JPS5839014B2 - 黄銅の熱間鍛造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は黄銅を素材としてバルブなどの鍛造品を熱間
鍛造する黄銅の熱間鍛造方法に関する。

従来黄銅を素材として、例えばガス配管などに使用する
バルブなどを鍛造する場合、素材を６５０〜７５０℃に
加熱して熱間鍛造をした後、硝酸や硫酸などの処理液で
洗浄して鍛造品の表面を酸洗いする必要がある。

このため酸洗い工程で悪臭を発生したり、用済処理液の
廃棄などが新たな公害問題となっている。

この発明はかかる不具合を解消する目的でなされたもの
で、熱間鍛造後、プレス下死点において一定時間スライ
ドを停止することによって鍛造品の表面を金型により急
冷すると同時に、酸素との接触を断つことにより、表面
の良好な鍛造品が得られるようにした黄銅の熱間鍛造方
法を提供して、鍛造後の酸洗を不用としたものである。

以下この発明方法の一実施例について図面を参照して詳
述する。

図面はこの発明方法を実施すべき鍛造プレスの一例を示
すもので、ボルスタ１上にダイセット２を介して下型３
が装着されている。

ボルスタ１の上方にはプレススライド４が上下動自在に
設けられており、このプレススライド４下面にダイセッ
ト５を介して上型６が装着されていて、この上型６と上
記下型３の間でワーク７が鍛造される。

いま例えば６：４黄銅を素材とするワーク７を６５０〜
７５０℃に加熱した後、下型３と上型６の間に介在させ
てプレススライド４を上下動させ、下型３と上型６の間
でワーク７を熱間鍛造するとともに、鍛造完了とともに
スライド４を下死点において３〜１０秒間停止する。

これによって鍛造品は下型３と上型６の間で挾持されて
空気との接触が断れると同時に、下型３及び上型６によ
り表面が急冷される。

上記時間経過後再びスライド４を上昇させて、下型３（
または上型６）より鍛造品を取出すことにより鍛造を完
了するものであるが、得られる鍛造品は表面の光沢が十
分で黄銅製品として外観の良好なものとなり、従来のよ
うな鍛造後の酸洗を全く必要としない。

この発明は以上詳述したように、熱間鍛造後一定時間ス
ライドを下死点に停止して、空気との接触を遮断した状
態で鍛造品の表面を上下金型により急冷したことにより
、得られる鍛造品の表面はスケールなどの付着しない表
面の光沢及び外観の良好なものとなり、従来のような鍛
造後の酸洗を全く必要としない。

これによって酸洗などの経費を必要とせず、経済的であ
ると共に、悪臭や用済酸洗液の廃棄などによる公害を生
じるなどの虞れもない。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明方法を実施する鍛造プレスの一例を示す
概略図である。 ３は下型、４はプレススライド、６は上型、７はワーク
。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 黄銅を素材とするワーク７を６５０〜７５０℃に加
   熱して、これを下型３と上型６の間で熱間鍛造した後、
   プレススライド４を下死点に一定時間停止して、空気と
   の接触を遮断した状態で鍛造品の表面を上下型６，３に
   より急冷することを特徴とする黄銅の熱間鍛造方法。 ２ プレススライド４の停止時間を３〜１０秒の範囲と
   してなる特許請求の範囲第１項記載の黄銅の熱間鍛造方
   法。