JPS588538Y2 - 輪転印刷機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は輪転印刷機に関する。

カレンダー、デ゛イスプレー用図柄、年賀状などは、通
常、枚葉オフセット輪転印刷機によって印刷されること
が多い。

この種のもの、例えばカレンダーにおいては、暦、絵画
、写真などを含む主要部と、カレンダーを宣伝等の目的
で配布する会社、商店などの名称を含む付帯部とが印刷
される。

ところが、主要部はカレンダーを配布する会社、商店な
どとは無関係の共通部分であるのに対し、付帯部は各会
社、商店ごとに異なる部分である。

したがって、カレンダーの印刷にあたっては、共通の主
要部を印刷し終ってから、各会社、商店ごとに異なる付
帯部を容易に版の交換をすることのできる活版印刷方式
などで印刷するという２段階の印刷方式をとらなければ
ならない。

これは作業能率の点から好ましいことではない。

以上の点に鑑み、本考案は、カレンダー、テ゛イスプレ
ー用図柄、年賀状、その他同種のものの主要部と付帯部
の印刷を、ブランケットシリンダの一部を交換するのみ
で、同時に行なうことのできる輪転印刷機を得ようとす
るものである。

次に、図面について本考案の実施例を説明する。

第１図は、本考案の一例としての多色オフセット輪転印
刷機を示す。

周知のように、この輪転印刷機は、４色のインキによる
印刷を施す４つのユニツｌ−Ａ、Ｂ、Ｃ，Ｄを有し、印
刷すべき紙Ｓは矢印で示す方向に各ユニットを経て送ら
れる。

周知のように、各印刷ユニットは均等なものであって、
上方から下方へ向って、版胴１、ブランケットシリンダ
２、圧胴３、紙送りシリンダ４を順次配列して構成され
ている。

版胴１の上方にはインキングローラ５が、またその側方
には水供給ローラ６がそれぞれ設けられている。

第２図に示すように、版胴１と圧胴３の間にあるブラン
ケットシリンダ２は、名局面にプランケラ）２ａを有し
ている。

本考案によれば、プランケラ）２Ｈの一部は、第３図に
も示されるように切除されて凹部７が形成されている。

そして、この凹部７内には、凸版８が着脱自在に取付け
られている。

凸版８は、例えばカレンダーの印刷の場合には、カレン
ダーの会社、商店などの表示の印刷に用いられるもので
あって、感光性樹脂凸版またはゴム凸版が用いられる。

別工程で予め作る凸版８は、両面粘着テープ、磁石など
任意の固定手段を用いて、凹部７の形成により露出して
いるブランケットシリンダの金属表面に着脱自在に取付
けられる。

凹部７内での凸版８の取付は位置は、凹部７の底を構成
するブランケットシリンダ金属表面に適当なマークを付
けておくことにより決めることができる。

凸版８としての感光性樹脂凸版には、例えば旭化或工業
株式会社からＡＰＲなる商品で市販されている感光性樹
脂を用いることができる。

凸版８の表面は、プランケラ）２ａの表面を構成する円
筒面に実質的に含まれるものでなければならない。

次に、カレンダーの印刷の場合について、以上に述べた
印刷機の作用を説明する。

まず、カレンダーの暦、絵画、写真などを含む主要部は
、通常のオフセット方式で印刷される。

すなわち、この主要部の図柄は予め版胴１に製版されて
いて、インキングローラ５によって版胴１の面に付着さ
れたインキ１０は、版胴１およびブランケットシリンダ
２の矢印方向の回転につれて、ブランケットシリンダ２
のプランケラ）２ａの面に第２図に示すように移される
。

一方、ブランケットシリンダ２の回転につれその凸版８
の部分に対向接触する版胴１の面部分は、ベタ版または
必要に応じて無地網板としておくことによって、版胴１
とブランケットシリンダ２の凸版８の表面の対向接触時
に、版胴１の面から凸版８の面にインキが転移される。

このようにして、ブランケット２ａの面および凸版８の
面にインキが移されたブランケットシリンダ２は、それ
と圧胴３との間に公知の態様で送り込まれる紙葉Ｓの面
にインキを転移する。

このようにして、紙葉面に、通常のオフセット印刷によ
りカレンダーの主要部が、また凸版８により会社、商店
などの表示を含む付帯部が同時に印刷されることになる
。

このようにして、主要部および付帯部の印刷を受けた紙
葉は紙送りシリンダ４を経て公知のように先に送られる
。

なお、付帯部を単色印刷する場合はたとえば黒インキを
刷るユニットＤのブランケットシリンダにのみ凸版を設
けて行なうことになるが、多色印刷の場合には、以上に
述べたとまったく同じ原理で働く４色の印刷機ユニット
Ａ、Ｂ、Ｃ，Ｄをすべて通過した段階で印刷が完了する
。

この場合には、特に、すべての印刷機ユニットのブラン
ケットシリンダに設けられる凸版の見当合せを十分に行
って色ずれの発生を防ぐことが重要となる。

以上には主としてカレンダーの場合について説明をした
が、カレンダーに限らず、図柄が変わらないで大量に印
刷される主要部と、小部数ごとに印刷内容の変わる付帯
部とからなるすべての印刷物の印刷のために本考案の印
刷機を使用できることは明らかである。

本考案によれば、普通の輪転印刷機に別の設備を付加す
ることなく、単にブランケットシリンダのブランケット
を切除して凹部を設け、その凹部内に凸版を着脱自在に
固定するとともに、版胴面の一部をベタ版または無地網
版にするのみで付帯部の印刷が同時に可能になるから、
既設の印刷機を簡単に改造することができ、しがもその
コストはきわめて低廉であるという利点が得られる。

また、本考案では、付帯部の印刷は凸版の表面と被印刷
シート面との直接接触によりなされるため、印刷された
付帯部は鮮明である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の印刷機の一例を示す全体図、第２図は
第１図の一部の拡大図、第３図は第２図に示すブランケ
ットシリンダの斜視図である。 １・・・・・・版胴、２・・・・・・ブランケットシリ
ンダ、３・・・・・・圧胴、４・・・・・・紙送りシリ
ンダ、２ａ・・・・・・ブランケット、７・・・・・・
凹部、８・・・・・・凸版。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 版胴、ブランケットシリンダおよび圧胴を備える輪転印
   刷機において、ブランケットシリンダのブランケットの
   一部を切除して凹部を形成し、この凹部内に、ブランケ
   ットの表面と実質的に同一の円筒面内にある表面を有す
   る凸版を着脱自在に取付け、凸版に対向接触する版胴の
   表面部分はベタ版または無地網板としたことを特徴とす
   る輪転印刷機。