JPS5916776B2 - 身体の電位をピックアップする電極装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、微小の電圧の身体電位をとりだす導体または
半導体材料からなる電極に関するものである。

−微小電圧の身体の電位をとり
だすために、プレート（板）電極が周知である。

それらプレート電極は、ゴムバンドにより手足の下部に
とりつけられる。

その際、ゴムバンドは血液の循環の停滞を避けるために
強くしめつけてはならない。

皮膚抵抗を排除するために、電解物の混入したゲル等の
電極ペーストまたは導電クリームが用いられる。

これらのペーストは、体と電極間の導電性を改良するだ
けでなく、起り得る分極現象をも小さく維持するために
用いられる。

しかしながら、上述の方法は、長時間身体電位をピック
アップするのに決して適したものではない。

というのは、ペーストは約３０分後には乾燥してしまう
ことが多く、従って水で湿さなければならないからであ
る。

レザーあるいはフェルトの如き吸水性の被覆材でプレー
ト電極を被覆し、これら被覆材を導電液で湿することも
また周知である。

しかしながらこの種の電極も約２０分後には乾燥してし
まうのである。

その他にいわゆる針電極が知られている。

これは、患者の上肢あるいは脚部に刺し込まれる。

この種の針電極は主としてショック症患者に用いられる
が、通常４８時間を超えて用いられるととはない。

なぜならば、針電極の挿入部で感染が生じる危険がある
ためである。

これらの針電極を身体ｌこ取付ける場合により注意する
べきことは、接続ケーブルが電極を引張らないようにす
ることである。

さもないと局部的なかなりの腫張が生じるためである。

特に、連続的な監視のために、接着電極が開発された。

これは薄い金属板またはワイヤ織物からなっており、そ
れらは、粘着性リングまたはプラスタ帯で包まれている
。

このような接着電極が適当な位置に正しく接着されれば
、電極ペーストの乾燥が大幅に避けられ、その結果数週
間にわたって身体電位のピックアップを行うことができ
るδしかしながら、電極ペーストの塗布および電極の接
着は、非常に慎重に行なわなければならず、したがって
この方法は手間のかかるものである。

更に、吸引電極が知られている。

これはしかしながら、１〜２分間後には離れてしまう。

その理由は、皮膚とゴム間の不適当なシールゆえに真空
状態が急速に減衰してしまうためである。

更に、クランプ電極が周知である。

これらは大きな洗たくばさみ形状となっており、かつ取
付けるべき手足の形状に適合するようになっている。

しかしながら、この場合にも、電極ペーストの使用が必
要なのである。

以上述べたことから電極ペーストを使用せず分極現象な
しに良好な身体電位のピックアップを可能にする電極が
要望されている。

電極は手足ばかりでなく例えば胸壁あるいは背中の如き
他の部所においても電位をピックアップするに都合の良
いものである必要がある。

また、心臓動作電圧（ＥＫＧ）、筋肉動作電圧（ＥＭＧ
）および脳動作電圧（ＥＥＧ）のピックアップが可能な
電極であるべきである。

本発明によれば、微小電圧の身体の電位をピックアップ
する導体または半導体からなる電極であって、身体と接
触関係にある電極表面は複数の鋭い突出部が設けられて
いる電極が提供される。

前記突出部は表皮を刺し通す形状及び大きさであること
が望ましい。

電極が金属、グラファイト、半導体材料、あるいはドー
プされた合成樹脂材料等の固体電極である場合、前記突
出部は好ましくは小さな円錐あるいは角錐形状に形成さ
れる。

電極が固体金属で構成されている場合、突出部は、細目
やすりの如くクロスカット処理によっであるいは荒目や
すりの如く湾曲した突起によって作成することができる
。

また、電解エツチングあるいは化学エツチング方法によ
って突出部を作成することも可能である。

グラファイト、半導体あるいは合成樹脂等から成る固体
電極の場合、突出部は電極のプレスあるいは鋳造時に均
一に作成することができる。

電極が薄い金属板の場合、突出部は好ましくはアーチ形
の穿孔あるいは鱗状の穿孔として形成される。

本発明の電極は、前に述べたように、プレート電極、接
着電極、吸引電極、クランプ電極、あるいは背面電極の
如き型であっても良い。

どのような型の電極であっても本発明によれば潤油も湿
潤も不要であるため迅速な使用が可能である。

さらに、乾燥してしまうこと及び再湿することの問題が
全く生じないのである。

電極の鋭い突出部は、少なくとも皮膚の角質層、好まし
くは表皮全てを無痛で刺し通し、これによって身体の内
部と電極との間で優れた導電性が自動的に得られる。

比較的軽い接触圧で良いことが本発明の最も大きな利点
である。

即ち、このような軽い圧力でも鋭い突出部の周囲に非常
に高い圧力が発生し、その結果皮膚の痴皮状部において
さえも突出部を充分に刺し通すことができる。

本発明の電極を用いることによって身体電位を確実にピ
ックアップすることができる。

その理由は、多数の鋭い突出部が存在するから比較的多
数の表皮貫通部が生じるためである。

以下、本発明の実施例を図を参照して説明する。

第１図に示すプレート電極で、上半分に示す鋭い突出部
は、各突出部が矩形状または正方形の基面なもった角錐
形状となるようにクロスカット処理で作成されている。

第２図はその断面の様子を示す。

第１図のプレート電極で下半分側は、切断による突出部
を示しており、これらは荒目やすりの突起部と同様にし
て作成され、同様の外観となっている。

第３図は第１図の電極の下半分側の突出部の断面図を示
す。

薄板金属からなる電極では、鋭い突出部は、第４図に示
す如きアーチ形の穿孔（天蓋開口）によって構成するこ
とができる。

即ち、おろし金に類似した形状である。

またこの場合の突出部は、第５図に示す如く、鱗状とす
ることも可能である。

先に述べた如き針電極を用いて測定を行うと外部の寄生
作用を受けるということが既に知られている。

この場合の寄生作用とは、例えば吸引ポンプ、電気式焼
灼装置あるいは高周波外科で用いられる装置の如き近傍
の電気装置から発生する電界に基づくものである。

従って、このような寄生作用を除去できる如き構成の電
極を用いることが望ましい。

以下この点について説明する。第６図及び第７図に示す
電極構成において、金属でできた遮蔽ハウジング１内に
３つの電極５゜３．６が一列に配置されている。

ハウジング１はその中央部に突き出し部分２をもち、そ
こから電極３が突出している。

遮蔽ハウジング１突き出し部分２及び電極３は互いに同
じ材質でつくられた単体を形成している。

電極５と６は、絶縁部４をそれぞれ介して遮蔽ハウジン
グ１に保持されている。

それぞれの電極５．３．６は接触側で、第６図及び第５
図に概略的に示される如き任意の配置形態のとがった突
出部７をもっている。

これらの電極は図示していない絶縁された導体を介して
表示装置に接続されている。

この導体は電極システムから、ケーブルを介してとり出
されている。

【図面の簡単な説明】

第１図は２つの異なる態様の鋭い突出部を有するプレー
ト電極の平面図、第２図は先端のとがった突出部を備え
たプレート電極の一部の断面図、第３図は荒目やすり状
の突出部な備えたプレート電極の一部の側断面図、第４
図はアーチ形の穿孔からなる突出部を有する板状電極の
一部の側断面図、第５図は鱗状の突出部を備えた板状電
極の一部の側断面図、第６図は本発明による実施例の電
極構成を表わす平面図、および第７図は第６図をＭ−ｎ
線に沿って切断した断面図である。 １・・・・・・遮蔽ハウジング、２・・・・・・突き出
し部分、３・・・・・・零電極、４・・・・・・絶縁部
、３，５，６・・・・・・電極、７・・・・・・突出部
。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 微小電圧の身体の電位をピックアップする導体また
   は半導体からなる複数の電極を有する電極装置において
   、２つの電極と１つの零電極とが設けられており、皮膚
   と接触するように用いられる電極表面には表皮を刺し通
   す形状及び大きさの複数の鋭い突出部が設けられており
   、前記２つの電極が、高周波の影響から遮蔽する金属で
   構成された遮蔽ハウジングによって電気的に絶縁した状
   態で支持されると共に該遮蔽ハウジングの表面部からな
   る前記零電極によって互いに隔離されていることを特徴
   とする身体の電位をピックアップする電極装置。