JPS5931314B2 - タンソウユウドウデンドウキノ キドウソウチ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は単相誘導電動機、就中２個のコンデンサを起
動巻線に接続して一方のコンデンサを起動時と運転時に
それぞれ接続又は開離するようにした周知の２コンデン
サ電動機に最適な起動装置を得る事を目的とするもので
ある。

また本発明の起動装置に使用される起動リレーは同一発
明者の特公昭３７−１６５０４号に示されたものを改良
したものである。以下本発明の詳細を図面に従つて説明
すれば、第１図に示す起動リレーはこの発明の起動装置
に使用されるもので、図示されてない適宜の基台に取付
けられた電磁コイル１０を有しその中空部の上方には一
端２３を図示されてない基台に固定された弾性のある金
属で作られた可動接点板２０のほぼ中央に固着された可
動鉄片２１が上下に運動可能に挿入されている。

この可動接点板２０の自由端には銀などの可動接点２２
が固着されている。電磁コイル１０に通電されていない
図示の状態では、可動接点２２は固定接点板３０に固着
された固定接点３１と接触した位置にあり、固定接点板
４０に固着された固定接点４１とは開離した位置にある
。以上の構成要素から成る電磁継電部の磁気回路の適宜
部分例えば電磁コイル１０の中空部の下方には、誘導鉄
片５１を運動させるバイメタルのような熱変形を生ずる
熱遅延素子５０が適宜位置に配設されている。この熱遅
延素子５０は第２図に示す如き底面形状を有し、適当な
方法で図示されていない基台に固定されている端子５２
から他方の端子５３へ適宜の電流を通ずると所定の温度
に上昇して、第１図に点線で示す如く彎曲し誘導鉄片５
１を上方へ押す。尚電磁コイル１０の端子を１１及び１
２、可動接点板２０の端子を２４固定接点板３０及び４
０の端子をそれぞれ３２及び４２にて示す。第１図に示
した起動リレーの各要素を示す記号は第３図の電気回路
図のようにそれぞれ電気的に接続される。

電動機は主巻線Ｍ及び起動巻線Ｓにて略示され、起動巻
線Ｓの一端には起動用コンデンサＣｓ及び運転用コンデ
ンサＣｒが接続されている。主巻線Ｍの一端には電動機
の起動時突入電流を制限するリアクトルＲ及びリレーの
固定接点板４０の端子４２に接続されている。電源端子
６０及び６１に電圧が印加されると電動機の主巻線Ｍに
はリアクトルＲを介して電流が流れ、起動巻線Ｓには起
動リレーの電磁コイル１０と運転用コンヂンサＣｒｑ亘
列回路及び起動リレーの可動接点端子２４から固定接点
端子３２と熱遅延素子５０と起動用コンデンサＣｒから
成る直列回路を介して電流が流れるので電動機は始動す
る。起動用コンデンサＣｓを流れる電流即ち熱遅延素子
５０を流れる電流に依り熱遅延素子５０は電動機が起動
完了するのに適当な時間例えば２秒〜３秒後に所定の温
度迄加熱され変形して第１図に示したように誘導鉄片５
１を点線で示すような上方位置へ押上げる。誘導鉄片５
１が上方へ移動すると電磁コイルの吸引力が強くなり可
動鉄片２１が下方へ引下げられる。その結果可動接点板
２０に固着された可動接点２２が固定接点３１と開離し
、これに代つてもう一方の固定接点４１と接触する。可
動接点２２と固定接点４１とが接触する事によりリアク
トルＲの両端は短絡され電動機の主巻線Ｍには電源電圧
が直接印加される事となり通常の運転状態に入る事にな
る。そして起動用コンデンサＣｓを流れていた電流即ち
起動リレーの熱遅延素子５０を流れていた電流は遮断さ
れるから熱遅延素子５０は、その温度が自然に冷却され
復旧するから今迄誘動鉄片５１を上方へ押上げていた力
とは反対に誘導鉄片５１を下方へ押下げるように作用す
る。もし誘導鉄片５１と熱遅延素子５０とが固着されて
いれば誘動鉄片５１は電磁コイル１０の磁力による上方
への吸引力と熱遅延素子５０の押下げ力及び誘導鉄片５
１の自重により定まる位置をとる。誘導鉄片５１が熱遅
延素子５０の上に単に乗つている構成では誘導鉄片５１
は自重と電磁コイル１０の磁力によつて定まる位置をと
る。可動鉄片２１が一旦電磁コイル１０に吸引され可動
接点２２を一方の固定接点３１から他方の固定接点４１
へ切換えた後は熱遅延素子５０の温度の下降に伴ない誘
導鉄片５１の位置が変更されても可動鉄片２１は可動接
点２２を元の状態へは戻すことのないように起動リレー
の動作及び復１田こ必要なアンペアターンは設定される
。勿論電動機を停止させる目的で電源端子６０及び６１
間の電圧が印加されなくなれば、運転用コンデンサＣｒ
を介して起動巻線Ｓに流れていた電流即ち電磁コイル１
０に流れていた電流が断たれるので可動鉄片２１は復帰
し可動接点２２も元の位置に戻る。再び電源端子６０及
び６１間に電圧を印加すれば熱遅延素子５０の温度は既
に復旧しているから全く前述と同様な条件で電動機は始
動され起動を完了する時間にも差を生じない。即ち本実
施例の起動リレーは電動機が通常の運転状態に入れば熱
遅延素子５０は電流がその中を流れなくなり自然冷却過
程に入る。従つて元の温度に戻る迄例えば数分間要する
とすれば、電動機の通常運転が数分間以上継続されれば
、どんな時に電動機を停止してその直後に再起動しても
いつも同じ起動条件が得られるという秀れた特性がある
。周知の如く単相誘導電動機の主巻線電流は始動時に通
常運転時の数倍の電流が流れ、また起動巻線電流は始動
時に通常運転時より小さい電流が流れる。

これら電流と電動機の回転数の関係は第４図の如くとな
り、曲線Ａは主巻線電流の変化を、曲線Ｂは起動巻線電
流の変化を示す。従つて第３図に示した実施例において
電磁コイル１０の発生する吸引力は電動機の回転上昇と
共にそのコイル中を流れる電流が増加する事により増大
し、また熱遅延素子５０も同じ傾向を有する電流によつ
て加熱されるからそれに基づく熱変形によつて誘導鉄片
５１が電磁コイル１０を含む電磁継電部の磁気抵抗を減
少するよう移動せられるからこれらの相乗的な作用によ
つて、始動せられた電動機の回転数が通常運転時の回転
数附近に達すると急速にかつ正確に起動リレーを動作せ
しめるという秀れた効果がある。以上述べた本実施例で
は電動機の始動時の突入電流制限用のリアクトルを必要
とする場合について述べたのであるが、勿論始動時の突
入電流制限用のリアクトルを必要としない場合の電動機
についても本発明の起動リレーが利用出来る事は云う迄
もない。

即ち、第３図を参照して説明を加えれば、同図中のＲの
両端が短絡され、固定接点４１は必要でなく従つて端子
４２から主巻線Ｍへの配線は削除するように変更すれば
よい。第５図には、他の実施例に係る起動リレーが示さ
れている。

これは熱遅延素子としてバイメタルの代りに細い鋼線な
どを用いたものである。電磁コイル及び接点部分などの
電磁継電部は便宜上第１図に示したものをそのま＼示し
ている。誘導鉄片５１ａは電磁コイル１０の中空部分に
挿入出来る円筒状部分とフランジ部から成りフランジ部
の図示右方は弾性のある金属板５２ｂに熔接などの方法
により固着されており、フランジ部の図示左方は５１ｂ
なる牽引子を具えている。金属板５２ｂは５２ａなる端
子を有し図示されていない基板に適宜方法によつて固定
されているものとする。端子５３ａは図示されていない
基板に固定された牽引部５３ｂを有している。誘導鉄片
５１ａに付属の牽引子５１ｂと端子５３ａに設けられた
牽引部５３ｂとの間にニツケルクロム合金のような発熱
時に膨張するホツトワイヤ即ち熱遅延素子５０ａが張架
させてある。金属板５２ｂは常に誘導鉄片５１ａを図示
点線の位置へ上昇させる方向に反撥力を付与されている
が、熱遅延素子５０ａによつて図示状態の如く阻止され
ている。然るに端子５２ａ及び端子５３ａより電流を通
じ熱遅延素子即ちホツトワイヤ５０ａを所定の温度に加
熱するとホツトワイヤは膨張し、この僅かな延びが誘導
鉄片５１ａの上下方向に拡大されるように配設されてい
るから誘導鉄片５１ａは点線で示すような位置に変化す
る事が出来る。従つてここに示した実施例の起動リレー
は第３図又は第５図の電気回路中において記号５２及び
５３の代りに端子５２ａ及び５３ａを接続するよう変更
する以外は全く同じ記号の部分は同記号の個所に接続す
ればよい。以上詳述したように本発明は電磁コイルによ
り可動接点を起動時位置から運転時位置に動作させるよ
うにした電磁継電部の磁路の磁気抵抗をバイメタルやホ
ツトワイヤなどの熱遅延素子によつて変化させるように
した起動リレーを用い、前記電磁コイルには少なくとも
電動機の運転用コンデンサ電流の如く回転数の増加に対
し増犬する傾向の電流を通するとともに前記熱遅延素子
には電動機の起動用コンデンサ電流を通するようにした
ものであつて熱遅延素子の耐久性の向上と、再起動時の
特性の向上に秀れた効果のある起動装置を得る事が出来
る。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第５図は本発明装置に使用する起動リレーの
各々実施例の要部縦断面図である。 第２図は第１図の一部分の底面図を示す。第３図は本発
明の起動装置を示す電気回路図である。第４図は電動機
の回転数対各電流特性を示すグラフである。１０・・・
・・・電磁コイル、２２・・・・・・可動接点、２１・
・・・・・可動鉄片、５０・５０ａ・・・・・・熱遅延
素子、５１・５１ａ・・・・・・誘導鉄片、Ｃｒ・・・
・・・運転用コンデンサ、Ｃｓ・・・・・・起動用コン
デンサ、Ｍ・・・・・・電動の主巻線、Ｓ・・・・・・
電動機の起動巻線。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 主巻線と起動巻線と起動コンデンサ及び運転コンデ
   ンサを有する２コンデンサ電動機において、熱遅延素子
   により移動せしめられる誘導鉄片と可動接点を駆動する
   可動鉄片及び電磁コイルとから成る電磁継電部の前記熱
   遅延素子はその中を通る電流によつて加熱せられる事に
   より前記誘導鉄片を移動せしめ、この移動に伴なつて前
   記可動接点を駆動する可動鉄片が電磁コイルに吸引され
   易くなるように構成されており、前記電磁コイルには運
   転用コンデンサ電流を通ずるように接続されるとともに
   熱遅延素子には起動用コンデンサ電流を通ずるように接
   続構成した事を特徴とする単相誘導電動機の起動装置。