JPS5857398B2 - リユウジヨウフクゴウヒリヨウノセイゾウホウホウ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は粒状複合肥料の製造方法に関するものであり、
詳しくは水中施肥時に浮上現象を起さない粒状複合肥料
の製造方法に関するものである。

粒状複合肥料は所望の肥料成分を適切な割合で含有する
ので単記に比し施用上便利であり、また省力化、取扱い
の点でも賞用されている。

粒状複合肥料は通常、燐鉱石を酸、例えば硫酸、硝酸等
で分解し、得られる湿式燐酸水溶液をアンモニアで処理
して燐安スラリーとなし、これに硫安、尿素等の窒素肥
料成分、更に塩化カリその他所要の肥料成分を添加混合
し、造粒乾燥することによって製造されている。

このようにして製造された粒状複合肥料は、肥効の点で
は問題ないが、これを例えば水田に施用した場合に、肥
料粒子からの可溶成分の溶出に伴いしばしば不溶解残渣
が粒状を保ったまま水面に浮上する現象を呈し、これが
ため使用者に肥効面での不安感を与え商品価値を低下さ
せている。

この水面浮上現象が生起する理由については必らずしも
詳らかではないが、燐鉱石に由来して燐安中に含有され
る各種の不純物例えば鉄、アルミニウム化合物等が肥料
の造粒、乾燥等の過程で肥料粒子の表面に水に難溶性の
殻を形成し、これが水中に於いて可溶性肥料成分の溶解
後、気泡を内部に封じ込めることにより粒子の見掛比重
が水よりも軽くなることによるものと考えられている。

しかして、従来より粒状複合肥料の水面浮上現象を防止
するために種々の方法が提案されているが、未だ満足な
方法は見い出されていない。

本発明者等は上記実情に鑑み鋭意検討した結果、乾燥し
て得られた粒状複合肥料に少量の水を添加して再乾燥す
れば水面浮上防止に極めて効果的であるという知見を得
、本発明の完成に到ったのである。

すなわち、本発明の要旨は湿式燐酸をアンモニアで中和
し、これを他の肥料成分とともに混合造粒したのち乾燥
して得られた粒状複合肥料に少量の水を添加したのち再
乾燥することを特徴とする粒状複合肥料の製造方法に存
する。

本発明の詳細な説明するに、本発明の粒状複合肥料の主
たる肥料成分である燐安は、燐鉱石を酸、例えば硫酸、
硫酸−燐酸の混酸、もしくは硝酸で分解し、副生ずる塩
を除去することによって得られる通常２５〜３２φ（Ｐ
２０５換算、以下同じ）の湿式燐酸液、或いはこれを任
意の濃度例えば４０〜５２φ程度に濃縮したものに所要
量のアンモニアをカロえ第二燐安又は第一燐安もしくは
これらの適当な混合物を含むスラリーとして得られる。

アンモニアの量比は、所望の複合肥料銘柄に基ずいて決
定される。

このようにして得られた燐安スラリーは次いで所望の他
の肥料成分と混合、造粒したのち乾燥される。

他の肥料成分としては、硫安、尿素、硝安等の窒素肥料
成分、塩化カリ、硫酸カリ等のカリ肥料成分等が挙げら
れ、これらの肥料成分は造粒に適する大きさに粉砕され
た後銘柄に従って決定される量比で燐安スラリーと共に
造粒機に装入され、適量の造粒用水の存在下に混合、造
粒される。

造粒機としては皿型又は回転式等の公知の造粒機が使用
される。

造粒機から出た造粒物は通常３〜６重量多の含水率であ
り、次いで公知の方法、例えば回転式乾燥機に装入し、
２００〜３００’Ｃ程度の熱風で処理して含水率が０．
５〜１．０重量φ程度になるまで乾燥される。

本発明に於いては、このようにして得られた乾燥後の粒
状複合肥料に少量の水を添加した後、再乾燥を行って水
面浮上現象を起さない粒状複合肥料を得るものである。

水の添カロは上記の乾燥後ならどの時点でもよいが、乾
燥直後の温たかい粒状複合肥料に添加するのが好ましい
。

また、肥料の使用時の直前に本処理を施してもよい。

この水の添加量はあまり少量では十分な効果が得られず
、また必要以上の添加は経済的に有利でないので、通常
は粒状複合肥料に対して０．５〜４．０重量宏好ましく
は１．０〜３．０重量饅の範囲から選らばれる。

水の添加方法としては特に限定されるものではないが、
粒状複合肥料の表面に均一に添加する必要があり、通常
は粒状複合肥料を転動させながら、水を噴霧添加する方
法によって行なわれる。

表面に水を添カ目された肥料は次いで公知の方法に従っ
て再乾燥されるが、該乾燥は特に高温で実施する必要は
なく通常は８０〜２００’Ｃ１好ましくは１００〜１５
０℃の熱風を用いて実施される。

再乾燥して得られた含水量０．５重量係の粒状複合肥料
は粒径１〜５ｍｍ程度に篩分けして製品化され、粗粒物
は粉砕され、微粉とともに造粒機へ循環される。

しかして、上記の方法に従って粒状複合肥料の表面に少
量の水を添加し次いで再乾燥することによって水面浮上
現象が防止できる理由については、該再乾燥によって粒
状複合肥料の表両に機械的ひずみがかかり水面浮上の原
因となる表面の殻が破壊されるため水面浮上現象が防止
できるものと推測される。

次に本発明を実施例に従って更に詳細に説明するＯ 実施例 Ｎｌ ５−Ｐｉ ２−Ｋｌ ５を含有する燐安系粒状複
合肥料を製造しうるように各原単位を定め、湿式燐酸を
アンモニアで処理して得られた１燐安の２０％スラリー
を造粒機内へ導き、硫安、尿素、塩化カリと混合しつつ
造粒した。

造粒物を同転乾燥機内へ導き約２５０°Ｃの熱風と並流
接触させて含水率約０．５重量優の燐安系粒状複合肥料
を得た。

こうして得られた複合肥料に種種の割合で少量の水を添
加した後回転乾燥機内へ導き約１００’Ｃの熱風と並流
接触させて含水率約０．５重量多迄再乾燥した。

次いで篩分けしたのち粒径１〜４ｍの製品を得、これに
ついて浮上の状態を調べ第１表に示す結果を得た。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 湿式燐酸をアンモニアで中和し、これを他の肥料成
   分とともに混合造粒したのち乾燥して得られた粒状複合
   肥料に少量の水を添加したのち再乾燥することを特徴と
   する粒状複合肥料の製造方法。