JPS5842373B2 - 車輌用ディスクブレ−キ装置のディスクロ−タ防錆装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は車輛用ディスクブレーキ装置のディスクロータ
防錆装置に関する。

ディスクブレーキ装置のディスクロータは通常鋳鉄製で
ありきわめて錆を生じ易い。

特に製造した車輛を船舶により海外へ運搬する場合に、
車輛を暫らくの開港に放置するのでこの間に塩分を含ん
だ外気にさらされディスクロータに錆が発生することが
多い。

ディスクロータが錆びると該ディスクロータを摩擦制動
する摩擦パッドの早期摩耗やディスクロータと摩擦パッ
ド間の摩擦係数の低下による制動性能の低下の問題があ
る。

かかる問題を解決するために本願出願人は先に周辺部に
制動摩擦面を有するディスクロータをナックルフランジ
と一体の車輛車軸に回転可能に軸架し、該ディスクロー
タの制動摩擦面を制動するキャリパとディスクロータの
内面側を覆う固定ダストカバーとをそれぞれナックルフ
ランジに止着し、ディスクロータの外面側を覆う防錆カ
バーを固定ダストカバーの外周縁上に着脱可能にスナッ
プ嵌着してなる車輛用ディスクブレーキ装置のディスク
ロータ防錆装置を提案した（実願昭５１−１１６９５０
号）。

本発明は上述の車輛用ディスクブレーキ装置のディスク
ロータ防錆装置の改良に関し、防錆カバーを確実に取付
は固定可能でありかつ用済み後の防錆カバーを容易迅速
に除去し得るディスクロータ防錆装置を提供することを
目的とする。

この目的達成のために本発明では防錆カバーのキャリパ
取付用切欠きのディスクロータ局方向に対向離間した両
側縁部分のディスクロータ方向に向かう壁面にキャリパ
支持部材に形成した受は面に衝接する衝接面を形成して
受は面に衝接した衝接面とダストカバー外周縁上のスナ
ップ嵌着とにより防錆カバーを取外し容易に固定する。

かかる構成によりキャリパ取付用切欠きのために変形し
易い防錆カバーを所定の形態を保持しつつ固定し得る。

しかして本発明においては紙製の防錆カバーを用いて使
用後の取外し性を向上しかつプラスチック製防錆カバー
の如くディスクブレーキ作動時の発熱により変形するこ
とを防止できる。

しかも防錆カバーのダストカバー外周縁に嵌着する外周
縁とホイールハブ外周縁に嵌着する内周縁を円錐面で連
結することにより紡錆カバーを適度の剛性に低下でき、
これにより使用後の防錆カバーの取外しが容易となる。

本発明では前述の如く防錆カバーの衝接面をキャリパ支
持部材の受は面に衝接しかつダストカバー外周縁に防錆
カバーをスナップ嵌着するので、防錆カバーがキャリパ
取付用切欠きによって切り離されていても確実にその形
状を矯正し適正な形態を保持できる。

また、キャリパ取付用切欠きのディスクロータ局方向に
対向離間した両側縁部分が小幅の連結帯により連結され
ているときには、該連結帯の根元部の一方に切断用切欠
きを形成することにより使用後の防錆カバーをその一部
をディスクブレーキ装置内に残留することなく確実に取
り除き得る。

更に本発明は防錆カバーに円錐面を形威し該円錐面上に
内向きの段部を円周方向に間隔をなして設けるとともに
該段部と小間隙をなしてクリップを対向固定することに
より防錆カバーのスナップ嵌着および使用後の取外しを
きわめて容易に行い得る。

以下図面を参照して本発明を説明する。

第１図は本発明の単シリンダ式ディスクブレーキ装置の
正面断面図、第２図は第１図の■矢視図（なお第１図は
第２図のＩ−Ｉ線断面図となっている。

）第３図は第２図のｌ−ｌ１１断面図である。

図において、前輪はステアリングナックル１と、ステア
リングナックル１に固着した車輛車軸（図示せず）と、
車輛車軸にころがり軸受（図示せず）を介して回転可能
に軸架したホイールハブ２と、ホイールハブ２にボルト
３により固締したディスクロータ４と、ホイールハブ２
にハブボルト５とハブナツト６により固着したディスク
ホイール７と、ステアリングナックル１にボルト８（第
３図）で固定したキャリパ支持体９と、キャリパ支持体
に固定したキャリパ１０とを有する。

キャリパ１０の内部にはディスクロータ４の両側面を摩
擦制動する移動可能なピストン１１を収容し、該ピスト
ン１１の端面とキャリパ１０とに摩擦パッド１２を添着
固定して、該摩擦パッド１２間における挟圧作用により
車輪制動用ブレーキ装置を構成する。

第２図においてキャリパ１０がストッパプラグ１３を介
してキャリパ支持体９に当接するようにアンチラドルス
プリング１４で付勢され騒音が防止される。

１５はグリースキャップ（第１図）、１６はストラット
である。

前記ステアリングナックル１のフランジ面１ａにはディ
スクロータ４の道路に暴露される内面（車輛の中心方向
に向かう面）４ａに対面しこれを覆うように固定ダスト
カバー１７がそれと一体のキャリパサポートブラケット
１８を介して固着される（第１図）。

固定ダストカバー１７はディスクロータ４の表面に座弁
が付着することを防止する。

一方、ディスクホイールＴは通常ディスクブレーキ装置
の冷却用外気導入孔７ａを穿設される。

従って例えば車輛輸送時に車輛が港に放置されるとこの
外気導入孔７ａを通り塩分を含んだ外気が直接ディスク
ロータ４表面、特にディスクロータ外面（車輛の外側方
向に向かう面）４ｂ上に導入され、ディススクロー２４
表面上に錆が発生する。

これを避けるために本発明ではディスクロータ４の外面
（車輛の外側方向に向かう面）４ｂを覆うようディスク
ロータ４とわずかな間隙をおいて防錆カバー２０を配設
する。

防錆カバー２０は第２図および第４図に示すようにキャ
リパ１０に対応する部分を切欠いた環状形である。

防錆カバー２０は厚紙に撥水処理を施しかつダストカバ
ー１７の外周縁に嵌着する外周縁２１とホイールハブ２
の外周縁に嵌着する内周縁２２との間を円錐面２３で連
結することにより適度の剛性として使用後の取外しを容
易とする。

なお２０ａは水抜きである。

また防錆カバー２０の円錐面２３上に円周方向に３ケ所
ある長さの段部２４を形成し、該段部２４に対向しであ
る間隔をなしてクリップ２５をホチキス（商標）の紙と
じ針や接着剤等により固着する。

段部２４とクリップ２５間の間隙にダストカバー１７の
外周縁を保持して防錆カバー２０をスナップ嵌着する。

しかしながら、防錆カバー２０にキャリパ１０取付用切
欠きを形成していることによりその形状安定性が不十分
であり、特に使用後に取り除き容易とするために防錆カ
バー２０を紙製としたりダストカバー１７の外周縁に嵌
着する外周縁２１とホイールハブ２の外周縁に嵌着する
内周縁２２を円錐面で連結し適度な剛性とすることによ
り形状安定性が一層低下し、該キャリパ１０取付用切欠
き部分で拡開し回転部分に接触して破損する等の問題を
生じ易い。

そこで本発明では防錆カバー２０のキャリパ１０取付用
切欠きのディスクロータ４周方向に対向離間した両側縁
部分２６のディスクロータ４方向に向かう壁面２６ａに
衝接面２７を突出形成して（第３図、第６図）該衝接面
２７をキャリパ支持部材９に形成した受は面９ａ（第３
図）に衝接する。

防錆カバー２０の衝接面２７がキャリパ支持部材９の受
は面９ａに衝接することにより前述の如く拡開傾向を有
する防錆カバー２０のキャリパ取付用切欠き部が逆に閉
じられ、前述の固定ダストカバー１７の外周縁によ５る
スナップ嵌着作用とにより防錆カバー２０は所定形状と
なる。

なお、防錆カバー２０の段部２４を通る垂直平面と衝接
面２７を通る垂直平面間の距離を、ダストカバー１７の
外周縁を通る垂直平面とキャリパ支持体９の受は面９ａ
を通る垂直平面間の距離より小さくして、防錆カバー２
０とダストカバー１７とでキャリパ支持体９を挟圧する
ようにして防錆カバー２０の衝接面２７がキャリパ−支
持体９の受は面９ａに向かって弾性的に押しつけられて
固定されるようにし、上述の衝接面２７と受は面９ａに
よる防錆カバー２０の形状補償作用を生じさせる。

本発明により防錆カバー２０の形状が確実に保持される
ためキャリパ取付用切欠きにより切離された防錆カバー
でも確実に固定し得る。

またキャリパ取付用切欠き部が小幅の連結帯２８により
連結されている防錆カバー（第２図、第４図）では、該
連結帯２８の根元部の一方に三角形等の適宜形状の切欠
き２９を形成することにより、使用済みの防錆カバー２
０を固定ダストカバー１７のスナップ嵌着から離脱後引
張ると切欠き２９部分において確実に切断する。

従って、ディスクブレーキ装置内に防錆カバー２０の切
断端を何ら残留することなく容易にかつ確実に防錆カバ
ー２０を取り除くことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明装置の正面断面図、第２図は第１図の■
−■矢視図、第３図は第２図の■−■断面図、第４図は
第１図および第２図に示す装置の防錆カバーの片側側面
図、第５図は第４図の■−■断面図、第６図は第４図の
ＶＩ−Ｖｌ断面図である。 １・・・・・・ナックルフランジ、４・・・・・・ディ
スクロータ、９・・・・・・キャリパ支持体、９ａ・・
・・・・キャリパ支持体の受は面、１０・・・・・・キ
ャリパ、１２・・・・・・摩擦パッド、１７・・・・・
・ダストカバー、２０・・・・・・防錆カバー、２１・
・・・・・防錆カバー外周縁、２２・・・・・・防錆カ
バー内周縁、２３・・・・・・防錆カバー円錐面、２４
・・・・・・段部、２５・・・・・・クリップ、２７・
・・・・・衝接面、２８・・・・・・連結帯、２９・・
・・・・切欠き。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 周辺部に制動摩擦面を有するディスクロータをナッ
   クルフランジと一体の車輛車軸に回転可能に軸架し、該
   ディスクロータの制動摩擦面を制動するキャリパとディ
   スクロータの車輌中心方向に向かう面側を覆う固定ダス
   トカバーとをそれぞれナックルフランジに止着し、ディ
   スクロータの車輛外側方向に向かう面側を覆う防錆カバ
   ーを固定ダストカバーの外周縁上に着脱可能にスナップ
   嵌着してなる車輛用ディスクブレーキ装置のディスクロ
   ータ防錆装置において、前記防錆カバーを厚紙に撥水処
   理を施した材料で構成しかつこの防錆カバーのキャリパ
   取付用切欠きのディスクロータ周方向に対向離間した両
   側縁部分のディスクロータ方向に向かう壁面にキャリパ
   支持部材に形成した受は面に衝接する衝接面を形成して
   受は面に衝接した衝接面とダストカバー外周縁上のスナ
   ップ嵌着とにより防錆カバーを取外し自在に固定したこ
   とを特徴とする車輛用ディスクブレーキ装置のディスク
   ロータ防錆装置。 ２ 前記防錆カバーのダストカバー外周縁に嵌着する外
   周縁とホイールハブ外周縁に嵌着する内周縁とを円錐面
   で連結してなる特許請求の範囲第１項記載の車輛用ディ
   スクブレーキ装置のディスクロータ防錆装置。 ３ 防錆カバーの円錐面上に段部を円周方向に間隔をな
   して形成し該段部と小間隙をなしてクリップを対向固定
   して該小間隙により防錆カバーをダストカバーにスナッ
   プ嵌着するようにした特許請求の範囲第２項記載の車輛
   用ディスクブレーキ装置のディスクロータ防錆装置。 ４ 防錆カバーのキャリパ取付用切欠きのディスクロー
   タ周方向に対向離間した両側縁部分が小幅の連結帯によ
   り連結しており該連結帯の根元部の一方に切断用切欠き
   を形成した特許請求の範囲第２項記載の車輛用ディスク
   ブレーキ装置のディスクロータ防錆装置。