JPS5925752Y2 - 水難用救命ベルト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は水着、衣服等の上から胴巻状に着用する小型の
水難用救命ベルトに係わり、緊急時に即席浮輪を形成し
水難事故を防ぐことを目的としたものである。

一般に、例えば海水浴場等において発生する水難事故は
、急に深みにはまったり、沖まで泳ぎでたとき冷海域に
見舞れたり、又は疲れが原因で手足に痙彎を招き、溺れ
死ぬことが多がった。

近時はレジャーの発展に伴い海岸線とか船上においての
魚つりが盛んであるが、このとき時折り、バランスを崩
し海中に投げ出されることもある。

勿論、このことは魚取りを専門とする漁民にあっても同
様で危険性をはらむものであった。

しがし乍らこの場合、何時発生するかわからない事故に
備えて救命胴衣を着用しているわけにもゆかず、特に魚
業等の如きに激しく身体を動がす者にあっては救命胴衣
は部層なものとなるものであった。

本考案は上記実情に鑑み、普段何等の抵抗を受けること
のない胴巻きタイプの救命ベルトを提供したものである
。

以下、本考案の構成を実施例の図面について説明すれば
次の通りである。

１はゴム地、合成ゴム地、合成樹脂地等よりなる適宜の
気密性薄地部材で形成した少なくとも胴廻りより大径で
胸廻り程度の径を呈す全体として偏平袋となる環状チュ
ーブベルト本体で、該環状チューブベルト本体１の周囲
上下縁１ａ、ｌｂ部に、一定間隔をおいて数箇所（図面
にあっては６箇所）に■状となるくびれ部２を形成する
とともに、該環状チューブベルＩ・本体１の前面部に中
折状に形成する襞折部３の両側部に、フックループ式フ
ァスナー、ホック、磁石等よりなる嚢中調節用の仮止め
具４，４′を取付け、且胴巻き着用時に脇腹位置となる
環状チューブベルト本体１の側面１Ｃに、該環状チュー
ブベルト本体１内に連通ずる小型圧縮ガスボンベ用ガス
導入栓５を一体に取付けるものである。

６はガス導入栓５の取付ロアに螺合する圧縮炭酸ガス等
を詰込んだ小型圧縮ガスボンベで、該小型圧縮ガスボン
ベ６の封板部６′面にガス導入栓５に設けた作動レバー
８にて可動する撃針９が臨むものとなる。

１０は環状チューブベル１一本体１の適宜の箇所に設け
た給排気栓、１１は環状チューブベルＩ・本体１の下縁
１ｂの適所に設けた紐孔で、該紐孔１１に結んだ紐（図
示せず）の先端には適宜のフックを装着し衣服、バンド
等に連結しておき離反を阻止するものである。

いよこの作用を説明すると、先ず水着又は普通の衣服を
着用した状態の上から環状チューブベルト本体１をかぶ
り胴部に宛がうものである。

この場合、該環状チューブベルト本体１は胴廻りより大
径となるように裁断形成してなるため、例えば前部（腹
側）においてその余分な中介を二つ重ねとしてたぐり、
前面に折畳み襞折部３を形成して胴体に密着状に巻付け
るものである。

この場合、襞折部３の前後端となる二つ重ね端部３ａ端
に設けたフックループ式ファスナー等よりなる一方の仮
止め具４を、胴巻部３ｂの長手方向に配した他方の仮止
め具４′の所望の箇所に押付ければ、この一対となる仮
止め具４，４′が接着し、襞折部３が離れることなく、
環状チューブベルト本体１全体で胴巻体１′が構成され
る（第４図参照）。

この場合、胴巻体１′は環状チューブベルト本体１が表
地、裏地を接着した偏平袋をもって形成してなるため、
全体として極めて薄く一般の腹巻着用と同様に何等異物
感を与えず、従って水泳とか魚つり、漁労作業等の如き
激しい運動にも対処しえるものである（ちなみに、一実
施例のサイズを示せば環状チューブベルト本体１の大き
さは、全長１６００ ｍｍ、巾１４０ ｍｍ、厚さ１ｍ
ｍ地のビニール生地製で総重３００ｇ程度となり、市販
の救命胴衣の重量の％以下となる）。

いまこの救命ベルＩ・を膨張させ浮輪使用とする場合、
即ち水泳中に手足等に痙彎を招いたり、沖の方へ泳ぎ出
て疲れたり、又は船上より不慮に横巾へ転落したとき等
に際し、胴巻体１′となる環状チューブベルト本体１の
脇腹位置に配した小型圧縮ガスボンベ６を接続した所謂
カット装置となるガス導入栓５の側面に有するＬ型状の
作動レバー８に結んだ引き紐１２を引けば、該作動レバ
ー８のテコ作用により内蔵の撃針９が押圧され、該撃針
９の先端が螺合して取付けた小型圧縮ガスボンベ６の封
板部６′を一旦破り、瞬時に撃針軸部９′に装着したス
プリング１３の作用にて後退し、圧縮ガスボンベ６内の
圧縮ガス（炭酸ガス等）が噴出し栓孔５′より環状チュ
ーブベルト本体１内に一挙に流入し、該環状チューブベ
ルト本体１を膨張させ浮輪体１″を構成するものとなる
。

このとき、環状チューブベルト本体１の一部は襞折部３
となり、フックループ式ファスナー等の仮止め具４，４
′を配してなるが、圧縮ガスの流入による膨張圧の方が
大で、該環状チューブベルト本体１の膨れに伴って順次
はじけ、外ずれるものとなる。

即ち、例えば、仮止め具４，４′がベルベット式ファス
ナーの場合、該フックループ式ファスナーの場合、この
片側のフック部群と他側のループ部群の係合作用が横方
向の接着力は極めて大であるが、縦方向（離反方向）に
対しては弱く、このため偏平袋を呈す環状チューブベル
ト本体１が断面円弧状に膨んでくるに従って襞折部３と
なる重ね部は、面接触から点接触へ移行するので、圧縮
ガスの流入に伴って襞折部３がはじけ全体として胴廻り
より大径となる浮輪体１″となる。

勿論この場合、該環状チューブベルト本体１の上下縁１
ａ、ｌｂ部にはくびれ部２を適宜個数配されているため
、該くびれ部２のチューブベルト巾ｌは他のチューブベ
ル１へ巾１′より短かく、膨張面積が異なり、くびれ部
２が折れ曲がり、全体として円環状を呈す浮輪体１ ｒ
ｔとなる。

次に、この浮輪体１″を胸部位置まで引上げ、腕部を掛
ければ、普通の浮輪体使用と同様の浮力を得、水没を阻
止するものとなる。

尚、逆さに海中に落ち、水中にて開弁をし環状チューブ
ベルト本体１を膨張させ、身体が浮輪体１″からすつぽ
ぬける虞を有せば、環状チューブベルト本体１に設けた
紐孔１１に有せば、環状チューブベルト本体１に設けた
紐孔１１に有する紐の先端を衣服等に結び付けておけば
よい。

使用後における浮輪体１″の折畳みに際しては、ガス導
入栓５は不還弁となっているため、環状チューブベルト
本体１に設けた別途の給排気栓１０のキャップ部を外し
、該環状チューブベルト本体１を適宜押圧すれば、簡単
に排気され、元の偏平袋を呈す環状チューブベルト本体
１となる。

上述の様に本考案は全体として環状を呈す偏平のチュー
ブベルト本体を少なくとも胴廻りより大径に形成し、そ
の適宜の箇所を襞折して胴体巻着し、緊急時に該チュー
ブベルト本体の側面に設けたガス導入栓に装着した小型
圧縮ガスボンベの圧縮ガスを流入する如くしたため、着
用に際しては単に腹巻状に配せばよく簡単で、目激しい
運動を行なっても何等支障を来たさず、しかもガス導入
枠部に取付けた引き紐を引くだけのワンタッチ操作だけ
で、胴巻体部が襞折部をはじき乍ら瞬時（１〜２秒ぐら
い）に膨張し浮輪体を構成するため、水難事故が防せげ
るものとなる。

この場合、該チューブベルト本体の少なくとも片側縁に
はくびれ部を配し膨張面積を絞ってなるため、該くびれ
部が折曲がるので、必ず全体として環状となり身体が抜
は落ちることもないものである。

更に本考案の構造はビニール地等の薄地部材をもって環
状チューブベルト本体を形成してなるため、コンパクト
に折畳まれ得るため、必要にあっては別途袋等に収納し
携帯することも可能となる。

例えばアクアラング一式を装備し水中遊泳中に疲れを生
じたとき、沖あいにあっても適宜浮上し、前記折畳まれ
た環状チューブベルト本体を、ウェイトベルト等に掛け
た袋より取出し膨張させ、その上に乗り休むことも可能
となる。

しかも構造が簡略化してなるため誤動作の虞も全くなく
安全性の極めて救命用具となり、且反復使用出来る等の
実用的効果を奏するものである。

尚、襞折部に配す適宜の仮止め具の数を増せば、拵せ型
から肥満型まで各種体格の胴廻りに対処しえることは勿
論である。

又、環状チューブベルト本体に配すくびれ部は、偏平袋
部にくびれ部が構成されればよく、該環状チューブベル
ト本体の前後面となる生地の裁断は直線状でもよい。

尚、ガス導入枠部に装着する小型圧縮ガスボンベの圧縮
ガスの代りに固形窒素を用いても同様膨張効果を得る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は斜面図、
第２図は第１図Ａ−Ａ断面図、第３図、第４図は胴巻き
付は状態を示す斜面図、第５図は浮輪体となった斜面図
、第６図はガス導入枠部の要部切欠正面図である。 １・・・・・・偏平袋となる環状チューブベルト本体、
２・・・・・・同くびれ部、３・・・・・・同衾折部、
４，４′・・・・・・フックループ式ファスナー等の仮
止め具、５・・・・・・ガス導入栓、６・・・・・・小
型圧縮ガスボンベ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 胴廻りより大径となる上下端を接着部とする偏平袋の環
   状チューブベルト本体１を形成するとともに、該環状チ
   ューブベルト本体１の上下端１ａ。 １部部にくびれ部２，２を６箇所均等間隔を介して対向
   形威し、該環状チューブベルト本体１の適宜の箇所に一
   重の襞折部３を配して胴巻体１とし、該襞折部３の重ね
   面にフックループ式ファスナーよりなる嚢中調節用の仮
   止め具４，４を夫々設け、且つ環状チューブベルト本体
   １の側面部に、該環状チューブベルト本体１内に連通ず
   る噴出し栓孔５と作動レバー８の可動にて押圧される撃
   針９を備えたガス導入栓５を一体に設け、該ガス導入栓
   ５にこの撃針９部に封板部６を臨む小型圧縮ガスボンベ
   ６を着脱自在に取付けた水難用救命ベルト。