JPS5842819B2 - 印刷模様と凹凸模様とが同調した積層合成樹脂シ−トの製造法及び装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は印刷模様と型付模様、換言すれば凹凸模様とが
同調した積層合成樹脂シートの製造法及び装置に係るも
ので、その目的は例えば床材に使用して寸法安定性が良
好で、広い場所に敷設した場合でも印刷模様間にずれを
生ずることなく敷設することができ、しかも多色の印刷
模様と凹凸模様とが全面的に或は部分的に一致した奇麗
な積層合成樹脂シートを簡単に製造することができる製
造法及び製造装置を提供しようとするものである。

例えば長尺の床材料を広い場所に、印刷模様間にずれが
生じないように敷設するためには、印刷模様のピッチ寸
法が正確に一定寸法であることが必要である。

そのために従来は、例えば寸法安定性の良好なアスベス
ト紙或はガラス繊維布を基材として使用して寸法安定性
を計り、その表面に直接各種の印刷模様を形成する方法
が行われている。

処がこの基材は寸法の安定性及び強度保持の関係で約１
ｍｍ前後の厚さが必要で、この厚みでは印刷が困難で
あり、印刷不良を出した場合の損失が大きいという欠点
がある。

又別例として寸法安定性の良好な基材の表面に未発泡の
発泡体を設け、該発泡体の表面に転写紙を使用して印刷
を成し、該印刷模様に同調する如く部分的に発泡を抑制
しながら前記未発泡の発泡体を発泡させて該発泡模様と
印刷模様とが同調した凹凸模様を形成する方法も行われ
ているがこの方法は転写紙が無駄となり、かつ、表面が
発泡体である故、強度不足という欠点がある。

この点に鑑み発明したのが本発明の方法及び装置である
。

元来熱可塑性合成樹脂フィルムは寸法不安定なものが多
く印刷、貼合等の加工作業に際しテンションをかけねば
蛇行したり、皺が入る等により常時、引張った状態で送
行しなければならない。

従って型付ロールの凹凸模様のピッチと熱可塑性合成樹
脂フィルムに印刷した印刷模様のピッチを最初より同一
に設定した場合は、テンションをかけることにより、印
刷模様の流れ方向のピッチが犬となり、型付ロールの凹
凸模様のピッチと同調させることが不可能となる。

従って本発明においては、最初よりフィルムに印刷した
印刷模様の流れ方向のピッチを型付ロールの凹凸模様の
ピッチより若干小さく設定し、テンションをかけること
により型付ロールの凹凸模様のピッチと印刷模様のピッ
チとが同一になるごとく設定し、該印刷フィルムをコン
トロールロールとエキスパンターロールと位置調整ロー
ルとにより、印刷フィルムの縦横方向の引張り及び接着
位置の位置調整をして印刷模様と凹凸模様とを同調させ
る如くしたのである。

即ち本発明方法は、熱可塑性合成樹脂フィルムに印刷し
た印刷模様と、型付ロールによる凹凸模様と←致させる
如くした積層合成樹脂シートの製造法であって、裏当て
材料の上部に、中間シートを接着した積層シートを形成
する一方、印刷模様のピッチを、流れ方向では型付ロー
ルの凹凸模様のピッチより若干小さく設定した印刷模様
を有する熱可塑性合成樹脂フィルムを形成し、該フィル
ムを一対のコントロールロールで縦方向に伸スと共に、
該伸しに当り生じた縦皺をエキスパンダーロールで横方
向に伸し、更に前記積層シートとの接着位置を位置調整
ロールで調整しながら前記中間シートの表面に接着し、
前記フィルムの印刷模様と同調する如くした凹凸模様を
有する型付ロールにより、印刷模様に同調した型付けを
成す如くした点を、又本発明装置は、熱可塑性合成樹脂
フィルムの巻出し軸と、該フィルムに形成した印刷模様
と同調する如くした凹凸模様を有する回転可能な型付ロ
ールとの間に、前記フィルムの送出し方向にそれぞれ間
隔を置いて回転速度を調整可能とした１対のコントロー
ルロールと、円筒状に配置した可動片を回転に伴なって
軸方向にスライドさせる如くしたエキスパンダーロール
と、移動により位置調整を可能にした位置調整ロールと
を順次配設した点を要旨とするものである。

次に先づ本発明装置を図面に基づいて説明する。

図面中１で示すものは、加熱炉で、又２ａ。

２ｂで示すものは、該加熱炉１の図面上、右側方に設け
た間隔を隔てた１対の接着ロールで、該接着ロール２ａ
、２ｂ間の間隔は調整できる如く構成されている。

又３は周面に凹凸模様（型）を形成した型付ロールで、
該ロール３は例えば循環水により冷却し得る如く構成さ
れており、前記凹凸模様（型）は後記する熱可塑性合成
樹脂フィルムに形成した多色印刷模様に同調する如くし
た凹凸模様にするとか、或は多色印刷模様の一部の模様
に同調する如くした模様にするのであり、核型付ロール
３は図面上前記接着ロール２ａの右側方に設けるのであ
る。

又４は、前記型付ロール３の直下に間隔を隔てて設けた
循環水により、冷却する如くしたバックロールで、該バ
ックロール４と前記型付ロール３との間の間隔は調整可
能に構成されている。

又５は前記接着ロール２ａの上方に設けた軸で、該軸５
は後記する多色模様を印刷した熱可塑性合成樹脂フィル
ムを巻出し得る如く支持するための巻出し用の軸である
。

又６は前記軸５の下部で、回転自由に設けたガイドロー
ルである。

又７は前記ガイドロール６附近で、回転自由に設けた巻
出しロールである。

又８ａ 、ａｂは、前記巻出しロール７の下部に形成し
た無段変速装置（図示せず）により回転速度を調整し得
る如くした１対のコントロールロールである。

このコントロールロール８ａ、８ｂの回転速度を自在に
調整することにより、印刷フィルムの縦方向、換言すれ
ば、該フィルムの送出し方向の伸びを調整するものであ
る。

又９は前記コントロールロール８ａ 、ａｂの下部に設
けたエキスパンダーロールで、該ロール９で、前記送出
し方向の延伸に当り生じた送出し方向の縦皺を送り出し
方向に対して横方向に伸ばすのであり、該ロール９とし
ては、細長い可動片の適数枚をローラーの円周上に配置
してローラーの回転と共に前記可動片を軸方向にスライ
ドして、前記可動片に接触している前記印刷フィルムの
幅出しを可能にした従来公知のエキスパンダーロールを
使用するのである。

又１０は前記エキスパンダーロール９に対設し、かつ、
該エキスパンダーロール９と同時に図面中、矢印の如く
横移動を可能にした位置調整ロールで、この位置調整ロ
ール１０の移動により、前記コントロールロール８ａ
、ａｂと接着ロール２ａとの間で、前記印刷フィルムの
長さを任意に変更して、後記する積層シートに対する印
刷フィルムの接着位置を調整する、換言すれば印刷模様
と型付ロール３の凹凸模様との位置を合わせて両者が同
調する如くするのである。

即トコントロールロール８ａ 、ａｂと、エキスパンダ
ーロール９とにより、印刷フィルムの縦方向の伸びと、
横方向の幅出しを成して、印刷模様のピッチと凹凸模様
のピッチとを同一に成し、更に前記位置調整ロール１０
を迂回させて接着位置を調整しながら接着ロール２ａの
下部に供給して積層シートに接着し、更に前進（図面上
右方）させて前記型付ロール３により、多色印刷した模
様に同調した凹凸模様を形成する如くしたのである。

次に前記装置に基づいて本発明方法を説明する。

１１は裏当て材料で、該裏当て材料１１は、耐熱性で、
かつ、寸法安定性の良好な、例えばアスベスト紙、或は
ガラス繊維布等を使用するのである。

又１２は中間シートで、該中間シート１２は例えば塩化
ビニール樹脂の如き熱可塑性合成樹脂に可塑剤２発泡剤
、充填剤等を配合した組成物を約０、５ ｍ７ｎ＠後の
厚さに展延して形成するのであり約２００℃で２分間で
約３倍程度に発泡する如く形成することが理想的で、該
中間シート１２は接着剤を介して或は介することなく、
前記裏当て材料１１の上に重ねるのである。

然して接着剤としては、熱可塑性合成樹脂を主体として
形成した接着剤を使用することが理想的である。

尚、前記中間シート１２は非発泡性例えば塩化ビニール
樹脂の如き熱可塑性合成樹脂シートであってもよく、例
えば該中間シート１２は硬度２０〜２５パーツ、厚さ０
．５〜１．０間柱度の有色不透明の半硬質シートを使用
すると耐熱性があり、かつ、表面強度の強い床材を作る
ことが出来るのである。

前記の如く裏当て材料１１と中間シート１２とを重ね合
わせた状態で加熱炉１内を通過させて両者を熔着させて
積層シート１３とするのである。

この時中間シート１２が発泡剤を含有している時は、加
熱炉１の温度を約２００℃程度にし、約２分間加熱して
、約３倍程度に発泡させ、発泡シートと裏当て材料１１
とが熔着した積層シート１３とするのである。

一方に於て、硬度２５〜４０パーツ、厚み約０．１〜０
．２ ｍｍの熱可塑性合成樹脂フィルムに多色印刷をし
た印刷模様を有する熱可塑性合成樹脂フィルム１４（以
下熱可塑性合成樹脂フィルム１４を印刷フィルム１４と
略称する）を形成し、該印刷フィルム１４を軸５に、印
刷面が接着側となる如く、かつ、巻出し得る状態で支持
させ、ガイドロール６を介して巻出しロール７に沿わせ
、更に一対のコントロールロール８ａ、８ｂ間ヲ圧着状
態で通し、更にエキスパンダーロール９に沿わせ、更に
位置調整ロール１０を介して接着ロール２ａの下部で、
前記積層シート１３の中間シート１２側に沿わせるので
ある。

然して積層シート１３は、加熱炉１で加熱さか、表面は
粘着性を有するので前記印刷フィルム１４と積層シート
１３とは接着ロール２ａの位置で熔着し、一体化するこ
とになるのである。

処で前記印刷フィルム１４は、巻出しロール７よりコン
トロールロール８ａ 、８ｂ方向に送り出されるのであ
るが、巻出しロール７より送り出された印刷フィルム１
４は、コントロールロール８ａ、８ｂと接着ロール２ａ
との間において、引張られることにより型付ロール３の
凹凸模様のピッチより小さく設定された印刷フィルム１
４の模様のピッチが引き延ばされる結果、両者は略同−
ピッチとなるのである。

即ちコントロールロール８ａ、８ｂの表面速度は、型付
ロール３の表面速度より若干遅くなる如く設定されてい
るので印刷フィルム１４は引張られて伸るのである。

次いで、エキスパンダーロール９によって、印刷フィル
ム１４の幅出し、換言すれば皺を横方向に伸ばすのであ
る。

さらに必要な時は変速自在なコントロールロール８ａ、
８ｂによって印刷フィルム１４の伸びの微調整をやり、
印刷模様のピッチと凹凸模様のピッチとが同調する如く
するのである。

前記の如くして印刷模様のピッチと凹凸模様のピッチと
が同調する如くした印刷フィルム１４を位置調整ロール
１０を介して前記の如く接着ロール２ａの下部に供給し
て接着し、次いで型付ロール３により正確、かつ、確実
に型付けをするのである。

処で、型付ロール３に形成した凹凸模様と多色印刷模様
とは予かしめ同調し得る如く１対のコントロールロール
８ａ 、８ｂと接着ロール２ａ間に於ける印刷フィルム
１４の伸びを勘案し、型付ロール３の凹凸模様の流れ方
向のピッチを印刷フィルム１４の模様の流れ方向のピッ
チより始めから若干大きく形成したので、印刷フィルム
１４に印刷された印刷模様通りに型付ロール３により型
付けが成され、印刷模様に同調した型付けをした積層合
成樹脂シートが製造でき、るのである。

又、型付ロール３として印刷模様の一部にのみ同調する
如くした凹凸模様（型）を形成した型付ロール３を使用
すれば印刷模様と型付模様とが一部で同調した積層合成
樹脂シートが得られるのである。

又、中間シート１２として発泡シートを用いた時は、弾
力性のある積層合成樹脂シートが得られるのである。

然して本発明方法は多色印刷を熱可塑性合成樹脂のフィ
ルムに施すものである故、前記従来品の如く部厚い基材
に多色印刷するのに比較し作業能率が顕著に向上し、又
奇麗な印刷模様が形成でき、該印刷模様に同調した型付
けをした製品が得られるのである。

又熱可塑性合成樹脂フィルムに印刷し、これを応用する
ものである故、転写紙を必要とせず経済的に製品を得る
ことができるのである。

又、裏当て材料として前記の如く寸法安定性の良好な材
料を使用したので施工に当り印刷模様相互間にずれが生
ずる危険性がないのである。

又、コントロールロールとエキスパンダーロールとによ
り印刷フィルムを縦横方向に充分に伸ばした状態、換言
すれば印刷模様と型付ロールの凹凸模様とのピッチを同
一となし、更に位置調整ロールにより印刷フィルムと積
層シートとの接着位置を調整した状態で積層シート上に
接着し、かつ、前記の如く型付ロールにより型付けをし
たので、第２図及び第３図に示す如く多色模様の印刷部
分ａで、該印刷部分ａに一致した型付けができ、印刷部
分すで型付けしない個所は突出状をした奇麗な多色の印
刷模様に同調した型付模様を形成した製品が得られるの
である。

又、本発明方法は印刷フィルム１４を使用するものであ
る故、該フィルムの厚み、硬度、色彩、艶等、フィルム
の物性或は外見を変えることにより、従来方法では得ら
れない変化に富んだ製品を得ることができるのである。

以上の説明により明白な如く本発明方法及び装置によれ
ば多色の印刷模様と型付模様とが全面的に、又は部分的
に一致した奇麗な積層合成樹脂シートを得ることができ
るのである。

又、裏当て材料として寸法安定性の良好な材料を使用す
ることにより広い面積に敷設した場合でも、印刷模様が
ずれることなく敷設することができる製品が得られるの
である。

次に本発明方法の一実施例を説明する。

塩化ビニール樹脂 １００部（重量部以下同じ）Ｄ、
０． Ｐ ４０部 Ｂ、 Ｂ、 Ｐ １０部 ｐＨ−２８２５部 ｐＨ−４４２０，５部 ＡＣ３４部 Ｚｎ−４０９０，５部 炭酸カルシウム ３０部 以上の配合より成る組成物により０．５７１！７ＩＬの
厚さをした中間シート１２を形成し、該中間シート１２
をガラス繊維布より成る裏当て材料１１の上部に重ね、
その状態で加熱炉１を２分間で通過させ、その間に２０
０℃で加熱して３倍に膨張させた積層シート１３を形成
し、該積層シート１３を型付ロール３の方向に送出した
。

一方に於て印刷模様のピッチがあらかじめ型付ロール３
の凹凸模様のピッチより、縦６俤小さく、横０．５多大
きく設定した多色印刷模様を形成した印刷フィルム１４
の巻装物を、軸５に印刷面を内側にして巻出し得る状態
で支持させ、該印刷フィルム１４をガイドロール６を介
して回転している巻出しロール７に沿わせ、更に１分間
４ｍの周速度で回転している型付ロール３より６饅低速
度で回転しているコントロールロール８ａ 、ｓｂ間を
圧着状態で通過させた。

更にコントロールロール８ａ、８ｂと型付ロール３との
間で回転しているエキスパンダーロール９により、横方
向の幅出しをし、位置調整ロール１０を介して、接着ロ
ール２ａの下部に供給して、前記積層シート１３の保有
している粘着力により、積層シート１３上に印刷フィル
ム１４を接着した。

次に前記印刷フィルム１４の印刷模様に同調する如くし
た凹凸模様（型）を形成した型付ロール３により型付け
をして印刷模様と凹凸模様とが同調した積層合成樹脂シ
ートＸを得た。

然して前記実施例に於てコントロールロール８ａ、８ｂ
と型付ロール３との間に於て印刷フィルム１４は縦方向
で６優伸び、横方向で０．５φ収縮し、印刷模様のピッ
チと凹凸模様のピッチとが同一となった。

更にエキスパンダーロール９と該ロール９と同時に横移
動する位置調整ロール１０を介して印刷フィルム１４を
積層シート１３に接着したので前記の如く印刷模様に正
確に同調した凹凸模様を形成した製品Ｘを製造し得た。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明シートの一実施態様を示すもので、第１図
は装置全体の簡略説明図、第２図は製造過程の説明図、
第３図は製品の断面説明図である。 １・・・・・・加熱炉、３・・・・・・型付ロール、５
・・・・・・軸、７・・・・・・巻出しロール、８ａ、
８ｂ・・・・・・コントロールロール、９・・・・・・
エキスパンダーロール、１０・・・・・・位置調整ロー
ル、１１・・・・・・裏当て材料、１２・・・・・・中
間シート、１４・・・・・・印刷模様を有する熱可塑性
合成樹脂フィルム（印刷フィルム）。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 熱可塑性合成樹脂フィルムに印刷した印刷模様と、
   型付ロールによる凹凸模様とを一致させる如くした積層
   合成樹脂シートの製造法であって、裏当て材料の上部に
   、中間シートを接着した積層シートを形成する一方、印
   刷模様のピッチを、流れ方向では型付ロールの凹凸模様
   のピッチより若干小さく設定した印刷模様を有する熱可
   塑性合成樹脂フィルムを形成し、該フィルムを縦方向に
   伸す一方、横方向の幅出しを成し、かつ、前記積層シー
   トとの接着位置を調整しながら前記中間シートの表面に
   接着し、前記フィルムの印刷模様と同調する如くした凹
   凸模様を有する型付ロールにより、印刷模様に同調した
   型付けを成す如くしたことを特徴とする印刷模様と凹凸
   模様とが同調した積層合成樹脂シートの製造法。 ２ 熱可塑性合成樹脂フィルムの巻出し軸と、該フィル
   ムに形成した印刷模様と同調する如くした凹凸模様を有
   する回転可能な型付ロールとの間に、前記フィルムの送
   出し方向にそれぞれ間隔を置いて回転速度を調整可能と
   した１対のコントロールロールと、円筒状に配置した可
   動片を回転に伴なって軸方向にスライドさせる如くした
   エキスパンダーロールと、移動により位置調整を可能に
   した位置調整ロールとを順次配設したことを特徴とする
   印刷模様と凹凸模様とが同調した積層合成樹脂シートの
   製造装置。