JPS5842746Y2 - ガスバ−ナ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はガスバーナに関するものである。

燃料をバーナによって燃焼させる場合は、燃料と燃焼用
空気とが十分に混合された後に着火燃焼させるのが理想
的であるが、一般的には、バーナの構造、バーナタイル
の形状、燃料の種類、組成、燃焼量、空気比等の条件に
よって燃料と燃焼用空気とが十分に混合されず、燃料の
ごく一部が未然の状態で残ることとなる。

また、燃料中には極めて微量ではあるが、未燃物である
挾雑物があり、これらがバーナ先端部付近の気流のごく
少ない空間に滞留、沈降して堆積する。

この付着・堆積した未燃分の粉体は一般にススと呼ばれ
ているが、特に、燃料の種類によっては、この粉体の中
には潮解性を有するものがあり、この場合には、バーナ
タイル、あるいは、燃料ノズル先端に粉体が付着・凝着
し、その上に更に新しく発生したススが次ぎ次ぎに堆積
し、ついには燃焼ガスの通過を阻害し、またバーナノズ
ルの閉塞という事態を招く場合があり、正常な燃焼を保
持することができないばかりか、燃焼が停止することも
ある。

一方、燃焼炉における燃焼排ガス中のＮＯｘを低減する
対策は現在業界の大きな課題となっており、従来のバー
ナに対してＮＯｘの発生が少ないバーナ、いわゆる、低
ＮＯｘバーナが実用化されつつある。

これら低ＮＯｘバーナは、原理上、燃焼ガス温度を低下
させる方法、燃焼ガス滞留時間を短縮させる方法、燃焼
空気比を変える方法等の内の一つあるいは複数の方法を
組合わせる方法が用いられているが、いずれの方法にお
いても、上述したススの堆積は、これらＮＯｘ低減方策
に対しては悪影響を及ぼし、ＮＯｘ低減度が低下する。

更に、低ＮＯｘバーナ単体によるＮＯｘ低減以上にＮＯ
ｘを削減しようとする場合には、例えば、特願昭５０−
１８５１号による発明のように、複数のバーナを比較的
空気過剰群と、比較的空気不足群との２群に分け、いわ
ゆる、非化学量論的燃焼を行なわせる時及び実願昭５１
−１０６５８８号の考案のように燃焼用空気を分割し、
その一部を燃焼火焔先端に供給する、いわゆる、二段燃
焼法等の方策を採用している場合には、一般のバーナに
比べてススの堆積量が多く、シかも、このススの影響に
よるＮＯｘ低減効果の低下が著しいことが経済的に明ら
がとなっている。

そこで、本考案は、従来のバーナにおける以上のような
欠点を除去すると共に、特に、低ＮＯｘバーナに実施し
た場合にＮＯｘ低減効果を低下させることのないガスバ
ーナを得ることを、その目的とするものである。

以下、本考案をその実施例を示す添付図面に基づいて説
明する。

まず、第１図は従来のガス用低ＮＯｘのバーナの断面図
であり、燃料ガスＧは、バーナボディー１に設けられた
燃料供給口２から供給され、バーナ外筒３と内筒４との
間に形成された通路を通り、ボディー１の先端部にバー
ナ中心に対して環状に配列された燃料ノズル５から噴出
される。

一方、燃焼用空気Ａは、空気供給口６からボテ゛イー１
の後部に供給され、内筒４の内部を通り、ボテ゛イー１
の先端部の空気ノズル部７から吐出され、先に述べた燃
料ノズル５から噴出する燃料ガスＧと混合して燃焼し、
バーナタイル８を通過し、燃焼炉へ向がう。

しかし、この構成を有するバーナにおいては、燃焼の際
に、燃料Ｇと空気Ａとが混合する位置付近から、先述の
ススが堆積し、およそ第１図にａによって表わされるよ
うな形で、バーナタイル８の下面に堆積すると共に経済
的にバーナ中心軸方向及び上方へ蓄積して行くことが、
経験的に判明している。

そこで、本考案においては、燃焼用空気の一部をバーナ
中心軸を中心として旋回させることによって、このよう
なススの堆積を防止しようとするもので、そのための構
造を、そのｌ実施例を示す第２図について説明する。

第２図において、符号１から８までの部材は、第１図に
示すものと同一の部材を示すものであるが、本考案にお
いては、燃焼用空気が通過する内筒４の内側に、これと
同軸に且つ間隔を置いて内管１０を配置し、内管１０の
先端部近くの外面には気流の一部に旋回力を与えるため
に数個の案内翼１１を設け、これら案内翼１１によって
内管１０を支持すると共に内管１０の後端部付近の外面
から数個の支持棒１２によって内管１０の後端部を内筒
４に固定する。

このようにして、空気供給口から供給される空気流Ａを
、内管１０を通って直進するものと、内管１０の外部を
通って案内翼１１によって旋回するものとに２分させる
ように構成されている。

本考案は以上のような構成を有するが、次ぎに、燃焼用
空気の流れに着目してその作用を説明する。

燃焼用空気Ａは供給口６から供給され、内筒４の内部を
流れるが、その際に、その一部はバーナ中心軸に近い内
管１０の内部を流れる。

ここで、内管１０の内部を流れる空気流を内部、支持棒
１２の間を通って内筒４と内管１０との間を流れる空気
流を外部ということにすると、この内部は内管１０の先
端のノズル７を経て従来通り直進的に噴出されるが、外
部は内管１０の先端部近くの外周に取付けられた案内翼
１１によって旋回力を与えられてバーナ中心軸を中心と
して旋回しながら噴出される。

この旋回力によって、バーナノズルからバーナタイル８
に渡って堆積しようとするススに運動力を与えることと
なる。

なお、この場合、若しも、燃焼用空気全量に旋回力を与
えると、圧力損失が増大し、供給用動力源の能力が不足
することにもなり、また、低ＮＯｘ低減効果を著しく損
うと共に冷間点火時の火焔の不安定性が増大する。

逆に、旋回力を小さくすると、ススの堆積を防止するこ
とができない。

そこで、本考案においては、本来の低ＮＯｘ特性を保持
し、火焔の安定性を保ち、しかも、圧力損失を最少必要
限度に抑えてススの堆積を防止するのに必要な旋回力を
得るために、種々の実験を行なった結果、その旋回用空
気量や案内翼の形状等に関して次ぎのような知見を得る
ことができた。

まず、旋回力を与える外部の量は、全燃焼用空気量の５
０−６０％が望ましい。

すなわち、外部（旋回流）が５０−６０％、内部（直進
流）が５０−４０％の割合になるように内管１０の寸法
を決定すると共に案内翼１１は、バーナ中心軸に対し２
５°−３５°の傾斜の範囲か゛望ましく、また、案内翼
１１の翼数等は、ノズルの直径、内管外径によっても異
なるが、実験的には、８枚、翼の巾：高さは、１ ：１
．５とした場合が効果が最も大きいことが分かった。

以上のように、本考案によると、特に、これを低ＮＯｘ
バーナに実施した場合に低ＮＯｘバーナの特性を損なう
ことなく、また、着火時の火焔の不安定を招くこともな
く、シかも、ススの堆積付着を防止することが可能とな
る。

なお、以上には本考案を、その実施例として低ＮＯｘバ
ーナについて述べたが、本考案は一般のバーナについて
実施しても同様の効果が得られることは、明らかなとこ
ろである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の低ＮＯｘガスバーナの１例の断面図、第
２図は本考案による低ＮＯｘガスバーナの１実施例の断
面図、第３図は第２図におけるＩＩＩＩＩＩ矢視図、第
４図は第２図におけるＩＶ−ＩＶ矢視図である。 １・・・・・・バーナボテ゛イ；２・・・・・・燃料ガ
ス供給口；３・・・：外筒；４・・・・・・内筒；５・
・・・・・ガスノズル；６・・・・・・燃焼用空気供給
口；７・・・・・・空気ノズル；８・・・・・・バーナ
タイル；１０・・・・・・内管；１１・・・・・・案内
翼；１２・・・・・・内管支持棒。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. １．外筒３と内筒４とから成り、内筒４内に燃焼用空気
   を供給し、内外筒の間に気体燃料を供給するようになっ
   ているガスバーナにおいて、バーナの内管４の内部にそ
   れと同軸に間隔を有するように内管１０を設け、この内
   管１０の先端近くの外周に、内筒４の内周面との間に数
   個の案内翼１１を中心軸に対し傾斜して設けて成るバー
   ナ。 ２、内管１００面積と、内筒４と内管１０との間の面積
   とを、内管１０内を流れる燃焼用空気量が全燃焼用空気
   量の４０〜５０％となるようなものとした実用新案登録
   請求の範囲第１項記載のガスバーナ。 ３、案内翼１１の中心軸に対する傾斜角度を２５゜〜３
   ５°、翼数を８、翼の巾：高さを１ ：１．５とした実
   用新案登録請求の範囲第１又は２項記載のガスバーナ。