JPS5910971Y2 - 医療用圧力測定器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は肛門括約筋の収縮力、胆嚢の胆道圧あるいは膀
胱の膀胱圧等を測定するに適した医療用圧力測定器に関
するもので、その目的とするところは、上記の括約筋収
縮力、胆道圧あるいは膀胱圧等を高精度に測定して患者
の診断に役立てようとすることにある。

以下本考案の実施例を肛門括約筋の収縮力を測定する例
につき図面に基いて説明する。

第１図および第２図において、１０は肛門括約筋計の基
部を示し、この基部１０の中央部は小径となっており、
この小径部の一部は切欠かれて後述する圧力変換器を取
付けるための取付面１１を形威している。

基部１０の先端部には挿入頭部１２が嵌着され、この挿
入頭部１２の先端は球面状に形威されて肛門への挿入が
無理なく行われるようになっている。

また挿入頭部１２にはその先端に開口する貫通孔１３が
形威されている。

前記基部１０にはこれを貫通して連通管１４が貫挿され
、この連通管１４の一端は前記挿入頭部１２の貫通孔１
３に連通され、他端には可撓性の導管１５が接続されて
おり、これら貫通孔１３、連通管１４および導管１５に
より流体通路舎形或している。

基部１０の外周にはシリコンゴム等からなる弾性チュー
ブ１６が嵌着され、この弾性チューブ１６の両端部は絹
糸等により基部１０に緊縛されている。

これにより弾性チューブ１６と基部小径部との間に密閉
された受圧室１７が形威され、この受圧室１７内に圧力
媒体としてのシリコンオイル１８が封入されている。

また前記基部１０の取付面１１には受圧ダイヤフラムを
備えた拡散形圧力変換器１９が取付けられ、こ．め圧力
変換器１９より引出されたリード線は公知のブリッジ回
路に結線され、これにより前記弾性チューブ１６が圧力
を受けて押縮されるとシリコンオイル１８を介して圧力
変換器１９の受圧ダイヤフラムが撓み、加えられた圧力
に応じた出力電圧がブリッジ回路より出力されるように
なっている。

前記基部１０の後端には金属スリーブ２１を介して可撓
性のパイプ２２が連結され、このパイプ２２内を通して
前記導管１５およびリード線が所定位置まで導出される
ようになっている。

次に上述したように構威された肛門括約筋計の操作を説
明する。

まず挿入する前に挿入頭部１２の球面部に風船２３を縛
り付け、その状態で挿入頭部１２を肛門内に所定の深さ
まで挿入すると、肛門括約筋の収縮力によって弾性チュ
ーブ１６が押縮される。

この結果受圧室１７内のシリコンオイル１８が圧縮され
て圧力上昇し、これに拡散形圧力変換器１９の受圧ダイ
ヤフラムが感応して圧力上昇に応じた、すなわち肛門括
約筋の収縮力に応じた出力電圧が発生され、電圧計の指
針の振れにより指示される。

これにより医師は患者の肛門括約筋の締り具合を衛生的
にしてかつ高精度に把握できるようになる。

またその挿入状態において、可撓性の導管１５より連通
管１４を通して挿入頭部１２の貫通孔１３に空気を送込
むと、風船２３が張らんで直腸の終端部が閉塞される。

すなわち風船２３によって模擬的に排泄物の詰まり現象
を生起させ、その状態における肛・門括約筋の収縮力変
化が測定できるようになる。

上記した実施例においては肛門括約筋の収縮力を測定す
る肛門括約筋計を例にとって説明したが、それと同一の
構造で、例えば胆嚢の胆道圧あるいは膀胱の膀胱圧の測
定にも使用可能である。

この場合の挿入頭部１２は上述し，たような風船２３を
取付ける必要がないので、第３図に示すような形状で充
分であり、また測定目的に応じて挿入頭部１２のみを交
換できるように挿入頭部１２を基部１０に着脱可能に取
付け得るようにすれば効果的である。

そして胆嚢の胆道圧を測定する場合には挿入頭部１２を
口腔より、また膀胱の膀胱圧を測定する場合には挿入頭
部１２を尿道口よりそれぞれ挿入して所要位置まで送込
み、前述したと同様に弾性チューブ１６が圧力を受けて
押縮されることにより胆道圧、膀胱圧が測定される。

この際基部１０の後端に連結されたパイプ２２が可撓性
を有しているので、屈曲した気管内を所要位置まで容易
に挿入でき、また圧力変換器１９が受圧部に組込まれて
いることから水頭差による測定誤差を防止できる。

また胆道圧計または膀胱圧計として用いた場合には、前
記流体通路を胆嚢あるいは膀胱内より液を採集したり、
逆に胆嚢あるいは膀胱内に生理的食塩水とか各種薬物等
を送込むのに使用でき、この生理的食塩水等の注入によ
る圧力変化をも測定できるようになる。

以上述べたように本考案は、肛門括約筋の収縮力、胆嚢
の胆道圧あるいはまた膀胱の膀胱圧等を圧力変換器を用
いて高精度に測定できるようにしたもので、特に圧力変
換器を受圧部に組込んだ構或であるので、水頭差による
測定誤差を防止し得、しかも挿入頭部の先端に開口する
流体通路を形威した構戊であるので゛、肛門括約筋の収
縮力測定においてはその流体通路に空気を送込んで風船
を脹らませたり、また胆道圧および膀胱圧の測定におい
てはその流体通路を介して胆嚢および膀胱内より液を採
集したり、逆に生理的食塩水とか各種薬物等を送込んだ
りすることができ、これによって適確な診断に寄与でき
るようになる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は医療用圧
力測定器の一例として肛門括約筋を示す断面図、第２図
は第１図のＩＩ−ＩＩ線拡大断面図、第３図は挿入頭部
の変形例を示す部分断面図である。 １０・・・・・・基部、１１・・・・・・取付面、１２
・・・・・・挿入頭部、１３，１４．１５・・・・・・
流体通路、１６・・・・・・弾性チューブ、１７・・・
・・・受圧室、１８・・・・・・シリコンオイル、１９
・・・・・・圧力変換器、２２・・・・・・可撓性パイ
プ。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）中央に凹部を形戊した基部と、この基部に取付け
   られ先端か略球面状に形成された挿入頭部と、前記基部
   の外周に取付けられ測定すべき圧力によって撓む弾性チ
   ューブと、この弾性チューブと基部とによって密閉的に
   形威されシリコンオイル等の圧力媒体が封入された受圧
   室と、この受産室内にあって前記基部の凹部に取付けら
   れ加えられた圧力に応じた出力電圧を発生する圧力変換
   器と、前記基部に接続されたパイプと、一端を前記挿入
   頭部の先端に開口された流体通路とによって構或してな
   る医療用圧力測定器。
2. （２）前記圧力変換器が受圧ダイヤフラムを備えた拡散
   形圧力変換器からなる実用新案登録請求の範囲第ｌ項に
   記載の医療用圧力測定器。
3. （３）前記パイプが可撓性を有する実用新案登録請求の
   範囲第１項に記載の医療用圧力測定器。