JPS5851867B2 - 繊維束の収納方法及び装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は合成繊維等の連続した紡出糸条を収納缶に収納
する収納方法及び収納装置に関するものである。

合成繊維等の紡績加工用糸条、例えばポリエステルステ
ーブル用糸条の繊維束（以下トウという）を製造する場
合、連続したトウを収納缶に収納する方法はこれまでに
も幾つか提案されているが、製造するトウの大容量化ま
た高速化に伴って問題点が生じてきている。

例えばエゼクタ−と称する圧縮空気の吹込みで吸引力を
発生せしめる装置の下にフレキシブル管を取付けその先
端を回転させてトウを圧縮空気流と共に吐出し、静止し
た収納缶にトウを収納するコイラ一方式では、トウの太
デニール化、紡糸速度の高速化に伴いトウがフレキシブ
ル管壁に激しく接触するためトウの損傷が一段と多くな
り、かつフレキシブル管先端の回転を高速化させる必要
力ろトウに加えられ、る仮撚りが一段と多くなり単糸の
もつれ、乱れが目立つようになる。

また、トウを２個の歯車状ローラーで把持しながら送り
出し、下方で収納缶を前後左右に移動させなからトウを
収納する缶トラバース方式ではトウの大容量化、高速紡
糸化に伴い缶状容量を大きくする必要があるが、収納缶
内にトウが貯るに従い収納缶の慣性も大きくなるので、
缶往復運動の高速化に限界がある外、往復運動部分の構
造を強化する必要から装置も大型化し、工場内の占有床
面積が大きくなり機械配置上支障をきたすという問題が
ある。

かかる問題に対して、大容量、高速紡糸に適したトウ引
取り方法として、圧縮空気吹込みで発生する吸引力を利
用したエゼクタ−に振出管（以下円筒管という）を取付
け、該エゼクタ−吸込口附近を支点として、トウが缶内
に堆積するに伴い振幅が広がるように振子運動させ吸引
したトウを圧縮空気と共に吐出しながら前後に振り落し
、該エゼクタ−の下方に位置すると共に該エゼクタ−の
振子運動に直交して低速で前後運動する缶にトウを収納
する方法が提案されている（例えば特公昭４８−５６９
）。

この方法において、トウが缶内に堆積するに伴い振子運
動の振幅が広がるように制御する方法として、パンタグ
ラフ機構を利用して該振子運動の振幅を規制するリミッ
トスイッチの位置を広げていく方法が知られている。

ところが、リミットスイッチによって前記振子運動の振
幅を規制する方法はリミットスイッチの不感帯、作動遅
れによって不正確であると共に機械的機構をもつために
故障が多く装置の信頼性かうずいという欠点がある。

又、更に前記パンタグラフ機構を利用したものは、収納
缶の形状が変更された場合に収納初期時における前記振
子運動の振幅もしくは収納完了時における前記振子運動
の振幅を調整することは非常に複雑かつ面倒であり、一
般に試行錯誤によって調整されているが不正確であると
いう欠点もある。

又、該収納缶の中心が前記エゼクタ−の下方からはずれ
て位置した場合も、該収納缶を人手によって調整するか
又は前記リミットスイッチの位置を調整して前記振子運
動を左右非対称に行なうことが一般に行なわれているが
、大形化された前記収納缶は人手によって移動が困難で
あるし、前記リミットスイッチの位置調整も前述のよう
に非常に複雑かつ面倒であると共に不正確であるという
欠点もある。

本発明者等はかかる欠点に鑑み、収納缶の形状の変更及
び収納缶の位置変更による振子運動の振幅調整を非常に
簡単かつ正確に実施できると共に、故障が少なくかつ正
確に振子運動を行う事ができる繊維束の収納方法及び装
置を提供せんと鋭意検討の結果、本発明に到達したもの
である。

以下、本発明の１実施態様を図面によって説明する。

ここで、第１図は本発明の１実施態様を示すトウ収納装
置の概略図、第２図は第１図におけるＡ−Ａ’面からみ
た断面図である。

第３図は振子運動角度制御装置１２．１２’及び設定装
置１３ 、１３’の実施例を示すブロック線図、第４図
は振子運動角度制御装置１２．１２’及び設定装置１３
、１３’の他の実施例を示すブロック線図である。

トウ１を導くローラー２の直下には円筒管３を連結した
エゼクタ−４を設けると共に該エゼクタ−４の両側面に
取付けた軸５，６を介して、該エゼクタ−４をプレート
γ上に据付けられた台座８゜９に回転自在の状態で支え
る。

該軸６の一端には該プレート７上に固定された正逆回転
可能な駆動モーター（又は油圧駆動装置）１０を連結す
る。

又、該軸５の一端には振子運動の振巾に比例したパルス
発生装置１１を設ける。

該パルス発生装置１１は例えば該軸５と直結しかつ該軸
５が回転する毎に非常に多数の回転角度に比例する数の
パルスを発生する光学式のパルス発生装置でもよいし、
又は該軸５の一端に歯車を設け、該歯車に近接して設け
られた電磁式パルス発生装置でもよい。

該パルス発生装置１１の出力パルスは振子運動角度制御
装置１２に接続され、該振子運動角度制御装置１２は設
定装置１３によって設定される設定値と該パルス発生装
置１１の出力パルスの計数値を比較して一致する毎に反
転信号を発信する。

該反転信号は前記エゼクタ−４を駆動する駆動モーター
１０の回転方向を制御する正逆回転制御装置１４に導か
れて、該駆動モーター１０の回転方向を該反転信号の都
度変更する。

以上はトウ収納装置に対し一方向に円筒管３が振子運動
する例を述べたが、本装置においては２階床面１６には
別の同様な駆動装置により該プレート７を振子運動させ
ることによって、円筒管３が前述の方向に対しさらに直
角方向に動くようになされている。

この場合における振子運動方向及び角度は前述の同様な
パルス発生装置１１′、振子運動角度制御装置１２′、
設定装置１３′、正逆回転制御装置１４′を用いてまっ
たく同様に制御されている。

前述の設定装置１３及び１３′はエゼクタ−４の振子運
動角度を制御する（拡大していく）に際し、糸長検出用
パルスＰが下記に示す一定値（Ｎ ｓ ）に達する毎に
、該振子運動角度制御装置への設定値を下記に示す一定
増加パルス（Ｉｐ）づつ増加させるものである。

ここで、糸長設定値Ｍはトウ収納量を決める糸長カウン
ターの設定値であり、通常はキャップスタンローラー（
図示せず）等のトウ移送ローラーの回転数で表わされる
。

変更回数Ｎは該糸長設定値Ｍが割りきれる整数が好まし
いが、任意の整数でもよい。

振子運動における初期パルス数Ｓｐ及び最終パルス数Ｆ
ｐは収納缶の大きさとエゼクタ−と収納缶の底までの距
離によって決まるもので、第２図のエゼクタ−振子角度
Ｑ１及びＱ２に相当するパルス数である。

次に、振子運動角度制御装置１２ 、１２’及び設定装
置１３ 、１３’の１実施例を第３図で説明する。

まず、生産条件及びトウ収納缶の形状及び位置等によっ
て決定される各種設定値（すなわち、糸長設定値Ｍ１変
更回数Ｎ、初期パルス数Ｓｐ、最終パルスＦｐ及び初回
パルス設定値ＳＰ）をあらかじめ設定しておく。

起動ボタン（図示せず）を押すと、エゼクタ−４はいず
れの位置にあっても中央位置に向って進み、中央位置を
検出する装置（図示せず）にて中央位置を確認すると、
起動信号Ａがタイミングパルス発生回路１３１に与エラ
れる。

該タイミングパルス発生回路１３１よりゲート信号Ｂが
発生して、スイッチ回路１３７及び１３８をそれぞれａ
接点側に接続する。

次に該タイミングパルス発生回路１３１よりリセット信
号Ｃが発生して、設定付計数回路１２１及び１３４の計
数値、記憶付割算回路１３２、記憶付演算回路１３３、
記憶付加算回路１３６の記憶値を零にリセットする。

又該設定付計数回路１２１はリセット信号Ｃによって計
数値が零にリセットされると共に、設定値が新たな値に
セットされるようになっているので、該設定付計数回路
１２１の設定値としてＳＰ／２がセントされる。

次に該タイミングパルス発生回路１３１より演算命令信
号りが発生することによって、該記憶付割算回路１３２
はＭ／Ｎなる割算を行い、該記憶付演算回路１３３ｐ
Ｓｐ は□なる演算を行い、該記憶付加算回路 １３６は被加数（現在零）に加数（現在Ｓｐ）を加算し
、それぞれ記憶する。

これによって、該設定付計数回路１３４はＭ／Ｎなる値
を設定値として常に保持し、該記憶付加算回路１３６は
被加数として記憶値を被加数とするので、次回演算を行
ン うまで被加数としてＳｐなる値がセットされる。

次にゲート信号ＢがＯＦＦされて前記スイッチ回路１３
７及び１３８をそれぞれｂ接点側に接続する。

これによって該記憶付加算回路１３６の加数ｐ−ｓｐ として常に□ なる値がセットされるが、該設定付計数
回路１２１はリセット信号Ｃによって設定値を更新する
ようになっているので、リセット信号Ｃがあるまで、前
回の設定値むを保持する。

かかる後に該タイミングパルス発生回路１３１よりモー
ター駆動信号Ｅが発生して、前記駆動モーター１０又は
１０′が回転しはじめ、前記エゼクタ−４が振子運動を
はじめる。

該振子運動によって、トウを缶１５に収納しはじめると
共に、トウ収納量を決める糸長検出用パルスＰを該設定
付計数回路１３４が計数をはじめる。

又前記振子運動に連動したパルスが前記パルス発生装置
１１又は１１′より発生し、該設定付計数回路１２１が
計数をはじめる。

該設定付計数回路１２１の計数値が設定値（現在むであ
る）に達すると、一致信号Ｆを発生する。

該一致信号Ｆは前記振子運動角度制御装置１２の出力信
号として、前記エゼクタ−４を駆動する前記駆動モータ
ー１０又は１０′の回転方向を制御する前記正逆回転制
御装置１４又は１４′に導かれて、前記駆動モーター１
０又は１０′の回転方向を反転すると共に、遅延回路１
２２を経て、前記設定付計数回路１２１のリセット信号
として計数値を零にリセットし、設定値を前記記憶付加
算回路１８６の記憶出力（現在Ｓｐである）に更新する
。

以下前記設定付計数回路１２１の計数値が設定値（現在
Ｓｐである）に達する毎に前記駆動モーター１０又は１
０′の回転方向を反転して、前記エゼクタ−４は振子運
動を何回か繰り返す。

次に、糸長検出用パルス発生回路（図示せず）より発生
するパルスＰを計数している前記設定付計数回路１３４
の計数値が設定値（Ｍ／Ｎ）に達すると一致信号Ｇを発
生する。

該一致信号Ｇは遅延回路１３５を経て前記設定付計数回
路１３４の計数値を零にリセットすると共に、前記記憶
付加算回路１３６へ演算命令を与える。

従って前記記憶付加算回路１３６は被加数（現在Ｓｐｒ
ある）と加数（前記記憶付演算回路１３３の記憶出力で
Ｆｐ−８ｐ）を加算して記憶する。

該記憶値（現在−Ｎ＝ Ｆｐ−ｓｐ ｓｐ＋ ）は前記記憶付加算回路１３６の被加
数値として与えられると共に、前記設定付計数回路１２
１の新しい設定値信号として与えられるので、前記エゼ
クタ−４の振子運動の角度を拡大することになる。

以下、糸長検出用パルス発生回路（図示せず）より発生
するパルスＰを計数するために別に設けた糸長カウンタ
ー（図示せず）の計数値が設定値（２）に達するまで、
上述のような前記駆動モーター１０又は１０′の回転方
向の反転による前記エゼクタ−の振子運動と該振子運動
角度の拡大を繰り返し行う。

なお、トウは連続して引き取られているので、２回目以
後においては前述の糸長カウンター（図示せず）の計数
値が設定値に一致する毎に発する満缶信号をうけた後に
、前記エゼクタ−が中央位置を通過する信号を検出して
起動信号とするようになされている。

又、トウ収納量をタイマー等によって決定してもよく、
この場合には、前記設定付計数回路１３４に適当な値を
設定値と与えておけばよいことはいうまでもよい。

次に、振子運動角度制御装置１２．１２’及び設定装置
１３ 、１３’の他の実施例を第４図によって説明する
。

これは第３図に比べて、該エゼクタ−４の振子運動を左
右分割して制御する（拡大していく）ものにあり、糸長
検出用パルスＰが下記に示す一定値（Ｎｓ）に達する毎
に、該振子運動角度制御装置への設定を下記に示す左右
別々の一定増加パルス（ＩＬｐ、ＩＲｐ）づつ増加させ
るものである。

ここで糸長設定値Ｍ及び変更回数Ｎは前述の通りであり
、初期右パルス数ＳＲｐ、初期左パルス数ＳＬｐ及び最
終右パルス数ＦＲｐ、 最終左パルス数ＦＬｐ はト
ウ収納缶の大きさとエゼクタ−とトウ収納缶の底までの
距離及びトウ収納缶の位置によって決まるもので、それ
ぞれのエゼクタ−振子運動角度納缶との距離等によって
決定される設定値に一致する毎にエゼクタ−の振子運動
を反転するようにすればよいものである。

又、本実施例ではトウを缶に収納するエゼクタ−及び円
筒管を縦振り、横振り共に振子運動させているが、どち
らか１方のみ振子運動させ、他の運動方向は缶を往復運
動（いわゆる缶トラバース運動）させるようになしても
よいことはいうまでもない。

本発明は上述した如く構成せしめたので、缶内にトウを
収納し始めてから収納し終るまで、エゼクタ−の振子運
動の振幅を適当な階段状にかつ精確に大きくするように
なしたので、トウ堆積姿は中央部分だけ高くなることは
なく、後工程にてトウを引出すに際し、もつれ、引きつ
り等を発生することがない。

更に、特公昭４８−５６９に示されるようなパンタグラ
フ構構を利用したものに比べ、機械的可動部をもたない
ので保守が簡単かつ信頼性が高いものであると共に、ト
ウ収納缶の形状或いはトウ引取り速度を変更した場合に
も面倒な調整は不要でありただ単に各種の初期設定値を
変更するだけでよく、工程の安定化及び合理化上の効果
が非常に大きいものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の１実施態様を示すトウ収納装置の概略
図、第２図に第１図におけるＡ −Ａ’面からみた断面
図である。 第３図及び第４図はエゼクタ−の振子運動の振幅を制御
する振子運動角度制御装置１２．１２’及び設定装置１
３ 、１３’の実施例を示すブロック線図である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 収納量の増加と共に振幅が広がる如く振子運動され
   る振出手段によって、繊維束を収納缶内に収納する繊維
   束の収納方法において、前記振子運動の振幅に比例する
   パルスを発生させる手段と、該パルスを計数する計数手
   段と、該計数手段に収納量の増加と共に増加する設定値
   を与える設定手段とを設け、前記計数手段における計数
   値が設定値に一致する毎に前記振子運動の方向を反転さ
   せるようになしたことを特徴とする繊維束の収納方法。 ２ 繊維束を引取るエゼクタ−と、該エゼクタ−の下部
   に連結されて繊維束を収納缶へ振出す振出管と、該振出
   管を反転信号によって振子運動させる駆動装置と、前記
   繊維束の引取量を検知しかつ一定量引取る都度定量信号
   を発信する糸長検出手段と、前記振出管の振子運動の振
   幅に比例する数のパルス列を発生させるパルス発生手段
   と、該パルス列を計数しかつ計数値が設定値に到達する
   都度反転信号を発信すると共に計数値を初期値にリセッ
   トする計数手段と、前記振子運動における初期設定振幅
   と最終設定振幅に比例するパルス数の差から決定される
   増加値が前記定量信号の都度前回の設定値に加算されて
   前記計数手段へ設定値として発信される設定手段とから
   構成されることを特徴とする繊維束収納装置。