JPS5928250B2 - コンクリ−トの促進強度試験方法とその装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はコンクリート強度の促進試験方法に関する。

現在、普通のボルトランド・セメント・コンクリートの
品質は試料の２８日圧縮強度を基準にして決められる。

ところで多くのコンクリート打込み工事において、基準
の２８日圧縮強度を迅速且つ確実に予測できれば非常に
有益である。早くに強度予測ができれば、打込み完了後
にコンクリート強度が所定の設計強度にまで至らないと
か、また必要以上に大きいとかという事態を避けること
ができるから、無駄な出費をしないで済む。コンクリー
ト混合物の正確な促進試験により、その混合を早めに変
え、そして仕様通りのコンクソーＦを作ることができる
。コンクリート混合物の促進強度試験の方法は多くのも
のが提案されている。

これら方法では、飽和蒸気、高温水オートクレーブ、乾
燥オーブン、電気またはガス加熱等によつて試料を加熱
することが行なわれる。これら従来の方法のいずれも完
全なものとはいえない。加熱による促進養生を行なう従
来の方法では普通、試料を部分的に養生する前養生段階
が行なわれ、これによつて後の加熱段階での試料の分離
が防がれる。しかしそのような前段階は著しく時間がか
かる。また従来提示されている早期強度予測を行なうた
めの方法においては、標準２８日強度に対する圧縮強度
の比が比較的低く、従つてコンクリート混合物の成分に
変動がある場合には特に、そのような方法の信頼性は低
いものになる。そこで本発明の目的は比較的短時間でコ
ンクリート混合物の圧縮強度試験を行なうことである。

本発明の他の目的は、標準２８日圧縮強度試験との間に
高い相関性を有する、コンクリート混合物の促進強度試
験を提供することである。本発明の好適な実施例として
、約５時間でコンクリート混合物の圧縮強度の予測が得
られる促進強度試１験が提供される。

また本発明の他の目的は、現場で用いるに適した、コン
クリートの比較的簡単な促進圧縮強度試験を提供するこ
とである。

さらに他の目的は、種々なコンクリート混合構成に対し
て信頼性のある結果を求められる促進強度試験を提供す
ることである。

また他の目的は、促進強度試験を行なうための装置を提
供することである。

本発明の他の目的は、コンクリート試料を促進養生させ
るのに加え、該試料を養生後に容器から放出し、そして
圧縮強度試験を遂行する装置を提供することである。

本発明によれば、コンクリート混合物試料が予定条件の
元に一定の高圧高温をかけられて、その養生を促進され
る。

これによつて作られる促進養生圧縮強度と２８日標準養
生との間には高い相関性のあることが知られており、こ
のことから標準２８日圧縮強度を高い信頼性をもつて予
測できるのである。本発明の装置は、ピストンと緘封装
備を有する取外し可能な蓋およびシリンダから成る、コ
ンクリート混合物試料を容れるための容器、該試料に圧
力を掛けその圧力を一定に維持するよう該蓋に対し加圧
するための装備、および該試料に加熱するための装備を
備える。

以下、添付図面を参照に説明する。

第１図に示すように本発明の装置１は、ベース２、ヘツ
ド部材３および連結部材４から成る枠組、液圧ジヤツキ
５、および３個のコンクリート試料容器６，７，８を備
える。

各試料容器、例えば６はシリンダ１０および両端部の取
外し可能な蓋１１を備える。

蓋はピストン２１を備え、このピストンの周囲にＯリン
グ１２が取付けられてシリンダ内壁に対し緘封滑合する
。容器はこれの中に容れられた試料を加熱するための電
熱線１３を備える。

各シリンダには絶縁材料１４が巻かれ、これはさらに保
護ジヤケツト１５で巻かれている。液圧ジヤツキ５には
ゲージ１７とアキユムレータ１８が連結している。

アキユムレータは試料に掛ける圧力を一定に維持するも
のである。熱損失を無くすため、底部蓋の下と頂部蓋の
上に１個ずつ、アスベスト板１９が設けられる。

ボール・ベアリング２０が蓋をシリンダに対し正しく整
合させる。装置に取付ける容器の数を違えることができ
るようにするため、ヘツド部材３は部材４に沿つて垂直
方向に調整できるようにされ、そして適当な装備１６に
よつて錠止される。

操作審ζおいて、容器６，７，８は試料９が詰込まれ、
そして蓋１１を取付けて第１図に示すようにジヤツキ５
の上に積重ねられる。

こうして液圧ジヤツキ５を延出させれば、それら容器は
上方へ枠組ヘツド３に対し押付けられる。容器は、ジヤ
ツキ５が延出されると蓋１１のピストン２１が直接コン
クリート混合物を加圧するように、充分なコンクリート
混合物試料を詰められる。ジヤツキ５は所定の値まで負
荷をかけられる。アキユムレータ１８は、混合物が続い
て加熱されるときの圧力値を一定に維持する。Ｏリング
はピストン２１とシリンダ１０の間の緘封を保つ。次に
加熱装備１３が作動され、これにより試料９は圧力を一
定に維持されたまま、所定条件のもとで高温状態にされ
る。

試料に加圧することにより、試料を加熱したとき、試料
が分離することが防がれる。

加熱段階を含む従来の促進試験では、分離または沸騰を
防止するため、試料は加熱に先立つて部分的に養生され
る。このような前養生段階は非常な時間の浪費になるが
、本発明ではそういうことはない。試料を一定の圧力に
保つことにより、続いて行なわれる試験に対し一定の養
生条件を固持できるのである。所定の加熱時間の経過後
、加熱は停められ、そして養生された試料は冷却される
。

冷却後、ジヤツキの圧力は解放され、そして容器が取外
される。養生された試料は第１図に示すごとき装置の要
素を用いてシリンダから取出される。この取出し装置は
、容器シリンダのボアより直径が少しく大きい取出しシ
リンダ２２と、容器シリンダのボアより直径が少しく小
さい取出し部材２３より成り、そこで取出しシリンダ２
２が、蓋を外した容器シリンダの一端部に係合し、そし
て部材２３を容器シリンダの他端側に置くようにして、
その取出しシリンダ２２、容器シリンダ、および取出し
部材２３を直列に、ジヤツキ５と枠組ヘツド３の間に設
置し、部材２３を押せば、試料は容器シリンダから押出
される。この試料は同じ装置要素を利用して通常の圧縮
強度試験をすることができる。

試１験は試料各個ごとに行なわなければならないから、
試料の頂部と枠組ヘツドの間にスペーサを置くか、ある
いは枠組ヘツドを下方向に調節する必要がある。次に本
発明による実例を挙げる。

実例 各試料容器は内径３インチ（７６．２ｍ７７！）Ｘ長さ
６篤インチ（１６５，１ｍｍ）の鋼板シリンダで作られ
た。

加熱装備はシリンダ周囲に巻かれた、１００ワツト電力
の、２５ゲージのニクロム線とされた。この電熱線の周
囲に１／インチ（３８．１ｍ０の絶縁物が巻かれ、これ
の周囲に６インチ（１５２．４７１ｔ０直径Ｘ６％イン
チ（１６５．１ｍ０長さの金属ジヤケツトが取付けられ
た。上部および下部組立体は、隆インチ（２２．２２５
ｍ０厚端部蓋、１インチ（２５．４ｍ１）厚Ｘ４インチ
（１０１．６ｍｍ）直径支承板、および該蓋と支承板間
の％インチ（１２．７ｍ７１Ｌ）アスベスト板を備えた
。上部蓋組立体はさらに、蓋と支承板の間にボール・ベ
アリングを備えた。蓋はピストンとなる減径部分を有し
、そのピストンには？インチ（３．１７５ｍ１Ｌ）Ｘ２
％インチ（６９．８５ｍ７！ｔ）のゴムのＯリングが嵌
められ、各シリンダ端部の内壁に緘封係合された。シリ
ンダ間の蓋は１％インチ（３１．７５ｍｍ）厚の単一部
品で、２つのシリンダの隣接する端部に同時に緘封係合
された。３つの各容器の外部にグリースのプラスチツク
・ライナーが着けられた。

蓋にもグリースが着けられた。各容器は３つの継続した
等しい層の試料が詰込まれた。各層は、先端を丸めた％
インチ（１５．８７５關）直径の棒で２５回突かれた。
容器はピストンが試料と接触するよう充分詰込まれた。
この光満した容器は第１図に示すように装置上に積重ね
られた。アキユムレータと接続されているジヤツキによ
り１５００ｐｓｉ（１０５．４５ｋｇ／ＣＴＩＩ′）の
圧力が加えられ、これによつて試料は加圧され、そして
容器は緘封された。

次いでそれら容器は１００ワツトの電源に接続された。
予備試験により、最も経済的且つ実際的な時間とコンク
リート強度増大の得られる養生サイクルが求められた。

これによつて約５時間の全試験時間で最終的結果の得ら
れるであろうことが予め想定された。先に説明したよう
な装置によつて、容器内の試料は之時間内に約１４８．
９℃（３００ＤＦ）の最高温度まで加熱された。

加熱時間を間欠的に２／から４時間まで変化させたとこ
ろ、３時間まで促進強度の相当の利得のあることが知ら
れた。しかし３時間以上では強度は殆んど増加しなかつ
た。またさらに、冷却期間が１％時間以下の場合、熱養
生された試料の強度が減少することが知られた。さらに
冷却期間が２時間以下の場合、試料は熱過ぎて裸の手で
取扱うことはできなかつた。以上の諸条件からして、試
料の処理は加熱期間が３時間、そして冷却期間が室温（
２１．１℃（７『Ｆ））で２時間をもつて行なわれた。
２時間の冷却の後、試料のコアの温度は６８．３２Ｃ（
１５５のＦ）であつた。

冷却後圧力が解かれ、そして容器が取外されｔら試料は
先述したように取出し装置として同じ液圧ジセツキと枠
組装置を利用してシリンダから取出された。

こうして取出された試料はその同じジヤツキと枠組装置
において圧縮強度が試験され、そしてこの測定された圧
縮強度はジヤツキのゲージから記録に残された。種々な
混合物が準備された。

その各混合物の試料が先述した促進試験方法と装置を用
いて養生された。各混合物のまた別の試料が、６Ｘ１２
インチ（１５２．４Ｘ３０４．８ｍｍ）シリンダを使用
した標準２８日方法に従つて養生された。それら試験は
いろいろな骨材一セメント比、水−セメント比、および
混和物をもつて行なわれた。混合物成分の比率は後の表
に示す通りである。使用したセメントはタイプ１、標準
ポルトランド・セメントであつた。シリーズＡ，Ｂおよ
びＣの通常重量骨材のための粗および細骨材は、カナダ
国サスカチワン州サスカトウーン市で採れた氷河期沖積
土であつた。シリーズＦの軽量粗および細骨材は膨張粘
土ジュールであつた。シリーズＤ，ＥおよびＦの解凍時
の悪影響を除くための気泡混入剤はＶｉｎｓＯｌ（商標
名）として知られている熱可塑性樹脂であつた。シリー
ズＥにおいて、フライアツシユが空気エントレンニング
剤と関連して使用された。普通用いられるポゾランであ
るフライアツシユは減水剤および硬化遅延剤として作用
する。そして累積されたデータが第２図に示される。

このデータはリニア・リグレツシヨンを用いて解析され
た。これで得られたリグレツシヨン方程式は、５００＜
ｘく３４００において、Ｙ＝１５７０＋１．４２Ｘであ
つた。ここでＹ＝予測された２８日標準養生コンクリー
ト圧縮強度（Ｐｓｉ）、Ｘ＝測定された促進圧縮強度（
Ｐｓｉ）である。全てのデータに対して予測の精度は±
１５％以内、また８１Ｚ０の結果は±１０７０以内であ
る。相関係数は０．９６４である。促進養生圧縮強度対
２８日標準養生圧縮強度の比は２４７０ないし５２．５
Ｚ０であつた。この比は２８日強度が増大するにつれて
大きくなるが、結果の精度に影響するものではなかつた
。この実例において、諸パラメーターは全試験時間が５
時間であるように選ばれた。

しかし本発明は１ないし２０時間の圧縮強度の有効な予
測もできるものと思われる。短い時間に対しては、高温
高圧と機械的な冷却が必要である。加えることのできる
最高圧力は使用される骨材の強度によつて限定される。
実際に使われる最高圧力は最高温度に応じ決められるで
あろうし、特に試料の沸騰を防ぐに光分なものでなけれ
ばならない。約１５００ｐｓｉ（１０５．４５ｋｇ／（
Ｖ７ｌ）の圧力が好適であるが、５００なしい２０００
ｐｓｉ（３５．１５ないし１４０．６ｋｇ／ＣＴｉｌ）
の圧力範囲が実用されよう。また実用的な温度範囲は９
３．３ないし４２６．７れＣ（２００ないし８０『Ｆ）
であるが、好適には約１４８．９いＣ（３０『Ｆ）であ
る。比較的短い試験時間、そして比較的高い圧力と温度
の場合、促進養生試料の強度は２８日強度の可成り低い
割合になろうし、従つて試験の信頼性（ま低くなる。養
生時間が比較的長く、温度と圧力が比較的低くければ、
強度予測の精度は高くなる。そこで好適な全試，験時間
は３ないし８時間である。温度、圧力、加熱時間または
冷却時間のようなパラメーターを変えた場合には、２８
日強度に対する新しい相関方程式を作る必要がある。上
記実例において、加熱段階は所定時間加熱要素に所定量
の電力を供給することによつて行なわれたが、その他の
手段、例えば試料を所定時間所定温度に保持することに
よつても同じ条件が得られることは理解されよう。

同様に冷却も種々な方式によつて行なうことができよう
。装置は第１図に示したものを変形することもできる。

例えば加熱装備は、蓋によつて支持され、そして容器内
へ同心的に設置されるような細長い加熱要素とすること
もできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は促進強度試験装置の一部を断面で示す斜視図、
第２図は促進圧縮強度と標準２８日圧縮強度の関係を示
すグラフである。 １・・・・・・試験装置、２・・・・・・ベース、３・
・・・・・ヘツド、４・・・・・・連結部材、５・・・
・・・液圧ジヤツキ、６，７，８・・・・・・試料容器
、９・・・・・・試料、１０・・・・・・シリンダ、１
１・・・・・・蓋、１３・・・・・・電熱線、１７・・
・・・・ゲージ、１８・・・・・・アキユムレータ、２
１・・・・・・ピストン、２２・・・・・・試料取出し
シリンダ、２３・・・・・・同部材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ コンクリートの促進強度試験方法において、ａ）コ
   ンクリート混合物試料を容器内に容れて該容器を緘封し
   、ｂ）次に前記試料を加圧し、 ｃ）前記試料の圧力をほぼ一定に維持したまま、前記試
   料を所定の時間の間加熱してその温度を上げ、ｄ）次に
   前記試料を所定の時間の間冷却し、ｅ）次に前記試料の
   圧縮強度を測定することを特徴とするコンクリートの促
   進強度試験方法。 ２ 特許請求の範囲第１項の方法において、前記試料を
   ３５．１５ないし１４０．６ｋｇ／ｃｍ＾２の圧力で加
   圧することを特徴とする方法。 ３ 特許請求の範囲第１項の方法において、該試料が９
   ３．３ないし４２６．７℃の温度で加熱されることを特
   徴とする方法。 ４ 特許請求の範囲第２項の方法において、該圧力が約
   １０５．４５ｋｇ／ｃｍ＾２であり、該加熱温度が約１
   ４８．９℃であり、そして該全加熱および冷却時間が約
   ５時間であることを特徴とする方法。 ５ コンクリートの促進強度試験装置において、ａ）シ
   リンダおよび取外しできる蓋を備える、コンクリート混
   合物の試料を受容するための容器、ｂ）該蓋に備えられ
   、且つ該シリンダの内壁と摺動可能に緘封係合するため
   の緘封装備を有するピストン、ｃ）該試料に加圧するた
   め該蓋に圧力を掛けるための装備、および、ｄ）該容器
   内の該コンクリート混合物試料を加熱するための装備、
   を備えたことを特徴とするコンクリートの促進強度試験
   装置。 ６ 特許請求の範囲第５項の装置において、該蓋に圧力
   を掛けるための該装備が、ベース部材、ヘッド部材、該
   ヘッド部材を該ベース部材に対して固定するための連結
   部材、および該ベース部材と該ヘッド部材の間の位置決
   めを行なうためのジャッキを備える装置。