JPS5854696Y2 - ゴムの反発弾性試験装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、ゴムの反発弾性試験装置の改良に関するも
ので、詳しくは、上記試験機の試験片支持装置と温度可
変ユニットとの組合せからなる上記試験装置によって、
試験片の保持雰囲気を低温から高温の広範囲に容易に所
要の温度状態に正確に保持する事が出来、且つ打撃試験
に好適な不動状態に保持出来る使用状態時の特性解明を
可能とする装置を日差したものである。

従来この種の試験装置は、ＪＩＳ規格に記載のとおり、
加硫ゴムの減衰の大小を知る一つの方法であッテ、試験
片の厚さ１２．７０±Ｑ、１３ｍｍ、直径２９．９ｍｍ
の直円柱形の加硫ゴムを、支持装置によって一定の押し
付は圧力にて支持し、これに、４本のつり糸によって水
平に懸垂された鉄棒の指針を目盛板の目盛１００の位置
に合わせ、この位置から自由落下させ、反発したときの
高さく最高高さ）の目盛を読み取り、その平均値を反発
弾性％値とするものであり、鉄棒は丸棒で、長さ約３５
６ ｍｍ、直径１２．７ｍｍ、質量３５０ｇ、その打撃
端は直径１２．７ｍｍの半球形、他端は鉛直に指針を付
しているものである。

このような従来の試験器は、すべて常温状態における特
性しか測定出来なかったため、ゴムの様な温度条件によ
ってその特性に大きく影響する物質においては、実際の
使用条件と大きく相違するものである。

また、従来、試験機としての適正な温度条件を得る装置
としては不充分であった。

因って、考案者らは、使用状態時におけるゴムの挙動の
探究のため、試験片の保持雰囲気を任意の温度条件下に
セット出来るような、電子熱交換器からなる温度可変ユ
ニットと試験片支持装置とからなるゴムの反発弾性試験
装置を案出したものである。

この支持装置の温度可変領域は、電子熱交換器を利用し
て一４０℃〜１００℃（実際多く使用される範囲は一２
０〜７０℃）とするものである。

なお、電子熱交換器からなる温度可変ユニットを用いる
事によって、熱電素子に通す電流の方向を変えるだけで
、低温から高温の温度調節が容易に得られ、試験片の温
度管理が容易である。

もち論、非常に低い温度または高い温度の場合は、支持
装置の全体を断熱材にて包囲する必要がある。

このような熱電素子による温度可変ユニットと試験片の
支持装置によって、ゴムの試験環境が広範囲に得られる
ため、たとえば、自動車タイヤのような場合、実際の走
行条件に近い状態の環境条件が得られ、使用時のゴムの
挙動の解明に大きく寄与する事が出来たものである。

次に、このゴムの反発弾性試験装置、すなわち、ゴムの
反発弾性試験機の試験片支持装置と温度可変ユニットに
ついて、例示の図面に基づいてその態様を説明する。

第１図は、試験片支持装置の正面図であり、第２図は試
験片の支持装置に付設される電子熱交換器からなる温度
可変ユニットの側面図の概要を示したものである。

図において、ＴｖＵは第２図に示す温度可変ユニットで
、第１図の試験片支持装置ＳＥに付設されるものであり
、１はゴムの反発弾性試験機全体の架台、２は保熱板、
３は電子熱交換器取付は台、ＥＨＥは、電子熱交換器、
４は熱電素子で、試験片を加熱または冷却する温度保持
板に挿入される。

５は温度検出器、６，７は試験片支持装置ＳＥの支持台
、７Ｓは支持台７内を前後に可動する位置調整ねし、９
は連結軸で、連結板１６と位置調整ねじ７Ｓとを連結す
るもので、位置調整ねじ７Ｓが所定の位置に調整された
後、ナツト８で連結軸は固定される。

また、１０は位置調整ねじ７Ｓの位置が決定した時に、
その位置を保持するためのロックナツトである。

なお、連結板１６は、試験片を挟持する後部押え板１５
ａに固定されているため、所定の位置に調整された後
は、上記のようにロックナラ） １０およびナツト８に
て不動状態に強固に固定されるものである。

従って、試験時に鉄棒の打撃によって振動等のゴムの特
性以外の減衰誘因を生起するおそれは全く解消されてい
るものである。

また、試験片の取付は取外しは、位置調整ねじ７Ｓを回
転することによって、後部押え板１５ａは前後に可動す
る事が出来るため容易に行なわれ、る。

また、試験片を挾持する前部押え板１５ｂと後部押え板
１５ａとは案内棒１２とスプリング１３とによって連結
される。

後部押え板１５ ａ上には、後部温度保持板１７が断熱
材１１にて包囲されて固定され、同じく、前部押え板１
５ｂには、前記温度保持板１８が断熱材１１にて包囲さ
れて固定される。

その他、熱の伝導を防止するため、適宜に断熱板にて遮
断処理が考慮される事はもち論である。

前部と後部の温度保持板１８．１７には、熱電素子４が
挿入される差込み口１４が設けられ、また、後部温度保
持板１７には、温度検出器５の差込み口１９が設けられ
温度測定が行なわれる。

試験片ＴＰは、後部温度保持板１７と前部温度保持板１
８との間に挟持され、打撃用鉄棒２０にて反発弾性試験
が行なわれる。

２１は打撃鉄棒２０のつり糸である。

以上のとおり、この考案の試験片支持装置と温度可変ユ
ニットの組合せからなるゴムの反発弾性試験装置は、容
易に試験に好適な不動状態が得られると共に、試験片を
低温がら高温の広範囲において、容易に所要の温度状態
に保持する事が出来、また、温度の切換えが容易に迅速
に行なわれるため、試験片を所要の温度に正確に保持し
やすく、ゴム製品の実際の使用状態の環境条件を正確に
再現する事が出来、使用時のゴムの挙動の解明に大きく
寄与する事が出来るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案のゴムの反発弾性試験機の試験片支
持装置の正面図、第２図は、第１図の試験片支持装置に
組み合わせる温度可変ユニットの側面図である。 ＥＨＥ・・・・・・電子熱交換器、１・・・・・・架台
、４・・・・・・熱電素子、７・・・・・・支持台、７
Ｓ・・・・・・位置調整ねし、８・・・・・・ナツト、
９・・・・・・連結軸、１０・・・・・・ロックナツト
、１１・・・・・・断熱材、１２・・・・・・案内棒、
１３・・・・・・スプリング、１５ａ・・・・・・後部
押え板、１５ ｂ・・・・・・前部押え板、１６・・・
・・・連結板、１７・・・・・・後部温度保持板、１８
・・・・・・前部温度保持板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ゴム反発弾性試験機において、架台１上の支持台７に前
   後に可動する位置調整ねじ７Ｓを設け、試験片を挟持す
   るための後部押え板１５ ａには、連結板１６を固定し
   、連結板１６と位置調整ねじ７Ｓとは連結軸９にて固定
   出来るように構成し、位置調整ねじ７Ｓを所要の位置に
   設定後は、位置調整ねじ７Ｓをロックナツト１０で、連
   結板１６の連結軸９をナツト８で固定して、後部押え板
   １５ ａを不動状態とし、後部押え板１５ａと前部押え
   板１５ｂとは、案内棒１２とスプリング１３にて連結し
   、後部押え板１５ａには、後部温度保持板１７を断熱材
   １１にて包囲して固定し、前部押え板１５ｂには、前部
   温度保持板１８を断熱材１１にて包囲して固定し、試験
   片ＴＰを上記温度保持板間に挟持するようにし、上記温
   度保持板には、電子熱交換器ＥＨＥの熱電素子４をそれ
   ぞれ挿入して低温から高温におよび温度可変領域を形成
   し、試験片を所要の温度領域にて反発弾性試験を行なう
   ようにした事を特徴とするゴムの反発弾性試験装置。