JPS5845803B2 - 電流変成器

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【発明の詳細な説明】本発明は電流変成器に係り、特にホール素子の如き感磁
素子を利用した変成器における誘導電圧の補償を行ない
うる改良した電流変成器間するものである。

感磁素子を用いた交流変成器では、感磁素子の出力信号
は、一次巻線を流れる一次電流と同相である。

しかるに感磁素子の配線の仕方によって出力回路にルー
プが出来、これに測定電流による磁束が鎖交すると、そ
の磁束（２）とループのインダクタンスのＬとにより、
電圧ｅ−ｄ（ｐなる感磁素子ｔと９０’異った位相の起電力を生ずる。

この起電力は感磁素子の本来の出力信号に加わって出力
信号端子に現われる。

したがってこの出力信号端子の電圧は一次電流に対しで
ある位相誤差をもつことになる。

この位相誤差の原因となる誘導起電力（ｅ）を補償する
ため従来は第１図のような方法がとられている。

第１図において、１は感磁素子、２は誘導電圧補償コイ
ルである。

すなわち、この回路で紙面に垂直に磁束が通っていると
出力回路の第１ループａ−ｂ−ｃの回路の面積に相当す
る起電力が発生する。

これを第２ループｃ −ｄ −ｆの回路の面積に相当す
る起電力で打消すようにしたものである。

即ち起電力の大きさが等しく位相が逆になるように接続
する。

この場合、面積ａ−ｂ−Ｃと面積ｃｄ−ｆは同じ様に調
整され固定される。

この方法は感磁素子個々に誘導電圧補償ができる利点が
あるが固定のため感磁素子の端子ａ−ｆから測定器まで
の配線などによって生ずる誘導電圧まで補償することが
できない欠点がある。

本発明はこの欠点を除去したもので、測定器までの配線
を含めて誘導誤差を小さくでき、更に誘導電圧の異なる
感磁素子を交換した場合にも常に誘導誤差を小さくしう
る改良した電流変成器を提供するものである。

以下本発明の一実施例を第２図を参照しながら説明する
。

図において２１は感磁素子（ホール素子の例）で、図示
しない磁路を形成するコア中に配置される。

そしてこのコアには一次巻線が巻回される。２２は誘導
電圧補償コイルで、これは感磁素子２１の近くであって
も、また測定電流により生ずる磁路すなわちコアに巻い
たものであってもよい。

２３は補償コイルの電圧を分圧する可変分圧インピーダ
ンスで抵抗分圧器の場合である。

感磁素子２１の出力端子ａ、ｂは測定器に接続されるが
、端子すと測定器間に前記可変分圧インピーダンス２３
が接続される。

そしてこの可変分圧インピーダンス２３に並列に補償コ
イル２２が接続しである。

又感磁素子２１には電源より感磁素子電流ＩＣが与えら
れる。

いま、感磁素子に磁束が通った場合、第１ループ回路ｋ
−ａ −ｂ−ｃ’の面積によって生ずる誘導電圧（ｅ
ｌ）（ＩＣ＝０における電圧に相当）が生ずる。

一方その磁束によって第２ループのｐ−ｄ−ｆの面積に
よって誘導電圧（ｅ２）が生ずる。

このｅｌよりｅ２の方が常に大きくなるように第２ルー
プの補償コイル２２を巻いて置く。

これらｅｌとｅ２の極性が逆になるように接続しに−Ｑ
間の差電圧が零になるようにＱ点を調整する。

しかるときは感磁素子２１の出力には、測定器端子にお
ける誘導電圧が生ぜず、本来の感磁素子２１の出力のみ
が取出せる。

若し、ｅｌとｅ２の間に小さな位相誤差がある場合には
、分圧インピーダンス２３の例えば第２図のＰ−Ｑ間あ
るいはＱ−ｆ間に第３図のように適当なコンデンサ２４
を接続して調整すると、正確に誘導誤差を補償し得る。

以上のように本発明の方法によれば、感磁素子を用いた
交流電流変成器における誘導電圧誤差を測定器までの配
線を含めて完全に補償できる利点がある。

また誘導電圧の異なる感磁素子との交換に際しても分圧
器の調整で、常に誘導誤差の小さい変成器を得ることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の変成器を示す回路図、第２図は本発明の
一実例を示す回路図、第３図は本発明の異なる実施例の
要部を示す回路図である。２１・・・・・・感磁素子、２２・・・・・・補償コイ
ル、２３・・・・・・分圧インピーダンス、２４・・・
・・・コンデンサ。