JPS5914231B2 - 密封アルカリ金属バツテリ容器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は密封アルカリ金属バッテリ容器に関するもの
である。

最近開発されたタイプの二次または再充電可能電気変換
装置は、（１）外部の電気回路に電気接触される溶融ア
ルカリ金属負極反応体、たとえばナトリウム、を含む負
極反応帯域、（２）正極反応帯域であつて、（＆）負極
反応体と電気化学的に可逆反応しうる硫黄又は硫黄と溶
融多硫化物との混合物からなる正極反応体、（ｂ）負極
反応帯域と正極反応帯域との間に両帯域と接触して配置
されで液体の移動を阻止する障壁を形成するが陽イオン
透過性を有する固体電解質、（ｃ）該陽イオン透過性の
障壁の付近へまたこの障壁の付近から電子を輸送するた
め前記正極反応帯域内に設けられた電極装置、を含む正
極反応帯域、から構成されている。

ここで使用される術語「反応体」は反応体と反応生成物
の両方を意味する。このような装置の放電サイクル中、
ナトリウムのような溶融アルカリ金属原子は外部回路へ
電子を放出し、この結果生じた陽イオンが固体電解質障
壁を通過し、液体電解質に入つて多硫化物イオンと結合
する。

多硫化物イオンは、正極反応体と外部回路から電極を介
して伝導された電子との反応による電極上の電荷移動に
よつで形成される。液体電解質のイオン伝導度は電極材
料の電子伝導度より小さいから、放電中、電子と硫黄の
両方が陽イオン透過性固体電解質の付近の電極の表面に
加えられかつこれに沿つて分布されることが望ましい。
このような装置の放電サイクル中、開回路セル電圧より
大きい負電位が負極に印加されるときには、反対の過程
が起こる。

かくして、電子は電極表面における電荷移動によつてア
ルカリ金属多硫化物から除去され、電極材料を通して外
部回路へ伝導され、アルカリ金属陽イオンは液体電解質
および固体電解質を通して負極へ伝導され、ここで外部
回路から電子を受取る。イオン相と電子相の前記相対伝
導度により、この充電過程は固体電解質の付近で優先的
に起こり、溶融元素硫黄が後に残る。この発明の主目的
は、負極反応帯域と正極反応帯域間に電気絶縁が設けら
れかつ反応体がバツテリから失なわれないようにする安
全な密封が形成されるところの、アルカリ金属バツテリ
を収容する容器を提供することである。

この発明は、アルカリ金属バツテリを収容する容器、さ
らに詳述すれば、バツテリの負極および正極帯域の有効
な電気絶縁およびこれらの帯域から反応体が失なわれな
いようにする密封を与えるところの、前記バツテリを収
容する容器に向けられている。

この発明の一般的原理により、アルカリ金属バツテリを
収容する容器は頂面と底面を有するセラミツクリングを
含む。

固体アルカリイオン伝導性材料から形成されかつ開端と
閉端を有する内部ケーシングが、その開端付近でセラミ
ツクリングの内面に取付けられ、それにより内部ケーシ
ングはセラミツクリングの底面から下方に延在する。開
端と閉端を有する第１の金属外部ケーシングが内部ケー
シングを包囲しかつこれから離間して配置される。第１
の金属外部ケーシングの開端はセラミツクリングの底面
に隣接して配置される。第２の金属外部ケーシングは開
端と閉端を有する。第２の金属外部ケーシングの開端は
セラミツクリングの頂面に隣接して配置される。第２の
金属外部ケーシング上にはその開端付近に圧力受け肩部
が形成される。金属圧ガスリーフは開端と圧力印加肩部
が形成されている端とを有する。

圧ガスリーフの開端は第１の金属ケーシングを包囲しか
つその圧力印加肩部が第２の金属外部ケーシングの前記
圧力受け肩部に圧力を加えるような位置において第１の
金属ケーシングに結合される。この作用により第１およ
び第２の金属外部ケーシングの開端はセラミツクリング
の底面および頂面とそれぞれ係合し、両者間に液体の漏
れない密封を与える。第１の金属外部ケーシングを第２
の金属外部ケーシングから電気的に絶縁するために圧力
印加肩部と圧力受け肩部間に電気絶縁が設けられる。こ
の発明が関連するタイプの二次電気変換バツテリは次の
米国特許に開示されている。

第３４０４０３５号、第３４０４０３６号、第３４４６
６７７号、第３４５８３５６号、第３４６８７０９号、
第３４６８７１９号、第３４７５２２０号、第３４７５
２２３号、第３４７５２２５号、第３５３５１６３号、
第３７１９５３１号、第３８１１４９３号。

つぎに図面を参照してこの発明の実施態様につぃて説明
する。第１，２図には数字１０により密封アルカリ金属
バツテリ容器の全体が示されている。

この容器は頂面１４と底面１６を有するセラミツクリン
グ１２を含む。このセラミツクリングは９９．８ＣｊＩ
のような高純度のαアルミナのような材料から形成しう
る。固体アルカリイオン伝導性材料の内部ケーシング１
８は一端が閉じられた管の形態になつている。

このケーシングは負極反応帯域と正極反応帯域との間に
両帯域と接触して配置されて液体の移動を阻止する障壁
を構成し、この障壁は正極反応体への負極反応体イオン
の透過を許容する材料で作られている。この障壁は約２
０〜２０００ミクロンの厚さを有し、本技術分野で周知
のようにガラスおよび多結晶質セラミツク材料のような
材料から作りうる。きわめて有用な材料の１つはβ形ア
ルミナまたはナトリウムβ形アルミナである。内部ケー
シング１８はその開端付近でガラスシール２２によりセ
ラミツクリング１２の内面２０に結合さねセラミツクリ
ングの底面１６から下方に延びている。第１の外部金属
ケーシング２４は開端２６と閉端２８を有する。

このケーシングは内部ケーシング１８を包囲しかつこれ
から離間されている。このケーシングは４４６ステンレ
ス鋼のような金属から作られている。第１の金属ケーシ
ングはその開端２６付近に拡大直径部分３０を有する。
この部分の目的に関しては後述する。第２の金属ケーシ
ング３２もまた開端３４と閉端３６を有する。

第２図に示すように、この第２の外部金属ケーシングは
その開端をセラミツクリング１２の頂面１４と接触させ
て配置されている。第２の金属ケーシングはまたその開
端付近のケーシングの周辺のまわりに形成された圧力受
け肩部３８を有する。この肩部の目的に関しては後述す
る。この肩部はまたその上に電気絶縁部材３９を有する
。この部材はたとえば酸化ニツケルから作りうる。第２
の金属ケーシングは第１の金属ケーシングと同一の材料
から作りうる。金属圧ガスリーフ４０は下部開端４２を
有し、この開端の内径は第１の金属ケーシング２４の拡
大直径部分３０の外径と同一である。

圧ガスリーフの下端部はその対向側部に第１の組の開口
４４および第２の組の開口４６を有する。両組の開口の
目的に関しては後述する。圧ガスリーフはまた上部開端
４８を有する。圧ガスリーフの上部開端上には圧力印加
肩部５０が形成されている。上述した密封アルカリ金属
バツテリ容器１０において、通常、負極反応帯域は第１
の金属ケーシング２４とイオン透過性材料で成る内部ケ
ーシング１８との間の環状空間に具備される。そして、
正極反応帯域に含まれる正極反応体は内部ケーシング１
８と第２の金属ケーシング３２の内部に具備される。然
しながら、上記した配置は絶対的なものではなく、負極
反応帯域を内部ケーシング１８と第２の金属ケーシング
３２の内部に具備するように上述した配置を逆にしても
良い（勿論、第１、第２の金属ケーシングの表面に、反
応体に対する保護層が施されていなければならないこと
は言うまでもない。この発明のアルカリ金属バツテリ容
器を構成するアセンブリの各部品の概略を説明したので
、つぎにバツテリ容器の組立てについて説明する。

第２図を参照すると、この発明のアルカリ金属バツテリ
容器１０を組立てるために、第１の金属ケーシング２４
の閉端２８が保持具６０内に配置される。セラミツクリ
ングとこれから下方に突出する内部ケーシング１８が第
１の金属ケーシングの内側に置かれ、セラミツクリング
の底面１６が第１の金属ケーシングの開端２６を画定す
る端縁と接触させられる。第２の金属ケーシング３２が
その開端３４をセラミツクリング１２の頂面１４と接触
させるようにして配置される。ついで、圧ガスリーフ４
０が第２の金属ケーシング上に配置され、突出部分６４
を有する引き部材６２が、その突出部分が圧ガスリーフ
４０の下部開端４２の第１の組の開口４４に受入れられ
るようにして配置される。引き部材６２は第２図で見て
下方に移動させられる。

この操作により圧ガスリーフ４０の圧力印加肩部５０が
第２の金属ケーシング３２の圧力受け肩部３８と係合し
、圧ガスリーフが引張状態におかれる。この操作により
第２の金属ケーシングの開端３４がセラミツクリング１
２の頂面１４と係合しかつ第１の金属ケーシング２４の
開端２６がセラミツクリングの底面１６と強く係合して
両ケーシングが圧縮状態におかれる。引き部材６２が圧
力印加肩部５０および圧力受け肩部３８と介在電気絶縁
部材３９とを圧力接触関係に保持したとき、圧ガスリー
フ４０と第１の金属ケーシング２４間に溶接部が形成さ
れる。これらの溶接部は第１の金属ケーシングの拡大直
径部分３０の上に配置された第２の組の開口４６におい
て形成される。溶接部が形成されると、引き部材６２は
解放され、開口４４から除去されるが、バツテリの各部
品は引張および圧縮状態を維持する。これによリバツテ
リ容器１０の組立てが完了する。第３図には、第１，２
図に示したものと大体同一の概念を使用するが、若干異
なつたアルカリ金属バツテリ容器密封形態が示されてい
る。

第３図において類似数字は類似部品を示す。第３図を参
照すると、圧ガスリーフ１４０は圧力印加肩部１４２と
圧力受け肩部１４４を有する。この設計では、圧力印加
肩部１４２と圧力受け肩部３８間に金属Ｏリング１４６
、くさび１４８および電気絶縁バンド１５０がある。圧
力印加リング１５２は圧ガスリーフ１４０の圧力受け肩
部１４４を包囲しかつ係合する。第１の金属ケーシング
２４が固定面上に着座しかつ圧力印加リング１５２によ
り圧力が加えられると、圧力印加肩部１４２はＯリング
１４６、くさび１４８、絶縁バンド１５０および第２の
金属ケーシング３２の圧力受け肩部３８に作用する。こ
の作用により第２の金属ケーシング３２の開端がセラミ
ツクリング１２の頂面１４と接触させられかつ第１の金
属ケーシング２４の開端がセラミツクリングの底面１６
と係合させられる。これらの部品がすべて強固に接触し
たとき、圧ガスリーフ１４０がその底端付近で溶接部１
５４により第１の金属ケーシングに溶接され、これによ
り密封アルカリ金属バツテリ容器の組立てが完了する。
第４図には、この発明の別の実施態様が示されている。

この実施態様では、圧ガスリーフ２４０は圧力印加肩部
２４２を有し、この肩部は絶縁バンド２４４およびＯリ
ング２４６に作用し、Ｏリングの下に折り曲げられた、
第２の金属ケーシング３２の開端の部分に圧力を加える
。圧力はもちろん第４図の矢印の方向に圧ガスリーフに
加えられて密封を形成する。他の実施態様の場合と同様
に、すべての部品が適正な密封接触をしたとき、圧ガス
リーフ２４０が第１の金属ケーシング２４に溶接される
。以上密封アルカリ金属バツテリ容器が開示された。

この発明の真の精神に包含される多くの改変が当業者に
よつてなされうる。すべてのこのような改変は特許請求
の範囲に包含されるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明のアルカリ金属バツテリ容器の分解状
態の立面断面図である。 第２図はこの発明のアルカリ金属バツテリ容器の組立状
態の立面断面図である。第３，４図はこの発明のアルカ
リ金属バツテリ容器の一部分の別形構造の立面断面図で
ある。１０・・・・・・アルカリ金属バツテリ容器、１
２・・・・・・セラミツクリング、１４・・・・・・頂
面、１６・・・・・・底面、１８・・・・・・内部ケー
シング、２０・・・・・・内面、２２・・・・・・ガラ
スシール、２４・・・・・・第１金属外部ケーシング、
２６・・・・・・開端、２８・・・・・・閉端、３０・
・・・・・拡大直径部分、３２・・・・・・第２金属外
部ケーシング、３４・・・・・・開端、３６・・・・・
・閉端、３８・・・・・・圧力受け肩部、３９・・・・
・・電気絶縁部材、４０・・・・・・金属圧ガスリーフ
、４２・・・・・・下部開端、４４，４６・・・・・・
開口、４８・・・・・・上部開端、５０・・・・・・圧
力印加肩部、６０・・・・・・保持具、６２・・・・・
・引き部材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 頂面と底面を有するセラミックリング；開端を有す
   る固体アルカリイオン伝導材料の内部ケーシング； 前記内部ケーシングをその開端に隣接して前記セラミッ
   クリングに結合し、前記内部ケーシングが前記セラミッ
   クリングの前記底面から下方に延在するようにする密封
   部材；開端と閉端を有し、前記内部ケーシングを包囲し
   かつこれから離間して配置された第１の金属外部ケーシ
   ング；開端と閉端を有し、前記開端が前記セラミックリ
   ングの前記頂面に隣接して配置されているところの第２
   の金属外部ケーシング；前記第２の金属外部ケーシング
   上にその前記開端付近に形成された圧力受け肩部；開端
   と圧力印加肩部が形成されている端とを有する金属圧力
   スリーブを具備し、前記圧力スリーブの前記開端は、前
   記第１の金属外部ケーシングを少なくとも部分的に包囲
   しかつ前記圧力印加肩部が前記第２の金属外部ケーシン
   グの前記圧力受け肩部に十分な圧力を加えるような位置
   において前記第１の金属外部ケーシングに結合され、こ
   れにより前記第１および第２の金属外部ケーシングの前
   記開端が引寄せられて前記セラミックリングの前記底面
   および頂面とそれぞれ係合し、両者間に液体の漏れない
   密封を形成しており；前記第１の金属外部ケーシングを
   前記第２の金属外部ケーシングから電気的に絶縁するた
   めに前記圧力印加肩部と前記圧力受け肩部間に配置され
   た電気絶縁部材；以上の各要件から構成された密封アル
   カリ金属バッテリ容器。