JPS584949B2 - 熱溶着型道路標示用材料 - Google Patents

熱溶着型道路標示用材料

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JPS584949B2
JPS584949B2 JP12710678A JP12710678A JPS584949B2 JP S584949 B2 JPS584949 B2 JP S584949B2 JP 12710678 A JP12710678 A JP 12710678A JP 12710678 A JP12710678 A JP 12710678A JP S584949 B2 JPS584949 B2 JP S584949B2
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田沼恒夫
藤谷明文
鈴木栄光
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、溶融しやすく、溶融時の粘度が低く、さらに
、溶融時に生ずる配合されている骨材(充填剤、顔料な
ど)およびガラスビーズの沈降を大幅に防ぐことのでき
る熱溶着型道路標示用材料に関する。
従来の熱溶着型道路標示用材料は加熱溶融時に配合され
ている骨材、ガラスビーズなどの沈降が著しく、とくに
横断歩道の施工などの場合に攪拌装置のついていない施
工機に溶融状態で1時間ないし2時間放置された場合、
配合されている骨材、ガラスビーズが沈降し、はなはだ
しい場合は施工時に骨材、ガラスビーズのみが塗布され
、極めて作業性を阻害することが多い。
従来の熱溶着型道路標示用材料に配合されている骨材、
ガラスビーズ等の沈廊性を250℃の温度で溶融した状
態で静置して調べ′Cみると静置約30分後で沈降の顕
著なものは沈降率が30重量%であり、耐沈降性の最も
良いものでも5重量%が沈降することがわかった。
また、従来の熱溶着型道路標示用材料の作業時の溶解温
度は160℃から230℃程度であり、施工温度は18
0℃から220℃程度であるが、昇温するのに時間がか
かるため、熱源として使用されているプロパンガスの消
費量が多く、また樹脂の劣化による退色(変色)などの
問題が起こる。
また、上記のような施工温度の場合、施工直後塗膜表面
に樹脂分が浮きやすく、汚染性の悪化、表層しわの発生
、散布用ガラスビーズが沈むために起こる夜間反射性の
低下、新設路面に施工した場合のピンホール発生など実
用上の問題点が多くある。
本発明は、このような問題点を解決したものであり、し
かも塗膜特性(特に可とう性および耐汚染性)の優れた
熱溶着型道路標示用材料を提供するものである。
すなわち、本発明は、 (a) 無変性脂肪族系石油樹脂6〜24重量部、(
b) 酸価が0.5〜10および軟化点が90〜11
0℃であり、樹脂形成成分として脂肪族系単量体10〜
40重量%および芳香族系単量体90〜60重量%含み
、共重合石油樹脂を酸素または空気で酸化するか該共重
合石油樹脂に不飽和カルボン酸をグラフト反応させるこ
とにより得られるカルボキシル基が導入された共重合石
油樹脂2〜12重量部、 (C)数平均分子量が400−1,000のポリエチレ
ン0.5〜5重量部、 (a) 酸価10〜100および数平均分子量1,0
00〜3,000であり、ポリエチレンを酸素または空
気で酸化するかポリエチレンに不飽和カルボン酸をグラ
フト反応させることにより得られるカルボキシル基が導
入されたポリエチレン0.1,〜0.5重量部, および (e) 可塑剤1〜5重量部を含有し、上記(a)と
(b)は(a)/(b)を重量比で6/4〜8/2とし
てなる熱溶着型道路標示用材料に関する。
本発明において使用する石油樹脂は、重質ナフサ、軽質
ナフサ、ガス油、灯油、クロセン、軽油、重質油、原油
を水蒸気分解、気相熱分解またはサンドクラツキングし
、蒸留等により、沸点−10〜280℃のものを取り出
し、フリーデルクラフツ型の触媒で重合させることによ
り製造されるものであって、このうち、C5またはcr
−’5の留分(これらは脂肪族炭化水素である)または
これらの留分を主成分として得られるものが(無変性)
脂肪族系石油樹脂であり、また、上記脂肪族炭化1水素
と高沸点の留分(C9 またはC,留分を主成分とする
芳香族炭化水素)を重合させて得られるものが共重合石
油樹脂である。
上記本発明に使用し得る無変性脂肪族系石油樹脂は、軟
化点90℃ないし110℃、酸価0.1以下、数平均分
子量1,000ないし2,000、色相5以下(ガード
ナー法)の範囲のものが好ましい。
カルボキシル基が導入された共重合石油樹脂(以下、酸
変性共重合石油樹脂という)は、上記共重合石油樹脂に
該樹脂の溶融状態で酸素または空気を吹き込んで酸化す
る方法、該樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸、フマル酸、イクコン酸、シトラコン酸、5,6−エ
ンドメチレン−1.2,5.6−テトラヒドロフタル酸
等の不飽和カルボン酸またはその酸無水物をグラフト反
応させる方法などでカルボキシル基を導入したものであ
る。
酸変性共重合石油樹脂としては、軟化点90〜110℃
、酸価0.5〜10のものであり、数平均分子量1,0
00〜2,000、色相5以下のものが好ましく、脂肪
族系単量体(上記したC5留分を主成分とする脂肪族炭
化水素)と芳香族系単量体(上記したC9留分を主成分
とする芳香族炭化水素)の比率は重量比で4/6ないし
1/9の範囲のものである。
脂肪族系単量体が40重量%を越えると耐沈降性が低下
し好ましくない。
また、芳香族系単量体90重量%を越えると耐候性での
黄変、作業性が低下し好ましくない。
無変性脂肪族系石油樹脂〔(a)成分〕と酸変性共重合
石油樹脂〔(b)成分〕は、粘結樹脂として必要な量で
、すなわち、6〜24重量部および2〜12重量部でか
つ、それらの比率が(a)/(b)が重量比で6/4〜
8/2の範囲になるように使用される。
無変性脂肪族系石油樹脂が60重量%未満の場合は沈降
性が改良されず、作業性が低下し好ましくない。
また、80重量%を越える場合は揺変性が強すぎて作業
性が低下し、好ましくない。
ポリエチレン(以下、低分子量ポリエチレンという)と
しては軟化点80℃〜125℃、数平均分子量400〜
1000のものであり、軟化点は80〜125℃溶融粘
度が10ないし1000cps ( 9 0℃)の範囲
のものが好ましい。
カルボキシル基が導入されたポリエチレン(以下、酸変
性低分子量ポリエチレンという)は、低分子量ポリエチ
レンに、該ポリエチレンの溶融状態で酸素または空気を
吹き込み酸化する方法、該ポリエチレンにアクリル酸、
メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シ
トラコン酸、2,5−エンドメチレン−1,2,5,6
−テトラヒドロフタル酸等の不飽和カルボン酸またはそ
の酸無水物をグラフト反応させる方法により、カルボキ
シル基を導入したものである。
酸変性低分子量ポリエチレンは、数平均分子量1000
〜3000であり、酸価は10〜100である。
該酸変性低分子量ポリエチレンの溶融粘度は10〜2
0 0 0 cps ( 9 0℃)、軟化点は80〜
125℃であるのが好ましい。
低分子量ポリエチレンおよび酸変性低分子量ポリエチレ
ンは、上記のようなものであるとき、それぞれ、溶融粘
度の低下および密着性改善に効果がある。
これらの使用量としては、無変性低分子量ポリエチレン
は、0.5〜5重量部であり、好ましくは1〜3重量部
配合される。
0.5重量部未満の場合は粘度低下に効果がなく、5重
量部を越えると耐候性が悪くなり、塗膜のヒビ割れ現象
が起こりやすくなる。
酸変性低分子量ポリエチレンは0.1〜0.5重量部で
あり、好ましくは0.1〜0.3重量部される。
0.1重量部未満の場合は塗膜の路面への接着力が低下
し、0.5重量部を越えると骨材、ガラスビーズなどの
沈降現象を呈する。
溶融粘度の低下に低分子量ポリエチレンもしくは酸変性
低分子量ポリエチレンを配合する技術はすでに知られて
いるが、本発明においては配合される骨材、ガラスビー
ズの耐沈降性を大幅に改良する樹脂配合において、無変
性低分子量ポリエチレンのみの配合では溶融粘度の低下
に効果はあるが、接着力が不足し実用に供することはで
きない。
また、酸変性低分子量ポリエチレンのみの配合では低粘
度化の効果を出すまで配合すると耐沈降性が阻害され、
本発明の目的に反対する。
したがって、本発明者は耐沈降性を大幅に改良する樹脂
配合において、低分子量ポリエチレンと酸変性低分子量
ポリエチレンを併用することを必須とするものであり、
低分子量ポリエチレンの使用により溶融粘度の低下を図
り、酸変性低分子量ポリエチレンの使用により接着力を
改良するものである。
本発明の可塑剤としては、植物油、鉱物油、植物油変性
アルキド樹脂,液状キシレン樹脂.フタル酸ジオクチル
などのフタル酸エステル等の道路標示材料に使用し得る
可塑化効果を有するものが用いられる。
その使用量は1〜5重量部である。1重量部未満では、
得られる塗膜の可とう性が低下し、接着力も低下する。
5重量部を越えると乾燥性、耐汚染性、表層しわの発生
等の特性が低下する。
上記植物油変性アルキド樹脂は、例えば、植物油をグリ
セリン、ベンタエリスリトール等の多価アルコールと高
温(240℃前後)でエステル交換触媒(水酸化リチウ
ム、酢酸鉛など)の存在下にエステル交換反応させ、つ
いで、無水フタノ1イソフタル酸等の多塩基酸を添加し
、反応させて得られる。
この場合、油長は60〜80%が好ましく、不揮発分は
96重量%以上になるのが好ましい。
また、植物油として、好ましくは、不乾性油または半乾
性油を使用するのが、道路標示材料の溶融時にゲル化を
おこしにくいため好ましい。
また、この方法において、植物油の代わりに、植物油脂
肪酸を使用することができ、この場合は、多価アルコー
ル、多塩基酸を一度に配合し、反応させることができる
なお、上記不乾性油としては、ヤシ油等があり、半乾性
油としては、大豆油,綿実油、米ヌカ油等がある。
本発明に係る道路標示用材料は、骨材(顔料、充填剤等
)、ガラスビーズ等を配合し、道路標示材料として使用
される。
顔料としては、二酸化チタン、亜鉛華、リトポン等の白
色顔料、黄鉛(耐熱黄鉛を含む。
)等の黄色顔料があり、これらの顔料と併用して又は代
わりに有機顔料を使用してもよい。
白色顔料は、道路標示材料となったときに、該材料中に
、3.5〜20重量%、黄色顔料は1〜10重量%が好
ましい。
白色顔料が3.5重量%未満になると塗膜の隠ペイ力が
低下し、また標示の視認性が低下する傾向にあり、一方
、隠ペイ力が飽和の状態になるため20重量%を越えて
配合する必要がない。
黄色顔料は、1重量%未満では隠ペイ力が不足し、10
重量%を越えると塗料の増粘が激しくなる傾向にある。
充填剤としては、微粉または粗粉炭酸カルシウム、タル
ク、カオリン、硅石粉、ガイシ粉等があり、その使用量
は、道路標示材料になったとき、該材料中30〜73重
量%になるようにするのが好ましい。
30重量%未満では,塗膜の耐汚染性,乾燥性、圧縮強
さが低下し、73重量%を越えると塗料の増料および塗
膜の低温での可とう性が低下する傾向にある。
ガラスビーズについては、JIS K 5665に規定
されるように配合すれば充分である。
次に本発明の実施例を示す。
実施例1〜2および比較例1〜5 表1に示すとおり、各種材料を使用して、道路標示材料
を製造し、試験した。
その結果を表1に 示す。A5 ,A6について16
0℃で路上試験を行なった結果、作業性、接着性、表面
仕上り、ガラスビーズ散布状態など問題なかった。
なお、表1に記載の材料は下記のものを使用した。
(1)粘結樹脂Aは無変性脂肪族系石油樹脂〔クィント
ンC−100、日本ゼオン(株)商品名〕Bは酸価2.
6、軟化点98℃および数平均分子量約1,500の酸
変性共重合石油樹脂〔脂肪族系単量体/芳香族系単量体
=2/8(重量比)である共重合石油樹脂を溶融状態で
無水マレイン酸とグラフト反応させて得たものである。
ハイレジンAX−S、東邦石油樹脂(株)商品名〕 Cは酸価1.8の酸変性脂肪族系石油樹脂〔脂肪族系石
油樹脂とシクロペンタジエンと無水マレイン酸のディー
ス・アルダー付加物をグラフト反応させて得たもの、ク
ィントンC−20OS. 日本ゼオン(株)商品名〕(
2)低分子量ポリエチレンは分子量700〜900、ネ
オワックスCL、 〔安原油脂(株)商品名〕(3)酸
変性低分子量ポリエチレンは酸価60、分子量1,80
0〜2,200であり、ポリエチレンを溶融状態で無水
マレイン酸とグラフト反応させて得たもの、ハイワック
ス1105A.(三井石油化学工業(株)商品名〕 (4)可そ剤は植物油変性アルキド樹脂フタルキド18
0〜100、 〔日立化成工業(株)商品名〕また、表
1に記載の試験方法は次のとおりである。
(1)軟 化 点・・・JIS K 5665に準じて
行なった(2)粘 度・・十立粘度カップ(口径8
φ)を用い、各温度における流下秒数 を測定した。
(3)促進耐候性・・・サンシャインウエザオメーター
に紫外線照射200時間後(2 時間毎に9分間散水)の状態を 観察した。
(4)耐沈候性・・・250℃の恒温槽に1時間静置し
て上下の溶剤不溶分を測定し た。
◎上下の差なし、○〜◎上下の差1%以下、○〜△上下
の 差5%以下、Δ〜×上下の差 10%以上 (5)接 着 力・・・0℃のコンクリート歩道板にプ
ライマーを167g/m2塗布し、 10分後に150℃に溶融した 材料を塗布し、研建式の接着力 試験機で引きはがした。
(6)ピンホール・・・新設アスファルト路面、コンク
リート路面に160℃に溶融し た材料を塗布し、ピンホールの 発生状況を調べた。
評価は次のとおりにした。
○:ほとんど発生なし、 ○〜△:わずかに発生、 Δ〜×:いたるところに発生。
従来、熱溶着型道路標示材料の溶解温度は160℃から
230℃、施工温度は180℃から220℃程度であり
、熱源として使用されているプロパンガスの消費量が多
い。
溶解、施工温度まで昇温するのに時間がかかる。
骨材、ガラスビーズ等の沈降現象がある。
新設路面に施工した場合にピンホールが発生する。
また、施工直後塗膜表面に樹脂分が浮き、耐汚染性の悪
化、表層しわの発生、散布用ガラスビーズの沈みによる
夜間反射性の低下など好ましくない点が多くある。
これに対して、本発明は (1)溶解温度を120〜170℃に、施工温度を14
0〜170℃に低下させ、 (2)プロパンガスの消費量、材料溶解温度が従来の2
/3に減少し、 (3)骨材、ガラスビーズ等の沈降現象がほとんどなく
なり、作業性が向上し、 (4)樹脂の劣化による退色(変色)がほとんどなくな
り、 (5)新設路面で施工した場合、ピンホールの発生が大
幅に減少し、 (6)塗膜表面に樹脂の浮きが少なくなり、汚染性改良
、表層しわの改良、散布用ガラスビーズの沈みがなくな
り、均一な夜間反射性が得られ、および (7)接着力は低温施工(140℃から170℃)の場
合でも従来品(200℃施工)に比べて向上した道路標
示材料を提供することができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1(a)無変性脂肪族系石油樹脂6〜24重量部、(b
    ) 酸価が0、5〜10および軟化点が90〜110
    ℃であり、樹脂形成成分として脂肪族系単量体10〜4
    0重量%および芳香族系単量体90〜60重量%含み、
    共重合石油樹脂を酸素または空気で酸化するか該共重合
    石油樹脂に不飽和カルボン酸をグラフト反応させること
    により得られるカルボキシル基が導入された共重合石油
    樹脂2〜12重量部、 (c) 数平均分子量が400〜1,000のポリエ
    チレン0,5〜5重量部、 (a) 酸価10〜100および数平均分子量1,0
    00〜3,000であり、ポリエチレンを酸素または空
    気で酸化するかポリエチレンに不飽和カルボン酸をグラ
    フト反応させることにより得られるカルボキシル基が導
    入されたポリエチレン0.1〜0.5重量部、 および (e) 可塑剤1〜5重量部を含有し、上記(a)と
    (b)は(a)/(b)を重量比で6/4〜8/2とし
    てなる熱溶着型道路標示用材料。
JP12710678A 1978-10-16 1978-10-16 熱溶着型道路標示用材料 Expired JPS584949B2 (ja)

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