JPS5931808Y2 - 導水管 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、氷結による破裂の生じない上下水道管等の導
水管に関するものである。

寒冷期に、水道管中の水が氷結した水道管の破裂や枠部
との接続部分が破損したりすることはよく知られており
、漏水による損失や復旧作業に要する手間費用は美大な
ものになる。

そこでこの管中水の結氷による水道管の破裂破損を防止
するために、通常、水道管の外部に断熱材やヒータを装
着したり、端末水栓を開いて管中水を流動させておいた
りすることにより、管中水の結氷じたいを予防ないし防
止するという方法がとられている しかし、これ・らの方法のうち断熱材やヒータを装着す
る場合は配管工事が複雑で高価になる欠点がある。

また、ヒータを装着する方法や管中水を流動させておく
方法は、不経済であるうえ、ヒータの人切りや水栓の開
閉に人手が要るので管理がめんどうである。

そして、これら２方法は、長期にわたって無人状態にな
る別荘地等においては実際上、採用できない。

更に、上記問題が生じるのは主として地上部においてで
あるが、寒さのきびしい地方においては地中管でもおこ
り得るため、その防止や破損時の復旧作業も大へんであ
る。

従って、これらの欠点を補う方法として、更に、第１図
ａのように導水管１内壁１′に応力による歪の大きな復
元力のある弾性部材５を内装したもの、あるいは第１図
すのように前記ａと同様な応力による歪の大きな復力元
のある弾性部材５′を導水管１との間に空気溜り室４を
有するように内装した導水管からなり、この内装部分が
結氷に際しては、収縮し、解氷に際しては、膨張するこ
とによって、通水路２の面積を調節できる導水管の氷結
による破裂防止のやり方がある。

しかし、これとて、この導水管の製作に結構手数が掛り
、また管中の連続的な水の流れによって内装が劣化した
場合等に弾性部材５や５′のみを簡単に取り換えること
ができ難い。

本考案は、上記の欠点を解消するために、水道管等の導
水管内で管中水が氷結することを前提としながら、また
経済性を考慮にいれて、その氷結による水道管の破裂を
防止することを目的とするものである。

そして、この目的を達するために、本考案は、結氷に際
しては通水路中の水ないし氷の圧力で収縮せしめられ、
その解氷に際しては自己復元力で膨張することにより通
水路の流路面積を加減する流路面積調節手段を管材の内
側に配設した導水管において、上記流路面積調節手段３
が球鎖状に形成された弾性部材３１からなることを特徴
とする。

以下、本考案の詳細を図面に基づき説明する。

第２図は本考案の一実施例を示し、符号１は硬質塩化ビ
ニール製の管材、２はその内部に連設された通水路、３
は流路面積調節手段をそれぞれ示す。

この流路面積調節手段３は弾性部材からなり、弾性部材
は管材１内に球鎖状に形成した弾性部材３１からなる樹
脂あるいはゴム製品である。

この樹脂あるいはゴム製品はシリコンゴムやネオプレン
ゴム、ウレタン等の独立気泡を内包するものが弾性部材
として好ましく用いられる。

上記管材１内に球鎖状に形成した弾性部材３１は、通水
路２内の水温が氷点を上まわる場合には、第２図に示す
ように、球状になっているが、通水路２内の水温が氷点
に近づき更に降下して、水の体積が増大してくるにつれ
て、弾性部材３１を弾性部材３の周囲より内方へ収縮さ
せる方向に向かわせる。

このように、水ないし氷の圧力によって流路面積調節手
段３の構成体である球鎖状に形成した弾性部材３１が収
縮させられて通水路２の流路面積が増加させられること
により、水ないし氷の圧力増加が防止され、管材１に無
理な力が加えられなくなる結果、通水の結氷による管材
１の破裂は確実に防止される。

しかも、弾性部材３１は、球鎖状をなすため弾性部材３
１全周から弾性部材３１内方へ満遍ないバランスのとれ
た圧力の吸収ができるので導水管の破裂防止が一層効果
的になされることができる。

解氷に際しては、流路面積調節手段３の構成体である弾
性部材３１が膨張し、通水路２の流路面積が減少させら
れる。

また、管材１内に球鎖状に形成した弾性部材３１で構成
されているので、前記管材１内にこの弾性部材３１を挿
入するだけで非常に簡単に流路面積調節手段３が製作で
きる。

特に、管材１が曲管の場合、効果的である。

更に、製作費も安く、更にまた、管中の連続的な水の流
れにより、水あかの付着や劣化により弾性部材の効率が
低下してきた際でも容易に弾性部材３１のみを交換する
ことができる。

上記実施例においては、管材１を鋼管、鉛管等の金属管
で形成することは自由である。

以上説明したように、本考案は、主として外気の影響を
受けやすい端末地上部、地中部に用いられる水道管等の
導水管で通水路内の水の結氷に際して流路面積調節手段
の構成体である球鎖状に形成した弾性部材がバランスよ
く作用して通水路の流路面積の増加が許容されるように
しであるので、結氷時に管材に無理な力が加えられるこ
とがないから、結氷による管材１の破裂を確実に防止で
きる。

また、水温が氷点を上回る場合には、急激な水圧の増加
を球鎖状に形成した弾性部材の収縮により吸収して、水
圧の平均化をはかる効果も有するものである。

また、前述の如く、球鎖状に形成した弾性部材であるの
で弾性部材のみの交換が簡単であり、常に効果的な伸縮
性を有する弾性部材を管材の破裂防止に機能させうるこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ａないしｂは従来技術を示し、縦断面図、第２図
は本考案の一実施例を示す縦断面図である。 １・・・・・・管材、２・・・・・・通水路、３・・・
・・・流路面積調節手段、３１・・・・・・球鎖状に形
成した弾性部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 硬質の管材１の内部に通水路２を形成し、この通水路２
   内の水の結氷に際しては水ないし氷の圧力で収縮せしめ
   られ、その解氷に際しては自己復元力で膨張することに
   より通水路２の流路面積を加減する流路面積調節手段３
   を管材１の内側に配設した導水管において、上記流路面
   積調節手段３が球鎖状に形成された弾性部材３１からな
   ることを特徴とする導水管。