JPS586412B2 - アツデンシンドウシ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はＨ形に成形された圧電振動子に関し、特にその
各電極をＦ波器の入出力端子とするときこれら端子の選
択、組み替えによって圧電振動子の呈するＰ波器として
のろ波特性を有極にも無極にもなし得る電極配置構造に
関する。

長さ方向に伸縮振動する二個の水晶による共振子をその
長さ方向中央部で同一材料で連結して構成したＨ形水晶
圧電振動子において各共振子に施しだ表裏両面の電極を
それぞれ入力端子、出力端子として四端子のろ波器を構
成し得ること、および一方の共振子の表面（または裏面
）電極と他方の共振子の裏面（または表面）電極間にコ
ンデンサを接続してそれぞれを入出力端子とし、他の二
端子は短絡した共通端子として有極減衰特性を与え得る
ことは特公昭３７−１８５０１に述べられている。

所で有極特性の実現のためにコンデンサを要することは
回路的に煩雑であり、特に高い保証減衰量を得るだめに
上記振動子を複数個使用する場合、それぞれにコンデン
サを要することはこノ煩雑さを助長させる。

本発明の第一の目的は上記先行技術に対しコンデンサ等
の何ら外附の回路素子なしに有極化し得る電極構造に関
し、より効果的な第２の目的はＰ波器としての入力およ
び出力端子の適当な選択、組み替えのみによって同一の
振動子の呈するｐ波特性を有極にも無極にもなし得るも
のであり、更に第３にはこの種振動子を多段に接続して
高い保証減衰量のろ波器を構成しようとするとき、振動
子の構造には何らの変化をも与えずに単に各振動子の電
極間の相互接続関係の調整によって各段の振動子の持つ
ろ波特性を有極あるいは無極にと適切に配置し、所望の
周波数範囲にわたって少数の振動子によって所望の保証
減衰量を与えるようにするもので、組立実装作業を単純
にし、また部品の標準化に優れた振動子を提供するもの
である。

第１図は本発明に係る第１の実施例の斜視図でこれを矢
印Ａの方向より見た側面図を第２図に示す。

第６図は第２の実施例の平面図である。二個の長さ方向
に伸縮振動する圧電共振子２，３をそれぞれの長さ方向
の中央部で共振子と同一素材１同一厚さの結合部４によ
って機械的に結合したＨ形構造になり、各共振子の表裏
両面にそれぞれ電極５，６および７，８を施し、結合部
４の表裏面については一方の共振子、例・えば３の表面
電極７（または裏面電極８）が表面（または裏面）に伸
延し、他方の共振子２の裏面電極６（または表面電極５
）が裏面（または表面）に伸延していて、両共振子の表
面電極５，７および裏面電極６，８同志間は結合部ある
いは結合部近傍の共振千部の表面および裏面で無電極部
９，１０で分離されていて、伸延している表裏両面の電
極７，６が平面的に重畳部１１を有する電極配置構造に
なっている。

上記のごとき電極配置構造を持つＨ形構造の振動子の効
果をＰ波器動作時の各電極面とＰ波器端子との接続関係
およびＦ波特性より説明する。

第２図はＰ波器動作時の接続関係をも示す。

第２図ａは表裏面の伸延した電極７，６を短絡の共通端
子１３．１４に、残る表面電極５を入力端子１２に、裏
面電極８を出力端子１５に接続している。

このとき入力側の電極５と出力側電極８ぱ表裏の伸延電
極７および６によって静電的に遮蔽されてこの間の浮遊
容量は著しるしく低減され、Ｐ波特性は第３図実線ａの
無極特性となる。

一方第２図ｂのごとくａに対して入力側の両端子、また
出力側の両端子をそれぞれに交換し、電極５，８を短絡
共通端子１３．１４に伸延電極６，７を入力および出力
端子に接続すると、伸延電極６と７で挟まれた重畳部１
１は電気的に入出力端子間に介在する結合コンデンサと
して作用し、この結果ろ波特性は第３図点線ｂのごとく
両阻止域に各１個の減衰極を持つ有極特性となる。

第２図ａとｂの接続対比関係は今第４図の実装を想定し
、外部端子１３．１４が短絡共通端子、１２が入力端子
，１３が出力端子と予め指定されていて、これら外部端
子と振動子の各電極との接続が図示のごときばね支持体
による場合、振動子をばね支持体に挿入する仕方によっ
て第゛２図ａの接続にもｂの接続にもなり得るのである
。

例えば第２図ａの接続とするには第４図ａの振動子位置
からばね支持体内に挿入するようにすればよく同様に第
２図ｂの接続には第４図ｂの位置から挿入すればよい。

第２図ａの接続から第２図ｂの接続への変更は支持体か
ら取り出した第４図ａの位置関係にある振動子を光の表
面内で一旦１８０°回転すれば同図ｂの位置関係になる
ので、ここで再度支持体内に挿入すればよい。

従って有極、無極の特性の実現は単なるばね支持体への
振動子の挿入の仕方により、外部端子の接続変更も、ま
たコンデンサの着脱も全く不要になる。

ろ波器動作としての有極、無極の特性変更を外部端子と
の接続変更、特に上記したように予め指定された外部端
子としてのばね支持体への挿入変更だけでなし得ること
は振動子の多段縦続接続時に大きな効果となって現われ
る。

第５図は４段接続の例で、先ず振動子の各外部支持端子
（例えばばね支持体）と段間の結合コンデンサの接続を
行ない、後振動子の挿入を所望の減衰特性との関連に応
じ適宜有極、無極として構成している。

このとき所望特性に変更が生じても実装上では何らの回
路的変更を要しない点に大きな長所が認められる。

所望特性を実現する一過程は例えば先ず各段とも無極特
性としておき、通過域近傍の減衰特性に注意しながら適
当段目を有極特性に組み替え、以下順次所望の特性にな
るまで必要個数だけ有極特性に組み替える。

このように特性の調整を全く容易に行ない得るのも本発
明の構造によってもたらされたものである。

以上の説明では第１図の実施例に終始し、暗々裏に無電
極部は結合部にあるとしているが有極時の減衰極をより
通過域の近傍に置きたい場合は結合コンデンサとして作
用する領域の面積を広く取ることを要し、この場合無電
極部９を第６図に示すように結合部近傍の共振子部内に
設けることが望ましい。

この場合もその動作と効果は既に説明した所と何ら相違
はなく、第５図のごとき電極配置も勿論本発明に包含さ
れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る圧電振動子の斜視図、第２図は第
１図を矢印Ａの方向より見た側面図と接続関係図、第６
図は他の実施例の平面図を示し、２および３は圧電共振
子、５，６および７，８は電極、４は結合部、９および
１０は無電極部、１１は重畳部、１２，１３および１４
，１５は外部端子である。 第３図はろ波特性を示す図で、実線ａは第２図ａの接続
による無極特性を、点線ｂは第２図ｂの接続による有極
特性を示す。 第４図はろ波器実装時の一実施例であり、第５図は本振
動子を用いて多段に縦続接続したろ波器回路構成例であ
る。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 二個の長さ方向に伸縮振動する圧電共振子を長さ方
   向の中央部で前記共振子と同一素材同一厚さの結合部に
   よって機械的に結合し、前記各共振子の表裏両面にそれ
   ぞれ電極を施し、前記結合部の表裏面については一方の
   共振子の表面電極が表面に伸延し、他方の共振子の裏面
   電極が裏面に伸延していて、両共振子の表面電極および
   裏面電極同志間は前記結合部あるいは前記結合部近傍の
   共振子部の表面および裏面で無電極部で分離されていて
   、伸延している表裏両面の電極が平面的に重畳部を有す
   るように構成したことを特徴とする圧電振動子。