JPS5841686B2 - ネジリシンドウガタデンキキカイヘンカンシノ セイゾウホウホウ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、電気エネルギーを機械エネルギー、あるいは
機械エネルギーを電気エネルギーに変換するための電気
機械変換子に関し、例えばメカニカルフィルタに利用す
ることができる。

メカニカルフィルタなどの電気機械変換子には屈曲振動
型電気機械変換子、縦振動型電気機械変換子、ねじり振
動型電気機械変換子などがあり、本発明は、このうち小
型で電気機械結合係数が大きくとれるねじり振動型電気
機械変換子に関するものである。

第１図Ａは従来の技術によるねじり振動型電気機械変換
子の構造図であり、１，３は金属棒、２ａは水晶あるい
は圧電セラミックスなどの圧電気効果を有する平板（以
下圧電結晶板という）、４．５は信号入力端子、ｄは残
留分極方向あるいは結晶軸方向を示す。

圧電結晶板２ａの軸方向両断面は全面に電極を有してお
り、圧電結晶板はこの電極を介して金属棒１，３に結合
している。

金属棒１と３との間に高周波電界が印加されるとこの圧
電結晶板２ａにねじり振動が発生し、ねじり振動波が結
合部を介して金属棒１および３に伝搬することによって
電気機械変換が行われるものである。

第１図ＢおよびＣは、従来のねじり振動型電気機械変換
子の圧電結晶板２ａの構造を示したもので、残留分極方
向ｄあるいは特定の結晶軸方向ｄが円周の同一方向にな
る様に圧電結晶板２ａは複数個に切断され、切断面で接
合した構造となっている。

すなわち、第１図Ｂに示すような圧電結晶板を製造する
場合には、第１図りの如く、まず直径方向が残留分極方
向ｄあるいは特定の結晶軸方向ｄと平行になるように半
円形の圧電結晶板を切り出し、この切り出したものを第
１図Ｂのように接合して作成する必要があり、このよう
な半円形あるいはそれ以上の分割円の加工は、角がかげ
る等の製造上の困難性を伴うと共に組立に時間を要する
欠点があった。

本発明は、従来の技術の上記欠点を除去するもので、そ
の目的は、加工が容易で組立時間が短縮できるねじり振
動型電気機械変換子を提供することにある。

この目的を遠戚する本発明の特徴は、圧電気効果を有し
分極方向が面内一方向である単一体構成の平板と、該平
板の第１の面上に分割して該分極方向に沿って設けた第
１の電極と、該平板の第２の面上で前記第１の電極に対
応する部分に設けた単一のもしくは分割した第２の電極
と、該平板の該第２の面に同軸状に結合した金属棒とを
備えたねじり振動型電気機械変換子であって、前記平板
は、第１の電極の分割した電極間に電気信号を印加した
際に該分割した一方の電極と第２の電極との間及び分割
した他方の電極と第２の電極との間にのみそれぞれ互い
に逆方向の電界が生じるような厚さに選定されており、
該各電界発生部に互いに逆方向の厚みすべり振動を発生
させ、斯くして前記平板面に沿って非対称モードの厚み
ねじり振動を生じせしめるようにしたことにある。

以下図面により本発明による実施例を説明する。

第２図、第３図は本発明によるメカニカルフィルタのね
じり振動型電気機械変換子の一例で、第２図はねじり振
動型電気機械変換子全体の構造、第３図は第２図の圧電
結晶板部分の構造を示しており、２ｂは圧電結晶板、４
，５は信号入力端子、６．７は圧電結晶板２ｂ上に真空
蒸着あるいは印刷等の手法によりはり付けられた分割電
極、８は分割電極６，７と対向する共通電極である。

なお、この電極８は分割電極６，７と対向する分割電極
でも良い。

すなわち、本例においては圧電結晶板２ｂを分割切断す
ることなしに円形に切り出し、この片方の面に分割電極
６，７を、他方の面に共通電極８あるいは分割電極を金
属蒸着などで設け、この共通電極８側の面に金属棒１を
結合することによりこのねじり振動型電気機械変換子が
製造されるものである。

次にこのねじり振動型電気機械変換子の動作につＬ・て
説明する。

分割電極６，７間に電気信号を印加するか、分割電極７
と共通電極８とを短絡し、分割電極６と共通電極８との
間に電気信号を印加すると、圧電結晶板２ｂの厚みが薄
い場合、その厚み方向にのみ電界が生じる。

即ち、分割電極６゜７間に電気信号を印加したとすると
、分割電極６と共通電極８との間に電界が生じ、さらに
共通電極８と分割電極７との間に前者とは逆方向の電界
が生じる。

これらの電界の方向と残留分極あるいは特定の結晶軸方
向とが直交するため、それぞれの電界発生部分で厚みす
べり振動が生じ、その振動変位方向が分割電極６部分と
７の部分とでは互いに逆方向となる。

従って圧電結晶板２ｂの面方向には非対称モードの厚み
ねじれ波が生じることになり、この振動が金属棒１に伝
搬する。

このように、本発明の電気機械変換子では、圧電結晶板
の厚み方向に電界が生じるようにその結晶板の厚みを薄
くしてその上面と下面間で厚みすべり振動を起し、その
厚みすべり振動が同一面内で互いに逆方向変位となるよ
うに構成しているので、非常に効率の良い厚みねじれ振
動が最終的に得られるのである。

第４図は、上記の電気機械変換子における厚みねじれ波
のｙ方向の振動変位φ、φを示した図でａは圧電結晶板
の片面のみに電極がある領域、ｂは両面に電極がある領
域、Ｃは両面共に電極のない領域、φａ、＄ａは非対称
モードの厚みねじれ波振動変位である。

さて、比較的電気機械結合係数が小さい場合の上記振動
変位φ、Ｊに対する振動方程式は次式で与えられる。

となる。

なお、ＡＡＢ およびＢａは比例Ｓｓ ａｌ
８ 定数で、φ８，１８はｙ＝ｏに対して対称の対称モード
振動変位、φ３．八はｙ＝ｏに対して非対称の非対称モ
ード振動変位であり、ξ、ξ１およびξ９は次式で定義
するものである。

上記の如く、対称モードφ８ 、Ｊ８はｙ−ｏに対して
厚みねじれ波の変位方向が対称であるためにねじれモー
メントが相殺され、出力として現われないが、非対称モ
ードφａ ｊ ”ａ はｙ−０に対して変位方向が逆に
なるためにねじれモーメントが相加され、出力として現
われることから、本実施例によるねじり振動型電気機械
変換子は、従来のこの種電気機械変換子と全く同様な作
用を呈する。

第５図、第６図は本発明によるねじり振動型電気機械変
換子の圧電結晶板部分の一例で、分割電極の分割数が３
および４の場合の厚みねじれ波振動変位φ、つを示して
おり、分割数が２の場合（第４図）と比較して領域数は
増加するが、振動変位の計算方法および作用は全く同様
である。

第７図Ｑ′！、本発明によるねじり振動型電気機械変換
子の他の例で、圧電結晶板２ｃ、２ｄを金属棒１の上面
と下面の両面に結合した構造となっており、この場合に
は、上面の圧電結晶板２ｃと下面の圧電結晶板２ｄの残
留分極方向あるいは結晶軸方向ｄとが互いに逆方向であ
る必要がある。

なお、この場合の動作および効果は第２図の構造の電気
機械変換子と全く同様である。

以上説明したように、本発明のねじり振動型電気機械変
換子によれば、従来技術のように圧電結晶板を分割切断
し、これを接合して組立てる必要のないことから、加工
が非常に容易となり、より短い組立時間で従来のこの種
電気機械変換子と同様の性能および効果を有するねじり
振動型電気機械変換子が得られる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａは従来技術によるねじり振動型電気機械変換子
の構造図、第１図Ｂ、Ｃは、第１図Ａの圧電結晶板の構
造図、第１図りは、第１図Ｂ、Ｃの圧電結晶板の作成方
法の説明図、第２図、第３図は本発明によるねじり振動
型電気機械変換子の一例の構造図、第４図は第２図、第
３図の電気機械変換子の動作の説明図、第５図、第６図
は、本発明による他のねじり振動型電気機械変換子の動
作の説明図、第７図は本発明によるねじり振動型電気機
械変換子の他の例の構造図である。 １ 、３・・−・−金属棒；２ａ、２ｂ、２ｏ、２ｄ０
．。 °°°圧電結晶板；４，５・・・・・・信号入力端子；
６ 、７゜８・・・・・・電極；ｄ・・・・・・残留
分極方向あるいは特定の結晶軸方向。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 圧電気効果を有し分極方向が面内一方向である単一
   体構成の平板と、該平板の第１の面上に分割して該分極
   方向に沿って設けた第１の電極と、該平板の第２の面上
   で前記第１の電極に対応する部分に設けた単一のもしく
   は分割した第２の電極と、該平板の該第２の面に同軸状
   に結合した金属棒とを備えたねじり振動型電気機械変換
   子であって、前記平板は、第１の電極の分割した電極間
   に電気信号を印加した際に該分割した一方の電極と第２
   の電極との間及び分割した他方の電極と第２の電極との
   間にのみそれぞれ互いに逆方向の電界が生じるような厚
   さに選定されており、該各電界発生部に互いに逆方向の
   厚みすべり振動を発生させ、斯くして前記平板面に沿っ
   て非対称モードの厚みねじり振動を生じせしめるように
   したことを特徴とするねじり振動型電気機械変換子。