JPS5928234Y2 - 冷却塔の水滴飛散防止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、冷却水のキャリオーバを防止するために冷却
塔内に設けた水滴飛散防止装置に関し、更に詳しくは、
塔体のベルマウス内周面であって、かつ送風機のファン
が収納されている下側のコーナ部に液溜溝を周設して、
ベルマウス内周面に付着した水滴を液溜溝で捕集して排
出するようにした水滴飛散防止装置に関する。

従来から公知の冷却塔は、第２図に縦断面図で示すよう
に、塔体１内に散水装置２、充填物３を順次内蔵し、斗
た塔体１の下部にはルーバ４を介在させて水槽５を設置
し、さらに塔体１の上部にはベルマウス６を形成してこ
の内側に送風機７を収納した構成からなっている。

この冷却塔による循環水の冷却は、散水装置２から散布
された循環水が充填物３内を通過する間に気液接触によ
って冷却され、水槽５に流下することによって行なわれ
る７５〜 従来の冷却塔はこの気液接触の際に発生する
キャリオーバを防止することができなかった。

このキャリオーバの発生現象を詳しく説明すると、次の
通りである。

送風機Ｉを運転するとルーバ４から塔体１内に空気が流
入し、この空気が充填物３内を通過する間に循環水と接
触して熱交換が行なわれる。

この熱交換によって、空気は湿気を含んだ状態となり、
この空気が送風機７のファンの回転によってベルマウス
６から塔体１の外に排出される。

ところがこの排気の際に、湿った空気の一部は、回転す
るファンの遠心力によってベルマウス６の内周面に吹き
付けられ、この空気中に含１れている微細な水滴がベル
マウス６の内周面に付着する。

この水滴は除々に成長し、上昇する風力に抗してベルマ
ウス６の垂直内周面を伝って流下する。

そして、ベルマウス６のコーナ部８１で流下すると、上
昇する風力と、コーナ部８の下方傾斜面に伝って流下す
る重力とがバランスして、水滴はこのコーナ部８に溜１
す、更に大粒に戒長し、水滴の重力がコーナ部８との付
着力を上回ると水滴は落下する。

この落下した水滴は、途中で砕けることなく、°送風機
の吸引力によって上方に引上げられて塔体１の外に排出
され、雫となって冷却塔の周りが水浸しとなる。

本考案は、かかる従来冷却塔が抱えていた問題点を解決
したものであって、キャリオーバの発生を抑えて、冷却
塔の周りが水浸しになるのを防止した水滴飛散防止装置
を提供するものである。

以下、本考案の具体的構成を図面にて詳細に説明する。

第１図は本考案の一実施例を示す縦断面図であって、塔
体１の上部にはベルマウス６が形成され、該ベルマウス
６の内部には送風機γのファンが配設されている。

本考案は、このファンが収納されているベルマウス６の
下側のコーナ部８に液溜溝１１を周設し、該液溜溝１１
に桝１２を介してホース１０を接続したものである。

このホース１０の他端は風速の小さい個所に導く。

桝１２の形状は、特に限定されるものではないがないが
、図面に示す如く底面を送風機のファンの回転方向と同
方向に下り勾配をつけ、更にこの桝１２の上面の半分程
を蓋１３で覆うようにするとよい。

また、第１図では、水平面で周設した液溜溝１１を示し
たが、本考案はかならずしもこの構成に限定されるもの
ではなく、必要に応じてファンの回転方向と同方向に下
り勾配をもたせて周設してもよい。

そして、この場合には、傾斜した液溜溝１１の下部最終
端に桝１２を配設し、この桝１２にホース１０を接続す
るとよい。

以上の如く、本考案は、ベルマウス内周面の水滴カ溜捷
り易いコーナ部に液溜溝を周設し、該液溜溝に桝を介し
てホースを接続したので、水滴を効率よく捕集すること
ができ、しかも捕集した水滴は液溜溝から溢れることな
く桝に導かれ、ホースを通って排出される。

したがって、本考案によればキャリオーバの発生を確実
に防止できるので、従来この種の冷却塔で見られたよう
な冷却塔の周りが水浸しになるという不都合がなく、実
用的には極めて優れたものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す縦断面図、第２、図は
従来の冷却塔を示す縦断面図である。 １・・・塔体、６・・・ベルマウス、７・・・送風機、
８・・・コーナ合成１０・・・ホース、１１・・・液溜
溝、１２・・・桝○

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 塔体のベルマウス内周面であって、かつ送風機のファン
   が収納されている下側のコーナ部に液溜溝を周設し、該
   液溜溝に桝を介してホースを接続したことを特徴とする
   冷却塔の水滴飛散防止装置。