JPS5922805B2 - 巻縮加工装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は合成繊維を巻縮加工する装置に係るものである
。

従来、巻縮加工装置は種々提案されているが、基本的に
は合成繊維の熱可塑性を利用したものであり、機械的手
段１こより合成繊維に巻縮形態を与えるとともに、加熱
処理を施すことにより巻縮形態を固定するものである。

しかしながらこの様な手段は加熱処理の設定温度の調節
及び合成繊維の熱処理の吻−化等が困難であるため均一
な巻縮が得られず、且つ巻縮の保持力が弱いため巻縮が
老化しやすいという巻縮繊維としての致命的な欠陥を有
している。

また加熱処理を行うことなく、機械的手段のみｔこよる
巻縮加工装置の公知例として特公昭５３−３７４４２号
公報に記載されている如く、歯形ローラーと摩擦ローラ
ーを対設し且つ歯形ローラーの周速を摩擦ローラーの周
速より高速にしたものもある。

しかしながら、このような巻縮加工装置においては、歯
形ローラーによって合成繊維が擦過されることにより、
繊維に擦過傷を与えて切断伸度を著しく低下させるばか
りでなく、毛羽・断糸等の切損を頻発させるので、得ら
れた巻縮繊維を更に種々の繊維製品等ｔこ製品加工する
場合に製品加工しにくく、また製品としての風合いも劣
る等の欠点を有している。

本発明は上記欠点を除去したもので、外部から何等特別
の加熱操作を施すことなく、繊維を切損せずにきめ細か
く巻縮加工でき、しかも堅牢性、伸縮性、崇高性等に優
れ天然繊維と同様な風合いを持つ巻縮繊維を得ることが
できる巻縮加工装置を提供することを目的とする。

以下本発明の実施例を図面に基いて説明する。

第１図において、１・・・は送りロールであり、摩擦係
数が大きく、耐摩耗性、耐熱性１と優れた材質（例えば
シリコンゴム等）で作られ、一直線上に一定の間隔を置
いて複数個並設されている。

該送りロールド・・は巻掛は媒介節等を介して駆動モー
タにより同方向に回転する。

該送りロールド・・上１こは振動板２が送りロールド・
・の上面と平行に対設している。

該振動板２も送りロールド・・と同様、摩擦係数が大き
く、耐摩耗性、耐熱性に優れた材質（例えばシリコンゴ
ム等）で作られる。

そして該振動板２は送りロールド・・上方１こ位置する
支持枠３に切られた数カ所のネジ部４に螺合した調節ネ
ジ５の底部に固着した圧縮バネ６により数カ所支持され
た着座板７に着脱可能に取り付けられている。

着座板７は例えば鉄板等で作られ、振動板２はシリコン
ゴム等が摩耗した場合１こ簡単１こ取り換えることがで
きる様になっている。

そして、振動板２を送りロールド・・の上面１こ沿って
振動させる振動駆動装置８を取り付ける。

振動駆動装置８の一例を第２図に示す。

回転盤９はベルト１４を介して駆動モータに連結され、
回転盤９の中心１０を軸として回転する。

該回転盤９の中心１０から少し偏心した位置１１には連
接棒１２の一端が回動自在に取り付けられ、該連接棒１
２の他端は振動１駆動板１３の中心に回動自在に取り付
けられている。

そこで、１駆動モータにより回転盤９が中心１０を軸と
して回転すると、振動駆動板１３は連結棒１２を介して
連結棒１２の偏心距離の２倍だけ往復直線運動を行うこ
とができ、この振動駆動板１３を着座板７上に取り付け
て回転盤９を駆動モータにより回転させれば、振動板２
を送りロールド・・の上面に沿って振動させることがで
きる。

次に、このようにして得られた本発明の巻縮加工装置の
使用態様について説明すると、合成繊維Ａを送りロール
ド・・と振動板２の間に配置した後、支持枠３に螺合す
る調節ネジ５を調節することにより圧縮バネ６を圧縮し
、振動板２が合成繊維Ａを送りロールド・・面上に軽く
押圧する様１こして、振動板の振動駆動装置を作動させ
て巻縮加工する。

そこで、合成繊維Ａは送りロールド・・により送りロー
ルド・・上を送られていく途上で、送りロールド・・の
上面１こ沿って振動する振動板２と送りロールド・・の
間でもみすり状態で摩擦されることｌこより、振動板２
の振動方向の相異による２通りの巻縮形態が付与される
と同時に摩擦熱１こより巻縮形態が固定されて巻縮繊維
Ａ′となる（第３図参照）。

そして、合成繊維Ａは振動板２と送りロールド・・によ
り両側面を摩擦されるので、合成繊維が多少型なってい
ても、全体にわたってすなわち両側面とも巻縮加工され
るばかりでなく、送りロールド・・の配設数に等しい回
数の巻縮加工が順次繰返して行われるので、巻縮が重畳
した崇高できめ細かい巻縮繊維が付与される。

なお、振動板２を加熱ヒーターで適宜の温度１こ加熱す
れば更に安定した巻縮が得られることは勿論である。

したがって、本発明は以上の如く、合成繊維を一連の速
りロールと振動板との間に軽く挟圧して、送りロールで
送りながら、振動板を送りロール上で一連の送りロール
面に沿って軽く押圧しながら振動させて、合成繊維をも
みすり状態で摩擦することにより、合成繊維は外部から
何等加熱操作を施すことなく、しかも繊維を切損せず１
こ巻縮形態を付与されると同時１こ摩擦熱で巻縮形態が
固定されるばかりでなく、２通りの巻縮が重畳して付与
されるので繊維一本一本１こきめ細かい巻縮が付与され
、堅牢性、伸縮性、崇高性等に優れ天然繊維と同様な風
合いを持つ巻縮繊維を得ることができる。

したがって、上記巻縮繊維を編織・積層等の製品加工す
る場合にも繊維が毛羽・断糸等の切損を生じていないの
で製品加工しやすく、製品としての風合いもすぐれ、且
つきめ細かい崇高な巻縮が得られるので油吸着材、保温
材等の製品に適用し得るという優れた効果を有している
。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示す正面図、第２図は振動駆
動装置の一実施例を示す平面図、第３図は１つの送りロ
ールにおける巻縮加工前後を示す部分拡大図である。 １・・・・・・送りロール、２・・・・・・振動板、３
・・・・・・支持枠、４・・・・・・ネジ部、５・・・
・・・調節ネジ、６・・・・・・圧縮バネ、８・・・・
・・振動駆動装置、Ａ・・・・・・巻縮前の繊維、Ａ＜
・・・・・巻縮後の繊維。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 一直線上に一定の間隔を有して複数個の摩擦係数大
   なる送りロールを並設するとともに該複数個の送りロー
   ルを同方向に回転させる駆動装置を設け、且つ摩擦係数
   大なる振動板を支持枠に取・り付けた抑圧バネで前記複
   数個の送りロール面に軽く押圧させて送りロール上の繊
   維を挟圧しながら支持し、且つ該振動板を複数個の送り
   ロール面上に沿って振動させる振動駆動装置を設けて、
   送りロール上の合成繊維に巻縮付与することを特徴とす
   る巻縮加工装置。