JPS5916002Y2 - 爪切 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は切り落した爪片の飛散を防止するカバーを付設
した爪切の改良に関する。

従来のこの種の爪切は、第１図乃至第３図又は第４図乃
至第６図に例示するように、切刃３，３を先端に形成し
た両プレート２，２をそれらの末端を接続して■形状に
向い合せた爪切刃体１に、その両側の細長三角形状の開
口４，４を閉鎖して爪切刃体１内の爪片が開口から飛び
散るのを防止する略Ｕ形断面状のカバー５を爪切刃体の
接続末端方向へ摺動可能に嵌合して、爪切刃体１内の爪
片を爪切後に放出する開口４，４の切刃３，３側部分を
開放可能にしている。

ところが、爪切刃体１に嵌合したカバー５に抜は止めを
施してその摺動範囲を限定するため、第１図乃至第３図
に示す従来品は、爪切刃体のブレード２に円孔部の長孔
６を貫設しカバー５に爪切刃体の長孔６に嵌挿して係合
するＴ形断面状の抜止突起７を形成している。

従って、この従来品は、爪切刃体１にカバー５を組み付
ける際に、カバー５を爪切刃体１に嵌合すると共に、カ
バーの抜止突起７を爪切刃体の長孔６の円孔部分に挿嵌
して長孔６に係合しなければならず、２個所の嵌合作業
を同時に行なう必要があるので、組付作業が面倒である
。

また、抜止突起７付のカバー５は合成樹脂で一体成形さ
れるので、その成形金型が抜止突起７のために複雑にな
って高価になり、また、抜止突起７が摩耗するおそれが
大きい。

一方、第４図乃至第６図に示す従来品は、爪切刃体１の
末端に円孔８を貫設し、カバー５に爪切刃体の円孔８と
連通する長孔９を貫設し、連通した爪切刃体の円孔８と
カバーの長孔９に円筒状の鋲１０を挿通し、鋲１０にそ
の突出先端を押し広げて抜は止めを施し、爪切刃体１に
取付けた鋲１０とカバーの長孔９によってカバー５に抜
は止めを施してその摺動範囲を限定している。

従って、この従来品は、爪切刃体１にカバー５を組み付
ける際に、鋲打作業を要し、多くの手数が掛る。

結局、図示の両従来品は、簡単に製造することのできる
構造になっていない。

本考案の目的は、上記のような従来品の欠点を除去し、
簡単に製造することのできる爪片飛散防止カバー付の爪
切を提供することである。

次に、本考案の実施例について説明する。

第７図乃至第１１図に示す実施例の爪切は、切刃１３．
１３を先端に形成した鋼板製の略長方形板状の両ブレー
ド１２．１２をそれらの末端部を溶接してＶ形状に向い
合せ、両ブレード１２．１２の接続末端部の両側にそれ
ぞれ抜止突起１４を一体に形成し、両ブレード１２．１
２の先端部の中央に貫設した軸孔１５．１５にフランジ
を末端に形成した牽引軸１６を挿通し、牽引軸１６の突
出先端に梃杆１７の二叉状先端部をピン１８で枢着して
おり、両ブレード１２゜１２が■形状をなした爪切刃体
１１に、その両側の細長三角形状の開口１９．１９を閉
鎖するり形ないし口形断面状の弾力のある材料２例えば
ポリプロピレンやＡＢＳポリマーのような合成樹脂製の
カバー２０を嵌合し、カバー２０の両側板の末端部にそ
れぞれ各側板の長手方向に沿った長孔２１を貫設して、
面長孔２１，２１の末端側部分にそれぞれ爪切刃体の抜
止突起１４を嵌合し、各抜止突起１４がその長孔２１の
先端側部分に達する範囲内において、カバー２０を爪切
刃体１１の接続末端方向へ摺動可能にして、爪切刃体の
両開口１９．１９の切刃１３．１３側部分を開放可能に
している。

本例の爪切において爪切刃体１１にカバー２０を組み付
ける場合は、爪切刃体１１の接続末端をカバー２０の開
口先端に嵌合し、カバー２０内に爪切刃体１１を強く押
し込む。

すると、爪切刃体の両側の抜止突起１４．１４が当接し
たカバー２０の両側板がその弾力によって外側方に膨ら
み、抜止突起１４゜１４が両側方に突出した爪切刃体１
１がカバー２０内に嵌め込められ、雨後止突起１４．１
４がカバーの両側板の長孔２１，２１に嵌合する。

本例の爪切を使用する場合は、梃杆１７の操作によって
両切刃１３．１３で切り落された爪片が両側の開口１９
．１９をカバー２０で閉鎖した爪切刃体１１内に貯えら
れ、爪片が爪切刃体の開口１９．１９から飛び散るのが
防止される。

爪切刃体１１内の爪片を捨てる場合は、カバー２０を爪
切刃体１１の接続末端方向に摺動し、第１１図に示すよ
うに、爪切刃体の両開口１９．１９の切刃１３．１３側
部分を開放して、その開放部分から爪切刃体１１内の爪
片を外部に放出する。

第１２図に示す他の実施例の爪切は、カバー２０の閉鎖
末端にキーホルダーのチェノ２３などを連結する孔付の
連結部２２を連設したものである。

上記の各実施例の爪切は、カバーの長孔２１に嵌合する
抜止突起１４を両方のブレード１２．１２の両側に設け
ているが、一方のブレード又はブレードの片側にのみ設
けて、その抜止突起に応じた長孔を形成してもよい。

また、抜止突起１４の形状は弓形であるが、台形や三角
形にしてもよい。

要は、抜止突起性の爪切刃体をカバー内に強く押し込ん
で爪切刃体をカバー内に嵌め込み抜止突起をカバーの長
孔に嵌合することができると共に、抜止突起をカバーの
長孔に嵌合した爪切刃体がカバーから簡単に抜は出てし
まわないように、抜止突起の数や形状などの諸元とカバ
ーの弾力や寸法などの諸元を設定すればよい。

本考案の爪切においては、爪切刃体にカバーを組み付け
る作業は、弾力のあるカバー内に抜止突起性の爪切刃体
を強く押し込む簡単な操作によって行なわれ、２個所の
嵌合作業を同時に行なう従来品や鋲打作業を行なう従来
品に比して、組付作業が簡単である。

また、抜止突起は、爪切刃体に設けられ、カバーに設け
られていないので、カバーを合成樹脂で成形する場合、
その成形金型が抜止突起のために複雑になるということ
がない。

また、抜止突起を設けたブレードは鋼板の打抜加工によ
って簡単に製作することができると共に、その抜止突起
は合成樹脂製のもののように摩耗するおそれがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来品の爪切の縦断面図、第２図は第１図のＡ
−Ａ線断面図、第３図は第１図のＢ−Ｂ線断面図、第４
図は他の従来品の爪切の縦断面図、第５図は同爪切の底
面図、第６図は第４図のＣＣ線断面図であり、第７図は
本考案の実施例の爪切の斜視図、第８図は同爪切の縦断
面図、第９図は第８図のＤ−Ｄ線断面図、第１０図は第
９図のＥ −Ｅ線断面図、第１１図は同爪切のカバーが
摺動した状態を示す斜視図であり、第１２図は他の実施
例の爪切の斜視図である。 １１：爪切刃体、１２ニブレード、１３：切刃、１４：
抜止突起、１９：開口、２０：カバー、２１：長孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 切刃を先端に形成した両ブレードをそれらの末端を接続
   して■形状に向い合せた爪切刃体に、その両側の開口を
   閉鎖する爪片飛散防止用のカバーを爪切刃体の接続末端
   方向へ摺動可能に嵌合して、爪切刃体の両側の開口の切
   刃側部分を開放可能にした爪切において、爪切刃体のブ
   レードに抜止突起を形成し、カバーを弾力のある材料で
   形成して抜止突起性の爪切刃体を嵌合可能にし、カバー
   に嵌合した爪切刃体の抜止突起を嵌合する長孔をカバー
   にその摺動方向に沿って設けたことを特徴とする爪切。