JPS5926585B2 - 織糸送給装置のベルト寿命を延長する方法及びその装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は織糸送給装置のベルトの寿命を延長する方法及
び装置に関するものである。

織物業界で広く知られている所謂ベルト送給装置は、糸
を運ぶ働きを有し、揺動アームによつて支持された２つ
のローラをめぐるベルトがこの揺動アームに固定された
引張ばねによつて圧接される駆動ローラを含む。

例えば仮撚織機の合成糸処理機にこのベルト送給装置を
用いる時、糸は常にベルトの同じ部分を通るので大きな
摩耗を受ける。この摩耗は個々の糸が円形エッジを有さ
ず尖つている合成物質の糸束を用いる場合には益々大き
い。送給装置に糸を送給する装置付近に可動糸ガイドを
配置し、この可動糸ガイドにベルトの幅にわたつて延び
るストロークを付与することによつてベルトの摩耗を減
少することが既に試みられている。この試みによつて糸
が周期的に変る２つの位置でベルトをめぐることが確保
される。しかし、この方法はベルトの寿命を相当に延長
することができないことが判つた。本発明の目的は、ベ
ルトに接触する糸の位置が連続的に変化してベルトの全
面が均一に摩耗し、従つてベルトの寿命が相当に延長す
ることができるようにする方法と装置とを提供すること
である。

この目的は複数の基本ストローク周期中このストローク
の全幅にわたつて分散された異なつた位置に糸ガイドの
逆転位置がくるように糸ガイドのストロークに付加的な
ストロークを重畳することによつて達成される。この付
加ストロークの周期は基本ストロークのｎ倍に相当し、
ｎは２以上の単位分数となる。この分数の分子又は分母
の一方又は双方は１１〜１１３間の素数である。送給装
置のベルトの１回転に要する時間は１つの基本ストロー
クに要する時間とは異なる。本発明の実施例を添付図面
を参照して以下に詳細に説明する。

第１図及び第２図を参照すると、符号１は糸の運動方向
に対し横方向に可動するロツドを示し、その一端にはロ
ーラ３，３！をめぐるベルト送給装置のベルト４に接触
する糸１９の位置を変化する糸ガイド２が配置されてい
る。

糸ガイドロツド１はベアリング５，５′によつて支持さ
れており、その他端には支持体８を支持する２つのボー
ルベアリング７，γが設けられた拡大部分６を有する。
支持体８の前面には同軸上にある偏心ピン９，５（偏心
をｙで示す）が設けられている。符号１０は回転自在に
支持された軸１１に強固に固定され軸１７に摩擦的に係
合されていてこの軸１７を駆動することによつて駆動さ
れる円板である。円板１０はその上面に偏心して設けら
れた円形溝１２を有し（偏心をＸで示す）、この円形溝
にはボールベアリングが設けられている。ベアリング１
３は偏心ピンｑを支持している。軸１１の上端には円形
溝１２と同軸の偏心ピン１４が配置され、この偏心ピン
はピニオン１５を支持しそれに強固に接続されている。
ピニオン１５は偏心ピン９に取付けられてそれに強固に
接続された他のピニオン１６に噛合つている。糸１９は
固定糸ガイド１８を通つて送給され、次いで糸ガイド２
、ベルト４及び更に他の固定糸ガイド１８′を連続的に
通る。

被駆動円板１０と偏心ピンｑとによつてロツド１の糸ガ
イド２に基本ストロークが付与される。これは糸ガイド
２の位置の周期的な正弦変化を生ずる。偏心ピン１４、
ピニオン１５，１６及び偏心ピン９，９′によつて形成
される装置部分によつて重畳ストロークが生ぜしめられ
る。ピニオン１５，１６のうち少なくとも一方のピニオ
ンの歯の数は素数か又はその倍数でよく、又は両ピニオ
ンの歯の数は７以上の等しくない素数又はその倍数でよ
い。ピニオン１５の歯数は例えば２３でピニオン１６の
歯数は８７（即ち３×２９）である。このようにして基
本ストロークとそれに重畳するストロークとの間の比は
第３図に示すように１：３．７８となる。この図には円
板１０の４回転にわたる糸ガイド２の運転が示してある
。曲線ａは基本ストロークの行程が５ｍｍであるのを示
し、曲線ｂは重畳ストロークの全行程もまた５顛である
のを示す。曲線ｃは全（合成）ストロークの行程を示す
。

即ち、円板１０の４回転中糸ガイド２の逆転位置が全ス
トローク幅にわたつて分散された２つの異なつた位置に
あることが理解されよう。更に第３図に示すように、全
ストロークの周期は４倍の基本ストロークと比しｄ＝０
．００３πだけ異なる。更にローラ３，３′をまわるベ
ルト４の回転時間は基本ストロークの持続時間とは異な
るのでベルトの表面に係合する糸の付加的な変化が達成
される。本発明の方法はベルト４を非常に均一に摩耗す
るのを可能にし個々の糸が尖つている合成物質から成る
織糸束を処理する場合に少なくとも６倍の寿命を延長す
るのを可能にする。本発明の実施態様を要約して示すと
、下記の通りである。

（１）特許請求の範囲第１項による方法であつて、付加
的ストロークの周期は基本ストロークの周期のｎ倍に相
当し、ｎは分数で２より大きいことを特徴とする方法。

（２）前項の方法であつて、前記分数の分子又は分母の
一方又は双方は１１〜１１３の素数であることを特徴と
する方法。

（３）特許請求の範囲第１項による方法であつて、前記
送給装置のベルトの回転の持続時間は基本ストロークの
持続時間とは異なることを特徴とする方法。

（４）特許請求の範囲第２項による装置であつて、一方
の偏心ピンは円形溝に設けられたボールベアリングに支
持されている装置。

（５）特許請求の範囲第２項による装置であつて、２つ
のピニオンのうち少なくとも一方のピニオンの歯数は素
数又はその倍数である装置。

（６）前項の装置であつて、両方のピニオンの歯数は７
より大きい等しくない素数又はその倍数である装置。

【図面の簡単な説明】

第１図は一部を中央で断面にした本発明による方法を実
施する装置の正面図、第２図は第１図のＡ−Ａ線に沿つ
た断面図、第３図は糸ガイドの運動を示すグラフである
。 １・・・・・・ロツド、２・・・・・・糸ガイド、４・
・・・・・ベルト、８・・・・・・支持体、９，９′，
１４・・・・・・偏心ピン、１０・・・・・・円板、１
１・・・・・・軸、１２・・・・・・円形溝、１５，１
６・・・・・・ピニオン、１９・・・・・・織糸。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 織糸の運動方向に対し横方向にストローク運動する
   糸ガイドによつて織糸送給装置のベルトの寿命を延長す
   る方法において、複数の基本ストローク期間中この基本
   ストロークの全幅にわたつて分散された異なつた位置に
   糸ガイドの逆転位置があるように付加的なストロークが
   糸ガイドの基本ストロークに重畳されることを特徴とす
   る織糸送給装置のベルトの寿命を延長する方法。 ２ 織糸送給装置のベルトの寿命を延長する装置におい
   て、糸の運動方向に対し横方向に移動可能であつてその
   一端に糸ガイドが設けられかつその他端に回転支持体が
   設けられたロッドにして前記支持体がその前面に偏心ピ
   ンを設けられたロッドと、前記偏心ピンの１つが係合す
   る偏心円形溝を有する被駆動円板であつて回転軸に取付
   けられてそれに強固に接続されこの回転軸の一端の前面
   に更に他の偏心ピンが設けられた被駆動円板と、相互に
   係合する２つのピニオンであつて、一方のピニオンが前
   記回転軸に設けられた前記他の偏心ピンに取付けられて
   おり、他方のピニオンが前記支持体に設けられた他方の
   偏心ピンに設けられてこのピンに強固に接続されている
   ピニオンとからなることを特徴とする織糸送給装置のベ
   ルトの寿命を延長する装置。