JPS586503B2 - バイシツトウセキソウチ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、媒質中に存在する汚染物質を除去すべくこの
汚染物質を半透性ダイヤフラムを通して精製媒質中に特
に精製液中に拡散させることを特徴とする媒質精製用、
特に血液精製用透析装置に係る。

半透性ダイヤフラムを使用する透析装置は、しばしば通
路システムを備えた一連の円板状部材を有する。

１対の半透性ダイヤフラムが各対の円板状部材間に備え
られており、その結果、締付手段または同効部材により
保持される積層体中に部材が配置されると通路システム
を備えた部材の側面とこれらのダイヤフラムが係合する
。

前記の如き型式の透析装置に於て、円板状部材の全部分
に沿って血液を均等に分散して流動させることが困難で
あることがわかった。

すなわち、ダイヤフラムは、通路システムの或る部分で
は通路内に比較的深く伸長するにもかかわらず通路シス
テムの他の部分では実質的により浅く伸長する傾向を有
する。

更に、ダイヤフラムの一部分は１個の部材の通路システ
ム内に深く突出するのに対し、隣接するダイヤフラムの
対向部分は実質的により少なくまたは極めて僅かしか隣
接部材の通路システム内に突出しないというような状態
になるのを防止するのは、非常に困難である。

この結果、血液と精製液とを通過させる通路の深度が常
に変化しており、従って通路システムの或る部分に於て
全く通過が行なわれず、精製効果を損ない且つ或る場合
には血液凝固を招くという危険が存在する。

前記透析装置に関するもう１つの欠点は、ダイヤフラム
間の通過部分の容量を所要の正確さで決定することが困
難であり且つ殆んど不可能であることに存する。

これは概算により得られた値よりも容量が実質的に大き
くこの結果血液残留値が大きく処理後透析装置内に血液
の１部が残存することがあるという意味である。

本発明の目的は、これらの欠点を除去し、血液の通過容
量をより正確に決定することが可能であり且つ構成部材
が小型でありかつ、その形状が簡単であることを特徴と
する透析装置を提供することである。

本発明の透析装置は、特許請求の範囲に開示されている
。

添附図面を参照しながら本発明を下記に更に詳細に説明
する。

本発明によれば、透析装置内に含まれる２種のプレート
の内の１つはプレート１から成り、精製作用を実施する
該プレート１の作動面２は完全に平坦である。

更に、プレート１は、好ましくは精製すべき媒質（通常
血液）を供給する通路システム３をその対向平坦両端部
に備えており且つ精製された媒質（血液）を排出する通
路システム（図示せず）を備えている。

各通路システム３は、プレート１を貫通する孔４と、プ
レート１の片面に沿って伸長している主通路５と、プレ
ート１を貫通する分岐通路６と、プレート１の第２面に
沿って伸長している分岐通路７と、プレート１を貫通し
ている圧力平衝孔８と、プレートの両面に設けられてお
り且つプレート１の各面の分配チャンネル１０に開く分
配通路９とから構成されている。

精製媒質（透析液）を流動させるためにプレート１の両
端部に２個の貫通孔１ａが設けられている。

プレート１はステンレス鋼またはプラスチック材のよう
な材料製であり且つ該材料に細菌が付着していないこと
が好ましい。

更に、本発明の透析装置は第２の型式のプレート１１を
有する。

該プレートは少くともその片面に通路システム１２を備
えており、この通路システム１２内に突起により通路１
４が形成されている。

突起は円筒状ピン１３から構成されるのが好ましく、該
ピンは並んで配置されて媒質が実質的に流動する方向と
交叉する列を形成する。

ピンの間を流れる媒質に、主流の方向に対して種々の方
向にある支流を与える目的で、各列のピン１３を次列の
ピンに対して偏位させておくのが好ましい。

更に、各プレート１１は精製媒質（透析液）を供給すべ
くその１つの平坦端部に２個の通路システム１５を備え
ており、更に、精製媒質（汚染透析液）を排出すべく対
向平坦端部に２個の通路システム（図示せず）を備えて
いる。

各通路システム１５は、プレート１１を貫通する孔１６
と、プレート１１の片面の分岐通路１７と、プレート１
１を貫通する孔１８と、プレート１１のもう１方の面の
分岐通路１９と、プレート１１を貫通する圧力平衝孔２
０と、プレート１１の各面に設けられており且つ通路シ
ステムの幅に沿って精製媒質を分配する分配チャンネル
２２に開く分岐通路２１とから構成されている。

更に、プレート１１はその平坦端部に精製される媒質（
血液）用貫通孔２３を備えており、また外側に伸長する
端部フランジ２４を有している。

透析装置を組立てるために、好ましくはプレートの片面
のみに通路システム１２を備えたプレート１１を（この
ような形状が第７図に示されている）最下位に配置しそ
の上にダイヤフラム２５を配置し、その結果該ダイヤフ
ラムが通路システム１２を被覆し、プレート１１の平坦
部分が通路システムを囲繞し、好ましくは端部フランジ
２４の外側に突出する。

プレート１をダイヤフラム２５の上に配置するのである
が該プレートはプレート１１の端部フランジ２４の間に
嵌め込まれる大きさに形成されている。

第２番目のダイヤフラム２５をプレート１の上に配置し
、その上に両面に通路システム１２を備えたプレート１
１を配置する。

次に第３のダイヤフラム２５をプレート１上に取付け、
第４以後のダイヤフラム２５も同様に取付けていき、結
局、中間にダイヤフラムを介在させているプレート１，
１１の積層体を、片面のみに通路システム１２を備えた
プレート１１で完成する。

この積層体を、所定の押圧力で該積層体のプレートを保
持すべく締付けることが可能な少くとも１個の締付手段
（図示せず）を有する包囲装置（図示せず）内に配置す
る。

プレート１１の突起は円錐形であるのが好ましく、更に
積層体の締付けによりダイヤフラム越しに押圧されると
円錐が截頭されるような材料によりプレート１１を形成
するのが好ましい。

円錐があらかじめやや円錐台形に形成されている場合、
截頭部分が締付け作用により増加し得る。

突起のこのような変形により、すべての突起がプレート
１の作動面と係合するダイヤフラムを点によって押圧す
る。

積層体締付後、血液と精製液との給配および排出用通路
を開くのであるが、これはダイヤフラム２５に穿孔して
行なわれる。

穿孔用具（図示せず）は、それぞれプレートの孔１６．
１ａ，２３．４を通る斜めに切断された端部エツジを備
えた管状部品から成るのが好ましく、これにより中間に
配置されているダイヤフラム２５に孔が形成される。

血液供給管路（図示せず）は、孔２３，４およびこれに
対応するダイヤフラム２５の孔により形成される通路に
接続しており、その結果血液は通路システム３から流入
し作動面２に沿って流れ血液排出管路から流出する。

精製液供給用供給管路（図示せず）は、孔１６．１ａお
よびこれに対応するダイヤフラム２５の孔に接続してお
り、精製液を通路システム１５から通路システム１２と
プレート１１の他端の通路システムとへ流し精製液排出
管路（図示せず）から流出させる。

本発明に従った前記に例示の具体例に於て、ダイヤフラ
ムはプレート１１の突起であるピン１３によりプレート
１の平坦作動面に固着される。

固着がいくつかの点に於て行なわれており、これらの点
間では、ダイヤフラム２５の屈曲性と張力とにより、突
起であるピン１３の間の通路１４内にダイヤフラムがく
ぼみ得る。

これらの事実に基いて、通路システム全体を通じてダイ
ヤフラムを正確に同量ずつくぼませてプレート１の作動
面２に接した血液流路２６を形成し血液の流動範囲全体
を正確に決定することが可能である。

同時に透析液用通路２７がプレート１１の通路１４の残
余部分に形成される。

従って、本発明のすぐれた特徴はプレートの一方が少く
とも１つの平坦作動面を有しており、この作動面とダイ
ヤフラムとの間に流動通路が形成されるという事実に存
する。

この結果血液残留値を減少させることが可能であり、処
理中の血液凝固の回避が可能であり、且つ、処理後、透
析装置中の血液残留が回避される。

更に、各プレート透析装置の補助部品として、相互間の
突起の間隔および／または高さが他のプレート１１の突
起の間隔および／または高さと異っているプレート１１
を少くとも１種類有することが可能である。

このようにして、プレート１の使用を継続しながら透析
装置の流動容量を変更し得る。

ダイヤフラム２５の組立および／または締付けを容易に
するために、すべてのプレートまたはプレートのうちの
あるものが切欠隅部または凸状に彎曲した隅部または凹
部を備えた隅部２８を備えており、同時にダイヤフラム
２５が前記のような隅部分を備えたプレートの切欠、凸
状彎曲または凹部の外部に突出する寸法を有するように
形成してもよく、その結果、プレートを相対位置に取付
ける場の取扱いが容易である。

前記に例示の具体例は、特許請求の範囲の範囲内で変更
可能である。

従って、被精製媒質（血液）をダイヤフラム２５とプレ
ート１１との間に供給し且つ精製媒質（透析液）をダイ
ヤフラム２５とプレート１との間に供給してもよい。

プレート１１の突起が伸長されたリブから構成されても
よく、該リブは相互に平行でありダイヤフラム２５とプ
レート１１との間に透析液用または血液用の伸長した直
線通路を形成する。

また、プレート１，１１のどちらかまたは両方が、隣接
するダイヤフラム２５越しに隣りのプレートの平坦部分
と係合する長手方向に延びる突出部を備えていてもよい
。

突出部は通路システム１２および／または作動面２の周
囲に備えられるのが好ましく、前記積層体を締付けると
偏平になるように形成されていてもよい。

これに代り、隣接プレートの溝に嵌入するように突出部
を設けてもよい。

この突出部は、ダイヤフラム２５により形成される通路
システムの端部を限定する目的で備えられている。

これに代り通路システムの端部の限定をプレート１１の
該通路システム１２のすぐそばに突出部２９を設けるこ
とにより達成してもよく、この突出部２９の外面はプレ
ート１１の通路システム１２の外側の凹部３０により形
成される。

これにより、プレートが相互に押圧して保持されると通
路システムが十分なシールを得る。

最後に、ダイヤフラム２５を少くとも片方のプレートを
囲繞する形状に形成してもよく、例えば各ダイヤフラム
を内部に１枚のプレート（プレート１であるのが好まし
い）を挿入し得る袋として形成してもよい。

上述のごとく、本発明の透析装置によれば、プレートに
設けられた突起によってダイヤフラムの支持が、均等に
行われる為、流路の容量を正確に決定し得るとともに、
ダイヤフラムは平坦作動面に向ってはり出して固定され
る為、液体との接触面積を空間に対して最大限に大きく
なし得、透析効果が大きい。

又、装置の組立てにあたって、プレート間でわずかの位
置ズレが生じたとしても、一方のプレートは平担作動面
をなしている為、流路の断面積に影響を与えたりするこ
とはない。

そして、血液の流路が平担作動面とダイヤフラムとの間
に形成される為血液の残留が回避され得る。

さらには、端部フランジを有している為、組立てが非常
に容易であり、又、第１プレートは平担作動面を有して
おればよい為、薄板化が可能となり、従来からの注目点
であった、“装置の小型化”が達成され得る。

人工腎臓を簡略化し、体内に装置するまでには至らずと
も、体外に簡単に取り付け、そのまま日常生活が可能で
あるようなものも、本発明の透析装置によれば夢ではな
い。

本発明の実施の態様を以下に要約する。

（１）ダイヤフラムが第１部材の平坦作動面と共に被精
製媒質用通路を形成し且つ第２部材の作動面と共に精製
媒質用通路を形成することを特徴とする特許請求の範囲
に記載の装置。

（２）第２部材の突起が円筒状ピンとして形成されてお
り、これらのピンが媒質の実質的な流動方向と交叉方向
にある列として並んで配置されており一つの列のピンが
次列のピンに対して偏位しておりその結果ピン間を流れ
る媒質が主流の方向に対し種々の方向をなす支流を与え
られることを特徴とする特許請求の範囲または前項（１
）のいずれかに記載の装置。

（３）第２部材の突起が相互に平行な伸長リブとして形
成されていることを特徴とする特許請求の範囲または前
項（１）のいずれかに記載の装置。

（４）少くとも１個の第１部材を２個の第２部材間に配
置すると、第２部材の作動面が通路システムを囲繞する
平坦面を有しており且つ第１部材がダイヤフラムを介し
てこれらの平担面と係合すべき大きさに形成されている
ことを特徴とする特許請求の範囲または前項のいずれか
に記載の装置。

（５）第１部材または第２部材のいづれかが通路システ
ムを囲繞する面に突出部を備えており、前記ビームは中
間にダイヤフラムを介在させて隣接部材の対向平担面と
係合すべく配置されていることを特徴とする前項（４）
に記載の装置。

（６）第１部材が第２部材よりやや小さく、且つ第２部
材に対する第１部材の位置を決定し且つ第２部材に対し
て第１部材を固定する外側に伸長する端部フランジを備
えていることを特徴とする特許請求の範囲と前項のいず
れかに記載の装置。

（７）中間にダイヤフラムを備えた多数の第１部材と多
数の第２部材とを積層体として配置する場合、第１部材
がその対向両面に平担作動面を有しており且つ少くとも
第２部材のあるものがその対向両面に通路システムであ
る作動面を備えていることを特徴とする特許請求の範囲
と前項のいずれかに記載の装置。

（８）好ましくは所定の張力を挿入して中間にダイヤフ
ラムを介在させている第１部材と第２部材との積層体を
締付ける包囲装置を有することを特徴とする前項（７）
に記載の装置。

（９）各作動面の突起が相互に対して所定の間隔および
／または所定の高さを有する少くとも１個の第２部材を
有しており、且つまた、各作動面の突起が相互に対して
前記第２部材と異る所定の間隔および／または高さを有
する少くとも１個の前記第２部材と異る第２部材を有し
ており、その結果、１個の第２部材をもう１個の第２部
材と交換することにより媒質移動通路の容量を変化し得
ることを特徴とする特許請求の範囲と前項とのいずれか
に記載の装置。

（１０）第１部材と第２部材とがダイヤフラムを介して
相互に押圧されると少くとも突起の端部が変形可能であ
るような材料から１個または多数の第２部材が形成され
ていることを特徴とする特許請求の範囲と前項とのいず
れかに記載の装置。

（１１）部材（第１部材および／または第２部材）の端
部が少くとも１個の凹部を備えており、且つ部材（第１
部材または第２部材）のいづれかをダイヤフラム越しに
もう１方の部材に重ねて配置する時にダイヤフラムを引
き伸ばしおよび／または方向づける目的で好ましくはダ
イヤフラムの隅部分がこの凹部内部に突入するようにダ
イヤフラムが形成されていることを特徴とする特許請求
の範囲と前項のいずれかに記載の装置。

【図面の簡単な説明】

第１図は透析装置に含まれる透析プレートの第１具体例
の端部平面図、第２図は第１図の透析プレートの■−■
線断面図、第３図は第１図の透析プレートの■−■線断
面図、第４図は透析装置に含まれる透析プレートの第２
具体例の端部平面図、第５図は第４図の透析プレートの
■−■線断面図、第６図は第４図の透析プレートの■−
■線断面図、第７図は第１図および第４図の透析プレー
トから構成される透析装置の一部の断面図である。 １・・・・・・プレート、２・・・・・・作動面、３・
・・・・・通路システム、４・・・・・・孔、５・・・
・・・主通路、６，７・・・・・・分岐通路、８・・・
・・・孔、９・・・・・・分配通路、１０・・・・・・
分配チャンネル、１１・・・・・・プレート、１２・・
・・・・通路システム、１３・・・・・・ピン、１４・
・・・・・通路、１５・・・通路システム、１６・・・
・・・孔、１７・・・・・・分岐通路、１８・・・・・
・孔、１９・・・・・・分岐通路、２０・・・・・・孔
、２１・・・・・・分岐通路、２２・・・・・・分配チ
ャンネル、２３・・・・・・孔、２４・・・・・・フラ
ンジ、２５・・・・・・ダイヤフラム、２６・・・・・
・血液流路、２７・・・・・・透析液用通路、２８・・
・・・・隅部、２９・・・・・・突出部、３０・・・・
・・凹部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 少なくとも１つの主面が平坦面である少なくとも１
   つの第１プレートと、 この第１プレートの前記平坦面に対向して配置されてお
   り、複数個の突起を有してなる非平坦面を有する少なく
   とも１つの第２プレートと、前記第１プレートの平坦面
   と第２プレートの非平坦面との間でこれらを互いに分離
   すべく配置された可撓性ダイヤフラムとから構成されて
   おり、前記ダイヤフラムは、前記平坦面との間に、第１
   の流路を形成すると共に、前記突起を有する非平坦面と
   の間に第２の流路を形成すべく、前記第２プレートの突
   起間で湾曲されて、前記第１プレートの平坦面に突起に
   より保持されており、第２プレートに対する第１プレー
   トの位置を決定し固定すべく、第２プレートが周端部フ
   ランジを有しており、この周端部フランジと前記非平坦
   面とによって規定される凹部内に、前記ダイヤフラムで
   覆われた第１プレートが受容されていることを特徴とす
   る透析装置。