JPS5910969Y2 - 内視鏡用バル−ンカテ−テル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、経内視的に体腔内に挿入して、たとえば体
腔内の狭窄部を矯正治療するなどの処置具として用いら
れる内視鏡用バルーンカテーテルに関する。

近時、内視鏡医学の重要なテーマとして、体腔内の狭窄
部を矯正して治療するという分野がある。

これは、体腔内に内視鏡を挿入し、この内視鏡に備えら
れたチャンネルを利用して、バルーンを有したカテーテ
ル、いわゆる内視鏡用バルーンカテーテルを体腔内の狭
窄部に経内視鏡的に挿入し、バルーンを流体で膨張させ
て一定期間留置することにより狭窄部を矯正（広げる）
してなされる治療法である。

この治療法にかかる内視鏡用バルーンカテーテルの代表
的な一例が第１図に示されている。

すなわち、図中ａは内視鏡で゛あり、この内視鏡ａをま
ず体腔内に挿入する。

ついで先端部にバルーンｂを備え、後端部に流体封止用
のコツクＣを備えた内視鏡用バルーンカテーテルｄを内
視鏡ａに設けられたチャンネルａに挿通して体腔内の狭
窄部に誘導的に挿入する。

こののち、コツクＣを開いて内視鏡用バルーンカテーテ
ルｄの基部から流体を挿入し、バルーンｂを膨張させ狭
窄部を広げる。

そして、内視鏡ａを体腔および内視鏡用カテーテルｄか
ら取り外して、バルーンｂを一定期間留置することによ
り狭窄部の矯正がなされる。

ところで、このような使用形態における内視鏡用バルー
ンカテーテルｄの構造で、内視鏡用バルーンカテーテル
ｄから内視鏡ａを二点鎖線で示すように抜き出すために
は、コツクＣを取り付けたままであると、内視鏡バルー
ンカテーテルｄの全長が内視鏡ａのチャンネル長さに対
しておよそ２倍以上の長さを備えていなければ内視鏡ａ
の取り１外しは不可能である。

しかし、長いバルーンカテーテルが外部に突き出すため
作業性を著しく阻害する。

そこで、内視鏡ａの取り外しの際はまず内視鏡ａを二点
鎖線で示すように体腔外まで抜去したのち、内視鏡バル
ーンカテーテルｄ上、たとえばＰ点を手指等によりつま
み、内視鏡抜去の障害となるコツクＣを取り外して、内
視鏡バルーンカテーテルｄ内の流体の流出を防ぎながら
、この状態で内視鏡１を抜き去り、しかるのち再びコツ
クＣを内視鏡バルーンカテーテルｄに取り付けなければ
ならない。

このため、内視鏡ａの抜去にかかる作業が極めて複雑で
、困難な実情にある。

しかも、内視鏡バルーンカテーテルｄの全長も相当長く
要するので、取扱いが極めて不便であるとともに、それ
にのみならず流体流通にかがる抵抗が大きくなり、スム
ースな流体の送入・排出を行なうことができないという
不具合を生じる。

この考案は上記事情に着目してなされたもので、その目
的とするところは、内視鏡の抜去にかかる作業を簡単に
行なうことができるとともに全長の短縮化を図ることが
できるようにした。

特に体腔内狭窄部の矯正治療に適する内視鏡用バルーン
カテーテルを提供しようとするものである。

以下、この考案の一実施例を第２図を参照して説明する
。

図中１は内視鏡用バルーンカテーテルを構戒する可撓性
チューブで、これは摩擦係数の低い、たとえばテフロン
等フッ素系樹脂、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、塩化ビニル、ポリウレタン樹脂などから図示し
ない内視鏡のチャンネルに挿通可能に或形されている。

そして、この可撓性チューブ１内には、軸方向沿いに流
体流路２が設けられていて、その流体流路２の先端は可
撓性チューブ１の先端部にて開口している。

また、可撓性チューブ１の先端部には、収縮可能なバル
ーン３が設けられていて、上記流体流路２の開口を含む
周側面を囲撓している。

そして、このバルーン３は、流体流路３を経て送入・排
出される流体にもとづき膨張・収縮できるようになって
おり、収縮時には可撓性チューブ１の外径とほぼ同径と
なるようになっている。

また、可撓性チューブ１の基端部には、流体封止部材４
が設けられる。

この流体封止部材４は、弾性係数の高い、たとえば天然
ゴム、合戒ゴムなどの可撓性に富むゴム系の材質で有底
筒状に或形されている。

そして、この流体封止部材４の開口部が可撓性チューブ
１の基端に取着された金属製の結合部材５に接合され、
可撓性チューブ１との共軸的な結合をなし、流体流路２
および流体封止部材４内を流体密としている。

そして、このようにして設けられた流体封止部材４に、
たとえば注射針等を穿刺して流体流路２に流体が送入あ
るいは流体流路２がら流体を排出できるようになってい
る。

なお、穿刺時、流体封止部材４に形威された孔は弾性に
よって自然に閉塞されてしまうことはいうまでもないこ
とであり、流体封止部材４は反復する穿刺に耐えるよう
になっている。

なお、流体封止部材４は可撓性チューブ１よりも高い弾
性係数に設定され、可撓性チューブ１は流体封止部材４
よりも低い摩擦係数に設定されている。

しかして、このように構威された内視鏡用バルーンカテ
ーテルを用いて、たとえば体腔内の狭窄部を矯正しよう
とする場合には、体腔内に挿入された内視鏡のチャンネ
ルに、あらがしめ収縮状態にある内視鏡用バルーンカテ
ーテルを挿通してその先端部を体腔内の狭穿部に位置さ
せる。

ついで、流体封止部材４に注射針等を穿刺して注射器内
の流体を流体流路２に送入し、バルーン３を膨張させる
。

これにより、簡単に狭窄部が広げることができる。

ついで、この膨張したバルーン３を一定期間留置させる
ために、内視鏡を体腔内および内視鏡用カテーテルから
抜去する。

このときの操作作業としては、ただたんに内視鏡用カテ
ーテルの軸方向に沿って内視鏡を抜去することにより、
簡単に内視鏡を取り外すことができるのである。

したがって、従来のように可撓性チューブ１をつぶした
り、コックを取り外したりする面倒な手間を要すること
なく簡単に内視鏡を抜去することができる。

しかも、このようにして構或された内視鏡用バルーンカ
テーテルは、上述したように注射器の流体封止部材４へ
の穿刺による流体流路２の流体の送入・排出によってバ
ルーン３の膨張・収縮がなされるから、内視鏡用バルー
ンカテーテル自体に内視鏡の抜去にかかる障害となるも
のがなく、内視鏡用バルーンカテーテルを内視鏡に応じ
て長さに短縮設定することができる。

よって、内視鏡用バルーンカテーテル自体の取扱いを容
易にすることができるとともに、流体流路２の長さの短
縮化が図れ流体のスムースな送入・排出を行なうことが
できる。

なお、上述した実施例の説明では、たんに流体封止部材
に注射針を穿刺して流体を送入・排出するようにしたが
、第３図で示すように流体封止部材４の基部側を彎曲さ
せて注射針６を可撓性チューブ１の軸方向沿いに穿刺す
るようにすれば、流体封止部材４の内径が細径な場合で
あっても、注射針６が穿刺方向と対応する壁面をつき抜
けることなく、うまく流体流路２と連絡することができ
る。

以上説明したようにこの考案によれば、内視鏡のチャン
ネルに挿通可能な先端部にバルーンを備えた可撓性チュ
ーブの基部に反復穿刺可能な流体封止部材を内視鏡のチ
ャンネルに対し挿通可能に設けたから、この流体封止部
材にたとえば注射針を穿刺して流体流路に流体を注入・
排出し、バルーンを膨張・収縮させることができる。

また、内視鏡用バルーンカテーテルは、流体の注入・排
出におけるコツクなどの付帯機器を要することがない。

また流体封止部材を含め内視鏡用バルーンカテーテルの
全体を内視鏡のチャンネルの挿通に適した形状にするこ
とができる。

よって、体腔内の狭窄部の矯正治療などにおいて、内視
鏡を抜去するにあたっては、ただたんに内視鏡を内視鏡
用バルーンカテーテルの軸方向沿いに抜去するだけでよ
く、簡単な作業で内視鏡を抜去することができる。

しかも、内視鏡用バルーンカテーテルは、内視鏡のチャ
ンネルの挿通に適した形状にすることができるから、そ
の全長を内視鏡長さに応じて設定することができ、内視
鏡用バルーンカテーテルの全長の短縮化を図ることがで
きる。

よって、内視鏡用バルーンカテーテルの取扱いが極めて
容易となり、そのうえ内視鏡用バルーンカテーテルの流
体流路の短縮化が図れるから、流体流通にかかる抵抗が
少なく流体のスムースな注入・排出を行なうことができ
る。

特にこの内視鏡用バルーンカテーテルは、体腔内の狭窄
部の矯正治療には最も好適である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の内視鏡用バルーンカテーテルを示す側断
面図、第２図はこの考案の一実施例を示す側断面図、第
３図は流体封止部材への穿刺状態を示す部分側断面図で
ある。 １・・・・・・可撓性チューブ、２・・・・・・流体流
路、３・・・・・・バルーン、４・・・・・・液体封止
部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軸方向沿いに流体流路を備え、摩擦係数の低い材質で形
   或された可撓性チューブと、上記可撓性チューブの先端
   部に上記流体流路の一端と連通して設けられた膨張・収
   縮可能なバルーンと、上記可撓性チューブの基部に一端
   が共軸的に流体密をなして結合され、他端が有底筒状よ
   りなり、可撓性チューブとほぼ同一の外径で、上記流体
   流路の他端と連通した、弾性係数の高い材質で形威され
   た反復穿刺可能な流体封止部材とからなることを特徴と
   する内視鏡用バルーンカテーテル。