JPS5844800B2 - 多層ウエブを形成する方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、液体担体中に繊維を懸濁せしめて成る繊維ス
ラリの紙料から多層ウェブを形成する方法に関する。

多層ウェブの形威に当っては、より強くよりかたい多層
ウェブを形成するという課題に対処しなければならず、
また仕上ったウェブの特性を改善するか少なくともこの
特性を悪くしないようなやり方で速度をはやめて機械を
運転しなければならない。

特性の良好な多層ウェブを得るためには強度が大きくか
っこわきが高い中間層を用い、かつこの中間層を覆う外
部被覆層は外見がよくかつ印刷性がすぐれた平滑な表面
仕上のものとしなければならない。

製紙技術の発達により単一の工程で多層ウェブを形成す
ることができるようになって来ている。

すなわちこのような単一工程では、−回にひとつの層を
形成しその頂面に他層をおいて互いに結合せしめるとい
う工程ではなく、対向する形成ワイヤ間に同時に複数層
を供給するのである。

このように複数層を同時に形成する多層ウェブ形成機の
典型例は米国特許第３，９２３，５９３号明細書、特開
昭５０−１０１６０３号公報などに記載されている。

この米国特許には中間層に強度を高める高灰分を配した
複数層を同時に形成することが開示されている。

本発明は高排水率の問題を考慮に入れたものである。

すなわち本発明の原理によれば中間層を高濃度材料から
形威し、これにより中間層から外層を通って出る排水に
よる影響の問題を軽減するものである。

本発明による機構を用いることにより機械の能力を改善
し、生産速度を高め、かつ高品質の多層紙が得られるの
である。

中間層を形成するのに高濃度材料を用いることにより曲
げこわさの大きい仕上厚紙が得られる。

さらに重質の大斤量の厚紙を水分除去能力を高めること
を要せずに形成することができる。

ツインワイヤ形成機により３層厚紙を形成する現行の方
法はｔｏｏｏ平方フィート当り４２ポンド程度の斤量に
制限されることとなる。

２％ないし５％程度の高濃度材料を用いることにより１
０００平方フィート当り９０ポンドの斤量にこれを増大
せしめることができるのである。

また１０００平方フィート当り３３ないし１１０ポンド
の範囲の漂白厚紙を作ることもできる。

高濃度の中間層を有する多層厚紙を形成するに当っての
難点のひとつは、中間層中のファイバーの配置が不整と
なり外層の面に凹凸を生ずることであり、またこのため
仕上った厚紙の強度を弱めかつこわさを減することであ
る。

本発明の目的は中央または中間層の材料を外層の材料と
は異なったやり方で処理、すなわち、外層内にはエネル
ギ的に細かい規模の乱流を生せしめるが厚い内層はその
材料を曲りくねった通路を通すことにより制御された乱
流を生せしめることにより厚紙が不均一になることを解
決し厚紙全体のこわさを増大せしめることにある。

以下本発明を添付図面に例示したその好適な実施例につ
いて詳述する。

第１図は従来方法により形成した多層ウェブの拡大図で
ある。

中間層は従来の多層形成法を用いて高濃度材料から形成
されている。

このためその頂面および底面は粗製のチーズの表面のよ
うに凹凸のあるものとなる。

この頂面および底面に頂層および底層を第１図に示すよ
うに形成すると、これら頂層および底層の表面も凹凸の
あるものとなるのである。

本発明によれば中間層の凹凸は埋められるので第２図に
示すような平滑な外面が形１１される。

すなわち中間層１３は平滑な表面をもつ外層１４および
１５で覆われるのである。

第３図に示すヘッドボックス１６では上壁１７および下
壁１８を包含している。

このヘッドボックスには外部ヘッドボックス室すなわち
上室１９および下室２０が形成してあり、これらの室で
外層を形成する材料を扱っている。

中間層用の材料はヘッドボックスの中間室２１に供給さ
れる。

ヘッドボックスの上室１９および下室２０にはヘッダ２
４および２５から材料を供給する。

これらのヘッダはヘッドボックスの幅を横切って延在し
ている。

これらのヘッダは好適にはその一端を供給管路２２およ
び２３に接続しウェブの外層を形成する材料を供給する
のである。

ヘッドボックスの上室内を移行方向に複数本の管２６が
延在しており、また同様な管２７がヘッドボックスの下
室を貫いて延在している。

これらの管はウェブの外層にこまかい規模の乱流を生じ
させ維持させるためのものである。

ヘッドボックスは上壁２８および下壁２９を有するスラ
イス室に材料を供給する。

これらの壁はヘッドボックスに枢軸的に丁番結合してス
ライス開口３０の寸法を制御するようにしてもよい。

上層用の材料はスライス室の一方の外部スライス部分す
なわち上部部分３３を通って下流方向に移行する。

下部外層用の材料はスライス室の他方の外部スライス部
分すなわち下室部分３４を通って移行する。

スライス室の上部および下部部分のそれぞれには下流方
向にのびるたわみ性の素子が配置しである。

これらの素子は好適にはシート状のものであるが、場合
によってはヘッドボックスの幅を横切って分割したフィ
ンガ状の素子のような異なった形状のものとすることも
できる。

図示の素子はシート状であって、その上端部を固定し、
その下端部を自由に浮動させて流している。

これはこまかい規模の乱流を維持するためで、この乱流
は材料中に生ぜしめられ繊維の均一分布を保証し綿状の
かたまりの発生を防止する。

このような綿状のかたまりの発生防止は中間層の外面に
うすいこまかい紙層を施して多層紙を形成するのに特に
必要なことである。

材料は脱水形成面間に供給される。

これらの面は形成ワイヤ３１および３２によって断片的
に示されている。

スライス室の中央にはウェブの中間層を形成する材料の
ための分離された通路がある。

この中間層を制御する構造は剛性な土壁３８と下壁３７
とを有する。

これらの壁はその間にジグザグ通路４１を形成しており
、この通路４１内を高濃度材料が供給管路２１ａからヘ
ッダ２１を介して流れて来る。

すなわち材料は板３８および３７の上面４０および下面
３９の間に形成されたジグザグ通路を流れる。

剛性な壁の下流端ではたわみ性の突出要部４２および４
３があり、これらの要部は高濃度材料をスライス開口３
０へ案内する。

スライス開口においては、外層は中間層上にスムースに
置かれ、このように組合された層は形成面３１および３
２間を流れる。

高濃度材料のジグザグ通路４１は図示のものとは異なる
ものとしてもよいが、この通路は比較的はげしく変化す
る通路で始まりその終りには変化を少なくして中間層の
材料を成形面間に放出するようにする。

中間通路に供給される材料は１％ないし５％の範囲の濃
度を有するものとする。

好適には中間層間の材料は外層用の材料とは異なるもの
とし、長いファイバクラフト ハードウッドファイバ
およびリクレームドメカニカルファイバを包含するもの
とする。

まとめると、高濃度材料は外層の流れの間の強制ジグザ
グ流れ通路を介して供給される。

外層は同時に、形成面間のニップの供給端から供給され
る。

従来のように中間層に低濃度の紙料を使用した場合には
多量の水が外層を通過して排水され、この多量の水によ
る外層繊維の乱れが生じていた。

ところが本発明によれば中間層が高濃度であることは、
この中間層から外層を通って流出する排水の量を減少せ
しめ、この結果外層の繊維配置の乱れを大きく減少せし
め、このため外層の性状を改善することができるのであ
る。

これにより多層ウェブのこわさおよび品質を改善するこ
とができる。

中間層の材料および外層中に誘起される乱流は外層が内
層のくぼみを埋めながら、外層の表面を平滑にするので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の多層厚紙の拡大断面図、第２図は本発明
による多層厚紙の拡大断面図、第３図は本発明によるヘ
ッドボックスの縦断面図である。 １３・・・・・・中間層、１４，１５・・・・・・外層
、１６・・・・・・ヘッドボックス、１７・・・・・・
上壁、１８・・・・・・下壁、１９・・・・・・上室、
２０・・・・・・下室、２１・・・・・・中間室、２２
、２３・・・・・・管路、２４，２５・・・・・・ヘ
ッダ、２６．２７・・・・・・管、２８・・・・・・土
壁、２９・・・・・・下壁、３０・・・・・・スライス
開口、３１．３２・・・・・・形成ワイヤ、３３・・・
・・・上部部分、３４・・・・・・下部部分、３７・・
・・・・下壁、３８・・・・・・上壁、４０・・・・・
・上前、４１・・・・・・通路、４２，４３・・・・・
・要部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 液体担体中の繊維スラリから成る紙料から多層ウェ
   ブを形成する方法において、紙料を外部ヘッドボックス
   室からスライス室の外部スライス部分を介して移動中の
   形成面に供給して外層を形威せしめると共に、比較的高
   濃度の紙料を、前記形成面に放出する前に曲りくねった
   通路を通してから前記外層間に供給して中間層を形威せ
   しめることを特徴とする方法。