JPS591760Y2 - 回転「ろ」床 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、汚水を微生物で浄化するにあたり、格子状回
転枠に懸垂濾材を回転揺動自在に装着し、これを回転枠
の回転運動にともなって汚水中に浸漬及び引上げし、こ
れによって好気性条件あるいは嫌気性条件下で懸垂濾材
表面に微生物を繁殖させ、生物化学的方法で汚水を浄化
することができるようにした回転濾床に関する。

生物処理による汚水の浄化方法には、代表的なものとし
て、活性汚泥法と散水濾床法がある。

しかし、これらの方法には以下に述べる欠点がある。

活性汚泥法は、エアレーションにより汚水を浄化するも
のであるため、操業コストが安く、維持管理も容易であ
るが、大量の汚泥を発生し、これの分離、抜出しに手間
を要し、バルキング防止などに注意深いコントロールを
必要としている。

この活性汚泥法における汚泥の大量発生は、微生物の付
着担体がない無着床方式では宿命的な欠点となっている
。

これに対する散水濾床法は、微生物の付着担体を備え、
汚水と空気との接触がよく、曝気がスムーズに行なわれ
て浄化効率がよいが、通気性の濾材間に微生物が繁殖し
、目詰りを起し、ひどい場合には濾床全体が生物膜に覆
われて嫌気性状態すらも引起される欠点がある。

このため、上記した活性汚泥法と散水濾床法との各欠点
を除去すべく回転円板法や回転ドラム法等が注目されて
いる。

本考案はこのような回転円板法や回転ドラム法よりも更
に効果的で、しかも散水濾床法等の長所をも取入れた汚
水浄化用の回転濾床を提供したのである。

以下本考案を図面に示す実施例に基いて説明する。

１は回転軸で、格子状に構成した回転枠３をこの回転軸
１から放射状に延設したアーム２によって支持している
。

第１図に示す回転枠３は外枠だけであるが、第２図の実
施例に示すように、内枠４を設けて２重あるいは３重の
枠体としてもよい。

このようになした回転枠３に多数の懸垂濾材５を互いに
ぶつかり合わないように回転揺動自在に装着する。

２重あるいは３重の内枠４を設けた場合、この内枠４に
も同様に懸垂濾材５を装着する。

回転枠３あるいは内枠４の全ての場所に懸垂濾材５を装
着してよいが、回転にともなって互いの懸垂濾材５がぶ
つかり合うこと、及び懸垂濾材５と回転枠３や内枠４と
がぷ゛つかり合うことを阻止しなくてはならない。

懸垂濾材５がこのようにぶつかって強い衝撃を受けると
、懸垂濾材５に付着繁殖した新鮮な生物膜を不必要に剥
離し、浄化効率を悪化させるからである。

従って、懸垂濾材５の長さは各枠体間の間隔、濾材間の
問題によって設定する。

回転軸１と枠体間に介在した放射状のアーム２にも懸垂
濾材５を装着してよいが、上記の如く互いにぶつかり合
わないように、回転軸１に近いアーム２に装着する懸垂
濾材５はど長くなしておく。

懸垂濾材５はプラスチック、金属、磁器等によって棒状
、板状、円筒状、鎖状等の種々の形状になした単一物あ
るいは集合物である。

尚、好ましくはガラス繊維で強化したプラスチック板体
がよい このようになる懸垂濾材５は回転枠３等に回転揺動自在
に装着する。

この回転揺動自在と云うのは、回転枠３等の回転運動に
もかかわらず懸垂濾材５が常に下方に懸垂されて揺動で
きることを云う。

このようになすため、懸垂濾材５の装着にリング６を用
いる。

リング６は懸垂濾材５を装着する回転枠３や内枠４に回
転自在に取付けて、このリング６に懸垂炉材５を吊下す
る。

リング６は互に横方向にズレ合わないように配置してい
る。

図中７は汚水槽で、８は汚水の送入管、９は浄化した水
の排水管、１０は汚泥等の沈澱物を排出する排水管で１
１は開閉バルブである。

上記の如くなる本考案回転濾床は、汚水槽７の汚水に約
４０％の浸漬率で装置され、モーター（図示していない
）によって回転する。

モーターの駆動力は回転軸１に伝えて回転枠３を回転さ
せる。

回転枠３が汚水槽７内で回転すると懸垂濾材５も汚水中
に浸漬されたり、汚水を表面につけたまま引上げられて
好気性または嫌気性雰囲気と接触させられる。

その結果、懸垂濾材５の表面に微生物が発生し、好気的
条件下あるいは嫌気的条件下で汚水処理がおこなわれる
。

好気的条件下での汚水処理、すなわち、汚水の酸化処理
の場合には回転濾床は開放状態で操作される。

嫌気的条件下での汚水処理、すなわち、汚水の還元処理
の場合には回転濾床は密閉状態で操作される。

このように懸垂濾材は汚水中に間欠的に浸漬され、また
汚水中から間欠的に引上げられるので、懸垂濾材は汚水
面と衝撃的に会合したり、汚水中での浮力による浮動化
等により適当に運動する。

このような運動衝撃によって懸垂濾材に付着した生物膜
が適当に剥離される。

また、懸垂濾材が汚水中から引上げられたとき、上方の
濾材から下方の濾材に汚水が滴下され、一種の散水濾床
ともなる。

しかも濾材は適当に揺動するので濾材間の目詰りは全く
生じない。

このように本考案回転濾床は、回転円板や回転ドラムの
方式と同様の効率的な回転方式をとっていること。

回転方式でありながら同時に散水濾床は特徴も兼ねそな
え、浄化処理が効果的におこなわれること。

散水濾床でありながら、回転運動にともなって汚水中で
の浮動床となり充分な汚水との接触効果が得られること
、濾材間に目詰り等が全く生じないこと。

等によって一層効果的な汚水処理をおこなうことができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は回転枠を示す斜視図、第２図は他の実施例の側
面図、第３図は本考案回転濾床の縦断面図、第４図は同
横断面図、第５図は枠体と懸垂濾材との装着部を示す断
面図。 １・・・・・・回転軸、２・・・・・・アーム、３・・
・・・・回転枠、４・・・・・・内枠、５・・・・・・
懸垂濾材、６・・・・・・リング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転軸を中心に格子状に構成した回転枠に多数の懸垂濾
   材を互いにぶつかり合わないように回転揺動自在に装着
   してなることを特徴とする回転濾床。