番目の発明を第５図に示す一実施例
にもとづいて説明する。

この第３番目の発明は、主軸台１１０を固定し、ツール
スタンド１０１をワークＷの軸線方向に移動させるよう
にした自動旋盤に本発明を適用したもので、上記第１番
目および第２番目の発明で述べたように、本発明によっ
てツールスタンドが軽量化することによって、初めて実
施可能となったのである。

第５図は、数値制御される自動旋盤における主軸台部分
とツールスタンドの一部を示したものであり、ツールス
タンド１０１のフレーム１０２は、上記第１番目および
第２番目の発明の実施例における機械基台３に取付けら
れるべき底部を切除した形状をなしている。

この第５図において、１０４は、ワークＷを支持するガ
イドブツシュ１０３を回動中心に備え、このガイドブツ
シュ１０３を中心にしてツールスタンド１０１のフレー
ム１０２に回動可能に支持される割出し部材である。

そして、ツールスタンド１０１のフレーム１０２には、
ガイドブツシュ１０３の上方および下方に位置して、孔
１０２ａ、１０２ｂが設けられている。

孔１０２ａには、軸１０５が挿入され、こ”軸１０５は
、ボルト１０６によりフレーム１０２に固定されている
。

また、孔１０２ｂには、中空軸１０７が挿入され、この
中空軸１０７は、そのフランジ部１０７ａをフレーム１
０２に当接させかつ反対側に螺合したナツト１０８によ
りフレーム１０２に締着され、さらに、ボルト１０９に
よりフレーム１０２に固定されている。

ツールスタンド１０１のその他の部分は、上記第１番目
および第２番目の発明の実施例と同様の構成になってい
るので、図示および説明を省略する。

主軸台１１０は、機械基台１１１に固設されて、主軸１
１２を回転自在に支持している。

この主軸１１２は、プーリ１１３に掛けられたベルト１
１４により図示されない電動機からの回転力が伝達され
て、回転するようになっている。

主軸台１１０の上部に設げられた孔１１０ａ。

１１０ａ内には、摺動用軸受ｉｉｓ、ｉｉｓが同一軸線
上に設けられ、これら軸受１１５，１１５には、軸１０
５が軸線方向に摺動自在に貫通している。

一方、主軸台１１０の下部に設げられた孔１１０ｂ、
１１０ｂには、保持筒１１６が貫通し、この保持筒１
１６は、一端部外周に支持箱１１１が嵌合してピン１１
８により固定され、また、他端部に螺合するナツト１１
９により支持箱１１７と共に主軸台１１０に締付は固定
されている。

保持筒１１６内には、ピン１２０により固定された軸受
１２Ｌ１２１が同一軸線上に収容されており、これら軸
受１２１，１２１には、前記中空軸１０７が軸線方向に
摺動自在に貫通している。

この中空軸１０７の前記フレーム１０２とは反対側にあ
る軸端部内には、送りナツト１２２が図示されないキー
により回り止めされてナツト１２３により中空軸１０７
に締付は固定して設けられている。

送り螺子杆１２４は、送りナツト１２２と螺合し、送り
螺子杆１２４の先端は、中空軸１０１内を軸線方向に摺
動可能にした摺動筒１２５に、軸受１２６を介して軸回
りに回転自在に支持されている。

支持箱１１７に対してボルト１２７によって固定された
軸受箱１２８内には、送り螺子杆１２４を、軸線方向に
は固定し、軸回りには回転自在に支持する軸受１２９が
設けられ、送り螺子杆１２４の軸受箱１２８より突出す
る端部には、キー１３０により回り止めされたプーリ１
３１がナツト１３２により締付は固定されていて、この
プーリ１３１に掛けられたベルト１３３を介して図示さ
れない正、逆回転可能な制御用電動機の回転力が送り螺
子杆１２４に伝達されるようになっている。

以上のように構成された実施例では、制御用電動機によ
り正、逆面方向に回転駆動される送り螺子杆１２４の回
転によって、送りナツト１２２、中空軸１０７および軸
１０５と共にソールスタンド１０１のフレーム１０２が
、主軸１１２先端内部にある図示されないコレットチャ
ックにより把持されて主軸１１２と共に回転するワーク
Ｗの軸線方向に移動されることになる。

なお、上記実施例において、軸１０５を中空軸とし、こ
の中空軸のフレーム１０２とは反対側にある軸端部内に
前記中空軸１０７の送りナツト１２２に代えて、送り螺
子杆と螺合する送りナツトを固設するようにしてもよい
。

以上のように、第１番目および第２番目の発明において
軽量化が可能になったツールスタンドを利用して、第３
番目の発明においては、ツールスタンドをワークに対し
て軸線方向に移動させることが可能になり、これにより
、主軸周辺のチャック開閉装置や一時停止装置等が簡素
化されるとともに、主軸回転駆動用のスプライン軸等も
一切不要になり、機械を容易にかつ安価に製作すること
ができ、しかも、ワークをガイドブツシュに支持させて
切削するという主軸移動型自動旋盤と同一の機能を有し
ているため、加工精度を高精度に維持できるのである。

本発明は以上説明したように、ワークを支持するガイド
ブツシュを回動中心に備え、このガイドブツシユヲ中心
にしてツールスタンドのフレームに回動可能に支持され
る割出し部材と、この割出し部材上に設けられ工具を保
持して前記ワークに対して半径方向に進退可能にした数
個の工具保持台と、前記割出し部材を前記ガイドブツシ
ュを中心に回動させて前記工具保持台を工具選択位置に
割出す割出し駆動機構と、工具選択位置に設けられその
工具選択位置にある工具保持台をワークに対して進退駆
動させる工具駆動機構とを具備したから、ガイドブツシ
ュを中心にして、ガイドブツシュと割出し部材が一体に
割出し回動するので、ワークに対する工具の割出し誤差
は極めて少な（、主軸移動型自動旋盤と同様に高精度の
加工が可能である。

即ち、前記ターレットと本発明との割出し誤差の発生す
る場合の影響を検討すると、前者にあっては、刃物先端
とワーク中心までの距離に生じる刃物の「位置ずれ」と
、ワーク中心に対して正確に指向しないことによる「高
さのずれ」の両方が生じ、寸法精度はこれらの複合とし
て悪影響を及ぼされる。

また、「高さのずれ」はいわゆる「ビリ」となって加工
物の表面精度や刃物の摩耗に悪影響を及ぼし、加工精度
全体としてはかなり直接的な影響を受けることになる。

これに対し後者は、割出し誤差による刃物の１位置ずれ
」は生じてしまうが、刃物はいかなる割出し位置におい
てもワーク中心に向かって進退動作を行うため、「高さ
のずれ」が生じることはなく、前者に比べて直接的な影
響を受げにくい。

つまり、割出し可であるうえに主軸移動型自動旋盤と同
様の高精度の加工は何んら損なわれることなく維持され
るとともに、従来技術において工具の数だけ必要であっ
た工具駆動装置や工具選択装置を、最少１組にまで減ら
すことができ、このため、装置が簡素化、小型化されて
、ツールスタンドが軽量化され、機械原価を低下させる
ことができる。

また、本発明によれば、スペース等の理由により工具の
数に制約を受けることがなく、容易に工具の数を増加さ
せることができる。

しかも、本発明において、工具駆動機構にガイド部材を
連結し、このガイド部材に、前記割出し部材の回動によ
り工具保持台の係合子が係合して、選択位置に接近する
工具保持台をワークに向かって所定距離だけ前進させる
ガイド面を設けたから、工具は、割出し回動運動の動力
を利用して早送りされるので、装置の簡素化、小型化を
図りながら、効果的に早送りされ、加工能率を向上させ
ることができる。

さらに、本発明によって、装置が簡素化、小型化されて
、ツールスタンドが軽量化することにより、主軸台を固
定し、ツールスタンドをワークの軸線方向に移動させる
ことができ、これにより、主軸周辺が簡素化されるとと
もに、主軸回転駆動用のスプライン軸等も不要になり、
機械を容易にかつ安価に製作することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は本発明の第１番目および第２番目
の発明の一実施例を示し、第１図は正面図、第２図は第
１図のＩＩ−ＩＩ線に沿う縦断側面図、第３図は割出し
駆動機構部分の一部切欠正断面図、第４図は第３図のＩ
Ｖ−０−ＩＶ線に沿う断面図、第５図は本発明の第３番
目の発明の一実施例を示す縦断側面図である。１・・・・・・主軸移動型自動旋盤のツールスタンド、
２・・・・・・ツールスタンドのフレーム、３・・・・
・・機械基台、５・・・・・・ガイドブツシュ、６・・
・・・・主軸、７・・・・・・主軸台、９・・・・・・
割出し部材、１１・・・・・・工具、１２・・・・・・
工具保持台、１２ａ・・・・・・摺動台、１２ｂ・・・
・・・工具固定台、２７・・・・・・ガイド部材、２７
ａ’・・・・・ガイド面、Ａ・・・・・・割出し駆動機
構、Ｂ・・・・・・工具駆動機構、Ｗ・・・・・・ワー
ク、Ｘ・・・・・・工具選択位置、１０１・・・・・・
ツールスタンド、１０２・・・・・・ツールスタンドの
フレーム、１０３・・・・・・ガイドブツシュ、１０４
・・・・・・割出し部材、１０５・・・・・・軸、１０
７・・・・・・中空軸、１１０・・・・・・主軸台、１
１２・・・・・・主軸、１２２・・・・・・送りナツト
、１２４・・・・・・送り螺子杆。

Claims

【特許請求の範囲】１ワークを中心に半径方向に摺動自在な複数の工具保
持台を放射状に配置した自動旋盤において、前記ワーク
を支持するガイドブツシュを中心にしてツールスタンド
のフレームに割出し可能に支持されかつ前記工具保持台
を取付けられた割出し部材と、該別出し部材の割出し動
作により工具選択位置に選択される前記工具保持台をワ
ークに対して進退駆動させるだめの少なくとも一組の工
具駆動機構をもつことを特徴とする自動旋盤。２、特許請求の範囲第１項記載の自動旋盤であって、工
具駆動機構にガイド部材を連結し、このガイド部材に、
前記割出し部材の回動により工具保持台の係合子が係合
して、工具選択位置に接近する工具保持台をワークに向
かって所定距離だけ前進させるガイド面を設けたことを
特徴とする自動旋盤。３特許請求の範囲第１項または第２項記載の自動旋盤
であって、主軸台を機械基台に固設し、ツールスタンド
のフレームに固定した２本の軸を前記主軸台に摺動可能
に支持し、その２本の軸のうち、少な（とも１本の軸は
中空軸とし、この中空軸の前記フレームとは反対側にあ
る軸端部内に送りナツトを固設し、前記主軸台に対し回
転のみ自在に軸支された送り螺子杆を、前記送りナツト
に螺合させて、前記フレームをワークの軸線方向に移動
可能にしたことを特徴とする自動旋盤。