JPS5848832B2 - 還元鉄炉の切出装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は還元鉄炉の切出装置に係り、特に酸化鉄等の
直接還元に用いられる還元鉄炉の切出装置に関するもの
である。

更に詳しくは、炉床と炉壁との交差点近傍に切出口を設
け、この切出口の外方に＝定間隔を保って離間された電
磁石を設け、該電磁石の励磁作用により炉内還元鉄を切
り出すように成し、還元鉄を連続的且つ効果的に切り出
すことのできる還元鉄炉の切出装置に関する。

従来、酸化鉄の如き原材料を炉頂部から投入し、炉内を
順次降下する過程に釦いて炉壁方向より還元ガスを供給
し、酸化鉄を直接還元して、還元鉄を得る直立型の還元
鉄炉は既に一般に知られている。

このような還元鉄炉において、炉頂部より投入された原
材料としての酸化鉄は順次炉内降下に伴って還元鉄に還
元され、これを炉床から外部へ切り出す場合に、炉内に
降下物が充満された状態でこれを外部に切り出す必要が
あり、筐た降下物である還元鉄を押し出し、あるいは払
掃作動により切り出す必要があり、必然的に機械的可動
部分を備えるために構造が極めて複雑になり、捷た切り
出し部の気密保持も複雑になる等還元鉄炉のコスト−ｔ
で影響を与えると共に保守点検においても問題があった
。

筐た、この種還元鉄炉にあっては炉壁側から炉内に還元
ガス等を供給しつつ反応処理を行うために、炉内中央部
に流下する原材料の還元化が遅くなり、これに比して炉
壁側方向を流下乃至降下する原材料はより早く還元され
ることになる。

従って、炉壁側より順次還元鉄を切り出せば、炉内降下
物は適切な流れ分布になり得る。

そこで、還元鉄炉の底部即ち炉頂部より炉床部を拡大し
て末広がり形状に炉体を形成することが理想であり且つ
望昔れている。

しかし乍ら、このように炉体を末広がり形状に成形する
ことは前述した如く炉底の切出部が複雑になる欠点を有
する。

そこで、本発明者は従来装置における問題点に鑑み、こ
れを有効に解決すべく鋭意研究の結果、この発明を完成
するに至ったものである。

この発明の目的とするところは、炉床と炉壁との交差点
近傍に切出口を設け、この切出口の外方に電磁石を設け
て、この電磁石の励磁作用により炉内還元鉄を連続的に
切り出し得るようにし、特に機械的可動部分を要せずに
切り出し得る還元鉄炉の切出装置を提供する。

また、本発明の目的とするところは炉床と炉壁との交差
点近傍に切出口を設けて、炉内壁側より還元鉄を切り出
すことにより炉内降下物の適切な流れ分布が得られ且つ
炉床部の拡大をなし得、この種還元鉄炉の大型化を可能
にできる還元鉄炉の切出装置を提供する。

更に、本発明の目的とするところは機械的可動部分を設
けることなく、電磁石により還元鉄を切り出し得るよう
になり、切り出し部の気密保持を完全になし得ると共に
、切り出し量の調整乃至制御を容易に得る還元鉄炉の切
出装置を提供する。

捷た、本発明の目的とするところはその構造が簡単であ
り、保守点検の容易な且つ低コストで製作し得る還元鉄
炉の切出装置を提供する。

次に、本発明の好適実施例を添付図面に従って詳述する
。

第１図は本発明に係る還元鉄炉の切出装置の一実施例を
示す側断面図、第２図は変形実施例を示す側断面図、第
３図は第２図のＡ−Ａ線断面図である。

第１図に示す如く、還元鉄炉１はその底部を拡大して末
広がり形状に形成する。

この還元鉄炉１の底部には開口部２が形成される。

この開口部２の直下には一定の間隔を保って離間された
平坦な炉床３が設けられる。

この炉床３は上記炉１の開口部２の径より大きく設定し
、半径方向に延長された平坦部３ａを備える。

上記開口部２の端縁２ａに、これより半径方向に延びて
且つ下方に垂下するハウジング４を形成し、開口部２と
その直下の炉床３との間隙により切出口５を形成する。

即ちこの切出口５は炉床３の延長された平坦部３ａと上
記・・ウジング４の水平な壁板４ａとによって区画され
て、半径方向に開放された開口部を有する。

普た、切出口５を形或する炉床３の端縁には下方に垂下
させて壁板γを設け且つ上記ハウジング４の垂下する壁
板４ｂと共にシュート６を形或する。

かように、切出口５は炉床３と、炉１の開口部２を形戊
する炉壁８との交差点近傍に設けられ、且つ図示する如
く炉床３の外周に沿って複数個設ける。

次に、上記切出口５の外方に、適宜間隔を設けて電磁石
９を配置する。

電磁石９は切出口５の開口部に対向する如く配置され、
図示実施例にあっては切出口５と向合ったハウジング４
の壁板４ｂ外周壁土に取り付けられる。

この電磁石９と切出口５との間の間隙下にはシュート６
の開口部６ａが形或され、切出口５より電磁石９によっ
て吸引された還元鉄Ｂぱ電磁石９のオフ状態に至って励
磁が解除されたときに、下方に排出されつつ炉外へ案内
される。

捷た、電磁石９は切出口５より適宜間隔を保持されて配
置され、切出口５の外方に室１０を形成する。

この室１０は上記ハウジング４によって区画される。

従って、電磁石９の励磁作用によって、炉床３上の還元
鉄は電磁石９に吸引されると上記室１０の壁間に吸着さ
れて保持される。

上記室１０を形成するハウジング４にはスクラツバ１１
に連結する導管１２が取り付けられ、切り出しと同時に
脱ガス処理し得るように構成される。

次に、第２図に示す実施例について、説明する炉１の底
部炉床３と炉壁８との交差点近傍に、炉壁８の内壁８ａ
より炉中央部に傾斜し且つ端部が締られた逆截頭円錐筒
状の環状壁１５を取り付けて、この環状壁１５の開口部
１３の端縁と炉床３との間に、切出口５を形成する。

尚、この環状壁１５は非磁性材料例えば耐火煉瓦等で成
型する。

筐た、この切出口５の外方に且つ対向させて、電磁石９
を配置する。

この電磁石９は上記炉壁８の下部延長部分にあって、ヒ
記切出口５の対向する上方に位置する如く炉壁８の外周
壁８ｂ上に支持される。

切出口５を形成する炉床３は半径方向に延び、且つ下方
に垂下され、炉壁８の下部と相俟って排出口１４を形或
する。

この排出口１４にはシュート６が連設されている。

上記切出口５と電磁石９との間は上記環状壁１５によっ
て一定の間隙が設けられ、室１０が形成される。

この室１０には第１図に示す実施例と同様にスクラツバ
１１に連通する導管１２が取り付けられている。

筐た、第３図に示す如く、切出口５と電磁石９とを炉床
３の周縁上に沿って等間隔に配夕１ルたものであり、第
１図の実施例と同様に複数個構成される。

尚、第２図に示す実施例にあっては炉床３上の中央部分
に、その頂部を炉内中央部に臨む円錐体１６を設け、こ
れは炉１内中央部を降下する降下物を支承すると共に、
降下物を炉壁８方向に分配する機能を有する。

１た、この錐体１６には還元ガスあるいは冷却ガス等を
噴射するノズル１７が設けられ、炉内反応処理を有効に
する。

以上の構成から或る還元鉄炉の切出装置の操作方法につ
いて述べる。

先ず、第１図に示す実施例について、炉１の頂部よシ投
入される酸化鉄原材料はその重力により炉１内を降下し
つつ炉壁８に適宜数設けられたノズル１８より還元ガス
が供給され、この還元ガス雰囲気によって還元鉄に還元
され炉床３上に至る。

炉床３上に流下した還元鉄Ｂぱ開口部２周縁より炉床３
の外周縁部３ａ上に安息角θを形成する。

それぞれの電磁石９は予め作動回路に接続されて、励磁
・非励磁のオン・オフ作動するように設定される。

特に、それぞれの電磁石９は＝定時間励磁を保持した後
に解放されるように成し且つ配列の順次に相応してオン
・オフ作動する様に設定する。

従って、図示例では右側の電磁石９が励磁され、切出０
５より電磁石９方向に還元鉄を吸引しつつ切り出して室
１０内ＶＣ吸着する。

一定時間電磁石９を励磁させて、切出口５より還元鉄Ｂ
を吸引しつつ切り出した後に、電磁石９の励磁を解放す
ることにより、室１０に吸着されていた還元鉄Ｂぱシュ
ート６内に落下排出される。

同、図中左側の電磁石９ぱ励磁が解放されて、切出口５
より切り出された還元鉄がシュート６内に落下排出され
る状態を示すものである。

このように、電磁石９の励磁作用により、連続的に還元
鉄Ｂを切出口５より施１０を経て、シュート６下に切り
出すことになる。

この切出しの際に、排ガスあるいは漏洩した炉内還元ガ
スはスクラツバ１１によって処理される。

切り出された還元鉄はシュート６を経て、外部工程に搬
送される。

次に、第２図の実施例について、その操作方法を説明す
る。

第１図に示した実施例と同様に酸化鉄は炉１内降下に従
って還元鉄に還元され炉床３に至る。

環状壁１５は降下する還元鉄Ｂを切出口５方向に案内し
、切出口５より排出口１４方向に流出させる。

このように切出口５より流下乃至流出する還元鉄Ｂは電
磁石９の励磁によシ図中左側に示す如く、室１０内に吸
引押し上げられて吸着される。

これにより、切出口５より炉１内の還元鉄を切り出し、
次で電磁石９の励磁を解放することにより、シュート６
内に落下排出する。

上記室１０上にはスクラツバ１１が第１図例と同様に連
設されており、脱ガス処理が行われる。

上述する如く、電磁石９の励磁作用により、切出口５よ
り炉１内降下の還元鉄を連続的に切り出すものであり、
電磁石９の大きさ及び励磁・非励磁のオン・オフを適宜
時定数に決定することにより、切り出し速度及び切り出
し量を可変的に設定することができる。

ｌた、電磁石９を作動する回路を予め自動的にオン・オ
フするように設計しておけば、自動的に切り出すことが
できる。

更に、電磁石９はその作動回路にむいて電圧調整を可変
的に且つ容易に設定し得るために、その電磁力による還
元鉄の吸引切り出し量を可変的に調整乃至制御ができる
。

尚、図示実施例にあっては電磁石を炉外に設置すること
になるので、切り出し部の気密保持が極めて容易になし
得る。

以上要するに、本発明に依れば、炉床と炉壁との交差点
近傍に切出口を設け、この切出口の外方に電磁石を設け
て、この電磁石の励磁作用により炉内還元鉄を連続的に
切り出し得、且つ従来例の如く機械的可動部分を要せず
に切り出すことができるものである。

筐た、本発明は炉床と炉壁との交差点近傍に切出口を設
けて、炉内壁側より還元鉄を切り出すことにより炉内降
下物の適切な流れ分布が得られると共に炉床部の拡大を
なし得、よってこの種還元鉄炉の大型化を可能になし得
るものである。

更に、本発明は機械的可動部分を設けることなく、電磁
石の励磁作用により還元鉄を切り出し得るようになし、
切山部の気密保持を完全になし得る外、切り出し量の調
整乃至制御も極めて容易になし得ると共に、切り出す炉
内降下物が磁性材料であれば全て使用することができる
ものである。

捷た、本発明はその構造が極めて簡単であり、従来炉に
も簡単に応用することができ且つ保守点検も容易で、低
コストで製作し得るとの優れた諸特長を発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る還元鉄炉の切出装置の好適一実施
例を示す側断面図、第２図はその変形実施例を示す側断
面図、第３図は第２図Ａ −Ａ線断面図である。 図中、１は還元鉄炉、３は炉床、８は炉壁、５ぱ切出口
、９ぱ電磁石である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 炉頂部より酸化鉄原材料を装入し、還元ガス雰囲気
   で還元鉄に還元し、これを炉床から切り出すようにした
   還元鉄炉において、上記炉床と炉壁との交差点近傍２に
   切出口を設け、該切出口の外方に離間させて電磁石を設
   けて、該電磁石の励磁作用により炉内還元鉄を切り出す
   様に構成したことを特徴とする還元鉄炉の切出装置。