JPS589666B2 - シヨウユジヨウゾウホウホウ - Google Patents

シヨウユジヨウゾウホウホウ

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JPS589666B2
JPS589666B2 JP49120942A JP12094274A JPS589666B2 JP S589666 B2 JPS589666 B2 JP S589666B2 JP 49120942 A JP49120942 A JP 49120942A JP 12094274 A JP12094274 A JP 12094274A JP S589666 B2 JPS589666 B2 JP S589666B2
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Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、密閉式の大容量タンクを用いて、香気成分
の損失、諸味歩留りの低下を伴なうことなく、きわめて
短期間に、品質のすぐれた天然醸造醤油を大量に製造す
る方法に関するものである。
天然醸造醤油は、適当量の塩水を含有した仕込み装置内
に麹を入れて、これを発酵させて製造するものであるが
、塩水に対して麹の比重が軽いうえに、麹中には大豆等
脂肪含有成分が含まれており、これが撥水作用を有する
ために、麹の吸水が困難であり、麹の厚い層が塩水上に
浮上してしまう。
これを撹拌して麹と塩水とを充分に接触させれば良いの
であるが、通常の機械装置を用いて撹拌するとどうして
も撹拌回数、撹拌強度が過度になり、諸味に粘性が出て
きてしまう。
従って、麹の吸水には非常に時間がかかるため、従来の
天然醸造法によれば約1年という非常に長い製造期間が
必要とされたのである。
製造期間の短縮は、当業界における大きな課題であった
しかも、諸味の撹拌が充分に行なわれ得ないために、大
容量タンクとした場合、その中部〜底部にかけては炭酸
ガスが系外へ排出されないで残留し、酸素欠乏となるの
で、諸味の腐敗といった現象が生じてくる。
従って、現在の技術では200kl〜300klといっ
た大容量のタンクを用いて、大量に醤油を醸造すること
は不可能であった。
その上、従来の醤油醸造システムは開放式であるので、
アルコール、糖分、香気成分等の揮発成分が系外へ揮散
して品質の劣化生じるとともに、歩留りが低下するとい
う欠点はどうしても避けられなかったのである。
本発明は、これらの欠点、つまり醤油醸造業界の分野で
は是非とも解決すべき大きな課題を、いつきよに解決す
るためになされたものであって、まさに画期的な発明で
ある。
つまり、この発明の目的は、諸味の撹拌をスムーズに行
ない、炭酸ガスの除去を行ない、密閉式システムを採用
することによって香気成分等有用成分の揮散と雑菌の侵
入を防止し、諸味歩留りの低下をなくして品質のすぐれ
た醤油を短期間にしかも犬量に製造することである。
この目的を達成するために、醸造タンクの構造、形態の
検討、諸味循環用機械的装置の検討、発酵促進のための
化学的検討、物理的検討、及び、発酵システム全体の検
討といったあらゆる面からの検討を加え、更に研究を行
なってこの発明が完成されたものであって、この発明は
従来用いられたことのない新規にして有用なシステムを
数多く取入れ、しかもこれらのシステムを有機的に結合
することを特徴とするものであるが、とりわけ、醤油諸
味を循環するのに特に適した新規な機械的な循環装置を
開発した点に特に特徴があるのである。
つまり本発明は、筒状をした醸造タンク内に中空の諸味
循環用内筒を設けてなる密閉式大容量タンクを使用し、
このタンクに醤油諸味を仕込み、これに、酵素又は酵素
含有物を添加し、一方では最少必要量の酸素を含んだ不
活性気体を通気し、他方ではこの発酵システムの脱気を
行なってタンク上部を減圧乃至真空とし、炭酸ガスを除
去して醤油諸味の循環及び発酵を促進せしめ、且つ、ア
ルコール、糖分及び香気成分等の揮発性成分については
、これを系外に排出することなく該通気気体と共に醤油
諸味への通気気体として再使用するか又はこれを捕集し
て醤油諸味へ再添加し、更に諸味の一部を底部より諸味
液面に循環せしめ、弁を設けたピストンを用いて該諸味
循環用中空内筒内の諸味を一定方向にのみ移動させて、
醸造タンク内の諸味全体を循環させ発酵せしめることを
特徴とする醤油醸造方法である。
上述したように、麹と塩水をよく混合することは、非常
にデリケートな処理であって、従来法では不可能なもの
であった。
しかし、この発明においては、醸造タンクの形状に工夫
をこらし、その内部構造にも新しい発明を導入すると同
時に、独特の撹拌方法を採用し、系内圧力の調節検討を
行ない、そして諸味粘度低下ならびに品質改良のために
新規方法を採用したのである。
本発明を実施するには次のような装置を用いると便利で
ある。
醸造タンクの形状は比較的長型の円筒状とするのが好ま
しく、このタンクの内部には、中空の循環内筒を設置し
、醸造タンク壁には、加温部を設けておく。
このようなタンク内に諸味を仕込むと、タンク内壁の加
温部付近の諸味は、加温されて比重が軽くなってゆっく
りとタンク内壁に沿って上昇する。
また、この諸味には炭酸ガスが含まれているのであるが
、これがタンク内壁に沿って上昇し、上面に到達するこ
ろ、液圧が除かれ、諸味中の炭酸ガスは気泡となってタ
ンク上部空間へと放散されることになる。
炭酸ガスを放散した諸味は、比重が増加して重くなり、
下方へと循環していくこととなり、炭酸ガス圧が低くな
るので、それに応じて発酵が促進されることとなり、こ
れらの結果、全体的に醤油の醸造期間を短縮することが
できるのである。
また、加温されたタンク内壁の作用によって上面へと上
昇した諸味は、後で詳述するように、タンク内は減圧〜
真空に保たれているので蒸発潜熱を奪われて冷却され、
下降する性質を有するので、内壁部が冷却されている循
環用内筒の作用と相まって、この諸味循環用内筒内を下
降し、上述した炭酸ガス放出による諸味の循環を更に容
易にするものである。
従って、タンクの内壁と循環内筒との間には適当な温度
勾配をつけておくのが良い。
通常は、タンクの外壁をジャケットで囲み、そこに加温
媒体を通したり、電気ヒーターを用いる等適宜な手段を
用いて加温し、循環内筒の冷却部には、冷却媒体を通す
パイプをラセン状に囲繞設置し、更に必要あれば、該内
筒の外壁は加温してもよい。
温度勾配は、1〜8℃程度が適当であるが、2〜4℃と
するのが好ましい。
このように温度勾配、及び炭酸ガス放散による諸味比重
の差を利用した諸味の循環システムでは、特に諸味を仕
込んだ当初は、麹の吸水に時間が掛るので、このシステ
ムでは諸味の循環、撹拌が充分には行なわれない。
そこで、更に、諸味の循環及び撹拌を容易ならしめるた
めに、つまり、本発明方法を具体的に実施するために、
物理的方法、装置的改良、及び化学的方法を採用する必
要がある。
まず、装置の改良としては、循環用内筒内の諸味を移動
撹拌するための特殊な装置を採用したことである。
既述したように、仕込んだ当初の諸味は均一に混合撹拌
することが非常に困難である。
機械的撹拌装置、例えば撹拌スクリュー等を用いて撹拌
する場合、タンク内を非常に激しく撹拌しないと麹と食
塩水とが均一に撹拌混合されない。
しかしながら、このように激しく撹拌すると諸味に粘性
が付与されて醤油品質が極端に低下するので、醤油醸造
において機械的撹拌を行なうことは好ましくないとされ
ていた。
換言すれば、理想的な機械的撹拌は不可能であるとされ
ていたのである。
しかしながら、鋭意研究を行なった結果、以下に述べる
撹拌装置を採用することによって機械的撹拌の実施が可
能となったのであるが、これが本発明の主要な特徴の1
つである。
本発明において使用する撹拌装置、つまり本発明方法を
具体的に実施するための1つの具体的な手段は、醸造タ
ンク内に配設した循環用内筒を撹拌することから成る。
つまり、該諸味循環用内筒内に、ピストンを挿入して撹
拌するのであるが、ピストンには弁を設けておき、一定
の方向にしか諸味が移動できないようにしておく。
タンク外壁部によって加温された諸味は、タンク上方へ
と上昇するが、液面付近において冷却されて、内部が冷
却されている循環用内筒内へと下降してくる。
そこで、この下降する諸味の運動を更に助長するように
、ピストンをゆっくり作動させて循環用内筒内を下降さ
せるのである。
この場合、ピストンの弁は閉じられている。
ピストンが循環用内筒の下端部まで下降したら、上方へ
と上昇させるのであるが、この場合には該弁が開放され
ているために、筒内の諸味液は上昇することがないので
ある。
つまり、ピストンの上下運動によっても諸味は一定の方
向、即ち下方へのみ移動することになる。
タンク内に内筒を設け、該内筒内の諸味をゆっくりと一
方向にのみ移動させることによって諸味全体が均一にゆ
っくりとしかも確実に循環することになり、このような
構成を採用することによって従来不可能であるとされて
きた理想的な機械撹拌が可能となったのである。
この機械撹拌は連続的又は間欠的に行なう。
撹拌を行なわない場合には、ピストンが内筒内に存在す
ると諸味の循環が妨げられるので、タンク上方へ上げて
おくと良い。
このピストンによる撹拌は、発酵期間中連続して行なっ
てもよいが、通常は間欠的に行なう場合が多い。
その回数、撹拌時間は発酵段階によって異なるが、諸味
を仕込んだ当初は相当回数を多く頻繁に行なわねばなら
ない。
このピストンの稼動は、タンク内への通気処理と同じ周
期、同じ速度となるように行なうのが効率的である。
発酵状態が進行し、諸味粘度が低下して諸味の撹拌が容
易になってくるとこの稼動回数、速度は減少させる。
本発明方法の構成要件の1つである諸味の一部を底部よ
り諸味液面に循環せしめる工程を具体的に実現するため
には次の装置を使用するのが便利である。
すなわち、タンク下部に固液分離用の枦過板を設け、そ
の下部から諸味液を取り出し、これをポンプで噴出パイ
プを用いて諸味液をタンク内に噴出させるのである。
この場合、噴出パイプの数、設置個所は適宜で良いが、
その内の1本あるいは数本のパイプは、タンク壁部と循
環内筒とによって囲まれている環状部内に設けて、諸味
を該環状部の上方へと移動させ、また、数本のパイプは
、循環内筒の諸味液面上部に配設して、諸味液面に開口
して諸味液を循環内筒に散布して、諸味の循環を助ける
ものである。
この場合、このパイプは冷却しても良い。
諸味の循環を更に容易なものとするために、タンクの底
部から気体を通気することができる。
この場合、通気気体とともに醤油香気、アルコール、糖
分等の有用揮散性成分、及び炭酸ガスが排出される。
炭酸ガスについては、これを諸味中から可及的速やかに
除去する方が、醤油醸造期間の短縮、醤油品質の向上に
都合が良いのでこれは系外に除去する。
その他の有用揮散成分については、これは系外に除去す
ることなく、再循環又は捕集して再び諸味中に添加する
従って、この発明においては、すべてのシステムは密閉
式とせねばならず、従来の開放式のシステムとは全く異
なることになる。
通気気体としては、諸味中に不足しがちな酸素を用いて
もよいし、酸素含有気体である空気を用いてもよく、一
日数回3〜5分程度通気すれば充分である。
しかしながら、過度に酸素が存在すると諸味が酸化され
て醤油の品質が低下するので、諸味の発酵に必要な最低
限の酸素を含有した不活性気体を使用すると更に便利で
ある。
不活性気体としては、諸味原料に作用しない気体、例え
ば窒素、炭酸ガス、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリ
プトン、キセノンのような気体ならばどのようなものも
使用可能であるが、中でも特に窒素を用いるのが便利で
ある。
最低必要量の酸素を含んだ(相当する量の空気を用いて
もよい)不活性気体は、除菌すると共に温度調節するの
が良く、この混合気体の通気割合は、諸味原料、発酵温
度等によって適宜変更し得るものであるが、通常の割合
は1000lタンク当り約700〜1500l/時とす
るのが良い。
密閉式タンクにおける有用揮散成分の回収は、次のよう
なシステムで行なう。
密閉式大容量タンクの上方に通気気体排出管を設け、該
通気気体排出管は循環ポンプを介して通気気体導入管に
接続させ、該通気気体導入管はそのまま密閉式大容量タ
ンクの底部に(環状部の底部に配設するのが好適)連結
せしめ、且つ、通気気体排出管もしくは通気気体導入管
に廃気体排除口及び新鮮混合気体送入口を設けるか、又
は、捕集タンクを併設するシステムを用いてもよい。
この後者のシステムは、密閉式大容量タンクに併設して
、内部醤油諸味が循環できるようにした捕集タンクを設
け、該タンクの底部と密閉式大容量タンクの上方との間
には通気気体排出管を設け、捕集タンクの上方と密閉式
大容量タンクの底部(環状部の底部に配設するのが好適
)との間には通気気体導入管を設け、且つ該通気気体導
入管には循環ポンプ、廃気体排除口、及び新鮮気体送入
口を設けたものである。
このような密閉システムを用い、不活性気体によって諸
味を撹拌することによって、諸味の撹拌、循環がスムー
ズに行なわれ、不要な炭酸ガスが除去されるうえに酸素
が必要量だけ導入されるので諸味の発酵が順調に行なわ
れ、その結果醤油醸造期間が短縮されることになる。
また、使用する酸素の量が必要最低限であるし、揮散成
分を外界に逸散させていた従来の開放システムに比較す
ると、香気成分、糖分、アルコール等のロスがなく、諸
味歩留りの低下も少なく、諸味が過剰に酸化されること
もないので、製品醤油の品質が大巾に向上するのである
発酵工業において最も注意すべき問題点の1つとして雑
菌による汚染の問題がある。
開放システムにおいては、この問題は常につきまとって
いるのであるが、このような密閉系システムと不活性ガ
スを使用すれば、通気気体の導入時の汚染にさえ注意す
ればよいこととなり、雑菌汚染の問題はほぼ完全に解決
されたということができよう。
本発明の特徴の1つは、物理的なシステムを導大したこ
とであって、それは、この発酵システムの脱気を行なっ
て、密閉式大容量タンクの上部を減圧又は真空とする方
法を採用したことである。
発酵システム内の圧力を減少させると、諸味の発酵阻害
物質である炭酸ガスが系外へと除去されると同時に、諸
味タンクの内部〜底部で発生した炭酸ガスが速やかに諸
味の外部へと排出され、その結果、ただでさえ粘度が高
くて撹拌困難な諸味が、炭酸ガスの移動によって循環気
体の運動がスムースとなるために、容易に撹拌されるこ
とになる。
大容量タンク下部の諸味には、諸味自重による非常に大
きな圧力がかかつているため、発酵中に生成した炭酸ガ
スが諸味から揮散することができず、一般に下部の諸味
はタンク上部の諸味に比較して発酵が遅れたり、腐敗し
たりするという欠点があったが、本発明におけるように
、タンク上部を脱気して諸味内外の圧力差を利用すると
これらの欠点が解決されて製造期間の短縮又は品質の向
上といった利点が得られることになる。
更に注目すべきことは、この炭酸ガスの排出メカニズム
と相まって、タンク底部より吹き込んだ諸味撹拌用の気
体もその運動性を増し、諸味が速やかに循環、撹拌され
るようになるのである。
混合気体の通気は、一般的には仕込直後から2〜3ケ月
間はほとんど連続して行ない、後期の熟成期に入った後
には時折通気するか若しくは通気することなく熟成させ
、約4〜8ケ月で醤油醸造を終了するものである。
脱気処理は、系内を減圧ないし真空にすることであって
、このような操作が可能な装置ならばどのようなもので
も使用できるが、真空ポンプ等を使用するのが有利であ
る。
減圧度は、諸味の種類、量、炭酸ガス含有度によって異
なり、750mmHg〜真空までの範囲内で広く変更し
得るが、過度の減圧を長時間続けることは、諸味に減圧
による悪影響が及ぼされることになるので避けねばなら
ない。
真空ポンプは、密閉系のどの個所に付設しても良いが、
通常は、タンクの上部と下部を結合しているパイプの適
宜個所に付設するのが好ましい。
ただ、真空ポンプを用いて脱気すると、発酵阻害物質で
ある炭酸ガスの外に、醤油香気成分、アルコール等の有
用揮発成分も共に脱気されるので、分離装置によって炭
酸ガスと有用揮発成分とを分離する必要がある。
更にこの発明の特徴としては、生化学的システムを採用
したことである。
諸味は一般的には粘度が非常に高いものであって、この
現象が諸味の撹拌、循環を妨げることになっていたので
あるが、酵素を用いて諸味を分解させたところ、諸味の
循環、撹拌がスムースに行なわれると同時に、製品の品
質が向上し、その他の害作用は全く認められなかった。
添加する酵素としつは、諸味構成成分が主に澱粉、蛋白
質、及び脂肪であるので、これらを分解する酵素を使用
する。
即ち、澱粉分解酵素としては、α−アミラーゼ、β−ア
ミラーゼ、グルコアミラーゼ、ホスホリラーゼ、イソア
ミラーゼ、リゾチーム、アミロー1,6−グルコシダー
ゼ、セルラーゼ等、蛋白分解酵素としては、プロテアー
ゼ、フイシン、プロメレイン、パパイン、トリプシン、
キモトリプシン、ポリペプチダーゼ等、脂肪分解酵素と
しては、リパーゼ等が含まれる。
純粋な酵素製品の他に、これらを含有する物質、例えば
、麦芽あるいは麦芽抽出物、又はこれら酵素生産性微生
物の培養物等も使用可能である。
酵素の使用量は、諸味原料の種類、組成、pH,温度等
によって異なるが、0.01〜20%の範囲内で適宜変
更しうるものである。
酵素は、発酵開始時から添加しても良いし、発酵途中で
添加してもよく、又、必要量を一時に添加してもよいし
、或いは分施してもよい。
酵素を使用することによる利点は、上述したものの外に
、使用する酵素の種類及び添加量を変えることによって
、発酵速度を変化させたり、製品醤油に微妙な味、香り
を付与したりすることもできることである。
〔実施例〕
200klの密閉式諸味タンク1を使用する。
このタンク1は、蛇管あるいはジャケットで囲むか又は
電気ヒーターを囲繞して1aを28℃程度に加温してお
く。
このタンク1には蓋11及び諸味循環用内筒2を設ける
内筒2の内壁は、蛇管で囲み2aを25℃程度に冷却し
、その外壁はタンク1の外壁と同様に少し加温しておく
蛇管1a,2aの内部には加温又は冷却を行なうための
調度調節媒体を、循環ポンプ1b,2b及び熱交換器1
c,2cによって循環させる。
この諸味クンク1に麹12トン、22%食塩水147ト
ン、麦芽250kgを入れる。
加圧ポンプ19を稼動させて、バルブ10から窒素ガス
を250ml/lの割合で、圧カタンク15及びパイプ
17、パイプ18.18’を通してタンク1の底部より
通気する。
通気開始後5〜10秒後に加温空気がタンク内に充満し
、その一部が排出パイプ7へと出て行き、ゆっくりと循
環する。
この循環は約3〜5分間、1日数回実施する。
この通気処理に合わせて、ピストン40を駆動装置42
を用いて駆動させる。
弁41は、ピストンの下面部に枢着する。
従ってピストンを駆動させることによって循環内筒内の
諸味は、強制的にタンクの底部へと1方向のみに流れる
こととなり、環状部底部からタンク上方へと移動する通
気の運動と相まって、タンク内の諸味は全体としてゆっ
くり、且つ均一に1方向に循環することになる。
循環気体中の酸素濃度が約3〜5%以下になると、空気
取入口20、除菌装置21を経由して空気を取入れて、
バルブ22から少量ずつ供給して醤油発酵菌の活性を低
下させないようにする。
これと同時に、真空菌の活性を低下させないようにする
これと同時に、真空ポンプ9を1日2〜3回、ゲージ圧
500mmHgで稼動させる。
すると、通気気体による炭酸ガスの移動の外に、減圧に
よる諸味内外の圧力差によって、タンク中〜底部に存在
して移動しにくい炭酸ガスも強制的に移動排出される。
真空ポンプ内には炭酸ガスと共に有用気体成分も吸引さ
れて入ってくるので、これを循環液溜30に導き、タン
ク底部から導かれた諸味(スクリーン3によって固体と
液体が分離される)と混合し、諸味中に溶解させ、この
混合液を循環ポンプ31の作用により、タンク環状部内
に対向して配設した2本の液噴射口32.32’から噴
射するとともに、気液分離塔33に導きここで過剰の炭
酸ガスは外気に排出し、諸味は液噴射パイプ34(その
先端部は諸味循環用内筒2の内径に等しくループ状とな
して、内筒2の上方へ配設しておく)に導き、液噴射ノ
ズル35から諸味液面、特に諸味循環用内筒2内にふり
そそいで該内筒内の諸味を下方へと移動させ、タンク全
体の諸味の循環を助ける。
ここで有用揮発成分はタンク1内の諸味中に完全に再溶
解されて、この諸味は有用揮散成分に富んだものとなる
また、この諸味液面上部にループ状に設けた液噴出パイ
プは、2重、3重のループ状に形成して内筒2の上方に
設置してもよいし、タンク環状部底部に設けた液噴射口
の数も2本としないでそれ以上の数にすればそれだけ諸
味の撹拌が容易になる。
また、諸味は、麦芽に含まれているアミラーゼ、プロテ
アーゼその他の酵素の作用により分解されて、粘度が低
下して、気体による撹拌が容易なものとなる。
混合気体と共に諸味タンクから損失する有効揮散成分は
、諸味タンクに戻されるので揮散成分のロスは殆んどな
いことになる。
しかも、酸素の量が発酵に必要な最低量となっているの
で、諸味成分の酸化が極力抑えられる。
この間欠的循環通気及びピストンの駆動を約1ケ月半行
なうと初期、中期までの発酵が終了するので、その後は
長時間毎に通気を行ない、約1ケ月半の間後期の熟成発
酵を行なうことによって諸味の発酵を終了する。
発酵終了後の諸味を戸過したところ、糖とアルコールの
含量が豊富で、色も薄く、芳香を有する醤油が得られ、
従来の方法による醤油には全く見られない秀れた品質の
醤油が、極めて短期間に得られた。
以上詳述したように、諸味循環用内筒の設置、特殊構造
のピストンの採用、上記内筒とピストンとの組合わせ、
全システムの密閉化、減圧処理の採用、炭酸ガスの除去
、有用揮発成分の再利用、不活性気体の通気、諸味液の
循環、散布処理、酵素による諸味の分解処理という、新
期にして有用な処理工程を採用すると共に、更にこれら
の工程を有機的に結合することによって、きわめて秀れ
た効果が得られるのである。
即ち、諸味の循環撹拌がスムースに行なわれ、炭酸ガス
が除去されると共に酸素が供給され、且つ温度コントロ
ールが適確に行なわれるので、発酵が迅速に行なわれ、
その結果として従来より醸造期間が過度に長いとされて
きたものを驚異的なまでに短縮することが可能となった
のである。
また、大量の諸味を処理することが可能となるので、従
来不可能であるとされていた屋外式大容量タンクの使用
が可能となり、例えば5〜20mの高さを有する200
〜300klもの大容量タンクによる醤油醸造が可能と
なり、大量生産ができるようになった。
醤油品質に関しては、密閉式システムの採用によって、
従来放散していた有用揮散成分が諸味中に保持、富化さ
れるために、品質が向上し、酵素の選択によっては従来
の醤油にはなかったような芳香、風味を付与することす
らできるのである。
なかでも特に本発明による効果の内で特記すべきものは
、従来禁忌とされていた機械的撹拌を可能ならしめたこ
とである。
スクリューによる機械的撹拌は、撹拌速度、強度が過度
なために、諸味の品質が劣化し、製品醤油に重大な悪影
響を及ぼすので、機械撹拌の確実性、工程管理の容易性
等各種の大きな利点があって、醤油業界において機械撹
拌を行ないたいという強い要望があったにもかかわらず
それが今まで実現されなかったのである。
しかしながら、タンク内に内筒を設け、その中の諸味を
弁を付設したピストンを用いて一定方向にのみ諸味を移
送するという本発明方法を採用することによってはじめ
て、醤油品質を劣化させずに機械的に諸味を撹拌するこ
とが可能となったのである。
また、この発明方法は、何も1個の醸造タンクに限定す
るものではなくて、複数個のタンクを連結して実施する
こともできる。
そのうえ、既に通気発酵終了済の熟成中の諸味において
、アルコール及び香気成分等について不足するものがあ
れば、その諸味に揮散成分含有混合気体を通気させて、
これら有用成分を溶解補充することも可能である。
【図面の簡単な説明】
図面は、本発明を実施するために使用する装置の縦断正
面図である。 1……醸造タンク、2……諸味循環用内筒、9……真空
ポンプ、19……加圧ポンプ、30……循環液溜、33
……気液分離塔、40……ピストン、41……弁。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 諸味循環用内筒を設けてなる密閉式大容量タンクで
    、密閉循環方式で不活性気体存在下で循環醸造すること
    を特徴とする醤油醸造方法。 2 筒状をした醸造タンク内に中空の諸味循環用内筒を
    設けてなる密閉式大容量タンクを使用し、このタンクに
    醤油諸味を仕込み、これに、酵素又は酵素含有物を添加
    し、一方では、最少必要量の酸素を含んだ不活性気体を
    通気し、他方では、この発酵システムの脱気を行なって
    タンク上部を減圧乃至真空とし、炭酸ガスを除去して醤
    油諸味の循環及び発酵を促進せしめ、且つ、アルコール
    、糖分及び香気成分等の揮発性成分については、これを
    系外に排出することなく該通気気体と共に醤油諸味への
    通気気体として再使用するか又はこれを捕集して醤油諸
    味へ再添加し、更に諸味の一部を底部より諸味液面に循
    環せしめ、且つ弁を設けたピストンによって該諸味循環
    用中空内筒内の諸味を一定方向にのみ移動させて、醸造
    タンク内の諸味全体を循環させ発酵せしめることを特徴
    とする醤油醸造方法。
JP49120942A 1974-10-22 1974-10-22 シヨウユジヨウゾウホウホウ Expired JPS589666B2 (ja)

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CN107198120A (zh) * 2017-05-15 2017-09-26 仇建芳 一种便于撇层的新型酱缸

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