JPS5923870B2 - 水流板式塗装ブ−ス - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は水流板式塗装ブースに関するものである。

一般に、塗料ミストを除去し作業環境の改善と公害防止
を図る塗装ブースは塗料ミストを捕集する形態から、前
面水流板を用いたものや、吸込気流による渦流液膜を用
いたもの等の水洗式塗装ブース、或はバッフル板やフィ
ルター等を用いた乾式塗装ブースがある。

水洗式ブースは、乾式ブースに比べ、フィルター等の交
換を必要とせず、維持費がかからないことから最も広く
利用されているが、中でも水流板式の塗装ブースは前面
が水流板のため汚れもなく取り扱い性等からその主流と
なつている。

又、この水流板式の塗装ブースの場合、捕集した塗料ミ
ストは下部に設けた水槽内にたまるため定期的に清掃す
ることがミストの捕集効率を維持し、塗装ブースの性能
を保つうえで必要であり、且つまた装置そのものの耐久
性によい結果を与えることにもなる。

従つて、清掃は重要な保守作業となるが、従来の水流板
式塗装ブースでは水流板がオーバーフロー槽を備えた一
体のものであつたため、清掃に多大の労力と時間がかか
るという難点があつた。本発明は上記実情に鑑み、メン
テナンスの容易化を図り、少ない労力で常に安定した性
能を維持する塗装ブースを提供しようとするものである
。

以下、本発明の構成を図示の実施例について説明する。
第１図は、本発明の一実施例である前面水流板式の水洗
ブースの断面図を示し、塗装ブース本体１は前面を開口
し、中央部に垂下設置された前面水流板２を境として前
部に塗装室Λと、後部に水洗室Ｂとを区画し、該前面水
流板２の上部にオーバーフロー槽５と下部に水槽６を配
してなる。

更に、前面水流板２は、上部水流板３と下部水流板４に
分割形成され、上部水流板３はその上端が後方に折曲さ
れ、オーバーフロー槽５の前面壁Ｔ上縁に係上され、下
部水流板４はその上部裏面に支持軸８を突設し、該支持
軸８に形成した係合切欠部９をブース本体１の両側板よ
り突出固定した水流板受け１０に係止されている。両水
流板を各々係上したとき、下部水流板４はその上端が上
部水流板３の下部裏面に位置し、上部水流板３の下端は
わずかに内部に折り曲げて下部水流板４の上部表面に密
接させ、両水流板が連続接触面をもつて、前面水流板を
構成するよう配されている。又、前記オーバーフロー槽
５はブース本体１の両側板に取付けた受け具５ａに固定
されており、該オーバーフロー槽５の開口上部５ｂには
、オーバーフローパイプ１１が設けられ、ポンプ１２か
らの水を給水パイプ１３を経て牙一バーフロ一槽５に供
給するとともに、オーバーフロー槽５内には波立ちによ
るオーバーフローの乱れを防止するために整流板１４が
ブースの天井より垂下されている。尚、前面水流板２の
後部の水洗室Ｂには公知の様に散水ノズル１５を連設し
たシヤワーパイプ１６と、その上方にエリミネータ−１
７がユニツト状に設置され、更に上方には排気フアン１
８が連設されており、前面水流板２、散水ノズル１５、
エリミネータ−１７で塗料ミストを除去し、清浄化され
た空気のみを排出する構成となつている。又、前面水流
板２の下部の水槽６内には、ブース両側板の仕切板ガイ
ド１９に差し込まれた仕切板２０と上部に載置された濾
過網２１によつて濾過槽２２が区分されており、該濾過
槽２２内にポンプ１２の吸込パイプ２３が配されている
。該ポンプ１２によつて吸込まれた水は供給パイプ１３
を通じてオーバーフローパイプ１１とシヤワーパイプ１
６へ送られる。本発明は以上の様に構成され、前面水流
板２の下部に設けられた水槽６内の水をポンプ１２によ
つて汲み上げ、オーバーフローパイプ１１よりオーバー
フロー槽５に連続供給すればオーバーフロー槽５内の水
は溢水し、上部水流板３の上端よりあふれ、上部水流板
３とこれに接触連続面を以つて形成された下部水流板４
に沿つて水膜となつて流下する。

鼓に於て、塗装室Ａで噴霧された塗料ミストは排気フア
ン１８で吸引される気流にのつて、上部水流板３と下部
水流板４にて構成される前面水流板２の水膜にて捕集さ
れ、且つ、捕集しきれない塗料ミストを水洗室Ｂの散水
ノズル１５によるシヤワ一、エリミネータ−１７にて捕
集し外部に清浄な空気のみを排出する。

この捕集された塗料ミストは水と共に水槽６内に戻り凝
集されて除去されるが、長期間の使用によつて水槽６内
の底部に沈澱したり、水洗室Ｂ内の壁部側板や背板等に
も付着し、汚すことになる。従つて、定期的に清掃する
ことが必要であるが、本発明によれば上部水流板３をオ
ーバーフロー槽５の前面壁７から外し、更に下部水流板
４を水流板受け１０より外すことによつて前面水流板２
は取り除かれ、内部の清掃が極めて容易となる。しかも
オーバーフロー槽と水流板が別個体であり、オーバーフ
ローの良好な状態を維持するに重要なオーバーフロー槽
をいたずらに動かすことなく、メンテナンスが可能とな
る。

又、前面水流板を上部水流板と下部水流板に二分割し各
々の水流板をして一体の水流板を形成するように接触連
続面を形成させたため、オーバーフロー槽を増加させて
ポンプの容量を大きくすることもなく、水流板全面に均
一な水膜を形成することができる。

また、個々の水流板の重量が軽減でき、清掃時の取り外
しに対する取り扱いが容易となり、加えて加工上に於て
も単純な形状となつて極めて製作が容易となるものであ
る。更に、塗装ブース内部の清掃に対し、従来障害とな
つていた水流板が簡単に取り外せることにより、水洗室
内に載置されたエリミ・ネータ一や、水槽内の濾過網及
び仕切板を取り除けば塗装ブース内は全くの空間となり
メンテナンスが極めて容易となるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示し、第１図は塗装ブース本体
の断面図、第２図は同正面図、第３図は上部水流板の係
止状態の断面図、第４図は下部水流板の係止部の側面図
、第５図は下部水流板を外した状態の切欠正面図である
。 １・・・・・・塗装ブース本体、２・・・・・・前面水
流板、３・・・・・・上部水流板、４・・・・・・下部
水流板、５・・・・・・オーバーフロー槽、７・・・・
・・前面壁。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 上部にオーバーフロー槽を有し供給した水を前面に
   流下させて水膜を形成し別途設けた吸気ファンにより吸
   引した塗料ミストを捕集する方式の塗装ブースに於て、
   オーバーフロー槽と前面水流板を別個に形成し、且つ前
   面水流板を上部と下部とに分割し、上部水流板はその上
   端を折曲してオーバーフロー槽の前面壁の上端に係止す
   るとともに、該上部水流板の下端はわずかに内側に折り
   曲げ下部水流板の上部表面に接触連続面を形成するよう
   構成したことを特徴とする水流板式塗装ブース。