JPS5932616Y2 - 紡績用縦形トラベラ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は精紡機、撚糸機に用いられる縦形トラベラの改
良に関するものである。

従来第１図に示す如き一般に広く使用されているインサ
ートナイロントラベラに於ては、糸摺接部１の高い摩擦
熱によって溶融糸が生じたり、リングとの摩擦熱による
リング摺接部２の摩耗によって、リング摺接部の直近に
埋設されたインサート部材が露出したり、紡出糸の強い
張力によって埋設されたインサート部材が外れ、トラベ
ラの寿命を短くするなど多くの欠点があった。

本考案は上記欠点を除去するものであり、以下その実施
例を図面により説明する。

第２図は本考案の実施例を示すもので、縦形トラベラの
本体を糸摺接部１を含む肩部で二分し、頭部３ａを有す
る上半部３、胴部４ａと脚部４ｂを有する下半部４を熱
可塑性樹脂材料例えばナイロンで以て形成すると共に、
上記下半部の胴部４ａの上端に背面側に突出する補強部
Ｔを形成し、インサート部材５は鋼その他硬質金属、セ
ラミック或いは焼結合金等の耐摩性物質で以て構成する
ものである。

上記インサート部材５はコ字状に形成され、その両端５
ａｔ５ｂは熱可塑性樹脂よりなる上半部の頭部３ａと下
半部の脚部４ｂとに夫々深く埋没固着せしめ、また背部
６はその一部を補強部γに貫通して結合すると共に、他
のほぼ全部を胴部４ａの背面に露出させて、所要の紡績
用縦形トラベラとするものである。

本考案は上述のごとく形成上たことにより、糸摺接部を
含むインサート部材の大半が露出することになり、糸と
の摩擦熱が放熱し易く溶融糸を防ぎ、又インサート部材
の背部のほぼ全部を胴部背面に露出させ、かつ上記部材
の下端を脚部に埋没しているので、リング摺接部からイ
ンサート部材までの距離が長くなり、リング摺接部であ
る胴部における摩耗が進んでもインサート部材まで到達
するのに従来より長い時間を要し、しかもインサート部
材がその両端と中間部をリングと主に摺接しない頭部と
脚部および補強部の三箇所に埋没固着させているので、
トラベラ本体の補強を兼ね備えて強い紡出張力に耐え得
るなど多くの利点を有し、その実用的価値は大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のメタルインサート、ナイロントラベラの
斜視図、第２図は本考案の実施例を示す紡機用縦形トラ
ベラの斜視図である。 １”°°糸摺接部、２・・・リング摺接部、３・・・ト
ラベラ上半部、３ａ・・・頭部、４・・・トラベラ下半
部、４ａ・・・胴部、４ｂ・・・脚部、５・・・インサ
ート部材、６・・・背部、γ・・・補強部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. トラベラを糸摺動部を含む肩部で二分し、頭部３ａを有
   する上半部３と、胴部４ａと脚部４ｂを有する下半部４
   とを夫々熱可塑性樹脂材料で以って形成し、鋼その他の
   硬質金属、セラミックス又は焼結合金によりコの字形に
   形成されたインサート部材５を、その背部６のほぼ全部
   を胴部の背面に露出させ、かつその両端５ａｔ ｓｂお
   よび背部６の一部を上記上半部の頭部３ａ、下半部の脚
   部４ｂおよび上記胴部４ａの上端の補強部７に夫々埋没
   固着せしめてなることを特徴とする紡績用縦形トラベラ
   。