JPS5929624B2 - 加熱または冷却装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、新規な熱媒体を利用した加熱または冷却装置
に関する。

物本を冷却または加熱する方法は種々あり、例えば冷却
にはフロンガスなどの冷媒における気化熱を利用する方
式、その他、物質の蒸発熱、溶解熱、混合熱などの反応
熱を利用した方式または電気、磁気、圧力などを半導体
に作用させる方式等があり、一方加熱には一般的には燃
焼熱を利用しているが、化学反応熱、電気による発熱な
どがある。

ところが、特に冷却する方式においては、アンモニア系
冷媒を用いる場合が一般的であるが、その冷却効率が比
較的悪く、消費電力も多いと言う欠点があつた。

本発明は、より効率よく冷却または加熱のできる装置を
提供するものである。

本発明の装置は、常温で気体または液体である水素化シ
リコン（シラン）または水素化ホウ素（ボラン）におけ
る水素原子の化合、脱着に伴う反応熱を利用するもので
、密閉回路内で前記熱媒体の圧縮と断熱膨張を繰り返し
、このとき発生または吸収する反応熱によつて加熱また
は冷却するように構成したものである。

たとえばＳ１２Ｈ６は常温で気体であるが、これと水素
ガスを混合して加圧すると一部はＳｉＨ４となつて反応
熱３００ＫＣａｆ、／Ｋｇを発生する。

再び加圧状態から常温にもどすと、水素ガスとＳｉ２Ｈ
６に分解し、この時多量の熱３００Ｋｄ／ｋｇを吸収す
る。この反応は可逆反応であり、圧力によつて平衡は移
動し、熱の吸収、発散が生じる。圧力および温度などの
作動条件を適当に選ぶことにより平衡反応の両物質を気
体または液体の状態に保つことができ、これらの物質を
循環させるものに好適となる。以下本発明の実施例につ
いて説明する。

第１図は本発明による冷蔵庫を示す。

１は比較的低圧の部屋で、内圧は約３気圧になつており
、熱媒体はＳｉ２Ｈ６と水素ガスに分離し、この際の吸
熱反応によつてこの部分は冷却されている。

２は低圧部１と接する低温室で冷蔵庫としての機能を有
する。

３は断熱壁４を介して低温室２と隔離されている高温室
で、圧力ポンプ５によつて比較的高い圧力（約２０気圧
）に保持されている高圧部６と接している。

７は保温室本体、８はノズル部である。

熱媒体はポンプ５→高圧部６→ノズル部９→低圧部１→
ポンプ５と循環するので、熱媒体にＳｉ２Ｈ６と水素ガ
スとの混合物を用い、加圧ポンプ５により加圧するとＳ
１Ｈ４となり、この時の反応熱により高圧部６は加熱さ
れ、これと接している高温室３は高温となる。

次に熱媒体がノズル部８を通過するとＳ１２Ｈ６と水素
ガスに分離し、吸熱反応によつて低圧部１は冷却され、
低温室２は低温となる。なおこの実施例では冷蔵庫とし
て利用する場合を述べているので、放熱孔９を設けてい
る。この装置は、用いる熱媒体の単位重量当たりの反応
熱量が約３００Ｋ（Ｘｌｔ／Ｋｇと非常に大きいことが
特徴であり、広く用いられているフロン冷媒での４０〜
６０ＫＣａ！，／Ｋｇの蒸発潜熱に比べて約５倍以上で
ある。

上記の構成の装置Ａを市販の冷蔵庫（Ｒ−１２）Ｂ相当
にし、いずれもポンプ動力１００Ｗ１冷媒流量約１０１
／Ｈｒとして両者の庫内の温度変化を比較した結果を第
２図に示す。

本発明の装置Ａが従来例Ｂに比べて冷却能力に優れてい
ることが明らかである。なお、高温室３を用いて加熱装
置として使用することもでき、また冷蔵および加熱の両
機能を有する装置とすることもできる。

また、水素化ホウ素を用いる場合は、反応熱は２５０Ｋ
Ｃａ！．／Ｉ＜ｇで、冷却、加熱性能とも水素化シリコ
ンとほぼ同様な効果が得られる。

以上のように、本発明によれば効率の良い加熱または冷
却を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における冷蔵庫の縦断面略図
、第２図は室内温度の変化を比較した図である。 １・・・・・・低圧部、２・・・・・・低温室、３・・
・・・・高温室、６・・・・・・高圧部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 水素化シリコンもしくは水素化ホウ素と水素ガスと
   の混合体を熱媒体とし、密閉回路内で前記熱媒体の圧縮
   と断熱膨張を繰り返し、このとき発生また吸収する反応
   熱を利用して加熱または冷却するように構成した加熱ま
   たは冷却装置。