JPS5915615Y2 - 内視鏡用鉗子口における施栓装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は内視鏡の手許操作部に開口した鉗子挿入口ある
いは造影チューブの注入口などを閉鎖する栓装置に関し
、施栓状態で鉗子の挿入は基より、注射器等の処置具の
挿入も可能にした栓体の構成に特徴を有するものである
。

内視鏡における鉗子導入路は、鉗子等の処置具の挿入の
他に、体腔内の液の吸引排出路として併用されるもので
ある。

そのために、この鉗子導入路はその昇口端部であるとこ
ろの鉗子挿入口に至る手許操作部内で吸引ポンプに接続
される分岐路を持つ。

そして、該鉗子導入路の体腔内挿入用先端から体液等を
吸引するには、前記吸引ポンプによる吸引圧を該先端に
及すために、この鉗子導入路の他方の開口端即ち鉗子挿
入口を閉鎖しなければならない。

又、体腔内観察のために観察部位に送気して、該部位を
脹らましたような場合、或いは、内視鏡可撓部の体腔挿
入時などにおける体腔内圧の上昇によって、体液が前記
鉗子導入路を逆流して鉗子挿入口から噴き出すことを防
ぐために、この鉗子挿入口を閉鎖する栓体が用いられる
。

一方、前述の吸引操作は、内視鏡操作時における内視窓
への付着汚物の除去あるいは観察部位に出血がある場合
や体液の付着がある場合にこれを除去しながらの観察及
び鉗子操作を行う必要があることから、前記鉗子挿入口
及びその導入路への鉗子挿入状態においても、前述の施
栓機能が発揮されなければならない。

このような鉗子挿入口における栓体装置への要求を適え
る装置構成として、ゴム材等からなる弾性蓋の複数枚を
重ね、これ等各弾性蓋にその中央部で互に交叉する切り
込みを設け、この重ね弾性蓋で鉗子挿入口を閉鎖するよ
うになしたもの（例えば実公昭５２−２６２２６号公報
記載の構成）、あるいは、機械的な栓構造を外部操作に
より開閉する構成などが提案され、その一部がすでに実
用に供されてはいる。

ところで、この鉗子導入路は前記吸引路としての併用の
他に、薬液あるいは造影剤などの注入路としても併用さ
れる。

そのために、この鉗子挿入口は前記鉗子の挿入の他に注
射器などの処置具の取付けがなされる。

而して、前記重ね弾性蓋による栓体は、鉗子先端などの
ように先端縁が薄い処置具では重ね弾性蓋の切り込みを
押し開きながら侵入することが出来るが、注射筒先端の
ように比較的大径で平担な処置具を切込み部に押し入れ
ると、大径であるだけに切り込み部に無理を与えること
になり、その結果、切り込み部の密閉度が早期に低下し
てしまう。

又、この切り込みに差し通さずに、注入圧でもって薬液
等をこの切り込みから通過させようとしても、前述の体
腔内圧に対抗して体液の逆流を防ぐ機能を持つ該切り込
みはこの薬液の通過を許さないので、この重ね弾性蓋の
構成では注射器使用が出来ない。

そして、前記後者の外部操作による施栓装置は、注射器
の使用が可能なものもあるが、そのための施栓装置の構
成が複雑である。

そこで、本考案は構造簡単な弾性幕による栓体構造で、
しかも、−垂幕でもって注射筒などの大径挿入物に対し
ては、その挿入に連れて幕の切り込みを積極的に開かせ
るような構成からなるもので、これによって注射器等の
処置具の使用を可能になしたものである。

以下、図示の実施例に付いて詳述する。

第１図は本考案装置を備えた内視鏡手許操作部の一例を
示す側面図であり、第２図乃至第５図は本考案装置の一
実施例を示す手許操作部の要部の縦断面図又は平面図で
ある。

この実施例において、手許操作部１には従来装置と同様
に覗視窓及び可撓部湾曲操作レバー、照明用ライトガイ
ドなどの他に、鉗子挿入口２及び吸引チューブ３などを
配置しである。

そして、鉗子挿入口２にはゴム材あるいは合成樹脂等か
らなる弾性材で構威した栓体４を嵌着せしめである。

この栓体４は、第２図及び第３図示の如く、一端には鉗
子挿入口２の口外周縁に圧入して密に嵌合する装着筒部
４ａを有し、他端には、鉗子及び注射器等の処置具の挿
入口としての昇口筒部４ｂとを有しており、この両筒部
４ａと４ｂとの間に薄暮からなる閉鎖幕５を設け、この
閉鎖幕５の中央部に径方向の切り込み６を設けである。

更に、この栓体４の閉鎖幕５の装着筒部４ａ側を湾曲面
に構成し、他方の井目筒部４ｂ側には前記閉鎖幕５に連
なり前記切り込み６と交叉する径方向の筒内壁の一部を
内方に脹らませて、凸部８を構威しである。

この凸部８は筒内壁の一方の側にのみ設けても良いが、
昇口筒部４ｂ内に侵入する処置具例えば注射筒９の管外
壁に圧接し且つ該筒９の滑り込みを許す形状と脱出高さ
を有するものであれば良い。

又、前記湾曲面７の構成も必ずしも湾曲形状である必要
はなくて所定の広さの凹部空所が構成されれば良い。

このような構成よりなる本考案装置は、第１図示の如く
、鉗子挿入口２に栓体４を取付けた状態で、この栓体４
が第２図示のように一体的に装着され、その切り込み６
が栓体素材の弾性によって切り口を密着させた閉鎖状態
にある。

更に、吸引操作によって鉗子挿入口２の筒内圧が低下し
たような場合には、この負圧による閉鎖幕５の鉗子挿入
口２側への引き込み作用が、湾曲面７による負圧作用力
の分散並びに閉鎖幕５の筒内周壁に近い位置はど肉厚が
厚くなることによって、前記切り込み６の切り口圧着力
として働き、これによって、重幕５による閉鎖がより確
実になされる傾向にある。

従って、本考案装置は施栓機能を十分に発揮し、その結
果、吸引操作などを効率良く行うことが出来る。

そして、鉗子１０の挿入は、昇口筒部４ｂがら差し入れ
られる鉗子先端で、閉鎖幕５の切り込み６を直接押し開
きながら、容易に挿入することが出来、しかも、挿入後
は重幕５の弾性によって鉗子１０の可撓管壁に切り込み
６が密着するので、この部分からの空気漏れはほとんど
ない状態にあり、吸引操作が可能である（第４図示状態
）。

更に、この栓体４の昇口筒部４ｂ内に注射筒９を挿入す
ると、注射筒９の管外壁が昇口筒部４ｂ内の凸部８に押
し当たりこれを押し広げるので、閉鎖幕５が凸部８の位
置する径方向に引き伸されて広がり、これによって、切
り込み６が第５図示の如く開き、注射器操作でもって注
入される薬液の通過が可能となる。

このように、本考案装置は栓体と一体の一層からなる閉
鎖幕に中央切り込みを設け、重幕の井目筒部側にこの切
り込みと交叉する径方向の筒内壁に突起を設けたことに
よって、注射筒などの大径の処置具の挿入に際して、そ
の処置具の先端が重幕に達する以前に、その切り込みを
広がせることか出来るので、注入液の閉鎖幕通過が可能
である。

従って、本考案装置によれば、施栓状態での鉗子挿入は
勿論のこと、注射器等による薬液注入が栓体を取外すな
どの手数を要せず施栓状態のままで行うことが出来るの
で便利である、尚、本考案装置はその閉鎖幕が一枚構成
であるので、使用後の洗滌などによる清掃作業が容易且
つ確実である等の副次的効果をも有するものである。

そして、本考案装置は上述の鉗子挿入口に限らず、器具
の挿入を許す密栓装置として、造影チューブの注入口な
どに応用出来るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置を備えた内視鏡手許操作部の一例を
示す側面図、第２図は本考案装置の一実施例を示す手許
操作部の要部の縦断側面図、第３図は同じくその平面図
、第４図は前記要部の鉗子挿入状態を示す縦断側面図、
第５図は同じく注射筒挿入状態を示す縦断側面図である
。 １・・・・・・手許操作部、２・・・・・・鉗子挿入口
、４・・・・・・栓体、５・・・・・・閉鎖幕、６・・
・・・・切り込み、８・・・・・・凸部、９・・・・・
・注射筒、１０・・・・・・鉗子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 鉗子挿入口に装着自在な弾性材からなる筒状の栓体であ
   って、該栓体の一端には、鉗子挿入口に密に嵌合する装
   着筒部を有し、他端には、鉗子及び注射器等の処置具を
   挿入する昇口筒部を有しており、これら装着筒部と昇口
   筒部との間には中央部に径方向の切込みを有する閉鎖幕
   を設けると共に、該閉鎖幕に連なり昇口筒部側内壁で閉
   鎖幕の切込みと交叉する径方向の壁面の一部に凸部を設
   け、更に、閉鎖幕の装着筒部側を湾曲面に形成してなる
   内視鏡用鉗子口における施栓装置。