JPS5845121B2 - 高電圧用海底ケ−ブル - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は゛１油入りケーブル（ｏｉｌ −ｆｉｌｌｅｄ
ｃａｂｌｅ）“（以下単にＯＦケーブルという。

）として知られているタイプの電カケープルに関するも
のである。

’ＯＦ“ケーブルという表現は、自蔵形の絶縁紙により
そして液体誘電体によって複合絶縁体が形成されており
、ケーブルの熱的変動の結果生じうる膨張及び収縮サイ
クルに従って該液体誘電体が流出し、又はもとの位置に
流入することができケーブルの絶縁自体は含浸された状
態下に連続的かつ完全に維持されるケーブルを意味する
。

合成製品（例えばアルキル−アリール誘導体、ポリブテ
ン及び／又はポリイソブチレン等）及び天然産の製品（
例えば鉱油）の両者が、液体誘電体として従来から現在
まで用いられている。

合成及び天然の両方の液体誘電体のすべてについて、本
明細書では１含浸液”という用語を用いる。

合成含浸液の中では、アルキルベンゼンが優しており、
その使用は本出願人によるイタリー特許５９４．４７５
号に記載されており、この特許は高電圧用の’ＯＦ“形
ケーブルに特に適する含浸剤としてドデシルベンゼンを
指示している。

前記の追願であるイタリー特許８０９．２５６号ハトテ
シルベンゼン以外のアルキルベンの使用に関するもので
あり、この後者の特許のアルキルベンゼンについては、
著しく低い粘度を有することを特徴としている。

この特許は、最も適切なアルキルベンゼンとして、２０
℃で２〜１０センチストークス（Ｃ８ｔ）の間の範囲の
粘度を有しそして開放試験器内での引火点（マーカツラ
ン法）が１００℃より高いものを指示している。

後者の含浸剤は極めて低い粘度を有する。

ケーブルの含浸剤は冷却、加熱の熱サイクルのため収縮
、膨張する。

例えば５０ｂ＋の長いケーブルでは供給端から離れた地
点における収縮により、例えば２５１ａｎの中間地点で
は、空胴を形成し得る。

もし、含浸液が非常に低い粘度を有していれば含浸液が
迅速に動き、空胴が形成するのを妨げるので、軽い圧力
を用いれば充分である。

もし、含浸剤が非常に粘稠なら、非常に強い圧力を用い
る必要がある。

この場合、大きな装甲板をケーブルに取り付ける必要も
あるが、これによりケーブルの重量は大きくなり、曲げ
にくく、かつ、高価となる。

はんの少し粘稠な液体を使用すれば、軽い圧力を用いれ
ば充分であり、装甲板を取り付ける必要もなく、シたが
って、軽い、手ごろな、曲げやすい、かつ、安価なケー
ブルが得られる。

上記の特許で指定されたアルキルベンゼンは２００Ｃで
平均して０．８５〜０．８８．９７ｉの間の範囲の比重
を有する。

ＯＦケーブル用含浸剤として使用できる他の合成製品は
ポリブテン及び／又はポリイソブチレン材料であり、そ
の２０℃における比重はその平均分子量に従って０．８
４〜０．９０ ｇ／ｃｙｊの範囲内のものである。

天然産の製品の中では、鉱油が知られており、これはそ
の化学的構造と平均分子量とから２０°Ｃで一般に０．
８５〜０．９０ｇ／−の間の範囲内の密度を有する。

上記から、含浸液はすべて、それが天然産のものでも合
成のものでも、水より低い密度を有し、そして特に２０
°Ｃで１０２〜１．０：ｌ／−の範囲と見積られる海水
の密度より小さい。

水中に敷設されるケーブルについては、含浸剤とケーブ
ルを受ける水との間の比重差は、水中に浸ったケーブル
内で、そして同じレベルで、ケーブル内部とそれを囲む
水との間に静水圧の差を生ずる。

ケーブルの外側と内側の間のこの不均衡の効果は、ケー
ブルが深い海の中に敷設され、従って相当な長さを有す
る時には重大なものとなる。

実際に、ケーブルのさやをつくる鉛は内側より大きい外
側水圧の下ではつぶされる傾向があり、そしてこのこと
はケーブルの内側圧力を適当に増すことを必要とする。

この便法は、該内圧が該当する長さのケーブルに関する
温度圧力変化を考慮にいれればすでに著しく高くなって
いる時には、実際上困難であることが判る。

本発明は、ケーブルの内部静水圧を、そのケーブルの敷
設される周囲の圧力に対して可能な限り均衡させたＯＦ
ケーブルを提供することにより上記の困難性を解決する
ことを目的とする。

この目的は、ケーブルが敷設される周囲の水よりも著し
く高い比重を有する液体をケーブルの含浸液に、含浸液
の比重をこのケーブルが敷設される周囲の水の比重に極
めて近いか、又はそれに等しくするような割合で、加え
ることによって達せられる。

明らかに、含浸液に加える液体は含浸液と完全に混合可
能であって、それを加える含浸液の粘度に等しいかそれ
よりも低い粘度及び適度に高い沸点、好ましくは１５０
’Ｃ以上、のような適当な物理的性質、を持つものであ
る。

更に詳しくは、本発明の目的は、ケーブルの含浸液をそ
れと完全に混合可能でそして適当な物理的特性、特に該
ケーブルが敷設される周囲の水の比重より高い比重、を
有する液体誘電体と、含浸液の比重を該周囲の水の比重
に近い値にするような割合で混合することを特徴とする
、含浸液として天然又は合成製品から成る、水底ケーブ
ル、特に高電圧用海底ケーブルである。

本発明の好ましい具体例は、水の比重より高い比重を有
する該液体誘電体がハロゲン化した炭化水素であること
を特徴とし、天然又は合成製品を含浸液として含む改良
された水底型カケープル、特に高電圧用の海底ケーブル
を提供する。

実際に、ハロゲン化した炭化水素は本発明を効果的に実
施するための比重及び混合性の要求をより良くみたすも
のであることカ月忍められた。

ハロゲン化した炭化水素の中で、塩素化した炭化水素が
特に有効である。

塩素化した炭化水素の中で、ヘキサクロロブタジェンは
驚くべき適合性を有する。

しかしながらへキサクロロブクジエン以外の、他の、上
記したような含浸液と完全に混合可能であり、そして適
当な誘電特性、特に低い誘電損失と低い誘電率、および
、ケーブルが敷設される周囲の水よりも著しく高い比重
ならびに、それを加える含浸液の粘度に等しいかそれよ
りも低い粘度及び適度に高い沸点、好ましくは１５０℃
以上のような適当な物理的性質を有する塩素化炭化水素
化合物もまた使用できる。

なお、ここで−例として、ヘキサクロロブタジェンの有
する若干の特性を次に掲げる１ ２０°Ｃにおける密度、ｇ／ｃｄ： １．６８７６０
ｍｍＨ！９における沸点、’Ｃ： ２１０−２２０
２０℃における動粘度、センチ ストークス： ２５０Ｈｇ、２
０℃における 誘電損失 ｔａｎδ ０．０００５２０°
Ｃにおける誘電率、εγ ２．５ヘキサクロロブタジ
ェンは予じめ定められた用途に適する一般的な物理的性
質を具備する他、ＯＦケーブルに通常用いられる天然及
び合成の含浸剤とあらゆる割合で完全に混合し得る。

−例をあげれば、直鎖デシルベンゼン及びヘキサクロロ
ブタジェンから成る混合物の比重の変化は、工業用材料
から得た製品について、添加したヘキサクロロブタジェ
ンの重量百分率の関数として下記のように表わされる： 上記の百分率は試験した特定の材料についての例を示す
ものである。

使用する含浸液の種類及びその比重の関数として、所望
の比重に相当する混合物を得るために含浸液に加えるべ
きヘキサクロロブクジエンの百分率を夫々について求め
ておくことが必要であろう。

海水の密度（２０℃で１．０２−１．０３ ｇｌ調）に
近い密度を有する混合物を得るために必要なヘキサクロ
ロブタジェンの百分率は一般に使用されるすべての含浸
液について５０重量係以下である。

以上、本発明の詳細な説明してきたが、本発明はまた次
の実施態様を包含するものである。

（１）水の比重より高い比重を有する該液体誘電体がハ
ロゲン化した炭化水素であることを特徴とする特許請求
の範囲第１項の電カケープル。

（２）該液体誘電体が塩素化した炭化水素であることを
特徴とする上記（１）の電カケープル。

（３）該液体誘電体がヘキサクロロブクジエンであるこ
とを特徴とする、上記（２）の電カケープル。

（４）該ヘキサクロロブクジエンを５０％より小さい百
分率でケーブルの含浸液に混合することを特徴とする、
上記（３）の電カケープル。

勿論本発明の細部の点は必要に応じて変更を加えること
ができ、以上に述べた発明の原理から導かれるいかなる
別の具体化も本発明の範囲に属することが明らかであろ
う。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 電カケープルの含浸液と完全に混合可能であり、前
   記ケーブルが敷設される周囲の水の比重よりも高い比重
   を有する液体誘電体を、前記含浸液の比重を前記周囲の
   水の比重に極めて近い値にする様な割合で、前記電カケ
   ープルの含浸液と混合し、前記液体誘電体の粘度が前記
   含浸液の粘度と等しいか、またはそれよりも低く、かつ
   、前記液体誘電体が１５０℃よりも高い沸点を有するこ
   とを特徴とし、前記含浸液として天然生成物または合成
   生成物を使用することから成る高電圧用水中ケーブル特
   に高電圧用海底ケーブル。