JPS5922127Y2 - 杼換式自動織機の排杼装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は杼換式自動織機の排杆装置に関し、更に詳し
くは、一旦織機の回転を停止させると共にスレー停止位
置を調整する事なく排杆を行う形式の自動織機において
用いる排杆装置に関するものである。

第１図に示すのは杼箱周りの概略構造であって、排杆作
業に際しては、まず杼箱前面を画定するボックスフロン
）ＢＦが図示の位置から適宜退避して杼箱前面を開放状
態とし、旧杼ＳＴがスェルによって若干前方に送出され
て排杆姿勢に置かれ、排レバーＤＬがボックスバックＢ
Ｂを貫通して上記旧杼ＳＴを前方に押しやって排杆路に
落下せしめ、次いで新行ガイドＦＧが突出して杼箱内に
新行を供給し、ボックスフロントＢＦが原位置に復して
杼箱内に新行を拘束する。

ところで上記形式の織機の場合、杼換えのための停止は
クランクサイクルにしてほは゛バックセンター付近で起
きる様に設計されている。

しかし実際には、回転数、製織品種の違い、伝導ベルト
の伸び等が原因となって停止位置にバラツキがあるのが
通常である。

従って排杆レバーの最大移動距離を例えばクランク角２
５０°停止に合せて設定したとすると、実際の停止位置
がこれよりバックセンターに偏った場合には、排杆レバ
ーの杼箱に対する突出度（前進度）が大きくなってしま
い、この結果杼を必要以上に弾いて排杆ガイドに沿って
排杆されず杼の損傷が多くなる。

又、排杆不良から排出されるべき杼が他の部品に当って
いて排出不能となった様な場合に排出レバーが設定突出
度だけ前進しようとすると無理が掛り、杼及び／又は排
杆装置周りが損傷する事になる。

この考案の第１の目的は、スレー停止位置の如何に拘ら
ず排杆レバーの杼箱に対する突出度を一定にする事にあ
る。

この考案の第２の目的は排杆不良によって杼が不動状態
に停止された場合に、無理な排杆作業を行わない事にあ
る。

即ちこの考案にあっては、排杆レバーにストッパーを付
設すると共にその駆動源とを連結する中介リンク群中に
弾性的な運動逃し機構を組込んだ事を、要旨とするもの
である。

以下添付の図面に示す実施例によって更に詳細にこの考
案について説明する。

コネクチングロッド１を介してクランク３に連結された
スレーソード５はその下端のロッキング軸７を中心とし
て前後に揺動する。

スレーソード５の頂部に固定されたスレーＳは前面に排
杆ガイド９を、後面にボックスバックＢＢを有している
。

尚、図示の排杆状態においてはボックスフロン１−ＢＦ
は適宜位置に退避して、杼ＳＴの排出を可能ならしめて
いる。

以上の構造は従来公知のものである。

以下に述べるこの考案による排杆系は上記したスレー系
とは作動的には関連しているが、構造的には分離されて
いる。

フレームに固定されたガイド１１には排杆レバー１３が
スレー面と略平行に前後動し得る様に支承されており、
この排杆レバーＢの前端はボックスバックＢＢに形成さ
れた開口部を通って杼箱内に突出で゛きる様になってい
る。

ボックスバックＢＢ後側において上記の排杆レバー１３
にはストツバ−１５か゛固設されており、このストッパ
ー１５か゛ボックスバックＢＢの背面に当った状態にお
いて排杆レバー１３の前端が杼ＳＴを杼箱から充分に押
出し、この結果杼ＳＴが排杆ガイド９上に落下する様に
各部寸法が定められている。

尚、排杆レバー１３の後端付近にはピン１７が突出横設
されている。

上端に上記のピン１７と係合するＵ字溝を有してかつ上
下に延在するレバー１９はその長手方向適宜な位置にお
いて、フレーム上に横設されたピン２１に遊嵌されてい
る。

レバー１９の下端にはロッド２３が遊挿されており、該
遊挿部を間にして前後離間した位置においてロッド２３
上には１対のカラー２５１，２５ｂが固定されている。

前方カラー２５ ａとレバ−１９前面との間には適宜圧
縮バネ２７が介装されている。

このバネ２７のバネ定数は、排杆レバー１３に杼自身以
外の抵抗が掛らないときにはバネ歪みが実質的にゼロで
ある、程度に定める。

ロッド２３は図示しない適宜なリンク群を介して駆動源
に連結されている。

この駆動源は、例えば排杆タイミングにおいてパイロッ
トモーター等によって駆動されて１回転するカム等で与
えられるもので、この結果ロッド２３は図中矢印Ａの方
向に進出、退入を完結する。

この場合の駆動源の駆動量（カムで言うならばカムリフ
ト）は、排杆レバーの最大移動量（スレーの停止位置に
応じて杼ＳＴを完全に排出すべき排杆レバー１３の移動
量）に合せて設定されている。

上述の構成を有するこの考案の排杆装置の作用について
以下条件毎に説明する。

（Ａ） スレーの停止位置が正規位置である場合杼換
タイミングになるとロッド２３は矢印Ａ方向に進出し、
レバー１９はピン２１を中心として図中反時計回り方向
に揺動し、排レバー１３は矢印Ｂ方向に前進して杼ＳＴ
を杼箱から押出す。

丁度ロッド２３の進出が完了した時点でストッパー１５
がボックスバックＢＢに当り、杼ＳＴは排杆ガイド９上
に落される。

ロッド２３が退出を開始すると共に排杆レバー１３も後
退を開始する。

（Ｂ） スレーの停止位置が正規位置よりバックセン
ター寄りの場合 排杆レバー１３が矢印Ｂ方向に前進を開始する迄は（Ａ
）の場合と同じである。

しかしこの場合、スレーＳの停止位置が正常より後なの
で、ロッド２３の進出完了しない内にストッパー１５が
ボックスバックＢＢに当り、杼ＳＴは正しく排出される
が、排杆レバー１３の前進は阻止される。

方ロッド２３の進出はそれ以上続くから、この場合はロ
ッド２３がレバー１９の下端内を透動しバネ２７が圧縮
される。

（Ｃ） 杼の排出が何らかの原因によって妨害された
場合 この場合には排杆レバー１３が抵抗を受けるから、ロッ
ド２３の進出続行と共に（Ｂ）の場合と同様にロッド２
３がレバー１９の下端内を透動しバネ２７が圧縮される
。

以上の説明から明らかな様に、この考案においては排杆
レバーの突出度をストッパーによって一定に規正すると
共にそれによって生じる機構上のムリを弾性逃し機構に
よって吸収しているので、スレーの停止位置に関係なく
排杆が常に正しく行われ、杼や排杆装置の損傷が効果的
に防止される。

【図面の簡単な説明】

第１図；杼箱周りを示す簡略斜視図。 第２図；この考案の装置の一例を示す一部断面側面図。 ＢＢ・・・ボックスバック、ＤＬ、１３・・・排杆レバ
ー、Ｓ・・・スレー、ＳＴ・・・杼、ＦＧ・・・新行ガ
イド、１５・・・ストッパー、１９・・・レバー、２３
・・・ロッド、２７・・・圧縮バネ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 排杆レバー１３とその駆動源と両者間に介在する中介リ
   ンク群１９．２３とからなり、 排杆レバーにはボックスバックＢＢに当接し得るストッ
   パー１５が一体に形式されており、中介リンク群には弾
   性逃し機構２５ ａ、 ２５ ｂ、 ２７が組込まれて
   おり、 スレーＳの正規停止位置の内置も前よりに停止した位置
   において上記のストッパーがボックスバックに当接して
   杼が杼箱から排出される如く駆動源の駆動量が定められ
   ており、かつ、 スレーが上記停止位置より後方に偏在停止した場合には
   、これによって生じる機構上の無理を上記弾性逃し機構
   が歪んで吸収する 事を特徴とする杼換式自動織機の排杆装置。